リーウィウス・アンドロニークス Livius Andronicus (284-204B.C.)
イタリアの中部のラティウム地方にいたラティーニーという種族が
紀元前7-6世紀に都市国家ローマを建設した。ローマは勢力を拡大し、
やがて南イタリアやシチリアなどのギリシア植民都市を勢力下に置き、
ヘレニズム・ギリシア文化を移入した。
アンドロニークスはギリシアのホメロスの叙事詩『オデッセイアー』を
ラテン語の児童用教科書として翻訳した。
また、トロイア戦争を描いた『アキレス』Achilles、
『アエギストゥス』Aegisthusなどの悲劇を書いた。
グナエウス・エナウィウス Gnaeus Naevius (270-199B.C.)
エナウィウスは『アンドロマケー』Andromache、
『トロイアの馬』Equus Troianus、『イーピゲニア』Iphigeniaなどギリシア劇を元にした7つの悲劇、
『クラスティディウム』Clastidium、『ロームルス』Romulus sive Lupusなど
ローマの古事や同時代のローマ人の生活を元にした「ガーブラ・プラエテクスタ」fabula praetextaと呼ばれる演劇を残した。
代表作はトロイアの英雄アエネーアースの伝説を挿入した叙事詩『ポエニー戦役』 Bellum Punicumである。
だが、社会諷刺を行って投獄され、最後にはアフリカへ追放された。
クウィントゥス・エンニウス Quintus Ennius (239-169B.C.)
エンニウスはラテン文学の父と呼ばれる詩人で、
悲劇『亡命のメーデーア』Medea Exsulと叙事詩『年代記』Annalesが主に知られている。
また、ホメロスの詩形ヘクサメテルhexameterを用いたこと、随想詩サトゥラエsaturaeのジャンルを開拓したことは
ラテン文学史上で注目される。
ローマは政治的・軍事的にギリシアを征服したが、文化的にはギリシアが優位であり、
サトゥラエはローマ人独自の詩歌として誇れる文学形式であった。
マッキウス・プラトゥス Maccius Platus (254-184B.C.)
ギリシア新喜劇の作者メナンドロスmenandros、ピレーモンPhilemon、ディーピロスDiphilosの焼き直した
風俗喜劇が数多く現存している。
典型的な筋は、色男の若者と遊女の恋愛事件の為に、若者の忠実な奴隷が狡猾な策謀を巡らして解決に導くといったもので、
その間に頑固な老人、大言壮語する軍人、粋を利かせた老人、居候などが活躍する。
現存する作品には、『驢馬』Amphitruo、『壷』Aulularia、『バッキデース』Vacchides、
『捕虜』Captivi、『クレルリオー』Curculio、『カシナ』Casina、『手箱』Cistellaria、
『エピディクス』Epidicus、『幽霊屋敷』Mostellaria、『メナエクムス兄弟』Menaechmi、
『ホラ吹き軍人』Miles Gloriosus、『商人』Mercatorなどがあり、
これらは『ローマ喜劇全集』(東京大学出版会、1976)に翻訳がある。
カエキリウス・スターティウス Caecilius Statius (219-168B.C.)
スターティウスの作品は42篇の題名しか伝わっていないが、当時は高い評価を得ていた。
プーブリウス・テレンティウス・アーフェル Publius Terentius Afer (195-159B.C.)
人物の優れた性格描写、上品さ、人情味の豊かさに特徴がある。
洗練されたラテン語ゆえにルネサンス以後、ラテン語の教材としても使用された。
処女作『アンドリア』Andria、『ヘキュラ』Hecyra、『われとわが身を責める男』Heauton Timorumenos、
『去勢奴隷』Eunuchus、『ポルミオー』Phormio、『兄弟』Adelphoeの喜劇6篇はすべて現存する。
マールクス・パークイユス Marcus Pacuius (220-130B.C.)
13篇の題名と500行の断片が現存する。そのうち12篇はギリシア悲劇の摸倣である。
ルーキウス・アッキウス Lucius Accius (170-86B.C.)
解放奴隷の身分であったが、上流階級の知遇を得て、ギリシア悲劇を模倣し、
ローマ最大の悲劇詩人だと言われていた。悲劇の他に、『教育資料』Didascalica、
『年代誌』Annalesなども書いたと伝えられるが散佚した。
ガイユス・ルーキーリウス Gaius Lucilius (180-102B.C.)
30巻のサトゥラエを書いたが、現存するのは断片で1400行のみである。
サトゥラエの事実上の創始者とされる。
マルクス・ポルキウス・カトー Marcus Porcius Cato (234-149B.C.)
ローマ史『オリギネス(起源論)』Originesは現存しないが、
ローマの国家的発展を称え、民族の誇りを強調し、ラテン散文最初の史書である。
現存するものでは『訓育集』Praecepta ad Filiumの一部だと推測される『農事について』De Re Rusticaがある。
この書では実務的な内容に加え、節約と勤勉を強調している。
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