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死者の個人情報の開示請求について、国の行政機関や東京都その他の多くの自治体では、法律・条例の解釈として「請求者自身の個人情報でもあると考えられるもの」「社会通念上、請求者自身の個人情報とみなし得るほど、請求者と密接な関連がある情報」ということでこれを認める一方、「(これら)にあたらない情報については、条例の解釈上、請求者自身の個人情報であるとみなし得るとまでは認めることはできないので、条例に基づく開示請求はできない。」としています。
そうすると、単に「死者の父母、配偶者、子だから」ということでは死者の個人情報の開示請求は認められないことになります(と思います)。
一方、「個別の事情により遺族等に開示することが適当であると判断される場合には、条例の手続によることができなくとも、可能な限り情報提供に努め、守秘義務の問題を含めて適切に対応することが必要である。」ともされています、
前段が長くなりましたが、ここで疑問があるのですが、「条例で開示請求権が認められていない者に対し、条例に基づかない情報提供ならば開示してもいいのか??」というものです。
条例で開示請求権なしとされるということは、その人には”個人情報を知らせてはいけない”といっていることと同じだと思うのですが・・・
情報公開や個人情報保護は単なる一制度ではなく、もはや行政法を構成する一要素であると思います(最近の行政法の本では、情報公開・個人情報保護について触れられています)ので、情報提供という行政サービスで行う場合でもこれらでの考えは崩せないのではと思うのです。
情報提供なら開示請求権のない人にも開示してよい、という理由が良く分かりません。
どなたか教えてください。よろしくお願いします。
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| Re: 死者の個人情報の提供 |
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Rえもん - 2007/07/08(Sun) No.4222
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以下、私の理解です。 まず、前提として、行政機関の保有する個人情報保護法や多くの個人情報保護条例における「個人情報」は、“生存する個人に関する”という限定が付いていますので、死者の情報は、保護の対象には含まれません(そして、開示請求権は、当該保護される個人情報の存在を前提としているので、死者の情報についての開示請求というものは原則として考えられません。)。 したがって、少なくとも、同法・条例に関する限り、行政が死者の情報(遺族等の個人情報に当たる場合を除く。)を取り扱う際に何らかの規制に服することはなく、第三者に情報提供(法・条例の枠外であるため、開示請求とは別次元の話になる。)をすることも可能であることになります。 もっとも、死者の情報は、通信・医療等に係る情報であれば、他の法令・ガイドライン等で保護されますし、憲法上のプライヴァシー権が認められる余地もあろうかと思います。 そこで、「個別の事情により遺族等に開示することが適当であると判断される場合には、条例の手続によることができなくとも、可能な限り情報提供に努め、守秘義務の問題を含めて適切に対応することが必要である。」という話が出てくるのだと思います。 いかがでしょうか。表現がわかりにくかったらすみません。
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| Re: 死者の個人情報の提供 |
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di_meola - 2007/07/09(Mon) No.4224
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Rえもんさん、ありがとうございます。
東京都の条例をよく見ましたら、「生存する個人に関する情報」となっていました。 確認不足ですいません。 個人情報を「生存する」個人に限定している場合は、Rえもんさんの説明のとおりだと思います。
ところで、当市もそうなのですが、個人情報を「生存する」者に限ってなく、むしろ死者の個人情報であってもこれを保護しようとしている条例の場合は、どうなのかな?という疑問があります。
具体的にはレセプトの開示なのです。条例では”生存する個人に関する個人情報”とはしていないが、要綱要領によりレセプトの開示を行うのですが、その要綱等で遺族(死者の父母、配偶者、子)はレセプトの開示の依頼ができるとして、遺族にレセプトを開示しています。結果的に、条例で開示請求権を認めていない人に使者の個人情報をお知らせしてしまう(遺族自身の個人情報であるとも考えられるもの等は除きますが)、これが認められる、許される、特の問題のないことだという理由が良く分かりません。
再度、皆さんのご意見をお願いしたいと思います よろしくお願いします。
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| Re: 死者の個人情報の提供 |
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Rえもん - 2007/07/10(Tue) No.4225
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死者の情報を含めて保護の対象とする条例の場合、それを保護の対象にしていない法・条例とは土台を異にするわけですから、同じ議論はできないですね(死者の情報を保護の対象としない法・条例の場合、死者の情報は、法・条例の枠外の問題として、要綱等で個別に対応できますが、保護の対象とする条例の場合は、条例そのものの問題となるため、条例外での個別の対応というのは、条例との抵触を免れないということになります。)。 そして、死者の情報を含めて保護の対象とする以上、併せて当該死者の情報の開示請求権者を定めない限り、開示請求はできないという結論になると思います(本件の場合、条例の一般的な委任規定に引っ掛けて、要綱・要領で開示請求権者を定めたのだと説明することも不可能ではないと思いますが、かなりアクロバティック?でしょうね…。)。 ところで、そもそも、死者の情報を保護の対象とする条例において、死者の情報に係る開示請求権者を定めないことが妥当なのかという疑問もあります。 死者の情報を保護しようという政策判断をする際に、死者の情報に係る開示請求権者を定めないということは、死者自身が開示請求できないことが明らかであることからすれば、事実上、死者の情報を絶対的に保護するという意思決定をしたと考えることができますが、そうまでして死者の情報を保護する目的はどこに求められるのかという問題が残るからです(死者の人格権を認める見解の帰結?)。 他方、死者の情報を保護の対象とする条例において、開示請求権者を定めるといっても、一体、誰を開示請求権者とすべきなのかという問題はあります。 単に死者の血縁者だから等の理由でこれらの者を開示請求権者にすることが、死者の人格権の保護につながるのかは疑問だからです。 結局のところ、開示請求権者を定めようと定めまいと、死者の情報の保護という問題には課題が多い…ということから、法は死者の情報を保護の対象とせず、多くの条例は、これにならったのだろうと思います。 本件における一つの解決策としては、条例において開示請求権者を「○○のうち市長が認める者」と規定し、審議会等に諮問し、開示・非開示を個別に決定していくという方法があると思います。 このようにすれば、死者の情報を保護の対象としない法・条例の場合と同様に個別具体的な対応ができる上、その根拠を条例に求めることができるということで理想的な形になるものと思います。 以上、とりとめのない書込みになってしまいました。すいません。
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| Re: 死者の個人情報の提供 |
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ran - 2007/07/10(Tue) No.4228
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di_meola さんの質問(レセプト)については、次のような取扱いができます。 Rえもんさんが指摘されているように、死者を開示請求権の主体とすることが制度上不可能であるので、死者の情報は定義上個人情報に含まれないものと解されています。 しかし、この死者の個人情報が遺族の個人情報となり得る場合があり「その場合は当然行政機関法制の開示請求の手続きに基づき、遺族の個人情報として請求することができる(行政機関等個人情報保護法制研究会の報告書より)」とされ、被相続人である死者の情報のうち、国立病院のカルテ等は、遺族の慰謝料請求等の医療過誤訴訟の準備のために、遺族の個人情報として積極的に開示されるべきであるとされています。 (参照引用:個人情報保護法 逐条分析と展望 青林書院)
従来は、医療過誤訴訟を前提とした証拠保全手続き以外には、患者には診療記録を見る機会はなかったのですが、1997年に旧厚生省に設置された「カルテ等の診療情報の活用に関する検討会」で少しずつ法制化の動きになってきました。それから1999年、日本医師会は、日本医師会の倫理規範の一つとして診療情報の提供に関する指針を発表し、改正を経て患者側の請求に応じるようになったそうです。 これが、死者の情報(カルテ)は、遺族の個人情報とみなされる根拠となっているようですが、現時点において厚生労働省に設置されている「診療情報の提供の在り方に関する検討会」では、個人情報保護法により開示請求ができることを理由として、医療情報の開示については、個別の法律が制定される可能性は低いそうです。
以上の点から、質問のレセプトの開示は行えるという結論ですが、いかがでしょうか?
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| Re: 死者の個人情報の提供 |
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県庁の流れ星 - 2007/07/11(Wed) No.4233
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とりあえず、まず、診療情報に限定します。結論から先に言うと、開示請求にしろ情報提供にしろ、遺族に対して死者の情報が知らされなければ、不都合なことが生じる場合があるので、実務としては、いずれの方法にせよ開示せざるを得ないと思われます。 ちなみに、厚生労働省は平成15年9月12日付け「診療情報の提供等に関する指針の策定について」の「9 遺族に対する診療情報の提供」の項目の中で、診療記録の開示を求め得る者の範囲を「患者の配偶者、子、父母及びこれに準ずる者(これらの者に法定代理人がいる場合の法定代理人を含む。)とする。」としています。 レセプトを遺族に情報提供する場合の理屈としては、「遺族に対しても診療情報は知らされるべき」というこの指針の趣旨を踏まえたということでどうでしょうか。 次に、一般論です。 皆さんもお悩みのように、やはり本来は、死者のどういう情報について、どの範囲の者までが請求できるのかということは、法又は条例で明確に規定されるべきと思います。 残念ながら、平成19年6月29日の内閣府国民審議会個人情報保護部会の「個人情報保護に関する取りまとめ(意見)」の中でも「死者に関する個人情報の保護の在り方」について問題点は指摘されるされているものの、「死者に関する個人情報の保護については、現在、医療・介護分野ガイドライン及び診療情報指針において、所要の措置が講じられていることから、その運用を注視していくことが適当である」として、個人情報保護法の改正は、見送られています。 ちなみに、当市の条例では、個人情報を「生存する個人」に限定しておりません。また、死亡した者に係る個人情報が開示請求できる者として、「相続人その他当該死亡した者の法的地位を承継した者」を条例で規定しております。
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| Re: 死者の個人情報の提供 |
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Rえもん - 2007/07/11(Wed) No.4236
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少し疑問がありますので、よろしければ御教示ください。 本件では、レセプト情報のうち、遺族等の個人情報として整理できないものを、条例の根拠なく遺族等に開示できるのかという点が問題なのだろうと理解しております。 この点について、ranさんの見解は、そもそも、本件の前提である「遺族等の個人情報として整理できないもの」は存在しないと整理した上で、全て遺族等の個人情報として開示できるとする見解と解してよいのでしょうか。 また、県庁の流れ星さんの見解は、少なくとも診療情報については、国の指針は、条例を破り得るとする見解と解してよいのでしょうか。
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| Re: 死者の個人情報の提供 |
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県庁の流れ星 - 2007/07/12(Thu) No.4239
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少し説明が足りませんでした。国の指針は、直接的には民営、公営を問わず医療機関に対し、この指針を遵守するよう「要請」したものです。そして、この指針は、自治体に対しても遵守されるよう要請がされていると思われます。 国としては、指針の遵守のために「個人情報保護条例を破ってでもやりなさい」という理屈ではなく、「指針の内容を遵守できるよう条例の規定の中で解釈を考えてください。」あるいは、「条例の規定の中で解釈上無理があれば、条例外の手続きで対応を考えてください」ということではないかと思われます。
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| Re: 死者の個人情報の提供 |
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ran - 2007/07/12(Thu) No.4245
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「遺族等の個人情報として整理できないもの」は存在しないという部分ですが、あくまで診療情報に限定して解答したつもりでした。すみません。 (最初の質問が診療情報に対する死者の開示請求だったので・・・) それから、医療に関する指針が出ていいるので、例え条例中に生存者の情報に限る規定を設けていても、県庁の流れ星さんのと同じように、開示に対しては特に問題ないのではないのではないかという意見からの書き込みでした。 診療情報以外の死者に関する開示としては、Rえもんさんの解答のとおりだと思っています。 それから、その他の個人情報の取扱いについては、県庁の流れ星さんの解答でも言われているように、内閣府が設置している国民生活審議会が出している個人情報保護に関するとりまとめに準じて行えばいいのではないでしょうか。 ちなみに、国においては事業等を所管する各省庁において、平成19年5月31日現在で、22分野について35のガイドラインがだされているようです。
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| Re: 死者の個人情報の提供 |
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Rえもん - 2007/07/13(Fri) No.4247
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県庁の流れ星さん、ranさん、ありがとうございました。 お二人とも、診療情報については、指針の内容を遵守できるような条例の解釈により開示をすべきであり、また、条例の規定の中で解釈上無理があれば、条例外の手続で開示をすべきと考えられているものと理解しました。 その場合、本件では、指針の内容を遵守できるような条例の解釈というのは、どのような解釈になるのでしょうか(診療情報については、条例改正により開示請求権者を定め、又は条例の委任に基づき開示請求権者を定めるまでもなく、遺族等は開示請求権者になり得るということでしょうか。) また、本件において、条例外の手続で開示をすることが可能とお考えなのでしょうか(この結論は、診療情報は条例の保護の対象外であると考えない限り導き出せないと思うのですが…。)。
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| Re: 死者の個人情報の提供 |
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ran - 2007/07/17(Tue) No.4263
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おっしゃるとおり保護の対象外という印象を与えかねないような解答で申し訳ありませんでした。 わが市の実情から申しますと、死者に対する個人情報の開示に関する規定が条例中なかったときの話ですが、診療報酬等で明らかに国の指針がでているものなどについては、仮に生存する個人情報の保護を盾に非開示の決定をしたとすれば、不服申立てが出た場合では、開示請求者に納得の行く解答もできないし、市側に分がないという点で、情報の開示については事例や判例などに基づき開示し、また条例の規定が不十分であれば逐次改正していくような扱いにしています。 もちろん、指針が出ていないものについては、条例どおりの運用ですが・・・。 ちなみに、うちではこの死者の個人情報の開示(財産、慰謝料請求等に限る。)に際して、開示請求できるものとして、条例を改正し、相続人等の規定を設ける改正を行いました。 不十分な解答かも知れませんが、最初の解答で述べたように法の逐条解説で診療報酬については遺族の個人情報として請求できると解説してあることからも、例え条例中に規定がなかったとしても、裁判で争われるとすれば、開示の決定がなされるだとという判断です。
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