ここに掲載している内容は私が収集した情報をまとめたものです。内容も不充分ですし、誤りがあるかもしれません。また今後変わっていくと考えられます。その点をご留意の上、ご覧下さいね。<m(__)m> 2004年12月


子宮筋腫の新しい治療方法 集束超音波治療(FUS)とは
FUS゛ファス゛(MR guided Focus Ultrasound Surgery : MRガイド下集束超音波手術
2000年からアメリカやカナダなどの欧米を中心に行われており、世界で550例以上の実績。米国では2004年にFDA(米国食品医薬局)により、子宮筋腫の新たな治療法として承認。
MRIの画像モニターで患部を確認し、人体にはほとんど無害な超音波とMRIの磁力を用い、身体を切らず超音波のエネルギーを一点に集中させて、直接体内の患部を焼灼するという、新しい治療方法。メスで傷つけることなく、安全に手術を行えるのが特徴。入院も日帰り、又は1日などの短期入院。治療目的は、手術の必然性があるが手術を希望しない患者の筋腫による不快な症状の改善・緩和であり、他の子宮温存治療法と同様根治治療ではないので、再発の可能性も有り。


詳 細

■治療の流れ

治療前・・絶食(4時間)、腹部剃毛
(この治療は痛みも軽微であるため、特別な麻酔は必要としないようですが、、少量の抗不安薬や鎮痛剤を用いることはあるようです。)
治療時・・・尿影剤の点滴を行い、MRIの中で腹臥位で固定し、尿道カテーテルを留置。時間約3〜4時間。
治療後・・・治療後は数時間安静。(日帰り入院又は1日入院が主のようです)2〜3日後に通常生活に戻れる。
※他の手術に比べると、痛みは少ないようですが、治療中や治療後に軽度〜中等度の痛み、嘔気、気分不快などの症状があらわれることがあるようです。

■治療費用
現在は保険適応外で、全額自己負担。
(参考:私が検索した病院では1回の治療525,000円、サイズが大きい場合は2度に分けて手術を行う場合があり、2回の治療費は840、000円)

■治療適応
筋腫による月経過多、頻尿、重度の月経痛、腹部膨満感などの自覚症状があり、手術をする必要はあるが手術治療を希望されない方が適応。この治療の目的が筋腫をなくすことではないため、無症状の方は適応にならないようです。根治ではなく、症状改善・緩和を目的とした治療です。
表を作ってみたので、参考にして下さい。
適応 適応外
・子宮筋腫による月経過多や月経痛、頻尿などの不快な症状がある方
・手術の必要性があると考えられるが、手術を希望しない方
・子宮内膜炎のない方
・悪性疾患のない方(子宮癌・卵巣癌など)
・MRI検査が可能な方
・妊娠中・授尿中ではない方
・治療時のリスクがない方。(※)
・無症状の場合は原則として適応外
・粘膜下筋腫・背中に近い筋腫
・筋腫核が4個以上、直径10センチ以上の筋腫※
(※時間を要するので原則的には行わないようです。治療前に薬物療法などで筋腫核の縮小ができれば可能な場合もあるとの事。)
・子宮内膜症、子宮腺筋症、卵巣腫瘍、子宮癌
・MRIを受けることのできない方
(閉所恐怖症、気管支喘息、造影剤アレルギー、ペースメーカー装置)
※要相談・・・下腹部に大きなキズ(手術痕など)のある方、不安定狭心症・心不全、6ヶ月以内に心筋梗塞・脳血栓などにかかった方、重度の腎臓の病気、重度のぜんそく、重度の貧血のある方
★妊娠を希望される方・・・この治療はまだ歴史(2000年〜)が浅いため、FUS治療を受けた方の妊娠、分娩に関するデータがまだないようです。そのため妊娠・分娩への影響は不明ということから、妊娠を希望する方は適応外と記載されている病院もありました。ただ、治療後子宮や卵巣などの影響はないか、あったとしても非常に小さいと考えられていることから、将来の妊娠を希望する方にも治療を行う病院もあるようです。妊娠を希望される方は、必ず関係機関にご相談下さいませ。(この治療検討される方全てですが・・)


■治療後の筋腫
超音波によって焼灼された筋腫は、焼灼部分の出血性壊死が起こり、壊死した組織が体内に残りますが、感染等を合併しない限り特に問題になることはないようです。その後、筋腫核は徐々に縮小していくそうです。 何度も記載していますが、根治治療ではありませんので、再発の可能性はあります。
※この治療の歴史が浅いため、3年以上の長期効果については不明。
FUS治療後症状の改善率は約80パーセントという報告があるそうです。治療で自覚症状の改善が認められないものには、改めて手術を含めた他の治療法が必要になることがあります。


■危険性・副作用
治療中および治療後の早い時期に、稀に下記副作用がでる場合があるようです。
・腹痛、嘔気、発熱、皮膚の発赤、軽い火傷、背部痛、下肢の痛み(坐骨神経に沿う)、尿路感染、造影剤に対するアレルギーなど。

最後に、新しい治療法としてFUSを紹介いたしましたが、推奨しているわけではございません。この治療はまだ歴史が浅く、データも少ないため、リスクもあるかと思います。治療を実施している病院も限られており、保険も適用外です。この治療に興味ある方は、ネット検索などご自分で詳細をお調べになり、関係機関にご相談頂き、メリット・デメリッを十分ご考慮の上、ご選択頂きたく思います。
筋腫の治療法は多種多様。選択も人それぞれ。どうかご自分の筋腫の症状や状態、考え方にあった治療方法が見つかりますよう、祈っております。