ホーカーシドレー ハリアーGR.1

ハリアーの製作はTSMCで4人の会員の競作となりました。約2年前、P1127、ケストレル、GR.1、複座型と各自別々のタイプを選び作り始めました。P1127を選んだT会員の作品はアルミ貼りの力作ながら真っ先に完成して、既にTSMCのホームページで公開しています。

私は最初の量産型であるGR.1を選び、加工が簡単なバルサ材で作り始めました。図面は世界の傑作機N0.111を参照しました。その他細部の情報はネットから集めました。ハリアーという機体は複雑な形をしていて、立体形状がなかなか把握できませんでした。エアフィックスの1/24 GR.1の胴体パーツを借りることが出来て、やっと形状が見えてきました。さらにタミヤのシーハリアー、ハセガワのGR.3を参考にしました。2年前に作り始めたのに長い間放置状態で、10月のTSMC1日展に出すことを決めて作業再開したのが9月の初めでした。

外から良く見えるエンジンファンを再現することにして、胴体をファンのところで分割。ファンの取り付けと吸入口ダクトの工作がやり易いようにしました。バルサは加工が簡単ではあっても正確な面やエッジを作ることが出来ません。そのためシャープなエッジが必要な箇所には航空ベニアやアルミ、黄銅などの材料を埋め込んでいます。水平尾翼は朴で作り直しました。

エンジンファンの工作。ハリアーのファンの写真を見るとブレードとブレードを繋いでいる部材が見えます。これを再現することにしました。ブレードはt0.3アルミ板を切って、上記ブレードを繋ぐ部材を差し込むための切れ目をピラニア鋸で入れてからひねります。ブレードを繋ぐ部材はコーヒー飲料のアルミ缶を輪切りにしたものです。写真左の左は組み立て用のゲージです。写真右は出来上がったファン、それを取り付けるケース、キャップ付きアルミ缶の肩の部分を利用したダクトです。

厄介なボルテックスジェネレーター。ハリアーの場合はすべてサイズが異なり、取り付けピッチが等間隔でなく、機軸に対して角度を持って取り付けてあります。部品はt0.2黄銅板にφ0.3の黄銅線を半田付けして作り、主翼に差し込みました。しかし形状が不揃い、ラインが乱れている、オーバースケールと良いとこなしです。

やっと塗装前の状態に漕ぎ着けました。翼下のロケットランチャーはアルミパイプを同心円状に束ねて接着したものを、ドリルの先に取り付けて円錐状に削りました。補助空気取り入れ口の蓋は差し込み式で、塗装時などに取り外しが出来ます。

ほぼ完成。可変ノズルはヒートプレスで作りましたが大きすぎて、水平方向に回転不能。作り直しが必要です。デカールはエアフィックスを参照してデータを作り、プリンタで印刷しました。モデルになったXV804は後にGR.3へ改造されたようです。

よく見る正面上方からの写真。装備品はパイロンに増槽とロケット弾、胴体下に30mmアデン砲を選びました。パイロットは取り敢えずプラモから流用しています。

ハリアーの脚は両翼の補助輪と合わせて4点で接地します。1点が浮かないようにするため、前脚のサスを可動にしました。前脚のフォークやその取り付け部材はアルミブロックからヤスリで削り出しました。

撮影用のスチレンボードは、背景のビルなどを隠すため傾斜させていますが、機体が滑り落ちないように翼端補助輪に車止めをしています。


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