ボ ッ ク ス ア ー ト の 世 界
製作日1998.09.19/更新日2002.08.13
はじめに
ボックスアートとは、箱絵のことです。
そう、プラモデルの顔であるパッケージイラストです。
特に田宮模型のMM(ミリタリーミニチュア)シリーズに
描かれた写実的でリアルなイラストは、アート(芸術)と
呼ぶにふさわしい作品です。
今年(98年)は、MMシリーズ30周年と言うことで、
こんなページを造ってみました。
ここでは、ボックスアート並びにミリタリーイラストに
関する書籍などを紹介しますが、私の知らない多くの書籍が、
まだまだたくさんあると思いますので教えて頂けると幸いです。
書籍
ミリタリー・イラストレーション 田宮督夫 編
グラフィック社 (86.10.25 初版第1刷) ¥2500 A4変 P.80
私の箱絵のバイブル的な本です。この一冊に、少年時代、
ときめかされたMMシリーズのあの箱絵が収録されています。
兵士や兵士が絡んだ小物車両などは、大西氏の作品が絶品です。
ドイツパラシュート、戦車兵、SS、キューベル、シュビムこれら
みな大西氏の作品と知って感慨深いです。
TOWN MOOK TAMIYA BOX ART COLLECTION
高荷義之 ILLUSTRATION
グラフィック社 (86.4.30 初版) ¥2500 B5変 P.98
この本は、もう何も言うことはありません。私の大好きな高荷氏の
作品集です。戦車大好き少年の夢がすべて詰まっています。
元々、箱絵は小松崎氏や高荷氏が多く残した、情景画だったのですが、
「商品に入っていないモノを箱絵に描いてあるのは、消費者を惑わす」という
とんでもない大人の論理で、あの無味乾燥な白地パッケージになった経緯が
(確か)ありました。そのため名作(と個人的に思っている(^_^;))
「B-17撃墜の中を進む3号戦車」のようなイマジネーションを膨らます
作品がMMシリーズに登場しなくなったわけです。
でも、これら作品をこの本で見ることができます。あぁ幸せだなぁ〜。
(注)B-17でなくB-26らしいことが、高荷義之[プラモデル・パッケージの
世界]より判明。あぁ情けない...。
高荷義之 [プラモデル・パッケージの世界] 平野克己 編
大日本絵画 (2000.1 初版第1刷) ¥5000 A4 P.176
ボックスアートに絞り込んで集められた箱絵写真集。
内容も素晴らしいが、プラモの箱絵の遍歴の解説もすごいです。
あと、この本で初めて幻の高荷氏の画集「電撃!ドイツ戦車軍団」
(主婦と生活社:72年発行)を見ることができて感激。
基本的に、箱絵の写真なので、画集としては少々モノ足りません。
高荷義之 超現実画報 ワンダー アート タカニスタイル
オークラ出版 (2002.6.25 初版第1刷) ¥4571 A4 P.144
SFアニメ、架空戦記のアートに絞り込んで集められた画集。
ボックスアートの意味合いからは、はずれますし、
ミリタリー的にはちょっと物足りません。
但し、氏の画集としての意味合いとしては、非常に見所があります。
野上 隼夫 艦船画集 世界の艦船 別冊
海人社 (83.5.10 印刷 5.15 発行/95.4.15 再版) ¥1800 A4 P.64
本のタイトル通り「艦船」の作品集なので、客船などが多いです。
箱絵は掲載されておらず、雑誌掲載の作品集です。
個人的には、そんなわけで購入するのをためらっていたら、無くなってしまい
しばらく見ることができず近年再版でやっと購入することができました。
柚木 武士 日本軍艦画集 世界の艦船 別冊
海人社 (90.9.15 印刷 9.20 発行) ¥1800 A4 P.60
小松崎氏の多くの艦船画が、勇ましい戦闘場面が多いのに対して
柚木氏の作品は、優雅に航行する姿の画が特徴です。
フライオーバー 航空イラストレーション作品集 小池繁夫
ソニーマガジンズ (91.11.20 初版第1刷) ¥4800 B4
飛行機モノは、あまり興味ないのですが、あまりにも美しい本だったので
「清水を飛び降りる思い」で購入しました。やはり鑑賞するには、これくらいの
大きさが必要ですね。見開きで右ページに作品、左ページに解説と、
画集として大変満足いく仕上がりです。個人的には、表紙の爆撃機なんかが
お気に入りです。
箱絵としては、長谷川製作所の飛行機関連が掲載されています。
小松崎 茂の世界 少年の夢を描き続けた異能の画家 著:根本圭助
学習研究社 (95.10.4 第1刷) ¥1600 A5変 P.119
ボックスアート画家として忘れることができないのは、やはり
小松崎氏である事は、誰も異論がない事実です。
氏の作品は、やはり艦船が一番すばらしいですが、数少ない戦車の作品が
この本に掲載されています。しかし意外にもMMシリーズを飾った作品は少ない。
ちょっと子供向けだった(と背伸びしたかった当時の印象)日東化学の
プラモに多かったです。どちらかというと、私のような昭和30年代にとっては、
ミリタリー以外の、この本の後半に掲載のサンダーバードの箱絵が印象深いですね。
小松崎 茂の世界Part:2 大和・武蔵を描き続けた異能の画家 著:根本圭助
学習研究社 (97.9.5 第1刷) ¥1800 A5変 P.143
この本を見て知ったのですが、氏の作品はウォーターラインシリーズの
それも駆逐艦に多数存在していたのが驚きです。
と言うのも、私が小学生だった当時、こづかいで買えるのは、
小さな駆逐艦ばかりで、大和を初めとする戦艦など高嶺の花だった。
そんな理由で、駆逐艦の箱絵が身近でした。そして駆逐艦のような
小さなプラモにも箱絵からそのドラマを感じて空想していました。
小松崎 茂 1 帝国連合艦隊
ワールドフォトプレス (99.3.20 第1刷) ¥2800 A4 P.160
連合艦隊のみに絞り込んで集められた画集。
小松崎 茂 [プラモデル・パッケージの世界] 平野克己 編
大日本絵画 (99.5 初版第1刷) ¥5000 A4 P.176
ボックスアートに絞り込んで集められた箱絵写真集。
小松崎 茂 幻の松本徽章コレクション パンドラの箱 根本圭助 編
人類文化社/桜桃書房 (99.12.15 第1刷) ¥2800 A4 P.144
ミリタリー以外のイラストが多く収録されています。
大塚康生の おもちゃ箱
自費出版同人誌 (96) ¥2500 A4 P.114
ボックスアートファンにとっては、後半のホンの数ページがお目当てに
なるので、少々高い買い物です。この本の中では、バイクの「モトラ」の
イラストが絶品だと思います。
超機械絵図 スーパーメカ イラストレーション 小泉和明 著
グラフィック社 (2000.10.25 初版第1刷) ¥2900 A4変 P.126
箱絵は、ほとんどありません。主に雑誌などに発表された
氏のイラスト集です。内容的には、航空機がほとんどです。
背景のある情景画が少ないのと一部モノクロなのが残念です。
松本零士原作のSFメカのイラストが収録されているのが特徴。
プラモ・ボックスアートの世界
小松崎 茂と昭和の絵師たち 平野克己 編
立風書房 (2002.4.30) ¥1886 A4変 P.162
小松崎さん他界後の発売の箱絵本です。
そのため、松本零士さんが、特別寄稿されています。
小松崎門下生以下、今まで余り出版されていない絵師たちの
作品がみられます。お値段も手頃で、入門には良い本だと思います。
雑誌
月刊 モデルグラフィックス 98年10月号 ¥740
総力特集 タミヤMM「30年の情景」[天の巻]
表紙の「88」&イラストが、泣かせてくれます。
当時、同じように感じていた人が、いるんだなぁとしばし感動。
「MM」が30周年だというのは、この雑誌を見て知りました。
隔月刊 アーマーモデリング 第11号(98年10月) ¥1380
総力特集 タミヤMM「30年の情景」[地の巻]
表紙のジオラマで再現した「3突」の箱絵が、すばらしい。
この雑誌値段が高いのが最大の難点。
カタログ
昭和っ子の夢 異能の画家 小松崎 茂 展
柏市教育委員会 (95.9.22-10.5) 無料 A4 折り込み8面
小松崎氏が柏市に住んでいたのを私が知ったのは、近年のことでです。
それも私の生誕の地と同じ町内だったのとは!。私は生まれて間も無く
引っ越してしまったので、ほとんど記憶がないのですが、たいへん驚いています。
このカタログは、故郷の友人がくれたモノで、実際に展示会には
私は行っていません。知っていれば、何をおいても駆けつけたろうに...。
いまにしても、非常に残念です。
その他
少年の夢を描き続けた異能の画家作品集 小松崎 茂ワールド
エクシング (96.11.30) ¥7800 CD-ROM
音楽のテクノ系御用達のミックスアップシリーズの
ジャケット絵が収録と言うのが、いかにもCD-ROMらしい。
FUTURE WAR 198X年
東映(株)映像事業部 (96.11.30) ¥400 A4 P.26
劇場公開アニメーション「 FUTURE WAR 198X年」の
パンフレットです。ボックスアートとは、異なりますが、
生頼範義氏のミリタリーイラストが6ページ掲載されています。
ワールド・タンク・ミュージアム シリーズ01
発売:タカラ 製作企画:海洋堂 \250
オマケ付きのいわゆる食玩です。大西氏が箱絵を担当しました。
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