■同志社大学のキャンパス整備事業の現況 (”One purpose” 同志社大学通信4月号より抜粋)

「同志社大学では現在、<今出川校地と京田辺校地における教学体制の再構築>を根幹とする中長期計画に沿って、2013年度をゴールとするキャンパスの整備・再構築事業を展開している。従来の今出川・京田辺校地で展開してきた学びのかたちは、今出川キャンパスが文系学部、京田辺キャンパスが理系及び文理融合学部の拠点となる新しい形態へと変わる。2004年にスタートした改革は、現在最終フェーズに入っており、特に今出川キャンパスでは教育効果を更に高めるため、学習空間の再設計を狙った新施設の建設が進んでいる。」

<キャンパス再編の背景>
 1986年に京田辺キャンパスを開設して以降、同志社大学は大きく今出川と京田辺の2校地を基本とした教育体制を構築してきました。京田辺キャンパスの新設は、京都市内での大規模校舎の新設が規制されていたこと等がありましたが2002年にその法律が廃止されました。また京都市の繊維技術センタの移転跡地の譲り受けが決定、2010年には同志社中学校の岩倉移転など、内外環境の変化を受け今出川、京田辺校地の再編を柱とした教学体制の再構築に着手しているのです。
<キャンパス再編の具体像>
 従来、学部横割り型の教育を展開していた2校地体制では、大半の文系学部で1・2年次は京田辺、3・4年次は今出川と、学年の進行と共に通学する校地が変わるというデメリットがありました。再編計画ではこれを改め、学部教育を一つの校地で一貫させることで、より高い教育効果を得ることを目指しています。
 具体的には、同志社中学校の跡地と繊維技術センター跡地に新校舎を建設し、文系学部の神、文、社会、法、経済、商、政策の7学部すべてが、今出川において1年時生から4年次生まで、一貫して教育・研究を行える体制を実現します。
 従来の横割り型ではなく、より理想に近い学部ごとの縦割り型による2校地体制となる事によって、キーワードで言えば理系学部中心の京田辺は<生命、先端技術、情報、文理融合>、文系学部が集積する今出川は<国際主義、リベラルアーツ>という言葉で彩られることになります。
<教育改革の今後につぃて>
 大学には2つの社会的使命があります。一つは<最先端の知識を享受すること>。もう一つは<人間としての人格形成を行うこと>です。2校地体制を推進する事によって同志社大学の学生、卒業生としてのアイデンティティの確立が新たな課題となっていますが、本学では開校以来、キリスト教主義に基づいて人格形成の教育を行ってきた歴史があります。今後もキリスト教主義を基盤とした徳育教育をより一層強化していきます。
 新島襄の同志社建学の精神、ゆるぎない教育理念「キリスト教主義」「自由主義」「国際主義」に基づく「良心教育」を継承し、未来を担う人物の育成に努めてまいります。

 ■今出川キャンパス
    同志社中学校移転後跡地に建設される新校舎
    地下2階、地上5階、建築面積約8,000u、延べ床面積約4万u
    教室、研究室、自習室、福利厚生施設、ラーニングコモンズ(日本最大級)など
    2012年11月完成予定

    2013年4月から文系7学部の一貫教育が始まる。
    対象学生数は、約2万人(大学院生含む)

    新校舎の1階には、食堂・コンビニ、書籍、文具、トラベルコーナー等
    又、地下鉄「今出川駅北改札口」との連絡通路も出来る予定。


 ■烏丸キャンパス
    京都市・産業技術研究所繊維技術センター移転跡地に建設
    地下1階、地上3階、敷地面積7,700u、延べ床面積1万6,800u
    教室、研究室、自習室、福利厚生施設、ラーニングスタジオなど

    教育理念「国際主義」のシンボルとしての役割を担う。
     大学院(総合政策科学研究科、グローバルスタディーズ研究科)
     国際教育インスティテュート(2011年4月開講)
     国際地域文化学部(仮称、2013年4月開設予定)