はじめに
国道は道路地図で目立つ存在であるが、総延長距離の短さから目立たないものもある。
地図上では目立たないが、重要な港を結ぶという役目を負っている国道達だ。
ここではそういう、総延長距離の短い国道を「全線散歩」した記録である。
対象となるのは
      1.国道174号〔兵庫県神戸市〕・・・約200m
      2.国道130号〔東京都港区〕・・・約500m
      3.国道198号〔福岡県北九州市〕・・・約600m
      4.国道177号〔京都府舞鶴市〕・・・約700m
      5.国道133号〔神奈川県横浜市〕・・・約1400m
である。
ここでは日本で最短となる国道174号を紹介する。
「国道174号」の位置
■所在地:兵庫県神戸市中央区

訪問レポート
■訪問日:1999年5月23日/2001年9月24日

※地図内の番号は画像説明文冒頭の番号となる。

1.案内標識に描かれた174号の“おにぎり”
1.案内標識に描かれた174号の“おにぎり”
日本一短い国道・・・その距離、約200m。
始点から終点まで歩いていけるどころか、その気になれば全力疾走できるという距離だ。もっとも、筆者には200mを全力疾走できる体力はないので遠慮したいのだが。

もっとも、車で通ったら「あっという間」になるわけで、紹介にもならない。やっぱりこの国道には、徒歩で訪れるのがベストだ。というわけで、1999年と2001年の2回とも筆者は徒歩で訪れている。

その“日本一短い国道”とは、兵庫県神戸市を走る『国道174号』である。もし手元に道路地図帳があるなら、神戸市中央区のページを開いて国道174号を探してみて欲しい。見つかるだろうか?筆者の経験からいくと、ほとんどの道路地図で国道174号は書かれていないだろう。なぜ書かれていないのだろうか。200mぐらいなら、市街地地図にわずかに載っていてもいいはず。そういうわけで、実際にその国道を訪ねてその理由を探ってみた。

神戸市にある三ノ宮駅から、神戸市役所の前を通る通称「フラワーロード」を歩く。「なんで200mの国道を歩くために900mも余計に歩かなあかんの?」なんてぼやきながら歩いてると、国道2号線との交差点(税関前交差点)に到着する。上を阪神高速湾岸線と国道2号バイパスが高架道路となって走っている、手前にある大きな交差点だ。その交差点から先、画像左上にもあるように、案内標識にポートアイランドに向けて国道174号のマーク(俗称“おにぎり”)が描かれている。

案内看板に従い税関前交差点を直進すると、阪神高速のガード下に、「国道174号」の標識が立っていた。それまでの「フラワーロード」が県道だったから、税関前交差点から先が国道174号ということになる。
阪神高速の下をくぐると、すぐに国道2号「浜手バイパス」の高架をくぐる。くぐってすぐに次の交差点(税関本庁前交差点)が待ち受けている。
画像の上から3番目で、赤いラインが右にぐっと曲がっている部分が税関本庁前交差点である。その先にはさらに次の交差点(第三突堤交差点)が見えるのだが、その手前に立っている案内標識にはどこにも国道174号の記載が無い。第三突堤交差点までには国道174号は終了しているということを表しているということだろう。では、どこが国道174号の終わりなのか。

いくつかの地図では、先の「税関前交差点」から「税関本庁前交差点」までを、国道174号としているものをいくつか見かけている。でもそれだと、距離は100mもないように思える。「税関前交差点」から「第三突堤交差点」までだと、逆に200mでは収まらない距離となる。
結論としてはその途中、神戸税関の入り口に当たる小さな交差点あたりが国道174号の終わりらしい。正確に言えば、こちらが起点で税関前交差点が終点らしいのだが・・・

なるほど、始点から程なく高架道路の下をくぐってすぐに終点となれば、いくら市街地地図でも載らない・・・というか、載せにくいはずだ。現地に赴き、地図で見つけにくい国道の理由がわかったような気がする。

この国道174号を含め、距離が短い国道はほとんどが港関係のもの。近くを通る主要国道(国道174号の場合は国道2号)と国内の重要な港(の税関)を結んでいる。それにしてもこの国道174号の場合、国道2号からたった200mである。国道化する必要があったのだろうか。

実は国道174号が指定された当初、終点は税関前交差点ではなく三ノ宮駅前(三宮交差点)だったとう。当時は国道2号が三ノ宮駅前を通っていて、そこから分岐して神戸税関までの間に国道174号が設定されたからである。
ところが市内渋滞緩和の観点から、海側に国道2号のバイパスが通るようになり、三ノ宮駅前の国道2号は県道になってしまった。よって国道2号線からの分岐点が三宮交差点から現在の税関前交差点に変更されてしまったということだ。

最初にぼやきながらも歩いた「フラワーロード」、900mの散歩も昔の国道174号を歩いていたということだ。“余計な歩き”ではなくて良かった
2.国道174号の標識(1999/5)
2.国道174号の標識(1999/5)
3.終点の税関前交差点より望む(1999/5)
3.終点の税関前交差点より望む(1999/5)
4.第三突堤交差点手前の案内標識
4.第三突堤交差点手前の案内標識
5.神戸税関入り口前が国道の起点
5.神戸税関入り口前が国道の起点