帰国しました。
 歩きすぎて両足にマメが4つもできるわ、風邪引いて吐きそうに
なるわ、さんざんでした。
 では恒例の報告です(笑)

■ベルギーはいいっ■

 ブリュッセルのスポーツバーで対ベルギー戦を観戦していました。
最初どんな反応かなと思っていたのですが、これが実に友好的。日
本の国歌斉唱はもちろん、選手にもブーイングはなし。小野が写る
と「あ、フィエノールの奴だ」と指さしたり(ベルギーはオランダ
の隣国)。もちろん皇太子にもなし。唯一のブーイングはトルシェ
が大写しになったときだけ(笑) フランスに対して複雑な感情が
あるのでしょうか。

 ちなみに途中、アレックスが出てくると、他の選手とは明らかに
違う風貌にベルギー市民も「あいつはなんだ」と驚愕(笑) 私は
「ブラジル人なんだよっ」と自慢してやりました。

 バーで日本人がいると知ると「おお、いっしょに観ようぜ」と輪
に入れてくれるし、ビールまで奢ってくれました(笑) 途中、ベ
ルギーが2−2の同点に追いついたとき、若い奴が私に中指立てて
きたけれど、私の隣に座っていたおじいさんが「そんなことするな
っ」と叱りとばたら、そいつは「ごめんなさい」と謝ってきました。

 夜にベルギーのW杯特集番組観ていたら(なぜかキャスターの後ろ
に日本語で「ようこそ」と書かれた垂れ幕がかかっている)、稲本
の2点目のシュートを繰り返し放送して「トレビア〜ン」と絶賛し
ていました。

 なかなかできることではありません。町中で「赤い悪魔」の格好
した女の子が私をを見つけて「あ〜日本人がいる〜」とばかりに笑
いながら指をぐるぐるまわしてきたり、対戦したおかげで、しかも
イーブンに戦えたおかげで、ベルギーの人も日本にとても関心を持
ってくれたみたい。

 サッカーは「国と国との戦争」とかいうが、私は「国と国とのセ
ックス」といいたいね。いや、してないけれど(笑)


■ひるがえってフランス■

 なんかこう、日本その他の国を下に見ようという底意地の悪さを
感じる。『みんな一緒に』というサッカー番組では、女性レポータ
ーが築地市場をレポート。

 ところがなんと、そのレポーターが冷凍マグロの上に腰掛けてい
るではありませんかっ。

 冷凍マグロといえば日本人の心。その上にケツを乗せるとは言語
道断です。しかもアジア系の男性を「寿司職人」と紹介していたの
ですが、あきらかに様子がおかしい。シャリだけを握り飯のように
握って、その上にマグロの切り身をペッタンと乗せるのです。寿司
職人どころか寿司を食べたことのない人間でしょう。しかもレポー
ターがお寿司をつまもうとすると、「アチョー」とか言って変なカ
ラテじみたポーズで脅すし。

 パリ市内に張ってあるW杯のポスターも変。
http://www.hi-ho.ne.jp/deptrai/su005.jpg)みなさんにもぜひ考え
て欲しい。


■そんなわけで、フランス■

 もう初戦のセネガル敗戦に、私、「うぷぷ」と笑いをかみ殺すの
に必死でした。2戦目のウルグアイ戦もパリ市庁舎前の広場で見て
いたのですが、アンリのレッドカードに思わず「いぇーい」と拳を
突き上げてしまいました。

 旅行中に「フランスがピンチで、パリ市民は落ち込んでいるか」
というメールを貰いましたが、正直、わかりませんでした。だって
パリって、ベルギーもそうだけれど、いろんな国の人が入り交じっ
ているんだもん。

・ホテルのカフェのウェイターはスリランカ人で、「昔の同僚が日
本人の女と結婚した」と名刺見せてくれたり(「お前もがんばれよ」
と励ましました)
・新宿ゴールデン街の飲み屋みたいなバーで知り合ったドイツ人の
老人から「君はアーリア人についてどう思うか」と尋ねられたり
(38年間の人生でアーリア人について1秒も考えたことがなかった
ので、微笑みながら小首を傾げて両手を広げたら、なんか納得して
くれた)
・ぶらりと入ったカフェの店員がチュニジア人で、注文聞く前に
「今度、お前のところと勝負だ」といきなり笑顔で挑戦状叩きつけ
られたり(「がんばろう」と握手しました)

 などなど、ようするに白人との会話ってあんまりなかった。


■でもパリの女性は■

 前回の旅行で、「フランスの女性は私に親切だ」と書いたが、今
回も自信を深めた(笑) また道を聞いたら丁寧に連れて行ってく
れたし、バーでフランス在住のアメリカ人女性に興味津々という感じ
でものすごく話しかけられたし(笑)

 極めつけはギメ美術館。ここは東洋美術館なのでほとんど日本人
は来ないのですが、意外な穴場。
 ここの地下のお土産売り場に、若いフランス人女性の大の日本党
がいるのです。日本語で
「来月、東京に遊びに行くの〜楽しみぃ〜きゃぅぅぅ」
 とか、まるで竹下通りに修学旅行に来た田舎の女子高生のような
反応を見せられました。
 日本の女性なら誰でも憧れるパリ市民に、「東京に行きたい」と
言われるとは思っても見ませんでした。まあ一応、「東京に来たら
連絡ください」と名刺を渡しましたが(笑)

 そんなわけで、パリはまたしばらくいいや。歩くの疲れるし(笑)

02年パリ・ベルギー報告

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