はじめに
日本全国をほぼ網羅して伸びる国道たち。ドライブするのにただ漫然と走っているだけでは勿体無い。
というわけで、ここで取り上げたのは「標高の低いところを走る国道」。
ただ、そういう比較を今まで目にした事がない。国道の海底トンネル部分が標高低そうなので、ここで
筆者が把握しているものを書き出しておく。
      1.東京湾アクアライン(国道409号)〔神奈川県/千葉県〕・・・水面下約60m
      2.関門国道トンネル(国道2号)〔山口県/福岡県〕・・・水面下約56m
      3.東京港トンネル(国道357号)〔東京都〕・・・(施工検討中)
ここではその中で、関門国道トンネルを紹介する。

「国道2号(関門国道トンネル)」の位置
■所在地:山口県下関市/福岡県北九州市門司区

訪問レポート
■訪問日:1999年4月29日/2000年8月12日/2004年8月7日


下関側のトンネル口。フグが2匹
下関側のトンネル口。フグが2匹
ここは本州と九州の間、関門海峡。ここにはあの有名な宮本武蔵と佐々木小次郎が闘ったという巌流島(正式名は「船島」らしい)がある。決闘したのはいつなのか諸説があるらしいが、今から200年以上前のことらしい。ちなみに巌流島については、下関市観光産業部がWebサイト「巌流島ホームページ」を開設されているので参照して欲しい。

関門海峡は、一番狭い部分で幅600mほどだという。この部分に橋やトンネルを造り、本州と九州をつなごうと言う発想は自然に出てくると思う。前者は高速道路の関門橋として、後者は今回紹介する関門国道トンネルとして実現された。ちなみに新幹線もこの近くをトンネルで通過するが、JR山陽本線はここから南西約4キロ離れた部分をトンネルで通過している。

さて、関門国道トンネルに目を移そう。
関門国道トンネルに着手したのは、なんと太平洋戦争前だという。戦前から海底トンネルの“構想”があったんだと感心していたら、JRの関門トンネルは1942年、すなわち戦前(というか開戦年だけど)には“完成”していたらしい。技術と物量の圧倒的な差で日本は連合国に敗戦したが、戦前より海底にトンネルと掘るという素晴らしい技術を日本は有していたのだ。
その「素晴らしい技術」を用い、戦中戦後に工事中断があったものの、1958年3月に関門国道トンネルが開通した。2008年で開通50年を迎える、歴史を刻んできたトンネルだ。

トンネルは二重構造で、上部は自動車が走り、下部は歩行者が通れるようになっている。長さは約3500mで、深さは最深部で海面下約56mに達するという。ちなみに通行は有料で、普通車は200円(平成12年現在・・・平成18年には150円に改定)である。

まずは車で、山口県側からトンネルに入る。中国自動車道の下関インター付近を通過すると、程なくトンネルの料金所に到着する。料金所を抜けると、坂道を下りながら関門国道トンネルへ突入だ。トンネル口壁面には、地元名産の“フグ”の絵が2匹かわいく描かれていて心が和む。
トンネルの中に入っても下り道が続き、半分ほど進むとやがて道は平坦になる。この部分が、最深部を走っていることになるのだろう。カーナビの現在地画面で海底を走っていることを実感しながら、やがて道は上り坂に転じ、福岡県側のトンネル口に到達する。

福岡県側のトンネル口には、名産の“フグ”が大きく口を広げいる絵が描かれている。これは楽しいぞ。福岡県側からトンネルに入る時に、「フグに食べられる〜」って子供達に受けるかも。

さて、今度は下部の歩行者用トンネルを歩こう。
下関側の車用トンネルとは数キロ離れた、関門橋の真下、国道9号沿いに歩行者用トンネル(人道)の入口がある。入口がある建物の横に20台ほどの乗用車が停められそうな駐車場があり、そこに車を停めてトンネルへ向かう・・・向かおうとしたけど、同行の子供は車中で爆睡中。寝たばかりだったこともあり、起こしたら不機嫌になるだろうということで、申し訳ないが妻と息子を車に残すことにして、ひとりトンネルに向かった。

建物入り口はエレベーターになっており、それに乗って地下へ向かう。ちなみに人道は歩行者以外にも原付(50cc以下)や自転車も通行可である。気になる通行料だが、原付や自転車は20円で歩行者は無料である(平成16年現在)。なお、原付はエンジンを切ることが求められているので注意したい。

エレベーターで30秒ほど降下すると、地下の広い部屋に到着する。部屋の一角から通路が出ており、それがそのまま関門トンネルの人道となっていく。対岸の九州・門司側まで長さ約780m、深さ海面下約56mの海底通路である。

まっすぐな道だからか、開放感のないトンネルだからなのか、数百メートルの道のりも不思議と長く感じる。やがて人道の真中ぐらいで、通路床と壁に「山口県」「福岡県」と書かれた地点に到達する。そう、そこが本州と九州の境界だ。そのまままっすぐ進むと人道の門司(九州)側の入口に到達するわけだが、妻と子供を車に残してきたこともありそこでUターンした。

Uターンする際に妻に連絡をしようとふと携帯電話(au by KDDI)を見ると、見事に圏内(それも電波強度MAX)になっていた。海面下56mで携帯電話が通じる場所って、そんなにないんじゃないかな?
トンネル内を走ります。一番低いあたり?
トンネル内を走ります。一番低いあたり?
門司側トンネル口。フグが口を開いてます
門司側トンネル口。フグが口を開いてます
トンネル人道入口。背後は関門橋
トンネル人道入口。背後は関門橋
(ポインタon)エレベータを利用します
関門トンネルの断面図。歩道は車道の下
関門トンネルの断面図。歩道は車道の下
エレベータを降りてからトンネル人道へ
エレベータを降りてからトンネル人道へ
(ポインタon)人道はまっすく進む
ここが本州と九州の境目。もちろん海底です
ここが本州と九州の境目。もちろん海底です