はじめに
日本全国を張り巡らす「国道ネットワーク」。その中には厳しい地形のために、ある道は車の通行が
不能となり、ある道は近年になり長大トンネル等により難所を克服した。そういう難所を進む国道達
を当サイト管理人(筆者)がセレクトし、訪問の上で紹介するのがこの「国道難所」である。
本当の難所越え国道は道自体が廃道になっている所が多いが、ここでは車での到達が容易な場所
に絞っている。バイパスの工事などでレポートしている状況に大きな変化が生じると思われるが、
「国道難所」をお楽しみいただきたい。

今回は桜島の溶岩台地の中を進む、国道224号「溶岩道路」を紹介する。
「国道224号(溶岩道路)」の位置
■所在地:鹿児島県鹿児島市(鹿児島市/旧桜島町)

訪問レポート
■訪問日:1999年4月29日/2001年1月3日

桜島を目指します。(国道220号より)
桜島を目指します。(国道220号より)
鹿児島には、活火山で“超”有名なご存知『桜島』が鎮座する。もともとは鹿児島湾(錦江湾)に浮かぶ独立島だったのが、大正時代に起きた大噴火により流れ出た溶岩で、対岸だった大隈半島と陸続きになり現在の姿となった。その陸続きになった大隈半島から桜島港までを、今回紹介する国道224号が結んでいる。その国道は必然的に、先に挙げた大正の大噴火や昭和の噴火により堆積された溶岩台地の中を通過することになる。今も噴煙を上げる活火山の裾野であり、溶岩台地の中という厳しい条件下を進む国道224号を紹介する。

国道224号は、大隈半島に沿って走る国道220号から分岐する。霧島市(旧国分市)方面から鹿児島湾沿いに国道220号をドライブすると、進行方向に桜島の迫力ある姿が視野に入ってくる。ちなみに桜島のトレードマークと言える噴煙であるが、もちろん火山の噴火状況や風向きによって見え方が変わってくる。場合により噴煙が無い場合もあり得るので、噴煙を期待されているようでしたらご注意を(笑)。

国道220号はその後、桜島と大隈半島との接点(鹿児島県垂水市)に達する。そこで今回のお題となる国道224号が分岐し、国道220号の方は再び鹿児島湾沿いに大隈半島を南下していく。国道224号は桜島の南側を西進するのだが、分岐後すぐにある標識が目に飛び込んでくる。
その標識には、
   『溶岩道路』
と書かれてある(画像上から2番目)。また桜島が現在も活火山であることから、途中には
   「桜島が爆発または土石流が発生した場合は通行止」
の注意標識も見ることが出来る。

また道沿いの駐車場や広場では、不思議なことに「トンネルの入口」がいくつか目に入ってくる。トンネルは10mぐらいで行き止まりになっているもので、これは桜島が噴火した際の避難場所になるそうだ。火山石なんかの落下から身を守るわけである。そんな看板や避難場所があるということが、活火山のすぐそばを走っているという緊張感を改めて高めてくれるのだ。

いくつかある駐車場のうち、山側・海側とも一面の溶岩石群を見渡すことができる場所があった。溶岩原野の高台から原野全体および鹿児島湾・桜島(山としての)を見晴らせる展望台があるので、桜島に来たならぜひ立ち寄りたいポイントだ。よくこんな溶岩台地の上に道路を作ったものだと感心してしまう。もちろん活火山であるから、噴火対策の充実や火山灰除去等の維持も大変だろうなと思うのだった。

国道を更に西進すつと、いくつか川を渡る。川の規模にすれば大き目の橋が架けられているのだが、これは大雨による土石流発生を考慮したもの。実際訪問した時も、川では土石流発生時の被害を防止するために護岸工事が施されていた。火山灰を始めとする火山堆積物による土石流発生が、地元に大きな被害を及ぼしていたことが伺える。

また国道は“古里温泉”という温泉街を抜けるが、温泉街には林芙美子の文学碑が建っており
    「花の命はみじかくて 苦しきことのみ多かりき」
と、いう有名な詩が刻んであるそうだ。こちらは今回の訪問では確認できてないが、ご訪問の際は温泉利用を含めお立ち寄るのもよいだろう。

最後に車は、信号のある交差点を経て“料金所”にたどり着いた。ここには有料道路はないのに料金所?そう、ここ『桜島港』から対岸の鹿児島市街地に向かう桜島フェリーの乗り場なのだ。ここから約15分の船旅となる。国道224号のドライブはここで終わり。フェリーに乗り込み、活火山・桜島をバックに鹿児島市の桜島桟橋を目指すのだった。
ずばり『溶岩道路』!
ずばり『溶岩道路』!
活火山を走るという緊張感
活火山を走るという緊張感
溶岩の広がる中を走ります
溶岩の広がる中を走ります
料金を払ってフェリーに乗り込みます
料金を払ってフェリーに乗り込みます