するめ

登場人物
ほりりんDegree
(HONDA)
同期入社の友人。入社後に思い立ってバイクの免許を取得。
基本的に旅好きだけど、バイクへの固執は薄い。
まっきぃギャラン
(三菱)
可愛い後輩(笑)。いつも私の気まぐれの被害者…だと思う。
バイクの免許は無いけど、旅&キャンプ仲間です。
DJEBEL250XC
(SUZUKI)
態度がでかいくて協調性の無いわがまま旅を好む。
遅刻王だったりもする(--; 。



・プロローグ

私の勤め先(工場)は電力調整とか言う名目で7月末に4連休があります。
今年は石川への転勤等で余裕が無くって4連休の予定は全然立ててませんでした。
で、連休突入2日前に喫煙室で偶然ほりりんと一緒になったので。。。
私「連休、どっか行く?予定ある?」
ほ「いや、何も決めてへんよ。あんたは?」
私「どっか行きたいんやけど、何も決めてへんわ。」
ほ「佐渡行こ。佐渡。こんな所にこーへんかったら、一生行かへんと思うし。」
私「えぇねぇ。一遍行って見たかった所やし。」
ほ「じゃ、決まり。他に誰か行く人居てないかな?」
私「とりあえずメールでも流してみるわ」
2時間後、まっきぃを釣り上げることに成功。
彼が一人車で渡るか?バイクで2ケツするか?と言う問題を残したまま佐渡行の計画が成立してしまいました。


・7月24日

連休初日である。
今日の16:10直江津初のフェリーに乗るべく、港で待ち合わせの約束です。
が、目覚めると11時、しかも準備は全くなされていない。(--;
これは、前日に我が家で2時すぎまでクラッシュバンディクー(プレステ)をしていた谷やんの責任である。
とか言ってても仕方ないので、大急ぎで荷造りを済ませ、銀行でお金をおろして、高速に飛び乗る。
高速に乗った時点で1時少し前。直江津までは220km近くある…
一度ガスチャージ休憩をしたのみで、あとはひたすら走り続ける。
新潟に入ってからの片側一車線の部分でも遅い車をぶち抜きながらひた走る…
なんとか15:50分頃に直江津港に到着。同じく遅刻組のまっきぃと一緒に大慌てでチケットを買う。
この時点で議論する余裕は無く、まっきぃは必然的に車で渡ることになってしまったのでした。。。
あとで、ほりりんは自分一人でも行くつもりだった、とかボヤイてたようです。(^^;
ちなみに料金は自二(750以下)+2等船室で5970円(片道/往復割引無)です。
参考)船の料金・時刻等はこちらのページに詳しく載ってます。
船室に落ち着いてから、とりあえずビールを飲んで寝る。
これが船旅の良いところである。
ちなみに、私が乗船直前に目覚めた時に、まだ呑み続けてた人が居たことはナイショだったりする。(笑)
小木温泉
18:30過ぎ、小木の港に到着。とりあえず温泉を探す。
佐渡は意外と温泉が多い島なのです。大半がナトリウム・カルシウム−塩化物泉(要するに食塩っぽい)なのですが。。。
港のすぐそばにある小木温泉(かもめ荘-多分350円-)でくつろぐ。
内湯と露天が各一つ。露天では景色は楽しめませんが、木造の内湯は綺麗にしてあり、天井も高くって気持ち良いものでした。


すっかり日も暮れてから温泉をあとにする。
閉店間際のスーパーで食材を買い出し、町中の酒屋でビール調達のついでにキャンプ場の位置を確認して走りだす。。。
が。なんか道を間違えて岬への行き止まり道路を走ってしまう。
途中でお孫さんと花火をしてしてたお爺さんに呼び止められて、道の間違いに気付く。(--;
メシ
今夜の泊りは素浜のキャンプ場である。(一泊900円)
海岸にある別に特徴も無いキャンプ場ですが、(小木港の近くという)地理的な位置の良さと管理棟の自販機でビールが買えること、テントサイトまでバイク(車)が入れること等を考えると、なかなか良いキャンプ場だと思います。
今夜の晩飯は餃子・ジンギスカンにヤキソバ。
シンプルで濃い料理でした。(^^;
で、夜更けまでのんびりとビールを呑んでたら、突然の雨。
でも、めげずに雨中宴会を続行して、酒を片づけてから寝ました。



・7月25日

朝、暑くて目覚める。
海岸ダート
昨夜の通り雨は綺麗にあがって、すごく良い天気である。
の〜んびりと撤収、ほりりんと私はそのまま海岸線を北上、島内唯一の海岸沿いダートを流す。


まっきぃとは、さらに北の春日岬で待ち合わせる予定でしたが、道の選択肢が無い島ゆえそこに行き着く前に合流してしたのでありました。(^^;
「佐渡と言えば金山」と言うほりりんの意見を尊重して、ますは金山資料館(宗太夫坑)を見物。
坑内は冷やりとして、気持ちよい。
坑内には当時の様子を再現した(動いて喋る)人形が沢山おいてあるのですが、こいつらがメッチャ面白い!。
特に喋りが最高なのである。
その後しばらく、我々の間では「早く外に出てぇよぉ。」「なじみの女にも会いてぇなぁ」「おーい。上げてくれぇ!」とか言う意味不明の会話が流行ったくらいですから。。。とにかく一見(一聴?)の価値ありです。(笑)

skyline 金山で昼飯と思っていたのですが、観光地のくせにメシが食える所が無かったため、そのま大佐渡スカイラインを(それぞれのペースで)駆け上がる。
途中、それぞれ勝手に寄り道して景色を眺めたり写真を撮ったり(って一番勝手してたのは私のような気がするけど)してたので、いつの間にか皆バラバラになる。


乙和池
それを良いことに、私はちょっと寄り道して乙和池を見物に行く。(^^;
乙和池は、池自体はそれほど綺麗では無かったですけど、なかなか雰囲気があって良い所でした。


とりあえず、ピークの白雲荘でほりりんに追いつくが、まっきぃはここを素通りしたようで、見当たらない。
携帯で電話してみようとするも予想通り圏外であった。
あとでまっきぃに聞いてみたところ、バイク組の方が先行してると勘違いして急ぎ通り過ぎてたらしいです。
下りは細かい溝のあるコンクリート路面で一気に下る道で結構コワイ。
まっきぃ捕捉の任務に燃えてた(笑)私は、ほりりんを置き去りにして駆け下りる。
しばらく走ると佐渡空港近くに海産物店兼食堂があったので、そこに立ち寄りまっきぃに再度電話してみる。
今度は無事携帯を使うことができた。
私「もしもし。まっきぃ?今どこ」
---しばらくお互いに場所の説明をする---
私「だからその店ってのはどの辺なんだよぉ?」
ま「目の前です。」
私「はぁ????」
ま「目の前に電話してる人見えません?」
私「……………」
こうしてまっきぃと無事再会、「アホなことしてたなぁ」とか笑ってると目の前をほりりん通過。
思いっきり手を振るも気づかなかったらしくて、突っ走って行ってしまう。(--;
しょーが無いので、荷物をまっきぃに預けてほりりんを追いかける。
なんとか捕獲に成功し、先ほどの店に戻って遅い昼飯。
刺身定食(1500円)を食べる。
で、うだうだしてたら4時近くになったので、今夜のキャンプ場を探すことにする。
ドンデン
まずはドンデン高原のキャンプ場に行ってみたが、駐車場から登山道を1km以上歩かないとならなかったのでパス。
駐車場から眼下に見える海と田んぼが広がる景色は特筆ものでしたので、残念でした。

高原を駆け下りて東海岸沿いに北上。。。するつもりがほりりんが居ない。(--;
どうも、下る途中で遅いバイクをパスした時にはぐれたらしい。
とりあえず行けそうな範囲では、島の一番北端あたりにしかキャンプ場が無いので、そこまで行ってみる。。。
が、ほりりんを発見することはできなかったので、携帯の圏内まで戻って待機。
しばらく待ってると日暮れ直前にほりりん登場。
再会を喜びあう。
ほりりんも一安心したことでしょう。
だって、ほりりんが金を出した今日の晩飯と酒は、まっきぃの車に積んであったのだから。(^^;
今宵の宿は二つ亀にあるJRのキャンプ場。(1泊800円)
日も暮れてきたので、「なぜ佐渡にJR?」とか考えるヒマもなくテントとメシの準備です。
ここは、上の駐車場から(車両進入禁止の)ちょっとした坂を下らねばならないのですが、バイクは乗り入れOK、車も荷物の積み下ろし時は乗り入れOKってことでした。
混雑期はどうなるのか、わかりませんけど。
このキャンプ場は林間にあって海も見える(これは翌朝気付いた)所で景色・設備的には良い(ビールは売ってませんけど)のですが、サイトの大半が緩斜面になっていて、テントの設営には少し気を使います。
今宵は肉を焼いて食うつもりで、適当に食材を買っていたのだが、隣のサイトの人が余ったバーベQ材料を恵んでくれたので、かなり豪勢な晩飯にとなりました。
私は枝豆とトマトを準備したあと、思い付きで味噌汁に野菜とエビを突っ込んでみる。
本人は味噌風味の鍋料理を作るつもりだったのだが、食べた感じは単なる具沢山の味噌汁でした。(--;
今夜はビールに加えて日本酒も調達してきたので、かなり豪勢な酒宴になる。
呑んだくれていると、まっきぃの足にセミがよじ登って脱皮してる。
セミを殺すのも可哀相なので、まっきぃはしばらく立つに立たれぬ人となる。
大笑いである。(^^;
2時近くまで酒盛りをし、明日はのんびり起きる予定として、各自眠りにつく。


・7月26日

二つ亀
前夜さんざん飲んで夜更かししたのだが、何故か7時頃に目が覚める。
ほりりんとまっきぃは起きてくる気配も感じられないので、とりあえず煙草と缶コーヒーを持って海が見えるテーブルでくつろぐ。
すぐ目の前に二つ亀(島)が見える。

しばし呆けてからテントサイトに戻るが、二人はまだ熟睡中なので、前夜の食器類を洗うことにする。
昨日いただいた食材がたくさん残っているので、ブランチを作って云々と言う話もあったのだが、あまりにも良い天気なので、私は早々にキャンプ場をあとにすることに決める。
しばらく後、起き出してきてヤキメシ(=ブランチ)を作りはじめた二人とは、初日に泊まった素浜のキャンプ場で落ち合うことにして、一人で出発とする。

まずは西海岸(外海府)沿いを流す。
礼文の桃岩を思わせるような大野亀近辺を通過。この辺が佐渡で一番景色・雰囲気が良い。
険しい海岸線を縫って、断崖のUP&DOWNを交えつつ走る。爽快爽快。

大倉の集落で海岸線の旅と決別。食料と飲み物を買いこみ、川沿いに山へとわけいる。
この大倉林道は鬱蒼としげった森の中をゆるやかに高度をあげていく道で、期待していたほど景色はひらけない。
が、路面的には土&小石系で時々激しい流水轍が現れるという、ちょい荒れ系で楽しい。
ウネウネと道なりに走って「どの方角へ走っているのかわからないなぁ」とか思っていると、突然広い砂利道に当たって終点。
地図で確認してみると、石名和木林道のようである。
左折して島の東海岸へと進路をとる。
この道、ツーリングマップルではダートの比率が結構あるように読めるが、実際はほとんど舗装済み。
残されたダートも奇麗に砂利が轢いてあるので、完全舗装の日は近いものと思われる。
峠までは外海府、峠から先は内海府〜粟島と本州の弥彦山や立山あたりを見渡すことができる。
景色は最高に良いのだが、走ってて楽しい道とは言い難いと思う。
景色が見えなくなってから、集落まで出るのに時間がかかって厭きてくるし。
海岸線におりてから、南下。昨日一度登ったドンデン高原を目指す。
尻立山
今日は駐車場から少し山歩きをしてみるつもりである。
山の方へとバイクで登っていくと、かなり涼しくはなるのだか、さすがに正午前後だけあって山歩きをするにはちと暑い。
とりあえず最初のピーク尻立山(940m)まで登ると、汗だくになってしまった。(--;
山頂からは内海府から弥彦山、加茂湖とその西に延々と広がる田んぼが奇麗に見える。

少し休んだあとドンデン池方面へと下る…暑い。
ドンデン池が眼下に見えるあたりまで行き、木陰で昼食---と言ってもパンを食べるだけである。
パンをむさぼりながら「池まではまだ距離ありそうだなぁ」「降りたら登らなかアカンねんなぁ…(--;」といったことを考える。
ドンデン池
結局、池まで下りるのはやめにして、望遠レンズで池の写真を収めて満足する。(笑)


駐車場までもどって、汗がひくのを待ってから出発。
一気に加茂湖まで走り抜ける。
東海岸沿いに南下して、島一周の気分を味わおうかなぁとも考えたが、なんか退屈そうなのでやめにして、西へ向かうことにする。
すっかり暑いのヤダって感じになっていたので、素直に看板にしたがって「トキの森公園」に立ち寄る。
「トキ記念館」(200円)に入り、人が少ないのを良いことに冷房の前を占拠する。
記念館に隣接する飼育舎には、日本最後の朱鷺「キン」が飼育されているのだが、彼女が穏やかに暮らせるようにという配慮から、カメラのモニター越しにしか見ることはできない。
ちなみに「キン」は私より一つ年上(30歳)というお婆さんなので、日本から朱鷺が消える日も遠くは無いと思われる。
トキ記念館をあとにして、畑野温泉松泉閣へ。
テニスコート等のスポーツ施設を併設した健康ランド風の温泉である。(入浴料は多分500円くらいでした)
新しくて奇麗で、浴槽からガラス越しに田んぼとその背後の山々を眺めることができるので、のんびりと気持ち良くくつろぐ。
このまま西に向かって幹線道路で小木まで行くのも芸が無いので、山越えルートで南下する。
佐渡という島は北部、南部にそれぞれ山が連なり、その中央部(くびれた部分)に平野が広がるという地形なのです。
北部山地は結構険しく人里離れた山奥って感じで、南部山地は人の手が入った里山・林業の山といった感じでして、だいぶ風情が違います。
南部産地には小さな林道も点在しているようなのですが、ガソリン&時間的余裕も無くなってきたので、探索は諦める。
が、素通りってのも悔しいので、女神山山頂までのダートを往復する。
道幅も広く、いかにも工事車両とか入ってそうな道だなぁ---と用心しながら走る。
山頂に出ると、巨大アンテナが建っていました。道理で路面が良いはずだ。
しかし、期待していた展望は、木々に遮られて全くダメ。
朽ちかけた展望台に登ってみてもダメ。アンテナに上ったろうかなぁ?とも思ったが、某国スパイと間違えられると困るので、おとなしく下山する。
紅葉山公園とかに立ち寄りつつ(湧き水が飲めます)、日本の正しい田舎道って感じの山道を下って多田の港へ。
多田(おおた=逢田)は佐渡の稲作発祥の地とかで、女神山・男神山の由来も含めた昔話があるのですが、内容の大半をわすれしまったので紹介できません。(--;
すっかり記憶力が乏しくなって…年はとりたくないねぇ。(--;;;; 多田から海岸線を走って小木へ。
Sunset!
途中買い出しをして6時過ぎにキャンプ場到着。
二人はまだ着いてないようなので、とりあえず夕日の写真を撮ったりして時間を潰す。
日が暮れて、しばらく待っても来ない。(--;
しょーがないので自販機までビールを買いに行き、一人寂しく呑む。
かなり腹も減っているのだが、晩飯には手をつけずに呑む。
1Lほど呑むと、眠くなってきたので、グランドシートの上で横になる。

8時半頃にほりりん・まっきぃ到着。話し声で目が覚める。
どーも、遅くまで海水浴をしてて遅くなったらしい。(--;;;;
とりあえず晩飯の支度をしてから酒宴。今日もビールと日本酒をあける。
待ってる間に呑んだ分も含めると結構な量を呑んだような気がする。
おかげで、日付が変るころにはグランドシートの上で眠りに落ちる。
まっきぃがテントに入る気配で目覚め、私もテントの中に場所を移して本格的に眠りにつく。
そのとき、ほりりんはテントの外、ゴミ袋の上で気持ち良さそうに寝ていたのだが、この季節に風邪引くことも ないだろうし、佐渡で熊に食われることも無いだろうから、そのままにしておいてあげる。(笑)
結局、日が昇るまで外で寝てたみたいです。


・7月24日

のんびりと起きだす。
まっきぃが朝メシに食べてたソーセージの名前がホモソーセージってんで、ひとしきり大笑いする。
名残を惜しみつつ、適当に片づけて港へ。
なぜ毎朝ほりりんが裸になるかは謎のままでした。(笑)
船
10時頃のフェリーで島を離れる。
月曜ってのに、結構混んでました。

直江津港で解散して、各々帰路につく。
わたしは春日山(上杉謙信の居城)をぐるっと(徒歩で)散策した後、国道8号経由で帰ることにする。
本当は高速を使わずに帰るつもりでしたが、交通量も多く、天候も怪しくなってきたので、富山付近から高速を使い19時頃に帰宅。
直前に思いたったにしては、なかなか良い旅だったと思います。
佐渡は(バイクで遊んでも)面白い島なのですが、小松〜直江津220kmを走る手間と、フェリーの料金を考えると、ちょっと手軽には行き難いところです。
なんとなく、気分的には一回行ったから、もう良いや。って感じです。


全国旅日記目次へ
TOPページへ


  佐渡・ドンデン山のページ