はじめに
日本全国を張り巡らす「国道ネットワーク」。その中には厳しい地形のために、ある道は車の通行が
不能となり、ある道は近年になり長大トンネル等により難所を克服した。そういう難所を進む国道達
を当サイト管理人(筆者)がセレクトし、訪問の上で紹介するのがこの「国道難所」である。
本当の難所越え国道は道自体が廃道になっている所が多いが、ここでは車での到達が容易な場所
に絞っている。バイパスの工事などでレポートしている状況に大きな変化が生じると思われるが、
「国道難所」をお楽しみいただきたい。

今回紹介する国道289号「甲子(かし)道路」は2008年7月であるが、それまでは甲子峠を車で越える
ことができなかった。その代わりではないだろうが、甲子峠を越える登山道が国道指定を受け、国道
標識が立てられ「登山国道」と呼ばれてたのはその筋では有名な話である。「甲子道路」開通前後の
同道路及び「登山国道」についてここで紹介する。

開通前のレポートはこちら→甲子道路〔開通前〕

「国道289号(甲子道路)」の位置
■所在地:福島県西郷村/下郷町

訪問レポート
■訪問日:2008年10月 4日


電光表示板にも開通を知らせる表示
電光表示板にも開通を知らせる表示
筆者がWeb上での「道情報」に触れだしてちょど10年。その中でインパクトがあったのが青森県龍飛岬にある「階段国道」と、今回触れる「登山国道」である。関西に住んでいたことから両方とも遠方に当たり、一度は訪問したいと思っていたポイントであった。「登山国道」については2004年5月に訪問しており、登山道にあった国道標識にひとり興奮したものだ。
(車に熱出した子供と看病の嫁さん残して・・・趣味優先してスマン)

それから4年経ち、甲子峠にて不通であった国道289号が「甲子道路」にて車両通行可になったというニュースが入ってきた。やっぱりあの登山道の国道標識もなくなるのだろうか。新潟在住になったことをいいことに、早速現地に向かってみた。

新潟方面から現地へ向かうには、魚沼市から国道253号「六十里越え」を使用した。福島県只見町から今回の主役である国道289号に入る。ちなみに国道289号は新潟市が起点だというが、新潟・福島の県境部分が不通となっている。この部分の開通にはまだまだ年数がかかるようだ。

国道289号を進むと、「甲子道路」には下郷町側から入ることになる。従来の道路と新規開通した道路を組み合わせた形で道は峠へ向かい、延長4345mの「甲子トンネル」を迎える。不通部分を解消したうえ、4kmを越える長大トンネルが無料というのは、利用者にとっては嬉しいことである。ただ、その分は税金から引かれているわけだけど(^_^;)

西郷村側でトンネルを抜けると、すぐに「甲子大橋」を渡る。トンネルと橋の間に、小さいながら駐車帯がある。この日も多くの観光客が利用しており、筆者もその仲間入りしたのは言うまでもない(笑)。
車をそこに駐車して甲子大橋からの眺めを見に歩きたいところだが、甲子大橋には歩道がない(歩行者通行禁止にはなっていない模様)。路側帯を歩く形となるため、通行する車には気をつけたい。

“不通解消区間”を堪能し、お次は気になる「登山道」である。甲子大橋を渡るとすぐの小さな交差点を右折(下郷町側から見て)する。この道は甲子道路開通前に、部分開通していた国道と大黒屋(登山国道含む)を結んでいた道だ。その道を使い大黒屋に向かう。

「大黒屋」は、甲子温泉にある旅館である。その旅館の玄関前を通過したその先に「登山国道」がある。詳細は甲子道路〔開通前〕を参照して欲しい。実はこの日を迎えるにあたり、事前に大黒屋のWebサイトを確認していたのだが、それによると9/27で2008年の営業を修了したらしい。ということは誰もいないのかなぁ・・・なんて思いながら大黒屋に近づくと・・・なにやら賑やかいぞ。あら、旅館の工事をしている!そういや、Webサイトに通年営業に向けての改装工事やるって書いてあったな。入り口にもバリケードしてあるし・・・。「撤退」の二文字が頭の中をよぎった。

車を旅館入り口から100mほど甲子大橋寄りの路肩空き地に停めて、しばし辺りの様子を伺う。空き地は旅館の裏側に当たり、少し高い位置にある。旅館から見たら“裏山”みたいな感じだと思う。その“裏山”に獣道があったので、それを歩いていくと・・・旅館の裏側を通って登山道に行けちゃった。こりゃラッキー。山の斜面を“へっぴり腰”状態で降り、「温泉神社」という祠の横に出てきた。神聖な場所に土足で踏み込み失礼なことをしたかなと思ったので、帰りにはお詫びではないがお賽銭を入れておいた(^^ゞ

さて、登山道である。目に飛び込んできたものは・・・
「あ、やっぱり」であった。
甲子道路開通とともに撤去されたのであろう。
左の画像(下2枚)は現状の画像だが、マウスポインタを画像に当てると在りし日の画像が表示される。少し撮影角度や位置が異なるが、見比べて欲しい。

2枚のうち上の画像は、登山道入り口にあたるコンクリート橋部分である。橋の手前にあった標識がポール含めて撤去されている。
2枚のうち下の画像は、上記の橋を渡りしばらく進んだ先である。画像右端にある樹の左横に標識があったが、標識の下にあった傾いた手すりを含め撤去されていた。

こうして、道路マニアの聖地(?)がひとつ消え去ったわけである。
残念ではあるが、地元の方々にとっては念願の道路開通である。甲子道路に至る国道の途中には、国道の開通を喜び感謝する手作りの看板などがあった。筆者は地元民ではないが、素直に開通を喜びたいと思う。

甲子トンネル下郷側(ポインタonで西郷側)
甲子トンネル下郷側(ポインタonで西郷側)
甲子トンネルは延長4345mで通行料無し
甲子トンネルは延長4345mで通行料無し
甲子大橋。橋上からの眺め良いが歩道無し
甲子大橋。橋上からの眺め良いが歩道無し
登山道入口の大黒屋は工事中で立入禁止
登山道入口の大黒屋は工事中で立入禁止
標識が・・・(ポインタonで在りし日の画像)
標識が・・・(ポインタonで在りし日の画像)
標識が・・・(ポインタonで在りし日の画像)
標識が・・・(ポインタonで在りし日の画像)