九州縦断林道行


学生生活最後の秋、1991年の10月に林道を繋ぎつつ、九州を縦断して みようと思い立ちました。
これはその時の記録です。
なにぶん古い話なんで、今からツーリングに行く人にとって直接的な案内に はならないと思いますが、参考程度にはなるのではないでしょうか?
天気にも恵まれ、楽しいツーリングでした。
今、書きながら思い返してみると、この時の旅が私の原点になっているみ たいです。
装備の基本も、パッキングの仕方も、この時以来5年以上変わりませんで したから。
(去年振り分けバッグを買って少し変わりましたけど)
こんな装備です

期日1991年 10月11〜17日
バイク'90 XLR−BAJA
走行距離約1500Km
費用約20,000円


1日目
北九州市の自宅から、走りなれた林道を繋いで熊本県小国町まで。
天気はあまり良いものと言えず、小雨がぱらつく事もありました。
途中、英彦山の山越えは非常に寒かったです。 林道河内山線で体を慣らした後、落ち葉が道を埋め尽くす薬師林道を 下る。赤鞘林道等の支線を探索した後、裏耶馬溪もみじロードを経て 、林道山浦線へ。
この日は道端の廃材置き場にて野営。
廃材置き場だけに薪は豊富?でして、一人焚き火を前に杯をかたむけ つつ夜を過ごしました。

今日の林道
山浦線は山々の景色も美しいフラットなダートで、走り甲斐こそ無い もののなかなかお気に入りの道です。
この近辺にはまだまだ面白いダートも点在しています。


2日目
夜半過ぎから強風と雨に悩まされる。
今一つ熟睡できぬまま、朝飯も省略しての出発となる。
阿蘇の外輪山を下った辺で雨も止み、バックミラー越しにきれいな虹 を眺めつつ走る。
阿蘇を、ダートの日ノ尾峠で越え、名水の里白川水源で水を補給した 後、未舗装県道で清水峠を越える。
コスモスの花越しに見える阿蘇の山がきれいでした。
通潤橋に立ち寄る。観光地だけに他のツーリングライダーも沢山。
運良く、団体の観光客と鉢合わせたので、放水シーンも見ることが できました。
通潤橋を後にして、九州一有名な椎葉林道へと向かうも、日が暮れて きたので、支線に入り込み途中のひらけた所で野営とする。
さすがに夜は真っ暗で、怖くもあるが、ある意味爽快でもありました。

今日の林道
日ノ尾峠は阿蘇を抜けるダートとして知られてますが、景色に阿蘇を 感じさせるものはありません。
阿蘇を感じたいのなら、ミルクロードや阿蘇登山道の方がはるかに気持ち が良いし、楽しめるのでお勧めです。
ただし、この道は単純にダートとしてみると、それなりに面白い道ではあ りますので、走って損はしないと思います。


3日目
朝もやの中目覚める。
周囲に全く人影は無い。
支線探訪を含めて、約80km程ダートを堪能する。
やっぱり、椎葉は走り甲斐がある。
昼過ぎに椎葉林道を抜ける。陽射しが強まって来る。
気持ち良い午後である。
その後、大河内桑の木原線、大河内野地線といった林道を走り繋いだ で西南戦争での西郷隆盛退却の跡「五郎ケ越」を経て市房ダムの所の 公園にて宿泊。
ちょっと時間に余裕があったので豚汁なんかをつくってみる。

今日の林道
椎葉林道は最高に楽しく、走り甲斐のある道です。

でも、ここでは敢えて林道大河内野地線をお勧めします。
すすきの原を駆け抜ける、走りやすいきれいな路面のダートで、日本の 秋だなぁって感じることができる道でした。
ダート区間が約13kmあるので、それなりに走り甲斐もあります。


4日目
朝、公園に散歩にきたおじさんと話しながら朝飯を食べる。
こういう類のおじさんは、バイクで自由に旅してる私を見ると、 必ず羨ましそうな目をするのだが、社会人生活を5年以上送って 少しその気持ちがわかるようになった気がする。
榎田大川筋林道から白髪狗留孫林道を抜けるつもりだったのですが 狗留孫林道の途中で伐採作業をやっていて、通してもらえませんで した。
でも、引き返す途中に野生の鹿と出会う事ができたので、ある意味 ラッキーだったかもしれません。
人吉ループ橋へ迂回して鹿児島入り、栗野岳の展望台を経て国分の 海岸に下りる。
この日は桜島が見えるこの海岸で寝ることにした。

今日の林道
通り抜けることこそできませんでしたが、白髪狗留孫林道をお勧め します。
人吉側からアプローチすると、前半で一気に高度を上げる為、すごく 景色が良いのです。
それから、自然の豊かな森を抜ける感じが爽やかで、いわゆる杉に 覆われた普通の林道と比べ、開放的な感じがします。


5日目
すごく良い天気である。
今日の予定は大隅半島縦断です。
最初の峰越林道は土砂崩れのため通過できずに、引き返す。
つぎの峰越林道は峠から深く青い海を望むことができ、最高に気分が 良かったので、ちょっと早いけどここで昼食(パン)とした。
10kmほど走って、渓流の脇を走る大谷添林道〜姫門林道へ。
路面状況も良く、なかなか楽しい。
ここ、大隅半島は景色や雰囲気の良い林道が沢山あるので、オフロード 乗りの人は是非一度訪ねてみることをお勧めします。
次の林道の入り口までも、すぐに辿り着く。
大隅半島で一番面白い(と思う)万九郎林道である。
前半はフラットなストレートを一気に上って下る爽快な道で、アクセル を開けて駆け抜ける。
後半は荒西関連林道と名を変え、細い登山道風のガレ場になり、小さな 沢渡りのセクションまでありました。。
結局、7km程行くと道が流れてタイヤ一本分くらいしか無くなったので 、撤退する。 キャンプ道具積んだ一人旅で無理する気にはちょっとなれなかったから です。
ここから海沿いの舗装路へ迂回した後、鵜戸野・内ノ牧林道を経て佐田 林道へと向かう。
佐田林道は非常に走りやすい林道で、途中海を見下ろすポイントもあり 、これまたなかなか良い林道でありました。
南の海は本当にきれいな青色をしてました。
夕方遅くなったので、佐多岬ロードパークはあきらめる。
今宵はちょっと贅沢して民宿泊まり、海の幸に富んだ美味しい料理を同 宿の老夫婦と一緒に食べる。

今日の林道
今日はおすすめ林道が沢山である。

海を見下ろす佐田林道も捨て難い。
あの深く青い海を、林道から望む爽快感は何とも言えないからです。

でも、走る楽しみって意味で、一押しは万九郎林道です。
撤退した悔しさもありますので、また行ってみたいと思ってます。
(どなたか御一緒しません?)


6日目
早起きして7時頃に出発、朝一で佐多岬を目指す。
途中で一緒になったTWに乗る人と岬の先端まで歩く。
ちょっと天気が悪くて島々の展望が悪いのが残念であった。
30分くらいボーッと過ごす。
駐車場に戻ってみると、何故かバイクにカラスがたかってる。
???
バイクの後に積んでたミカンは全滅であった。(T^T)

泣きながら?、北上、大中尾林道を走る。
今迄に走った林道の中でも最高に景色の良い道である。
(この評価は5年以上たった今でも変わりません) 遠くに見える開聞岳を振り返り、足元に広がる青い海を見下ろし、 のんびりと林道を走る。
根占港からフェリーで薩摩半島側へと渡ろうとするのだが、なんと 次のフェリーまで1時間半以上も待ち時間がある。
時刻表確かめておけば・・・と思ったが後の祭りである。
仕方ないので、海をぼんやり眺めながらラーメンをつくって食べる。
フェリーを降りた後は、残された時間もあまりなかったので、開聞 岳をかすめて南薩広域農道、知覧、吹上浜を駆け足で通過する。
熊本の友人宅に転がりこんだのは夜の10時頃でした。
本日の走行距離は約400km、さすがに疲れました。

今日の林道
って言っても1本しか走ってません。
でも、その大中尾林道は今までここにあげてきた林道と比べても優るとも 劣らない素晴らしい林道です。
私が今までに走った林道の中でも、5本の指に入るくらいのお気に入りで す。

7日目
昼過ぎに熊本を出て自宅まで走る。
星野村にて開設工事中の林道で遊びはしましたが、晩飯に間に合う時間に 家に帰り着く。
この日は、特筆すべき事はありませんでした。

なんか長い文になりましたが、ここまで読んでくださったかた、どうもありがとう ございます。

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