# −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− # JAVA Novel Game Test Scene File 5-b (1) 声をかける # −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− FG 2 GB town01.jpg G1 akatsuki02.gif 150 でも、今まで散々抗議しても無駄だったので、今回も諦めることにした。 W 何より、暁さんを怒らせると後が怖い。 WAIT 何とか『もみあげ』を奪取して、改めて気がついた。 G1 akatsuki08.gif 150 WAIT 「暁さん、遅刻ですよー!」 WAIT 時計を指差して声を上げると、暁さんは悪びれもなく笑った。 WAIT 「たかが10分程度だろう。気にすんな気にすんな! W  オレ様が兄貴と待ち合わせる時は、3時間待たされるのが常だっ」 WAIT どうだとばかりに胸を張られても、はぁ、としか言えない。 W 確かに桁が違う時間を待たされている人にとっては、1時間を越えない 程度なんて「待たせた」内に入らないのかも。 WAIT 妙に納得しかけて、はっと思いとどまる。 WAIT やっぱり腑に落ちない。 W 全く悪びれてないのが少しだけ悔しいので、ちょっと演技をしてみる。 WAIT 「……寂しかったんですよ」 WAIT 目線を逸らして、節目がちに、できるだけ悲しそうに見えるように。 W G1 akatsuki09.gif 150 ちらりと暁さんを見やると、少し固まったように息を詰まらせていた。 WAIT 「もし約束を忘れられてたら、どうしようかって…」 WAIT 調子に乗って、声まで震わせてみる。 W 仕上げに、思い切り悲しげな目でじっと見つめてみる。 W G1 akatsuki11.gif 150 そして無言の攻防。 WAIT まだまだ無言。 W もう少し。 WAIT ・ W ・ W ・ WAIT G1 akatsuki13.gif 150 「…わ、わかった、悪かったよ!」 WAIT 根負けした暁さんが、決まり悪そうに頭を掻いた。 W でもまだ演技を解いてはいけない。 WAIT まだまだじっと見つめる。 WAIT G1 akatsuki11.gif 150 「ぅ…じ、ジェラートでも奢ってやるから!  だから、機嫌を直せ!」 WAIT 期待通りの提案。 W 待ってました、とばかりに、表情を明るくする。 WAIT 「ホントですか!?  最近できたジェラート屋さん、とても評判がいいらしいんですよーっ  もうずっと気になってて♪」 WAIT G1 akatsuki10.gif 150 「な、さっきまでのはどうした…! W  貴様いつの間にそんな芸当をっ!」 WAIT 「…男に二言はない、って… W  暁さん、いつも言ってますよね…?」 WAIT にこっと笑いながら、噛み締めるように言う。 WAIT G1 akatsuki13.gif 150 「…もみ子、アリシアさんに似てきたな…」 WAIT そういう自覚はないけれど、そう言われてみればそうかもしれない。 W 暁さんにそう言われるのだから、余程なのだろう。 WAIT 「さて、確か新しいお店はこっちでしたっけ。  暁さん、行きましょうっ」 WAIT 「ったく…女ってのはこれだから…」 WAIT こんなこと暁さんにしか出来ません、とか。 W そんなことは、まだまだ当分言えないなと思うこの頃。 WAIT 少しだけ風が冷たくなってきた、 あるいつも通りの秋のこと。 WAIT GO conti.txt END