えーと。
何ていうか、本番シーンはないんですが、結構いかがわしい表現とか出てくるんで。
エロ苦手な人は、本気で見ないほうがいいですよ。
あと、ARIAでエロは認めない許さん、という方。
精神の健康の為に。

平気な方のみ、スクロールプリーズ。
ちなみに、状況設定とか、そういうの一切ありません。
「灯里たんは頼み込まれるとやらせてくれそうだ」
のワンシーンをひたすら書きたかっただけなんで。
ノリは真面目ですが、管理人はあくまでギャグのつもりで書いてます。
「うわ、何、その台詞!馬鹿じゃーん!!」とか言って失笑してください。
というか、笑って頂けないと私が恥ずかしくて死にそうです。

では、どぞ。











































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「もみ子」
ぐぐっと。
いつになく真剣で、それでいて切羽詰ったような表情で。
不躾に距離を詰めてきた暁に、灯里は少したじろいだ。
「えっ、あ、暁、さん?どうしたんですか?」
彼に悟られないよう僅かに身体を後退させつつ、一応用向きを聞いてみる。
と。
がしっ。
強い力で肩を掴まれ、これ以上の身動きを一切封じられた。
「頼みがある」
妙に熱の篭った瞳でまっすぐに見つめられて。
一瞬だけ恐怖が過ぎった後、灯里の心臓はドクリと脈打った。
(え、え、え…っ。何、今の…)
胸がぎゅっとなるような感覚に戸惑いを覚えて。
決してこれが初めてではない。むしろ、暁と一緒にいるときは、いつもこの奇妙な感覚に悩まされている。
でも、ここまで強い衝動のようなものは初めてで。
何か言葉を発しようと口を開いてみるものの、声が出ない。
「もみ子…」
低い声。耳の奥から痺れるような。
そんな声で、そんな切ない表情で。
語り掛けないで。
「オレ、もう我慢できねぇ」
「…我慢?」
言葉の意味を図りかねてオウム返しに尋ねる。
すると、暁は一瞬ためらって。
意を決したように、軽く息を吐いて。
「暁さ、……っ!」
吐いた言葉は、出口を塞がれて完結することなく途絶えた。
一体何が起こったの。
息が苦しい。
目を見開いても、今の現状が全く理解できなくて。
大きな手のひらが、ゆっくりと自分の頬をなぞる感覚で、意識が覚醒して。
唇が、熱い。
触れている。
(…これ、キ…)
頭の中で浮かんだ単語を反芻する前に。
暁の指が頬からするりと首筋に滑る。
ぞくり。
思わず声を上げようと、口を開く。
しかし、それは暁の進入を容易に許す結果となり。
ぬるりと口内に侵入してくる熱いモノの存在に、灯里は更に目を見開くしかなかった。
それは、徐々に奥にあった灯里の舌を誘い出し。
優しく舌先をなぞり、かと思うと、激しく自らを絡みつかせて。
その体験したことのない甘やかな刺激に成すすべもなく。
「ん…ふ…ぁ」
次第に朦朧としていく思考を止めることもできず、暁の挙動に全てを任せるよう、灯里はゆっくりと目を閉じた。
鼻から抜ける息が妙にいやらしさを誘って。
舌先の感覚は更に敏感になり。
ぞく、ぞく、と、何かが駆け上がってくるような感覚がした。
と。
つ、と糸を引かせ、名残惜しげに熱い舌が唇を離れ。
自分のものか、暁のものか、それすらわからない荒い呼吸がやけに耳に響いた。
僅かに瞳を開けると、熱の増した瞳と目が合って。
また、ぞくりと、背中の芯が震えた。
「こういう、ことだ」
呼吸の合間から吐き出すような言葉。
耐え切れなくて、その真剣な視線から顔を逸らす。
(どうしよう)
頭の中がぐるぐるする。
(どうしよう、私、)
「もみ子、オレは」
ぎゅっと何かを堪えた表情で。
「お前とやらしいことが、したい」
どくん。
思わず顔を上げる。
切ない顔。見たこともないような。
「で、も」
必死に口を開いて言葉を紡ぐ。
何か言わなくては流されてしまう。
その真剣な瞳に。
「やら、しいこと…って」
想像して、一気に顔に熱が集まった。
「さっきの、キ、キス、みたいな…っ!?」
今しがたの余韻が残る唇に触れ、思い出し、ぶわっと奇妙な汗が噴き出すのがわかる。
「キスだって、あれが、初めてで…!わ、私…っ」
そうだ。
目の前に立っているのは、初めてキスされた人だ。しかも、あんな大人のキス。
あのぞくりとした感覚を、はっきりと思い出せる。
「やらしいこと、って、それって、あれ以上…」
地球にいたころ、ませた友達からちらりと聞いたことがある。
怖い。
怖い。怖い。
「だ、駄目ですっ!そ、そんなの…っ」
動揺して、灯里はぶんぶんと首を振る。
「もみ子」
あぁまた。低くて甘い声が耳を犯す。
それでも恐怖と気恥ずかしさとで、拒むことは止めない。
「っ!」
しなやかな腕が伸びてきたのが見えて。
それからすぐに、強く身体を抱きすくめられて。
灯里はまた、一切の動きを止めざるを得なかった。
「暁、さん」
彼の匂いが、する。
脳みそから蕩けるような。全てどうでもよくなるような。
「さっきの、嫌だったか」
耳元でぼそりと囁かれる。
また。
さっきの感覚が鮮やかに蘇る。
嫌、なんて。
少し躊躇したあと、灯里はゆっくりと首を振った。
すると、より一層抱きしめる力は強くなって。
「だったら、頼む」
少し、声が震えているかもしれない。
気付いてしまって、胸がきゅうっとなる。
「もう我慢できねぇんだ」
切羽詰った声。
「さっきのよりもっとやらしいこと、お前にしたい」
どくん、どくん。
心臓の音が煩い。
自分の音なのか、彼の音なのか。わからない。
「でも、でも…!」
上ずった声で必死に抵抗をする。
僅かに堪えている一線を踏み越えられたら、全て許してしまいそうで。
「私、そんなこと、したことないですしっ」
「オレだってないぞ」
「…っ。でも、あんな、キス」
「あんなの、勘だ」
「〜っ!でも、でも!暁さん、アリシアさんが好きなんですよね?なのに」
「〜まだわかんねーのかっ」
噛み締めるようにそう言って。
「どうでもいいヤツに、あんなことするわけないし」
ぎゅうっと、抱きすくめられて。
「…こんなになるわけないだろう」
そして、気付く。
『何か』が、お腹の辺りに触れている。
熱い。とても。
それが何なのか理解するまでに、数秒。
「……!!!」
「わかったか!オレは、本気だからな!」
本気。
あぁ、本気なんだ。
暁さんは、本気で、私と。
私と。
その言葉がぐるぐると頭の中で回り。
それが自分の奥底にある恐怖や恥ずかしさ、迷い、そんなものと一緒くたに溶けていき。
鈍った思考の中、ひと際に下腹部に感じる熱さだけ、鮮明で。
「暁さん」
何故だか泣き出したいような心地になり、名前を呼んでみる。
すると、暁はそれに応えるように灯里の髪をするりと梳いて。
僅かに身体を離し、その瞳を真っ直ぐに向けて。
「お前が、欲しい」
どくん。
「欲しい」
一層強く。
「もみ子」
名前を呼ばれたら。
膝が笑っている。ともすれば、崩れ落ちてしまいそうで。
何も考えられない。
もう、駄目かもしれない。
「頼む…」
もう一度強く抱きしめられて。
耳元で、甘く、強く。
「お前が、欲しいんだ」

最後の防衛線は、ゆっくりと崩れ去っていった。