| 外の円高・内の円安(2000年3月22日) |
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今後の外国為替相場動向の見方に対し、海外には、円高派が多く、一方、本邦の市場関
係者においては、円安派が多いように見受けられる。 海外円高派の見方は、第一に、日本企業の設備投資が昨年10/12月期に前期比4. 6%の増加に転じ、回復基調であることに注目しており、早晩ゼロ金利政策は解除され、 円の一段高をもたらすと予想するものである。 第二に、FRBは3月21日のFOMCで0.25%の利上げを発表したが、今年は、年間で 1%程度の利上げが行われるとの見通しのもとに、不透明感を増す米株式市場から日本株 への資金シフトが起ころうという予測である。第三に、通貨当局は3月の期末までは、介 入姿勢を強めるが、4月以降については介入で円高の動きは止められない、という指摘で ある。 上記海外からの指摘について私見を述べさせていただくと、第一の点については、今年 1月から3月のわが国GDPは、前期比+1.5%〜1.6%、年率で5〜6%のプラス 成長が見込まれるものの、その中身は、うるう年効果によるもので、まだ本格的な回復に は至っていないと思われる。99年度政府目標のプラス0.6%の達成は疑わしく、本格 的な景気回復にはもう少し時間が必要ではないか。 したがって、設備投資の回復がゼロ金利政策解除の引き金となり円高をもたらすという シナリオには、ゼロ金利政策の解除は時期尚早であり、現実的なシナリオとは見ていない。 第二の金利要因であるが、FRBの金利引き上げは米株高の軟着陸を模索している状況 にあり、金融政策を緩やかに引き締めて行こうとの意図に基づくもので、大幅な引き締め を目的としたものではない。したがって、米株式市場の暴落は避けられよう。一方、本邦 において4月から本格化する郵便貯金の大量満期資金(2000年度約53兆円 4月は 約11兆円)の相当部分が、金利差を求めて海外に流出するとの見込みであり、仮に現在 の家計貯蓄に占める外貨建て資産の割合を8%とすると、4兆円あまりの資金が海外に流 出することになり、これは円高の歯止め要因として見ている。加えて、4月以降の本邦機 関投資家による新規外債投資の活発化により、国内からの資金流出が優勢となりやすいこ とが指摘しておきたい。 FRBの金融政策面から見ると、「原油価格の高騰」によるインフレリスクが浮揚して いるだけに、ドル安によるインフレ圧力の増長は何としても避けたいところであろう。 第三の当局による介入であるか、確かに3月は本邦機関投資家等による外貨建て資産の 売却により円高に振れやすい地合いにあり、当局も105円を上回る円高には非常に神経 質に対処してきた。ドル円相場が、再度2桁を試すのではないかとの声も一部の海外勢か ら聞こえてくるが、現在の日米経済状況からみて、円にそれだけの力があるとは思えない。 さて、今後夏ごろまでの市場動向であるが、回復基調にある日本経済を背景に外からも 日本株買いはコンスタントに入り、本邦勢による外債投資との綱引きとなろう。しかしな がら、取引の持続性及び資金量から勘案、後者に軍配が上がるのではないかと見ている。 加えて、ヘッジファンドによる円キャリートレードの再開が見られれば、115円程度ま での円安は考えておくべきであろう。 昨年11月より始まったヘッジファンドによる円キャリートレード(円建て借り入れ、 円売却、外貨資産に投資…今回は主に原油に投資した模様)は、111円台を付けた2月 にいったん終了した。その後は、円買いドル売りにより円資金を調達、借入金の返済に充 てた。 ヘッジファンドの動きには、引き続き要注意であることを付言しておく。 |