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はじめに
日本全国を張り巡らす「国道ネットワーク」。その中には厳しい地形のために、ある道は車の通行が不能となり、ある道は近年になり長大トンネル等により難所を克服した。そういう難所を進む国道達 を当サイト管理人(筆者)がセレクトし、訪問の上で紹介するのがこの「国道難所」である。 本当の難所越え国道は道自体が廃道になっている所が多いが、ここでは車での到達が容易な場所 に絞っている。バイパスの工事などでレポートしている状況に大きな変化が生じると思われるが、 「国道難所」をお楽しみいただきたい。 今回は日本海側の「天下の剣」と言われる、国道8号「親不知」を紹介する。 なお、あわせて〔スポット1〕〔スポット2〕もご覧頂ければ幸いである。 「国道8号(親不知)」の位置
■所在地:新潟県糸魚川市(旧青海町)![]() 訪問レポート
■訪問日:2007年8月1日/2008年11月 3日![]() |
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![]() 山肌を洞門で守られた国道が走る (ポインタon)そして洞門は長く続く |
富山平野を走る国道8号。広々とした平野を東へ車を進める。 新潟県に接する富山県朝日町に入ると、海沿いに走りながらも目の前に山が迫る。やがて「山」は国道やJR北陸線を海沿いの狭い平野部に押しやってしまう。 それでも国道は県境まで、集落を迂回するため一部はトンネルをくぐるものの、狭い平野部をお天道様のもと走っている。だが県境を過ぎ新潟県糸魚川市市振地区を過ぎると、その「狭い平野部」もなくなる。山々は急峻な崖を伴い海へ落ち込み、その地形は人間たちの通行を禁ずるが如く厳しい。だが人間たちの英知は、そういう地形にも道を通した。国道8号は山肌を洞門(ロックシェッド)に守られながら、大自然がもたらした通行禁止部分をも突破していく。 日本海側の「天下の険」と言われる『親不知(おやしらず)』を富山側から訪れると、こんな感じのドライブとなる。そこから数キロの間、洞門に覆われた区間と開放区間が交互に現れる。また国道は地形に沿う形でカーブが連続しており、もしハンドル操作を誤ることがあれば、洞門の壁に激突するか日本海ダイブするかもしれない。周りが洞門に覆われることによる視野の圧迫感も手伝い、運転にはやや強い緊張感を強いられる。 今回紹介する『親不知』は、“日本の屋根”といえる日本アルプス(北アルプス)の北端が日本海に没する場所である。そのため前述のような厳しい地形となっている。トンネルやロックシェッドを作る技術を持たないその昔、人々がこの親不知を通過するのに大変苦労したようで、『親不知』という地名の“いわれ”となる悲しい話も伝わっている。 国道をしばらく走り、その名も「天険トンネル」というトンネルを抜けた先1キロほどの所に展望台と駐車帯があり、そこには『親不知』の“いわれ”について書かれてある。それを要約すると #波打ちぎわを通るときには親は子を忘れ、子は親をかえりみる #いとまがなかったことから、「親しらず子しらず」といわれる という説と #平清盛の弟である平頼盛(よりもり)が所領である越後五百刈村へ #退隠した後、それを追った夫人がこの地を通りかかった際に2歳の #愛児をふところからとり落とし波にさらわれた。 #その時に詠んだ歌 # 「親しらず 子はこの浦の波枕 # 越後の磯のあわと消えゆく」 #より、この地を「親不知・子不知」と呼ぶようになった という説があるそうだ。いずれにしても、親子の悲しい物語が地名の由来となっていることは確かだ。 その展望台から富山県側の海岸を眺めると、改めて地形の厳しさを思い知ることができる。波打ち際は崖になっており、山肌にロックシェッドに覆われた国道がへばりついている。実際に波打ちぎわを親子が通れたかどうかはわからないが、少なくとも親子が安全に通れるような場所ではないこと思われる。現在は車でロックシェッドやトンネルで守られた道を、多少の緊張感は伴うものの安全・快適に通り抜けることができる。ともすると単に通過するこの『親不知』だが、時には地名の“いわれ”を思い起こし先人の苦労をしのびたいと思う。 展望台を離れ国道を新潟方面へ向かうと、やがて頭上を北陸道が交差する。全国的にも珍しい“海上インターチェンジ”である「親不知IC」へ向かうため、山側を長大トンネルで抜けていたルートを海側へ向け、そのまま国道をまたいでいる。この地でも海岸端の平野部はスペースが限られているため、北陸道は海の上を高架道路にて走らざるを得ないわけだ。 親不知ICを超えると、しばらく国道と北陸道、JR北陸線が併走する。更にJR北陸線より山側を国道の旧道も走っていることから、狭い平野部に4本の道路や線路が併走することになる。 更に国道8号のほうも、親不知IC通過後のJR北陸線・親不知駅あたりで、北陸道とともに海岸上を高架道路で走っている。本当に厳しい地形が続いていることを実感するとともに、それでも新規に道路を作れる現代の土木技術に脱帽したい。画像下から3番目・4番目で、道路・線路たちが集中し併走する風景をご覧頂きたい。厳しい土地条件に道路や鉄道を通した先人のご努力に感謝したい。 現在この地の山中では、北陸新幹線の工事が進み長大トンネルが掘られているはずだ。『親不知』の地名すら見ないまま、ましてやその地名の“いわれ”に気づかないまま、人々はこの地をますます安全・快適に通過することになるのだろう。 やがて道路や線路たちは併走を解き、少しずつお互いの距離を置きながら、再び海側に張り出してきた山々の中に突っ込んでいく。ここから先、糸魚川市青海地区までが『子不知(こしらず)』と言われる区間である。 さて、今回は親不知IC周辺のレポートが主となったが、本区間で本当に地形が厳しく先人が最も苦労された場所とは異なる。そこは先に記した「天険トンネル」の部分であり、旧道が遊歩道として通行可能になっているという。そちらにも足を伸ばしてみよう。 →「R8親不知〔スポット1〕」へ →「R8親不知〔スポット2〕」へ |
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![]() 薄暗い洞門内を延々と走る。 (ポインタon)ハンドル操作間違えたら・・ |
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![]() 崖の下は海。崖にへばりつく国道(左上) |
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![]() 北陸道が頭上を交差する |
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![]() 親不知IC付近。狭い平地に無理やり? (ポインタon)狭い平地に道やら鉄道やら… |
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![]() 海の上を走る道。建築美を感じるかも (ポインタon)小川の上に橋が集中 |
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![]() やがて道や鉄道はお互い距離を置き始め… (ポインタon)それぞれトンネルへ潜る |
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![]() 真の「天険」は親不知ICのもっと西側だった |
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