・診断 子宮筋腫
・手術 膣式子宮全摘出術 560グラム
私の場合、毎年受けていた市の癌検診時に、まだ筋腫が小さい段階で発見されました。
発見時は3~4㎝くらい。翌年からエコーも導入され、より正確な大きさも把握できるようになりましたが、筋腫は5、7、9㎝と毎年確実に大きくなっていきました。医師のアドバイスは、出血量の増加や痛みなど、何か症状が出てきたら、病院の診察を受けるようにというものでした。
しかし、私は筋層内筋腫(筋腫が子宮の筋肉の中に埋まっているようなもの)で、痛み・出血もなく、これといった自覚症状は全くありませんでした。母が子宮筋腫の開腹手術で、その後癒着に苦しんでいたこともあり、また病院の事情もわからず、決めかねて、診察を受けに行くことはありませんでした。年齢も年齢ですから、閉経したら、筋腫が小さくなるのではとの、わずかな望みも持っていました。
ところが、筋腫の大きさがとうとう12㎝大となり、頻尿の症状も現れてきました。後でわかったのですが、直腸辺りの鈍痛も関連があったようです。
担当医(市の検診医)からは、筋腫の大きさはメロン大で、もう手術した方がいい、しかも今なら、まだ開腹せず、膣式で手術可能(最大スイカ大でも膣式で行われた症例有り)と、病院までもいくつか紹介していただきました。
閉経しても、おできみたいなものだから小さくならないこと、逆に大出血を起こす危険性があることを知らされました。それなら、もっと早くに手術を勧めて欲しかったと思いましたが、市の検診で当たった担当医によるものですから、仕方ありません。紹介状まで書いて下さったのですから、感謝、感謝です。(※200症以上の病院では紹介状がなければ初診料特定療養費が別途かかる場合があります。)
手術は交通の便利な市の中心部にある病院でして頂くことにしました。
入院期間は大事を取って、3週間の計画。(実際は17日間で済みました。)
入院後、術前検査の一つ、腎臓の造影剤検査で使用した造影剤イオパミロンにアレルギー反応を起こし、全身の痒み、扁平状の発赤が出たのは驚きでした。すぐに中和剤の注射を打ち、水分をいっぱいとる様に指示されました。またアレルギー性の喘息も心配されたため、家庭医から処方された吸入薬を持って手術室に向かいました。
手術は膣式ですから、下半身を主とした麻酔で上半身はうとうと程度。手術時間は正味40分程。しかし、術前の説明で癒着など状況によっては開腹することもあると聞いていたので、術後予備室に戻ってすぐ意識が回復し、開腹しなかったと聞き、ひと安心でした。
また摘出物の写真もしっかりと撮らせて頂き、唐揚げ肉の様に細かく切断された固そうな筋肉の固まりと、その量には驚きました。
術後は硬膜外麻酔をずっとしているので、傷の痛みを感じることは有りませんでしたが、膣口から子宮関連の臓器を引き出しての手術のせいか、生理痛の様な強い痛みが深夜まで続きましたが、翌朝には、それも治まり、ずいぶん楽になりました。
尿管もシリコンになり、以前感じた不快感もなくて良かったです。ただ、アレルギー体質のためだと思うのですが、抗生剤の影響でひどい下痢になったのだけは予想外でした。腸閉塞の心配があるので、すぐに強い下痢止めを使用できないためもあったのですが、、
入院生活は先生、スタッフ、楽しい仲間に恵まれ、楽しく快適そのものでした。退院時には、合宿終了のような寂しさも感じたものです。
術後一ヶ月半くらいに膣の奥に異物反応による肉芽組織(ポリープの様なもの)が出来き、硝酸銀で焼く(痛みは全くなし)ことはありましたが、卵巣は両方残っていて、その後これといった症状もなく、健康な毎日を送っています。長かった便秘も解消し、6ヶ月毎に卵巣癌検診にだけ通っています。
私よりももっと小さな筋腫でも、膣式を知らず、開腹しかないと勧められて開腹手術した方も身近にいるので、私は本当に幸運だったと有り難く思っています。
子宮摘出の喪失感よりも、毎日の不安から解放され、また、もし手術が遅れていたら、臓器への手術への癒着など、手術、回復も困難なものになっていただろうと予想されるので、決断して良かったと、今は感謝の気持ちでいっぱいです。
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