# −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− # JAVA Novel Game Test Scene File 5-a もう少し教室 # −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− FG 1 GB town01.jpg G1 akatsuki02.gif 150 「そんなに…変ですか…?」 WAIT できるだけしゅんとした顔をして、暁さんの顔を見上げた。 W G1 akatsuki03.gif 150 心なしか暁さんの顔色が変わったのは気のせいだろうか。 WAIT 「精一杯のお洒落で髪の毛伸ばしているんですが…  変…なんですよね…」 WAIT 言っている内に、段々と自分でも気分が落ち込んできた。 WAIT 『もみあげ』と称されるくらいへんてこな髪型だなんて 今までよく考えたことはなかったけれど。 W いざ自覚してみると、無性に泣きたくなってしまった。 WAIT 暁さんに「変だ」と見られていると思うと、余計悲しい。 WAIT (……なんで?) G1 none WAIT 「…ぅぅぅぅぅぅぅ」 WAIT ふと聴こえた、犬が喉の奥で唸っているような音。 W 見回してもどこにもそんな姿は見当たらない。 WAIT 一通り視線を巡らせて戻ってくると。 WAIT G1 akatsuki05.gif 150 暁さんが汗だくになっていた。 W うめき声の発生源は、ここだった。 WAIT 「ぅぅぅぅぁぅああぅあぅっううううう…!」 WAIT 「あ、暁さん!?だだだ大丈夫ですか…?」 WAIT 尋常じゃない反応に、思わず軽く屈んで暁さんの顔を覗き込む。 W G1 akatsuki04.gif 150 すると、暁さんはさっと顔を紅潮させて目を逸らしてしまった。 WAIT 「だ、大丈夫だ。  ちょっと…その…言いたいことがまとまらなくてだな…」 WAIT G1 akatsuki07.gif 150 そう言ったきり、暫く目を伏せて黙り込んで。 W 流れに少しついていけない私を置いてけぼりに、暁さんは色々と 考えを巡らせているようで。 WAIT そしていきなり、ぱちっと目を開けた。 WAIT G1 akatsuki06.gif 150 「似合っている!」 WAIT 「……はひ?」 WAIT やっぱり流れについていけない。 W まるで全力疾走でもしたかのように肩で息をしている暁さんは、 ぷいっとそっぽを向いてしまった。 G1 akatsuki12.gif 150 WAIT 「だから…似合ってる、って…言っているのだ。  その…髪」 WAIT 未だに掴まれたままの髪の毛が、言葉と一緒に揺れた。 W それはいつもより格段にやさしい揺れで。 WAIT 「何だ、その…  挨拶代わりっつーか…  そう言わんとしまらねぇっつーか…」 WAIT 「だから、その…」 WAIT 頬が、段々熱くなってきた。 W やっと飲み込めた、「似合ってる」の意味。 WAIT 「変とかそういう意味じゃねぇ、よ!」 WAIT ぱっと手のひらが開かれ、遅れて髪の毛がぱさりと落ちた。 G1 akatsuki11.gif 150 W 何でだろう、名残惜しい。 WAIT G1 akatsuki13.gif 150 「…悪かった」 WAIT 消え入りそうな程小さな声で言われた言葉に、自然と口元が綻んだ。 WAIT 凄く心がわくわくしてる。 WAIT 違う、どきどきしているんだ。 WAIT 気付くと、ごつごつした大きな手を取っていた。 WAIT G1 akatsuki10.gif 150 「も、もみ子!?」 WAIT 「えへへ、何ででしょう。 W  こうしたくなっちゃったんです。 W  凄く凄く、嬉しい!」 WAIT 「…行きましょうか、日が暮れちゃいますよ」 WAIT G1 akatsuki13.gif 150 「…おぅ」 WAIT 2人ともきっと、とても赤い顔をしたままで。 W でも手を離すことなく。 WAIT ネオ・ヴェネツィアの街を、ゆっくり、ゆっくりと 歩いていった。 W GO conti.txt END