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  <TITLE>２００５年、印象に残った本 </TITLE>
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<P><A HREF="../index.html">[TOP]</A> . <A HREF="yomo.html">[よもやま話の目次]</A></P>  

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<P>
<CENTER><FONT COLOR="#330099" SIZE=+3>２００５年、印象に残った本</FONT></CENTER>
<center>

<TABLE BORDER="0" CELLPADDING="5" CELLSPACING="2" WIDTH="90%">
<tr><td>
<P>　２００５年に読んだ本・著者で印象に残った物を紹介します。順番は読んだ時期の順です。

<HR ALIGN=LEFT>
</td></tr></table>

<P>
<TABLE BORDER="0" CELLPADDING="5" CELLSPACING="2" WIDTH="90%">

<TR>
<TD VALIGN="TOP"><P><B><FONT SIZE=+1>
○ナショナリズム ― 名著でたどる日本思想入門 / 浅羽通明 / ちくま新書 </FONT></B>(2004)<br>
<B><FONT SIZE=+1>○アナーキズム ― 名著でたどる日本思想入門 / 浅羽通明 / ちくま新書
</FONT></B> (2004)
<BR>
<p>・ 
いずれも、日本におけるその思想が生まれ育ってきた背景とその社会における存在を論じている。これらの思想に関する本を読んだことはあるが、それは思想の高尚な批評をするものがほとんどで、どうしても限られた観点からのものだった。本シリーズでは、それら思想の背景などを広くとりまとめ、現在の社会での役割を的確に示すともに、その分析の対象は本宮ひろしや松本零士の作品にまで及ぶ。<br>
「思想」というものを見る方法として新鮮な感を受ける本である<br>
</td>

</TR>

<TR>
<TD VALIGN="TOP"><P><B><FONT SIZE=+1>○国語辞書事件簿 / 石山茂利夫 / 草思社
</FONT></B> (2004)
<BR>
<p>・国語辞典を研究するといった本はいくつかあるが、この本はもしかしたら国語辞典の業界のタブーに触れている本かもしれない。何しろ、日本の辞典のスタンダードとなっている広辞苑の前身たる「辞苑」の語釈は「広辞林」と「言泉」のパクリである。そしてそうした事情が辞書編集者の間の確執を招き各辞書の「前書き」などの記述にもそれがうかがえるとか...。

<br>
</TD>
<TD VALIGN="TOP" ><img src="book05/kokugojisyox.jpg" width="100" height="141">
</td>


</TR>

<TR>
<TD VALIGN="TOP"><P><B><FONT SIZE=+1>○イラクの中心で、バカとさけぶ / 橋田信介 / アスコム

</FONT></B> (2004)
<BR>
<p>・イラク取材中に殺害された報道カメラマン橋田信介氏が生前に出した本である。日本の大手報道機関が危険として記者を引き上げてしまった後、どうしても現場に入ろうとしたジャーナリストである。少しもカッコイイことは書いてないのだが、報道記者としての根性はすごいと思う。そしてこの人をよく知っている夫人が、死に面しても全く取り乱さなかったことも理解できるような気がする。
<br>
</TD>
<TD VALIGN="TOP" ROWSPAN="2"><img src="book05/iraqx.jpg">
</td>
</TR>

<TR>
<TD VALIGN="TOP"><P><B><FONT SIZE=+1>○ウソ！ / 谷島一嘉  / アーティストハウスパブリッシャーズ

</FONT></B> (2004)
<BR>
<p>・世の中の科学関連の間違った認識を正すという本だが、内容的にはあまり突っ込んだものではない。しかも、所沢ダイオキシン騒動で厚生大臣がカイワレダイコンを食って見せたなんて ダイオキシンとＯ−１５７とごっちゃにした記述も出現する。えらそうにしていて、こういう間違いをしているのはかっこ悪いですね。
<br>
</TD>
</TR>

<TR>
<TD VALIGN="TOP"><P><B><FONT SIZE=+1>○学力の社会学 / 苅谷剛彦、志水宏吉 編/ 岩波書店
</FONT></B> (2004)
<BR>
<p>・子供の学力低下が問題にされ、ゆとり教育の見直しが打ち出されているが、この本は学力低下の実態を大規模に調査し、その社会的側面を考察した本である。統計・社会分析に関する知識が必要な本で、私も内容を全部読み通したとはいえないのだが、一般にはあまり語られていない学力低下の背景が指摘されている。<br>
　問題の学力低下は全体が平均的に低下したのではなく、親の学歴が低い/家庭の文化度が低い/家ではあまり勉強しない、といった階層では学力低下が大きく、その逆の階層は学力低下の程度が小さい。また、住む地域の差もあり、いわゆる同和地区の子供の学力の低下は他の地域より大きいという事実までも明らかにしている。学校での学習が勉強のほとんどを占める社会層は学力が低下し、自宅や塾での学習など学校外での学習意欲・サポートのある層ではさほどでもないということのようだ。「落ちこぼれのないゆとり教育」どころか、わからない子供はますますわからなくなり、学力の社会階層による差が拡大しているのだ。<br>
　とすれば、今考えられている｢発展的内容」といった上位の層に高度な内容を与えるという方針は本当の対策にはなっていないのではないかという気がする。

<br>
</TD>
<TD VALIGN="TOP">
</td>
</TR>

<TR>
<TD VALIGN="TOP"><P><B><FONT SIZE=+1>○イギリス発日本人が知らないニッポン / 緑ゆうこ/ 岩波アクティブ新書
</FONT></B> (2004)
<BR>
<p>・外国で伝えられるトンデモナイ日本の姿という記事などを見かけることは少なくない。この本もそういう類の本ではあるのだが、イギリスという国に焦点をあて、一般の市民の眼に触れる日本像はどんなものかが示される。確かに事実無根ではないのだが、興味を追い、そして自分たちの常識にあわせて解釈したという日本の記事が続く。逆にこうした記事を受け入れる「常識」が見えてくる。著者がいうように、イギリスの一般市民の日本に対する理解はこんな程度だし、逆に日本人のイギリス理解だって似たようなものなのかもしれない。<br>
　しかし、印象的なのは、イギリスで毎年行われる対日戦争勝利記念行事である。ヨーロッパ戦線の記念日には旧敵国との和解を呼びかけた女王は、日本の日には、兵士への感謝と追悼しか述べなかった。イギリスには戦争の憎悪を持ち続け、日本は野蛮国だと思っているいる人が少なくない。
そんなこと、日本人はほとんど知らず、唯一の被爆国、平和国家などと思っていたりする、そのギャップがこわい。

<br>
</TD>
<TD VALIGN="TOP"><img src="book05/banana-eng.jpg"><br>
<font size="-2">
同書より、吉本ばなな「キッチン」英国版初版表紙
</font>
</td>
</TR>

<TR>
<TD VALIGN="TOP"><P><B><FONT SIZE=+1>○英語襲来と日本人  えげれす語事始 / 斎藤兆史 / 講談社選書メチエ
</FONT></B> (2001)
<BR>
<p>・ 幕末の日本にアメリカが接近してきたとき、オランダ語しか知らなかった日本人通詞たちは、まともな資料などほとんどない中で必死に英語の習得をはかり、短期間に英語を身につけていった。他方、アメリカに漂着したジョン万次郎は、完全な英語づけの生活の中で英語を身につけ帰国したが、その英語は日本での外交交渉などにはほとんど役立たずだったという。<br>
その後、お雇い外人教師による高等教育から始まり、日本での英語への取り組みが変遷していく過程が記述されているのだが、こうした歴史をふまえつつ筆者は、英語を真につかいこなすには、文章読解と文法を重視した勉強が必要だとしている。こういう主張は時代遅れのようでもあり、何か新鮮な感じもする。<br>
現代の、「コミュニケーション主義」の英語教育については、「低級な英語使い」が増えるだけで、本当に英語を使いこなし英米人とわたりあえる英語使いは生まれないと評する。しかし私など、せめて低級な英語使いにでもなりたいのですが．．。
<br>
</TD>
<TD VALIGN="TOP">
</td>
</TR>

<TR>
<TD VALIGN="TOP"><P><B><FONT SIZE=+1>○アラビアの夜の種族 / 古川日出男 / 角川書店
</FONT></B> (2001)
<BR>
<p>・第55回日本推理作家協会賞受賞/・第23回日本ＳＦ大賞受賞。

原著者不明のアラビアの古伝書の英訳本の日本語訳（という設定になっている）。舞台はナポレオン軍の迫るエジプト。ナポレオンを打ち破る「災厄の書」がある、として夜な夜な物語られる驚嘆のストーリー。<br>
ちょっと簡単には解説できないし、読むにもある種の「基礎体力」がいりそうな長編である。
<a href="http://www.sf-fantasy.com/magazine/bookreview/020601.shtml">よそのサイトのブックレビュー</a>を紹介して終わりにしますが、印象に残る本であることは間違いなし。
<br>
</TD>
<TD VALIGN="TOP"><img src="book05/arabianightx.jpg">
</td>
</TR>

<TR>
<TD VALIGN="TOP"><P><B><FONT SIZE=+1>○写真ノ話 / 荒木経惟 / 白水社
</FONT></B> (2005)
<BR>
<p>・過激な写真家、アラーキーの語りをまとめた本。こうして一連の写真を見ると、アラーキーはモロ写真家だが、それは人をモロに扱うのだとわかる。どの被写体もカメラを強く意識している。こうした写真をとるには相当なエネルギーがいるし、そのエネルギーが写真にこめられていると言えるのだろう。<br>
巻末にトークセッションとして収録されている、闘病中の杉浦日向子を訪れ、語りながら写真を撮る過程の記録も印象的である。写真を撮るほうも撮られるほうも死期が近づいていることを知っていただろう・・。
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</TD>
<TD VALIGN="TOP"><img src="book05/ara-ki-x.jpg">
</td>
</TR>

<TR>
<TD VALIGN="TOP"><P><B><FONT SIZE=+1>○安田講堂１９６８・１９６９ / 島泰三 /  中公新書</FONT></B> (2005)
<BR>
<p>・　本書の帯には道浦母都子の次の短歌だけが印刷されている。<br>
　　　　明日あると信じて来たる屋上に<br>
　　　　旗となるまでたちつくすべき
<br>
私が大学に入った頃は、すでに残り火がくすぶっている時代だったが、炎の時代を書いた本や資料や目撃者は残っており、その時代をうかがい知ることはできた（と思う）。しかし、おそらく今の学生はこうした時代のことを知らないし、きちんと知るための資料もほとんどないだろう。<br>
筆者は在野の動物学者として何冊もの著書のある人であるが、自分が安田講堂に残り逮捕・投獄される道を選んだ経過を、今、書き残すべきだと思ったようだ。懐古談でなく、昔の怒りを持ち続けている本である。現代の学生に受け入れられるかどうかはわからないが、一度読んでみてほしい本である。<br>
単発本でなく、ある程度ロングセラーとして販売され続けるだろう中公新書の一冊としてこの本が出たことは価値あることだと思う。
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</TD>
<TD VALIGN="TOP"><img src="book05/yasudax.jpg">
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</TR>

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<TD VALIGN="TOP"><P><B><FONT SIZE=+1>○地図は嘘つきである / マーク・モンモニア / 渡辺潤訳 / 晶文社
</FONT></B> (1995)
<BR>
<p>・地図の雑学本を時々読むので、この本も雑学として読んでみたが、とても読みにくい。訳者が「気楽」にやったと後書きに書いているとおり、訳がやっつけ仕事なのだろう。<br>
「相関が否定的」はもしかすると「負の相関」ではないか？前者では相関がないようだし、後者では相関がある。
「統合された回路」はおそらく「集積回路（IC)」のことだろう。他にも意味のわかりにくい文が多い（詳しくは <a href="http://ironpen.exblog.jp/2969631">こちら</a> もご参照ください）。<br>
意味がわからないまま単語をとりあえず日本語に直したもののようだが、そうだとすれば大学の先生にしては恥ずかしいような気がする。「気楽」な態度と理系の常識のなさでこいうことになるのだろう。世の中の理系のリテラシー低下という話もあるが、先生までこうなのかと驚く。それともゼミの学生あたりの下訳をそのまま出した？<br>

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</TD>
<TD VALIGN="TOP">
</td>
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<P><A HREF="../index.html">[TOP]</A> . <A HREF="yomo.html">[よもやま話の目次]</A>
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