◇小林文夫さん葬儀 AM11:00〜12:00 気分の晴れない一日だった。
◇先日、OECDの世界調査の結果、日本の学童の「考える学力」が降下し続け、10位くらいに下がったということが話題になった。文部科学大臣の答弁もあまり「考える力」を感じさせないものだった。哺乳類のほとんどは、子は、生きる術を親から学ぶ。くじらは泳ぎさえ親から学ぶ。わが国の学童の考える学力が低下しているというが、哺乳類全般から類推すると、こうした力に対して、学校より家庭の影響が圧倒的に強く、その責任は、学校よりも親にあるのでないかと思う。
◇私の体験では、家庭の影響が大きかった。私の小学1、2年生は戦時中で、天気予報というものがなかった。昔は、そんな便利なものがあったと父に教えられ、明日、明後日の天気を予測したくってならなかった。どうしたらわかるかを聞く私に、父は、「医者へ行って注射液の空いたカプセルをもらってきて、水を入れ口を下にしてつるすとよい。雨は低気圧のとき降るが、低気圧になれば、カプセルから水滴が滴下するはずだ」と教えてくれた。この天気予報装置が、原理的に正しいかどうか、いまだに知らないが、ともかく、すぐ近所の医者にいって訳をいい、何本もカプセルをつるしたが、予測に成功しなかった。
すると、父は、また、「隣の家の玄関には、馬のしっぽの毛をよじって作ったお天気予報の置物がおいてある。雨が降るときは、傘をさしたお人形がでてくる。お隣へ行ってしくみを見せてもらい、妹に頼んで髪の毛を少しもらい、同じものを作ってはどうか。馬の毛も女の子の毛も大してかわらない」と教えてくれた。これは、妹の了解を得られずに失敗。
つぎの私の要求に対し父は、「どこの地方にも天気を知る方法が昔から伝わっている。あの山に雲がかかれば雨、こちらの山に雲がかかれば雪などと言い伝えられている。お前も、周りの様子を観察して、そういうものを発見したらどうか」お陰で、天気についていろいろ観察するようになったばかりでなく、風向きや雲行き、体感の温度や湿度で、動物的に天気を予知できるセンスが身についたし、特に、昭和25年ジェーン台風で恐ろしい目に遭って以来は、台風予報を頭に入れ、雲行きや風向き、体感温度・湿度などでかなり的確に、いま、台風が、どこを通過しているかを予知できるようになった。
小学4、5年生のころは、ベルやモーターの原理を聞くと、教えてくれ、こうしたら大事なポイントをクリヤーできるから作ってみろといわれ、教えられた通り、自分でブリキ缶を切って、いくつも試作品をつくったものだ。いまも、自分で考え、自分で作るのが大好きだが、こうした態度は、学校よりはほとんど家庭で身につけたと思う。
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