| 「夏と冬の奏鳴曲」 | 麻耶雄嵩 | 講談社文庫 | ?? |
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前半の展開は退屈で読んでいると眠くなってきます。 その後主人公「如月烏有」のキャラクターが明らかになってくる中盤は、なんだか恥ずかしく青臭い挫折に彩られた青春小説のような様相をしめします。 真宮和音とその崇拝者達という視点で見ても、同様に青臭い。 どちらかと言うとあまり好きではない小説です。 が、後半にさしかかるにつれて、桐璃という一人の少女の存在が大きくなってきます。 わがままで、清楚で、けなげで、正体不明のこの少女が、一気にこの小説を魅力的なものにしてくれます。 そして、エンディング。 私の乏しい語彙では「意外」と言う言葉で済ますしかない事件の真相。 救いの無い不条理な結末に終わる桐璃の運命。 私には、未だこの小説を消化することができませんので、採点不能ということにしておきます。 |
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