ピエールとの軌跡

　ピエールとの出会いは突然だった。
1995年9月18日の昼下がり。
おいの飼っていたカブトムシ（スーパーカブ：名前）が死んでしまい、
庭に埋めてあげた直後だった。

　ふと足元を見ると、小さな小さなかめがいた。
こうらの裏側を押すと、まだやわらかかった。
きっとまだ生まれたばかりだったんだろう。
当時の大きさ、約2.5センチ。
買ってきたかめのえさも、食べられないくらい小さかった。

　ピエールはそれからみるみる大きくなった。
えさも大量に食べるようになった。
ほとんど底無し状態。
えさの入れ物を持つと暴れ出すありさま。

　そしてピエールの一番つらい時期、冬。
冬眠はなかなか条件を保てなそうなので、ヒーターを入れる。
しかしピエ、そのヒーターでやけどすること度々。
痛々しい。 そこで、手狭になったすいそうをひとまわり大きいものに代え、
ヒーターにカバーを取り付けた。

ピエールのコケ

　ある日ピエールをじっと見ると、こうらが黒かった。
もっときれいな色だったはずなのに、黒かった。
さわると、ヌルっとした。

　ためしに歯ブラシでこすってみると、落ちた。
そして黒く見えたのは、濃い緑のコケのようなものだった。
全体をこすり終わると、見違えたようにきれいになった。
びっくりした。（その様子はこちら）