『東京大学物語』
(2006年、日本)

 監督:江川達也 出演:三津谷葉子、田中圭、波岡一喜、升毅

 私は江川達也氏の漫画が好きで、残念ながら比較的最近の作品は読めていないのですが、 『BE FREE!』『まじかる☆タルるートくん』『GOLDEN BOY』『東京大学物語』あたりは コミックス全巻持ってます。あと、江川版の『源氏物語』も読んだし、社会科の教師としては 是非『日露戦争物語』を読みたいんだけどなあ・・・。
 そんな江川ファンの私的には『東京大学物語』の実写映画化っていうのはとても興味深く、 チャンスがあれば「劇場まで足を運んでも良いかな」くらいに思ってたんですが、 実のところそんなに期待はしてなくって、実際観ても「う〜ん・・・」ってのが正直な感想です。

 映像(撮り方)が綺麗なところと、矢野先生役の升毅の引き締まった演技と、三津谷葉子の体当たり っぷりが良かったと思います。でも、「果たして三津谷はこの作品にこんなに体当たりで臨む必要が あったのだろうか」と思わざるにいられないつまらなさ。冒頭の、水野遥の周囲に受け入れられない 子供時代の回想シーンに関しては凄く心にくるものがあったけど、全体としては冗長で退屈。 あと、鈴木英里役の範田紗々は、ルックスは割と原作のイメージに近いと思うのだけど、 演技がイマイチで感情移入できない。そして、オチを三段くらいに重ねてくる無駄にクドイ感じ も歓迎できない。サスペンスじゃないんだから、終わり方はもっとストレートで良かったん じゃあないだろうか。ああいう発想は面白いんだけど、実際映像にしてみたら執こいし インパクトはないし、みたいな感じかな。(オチで凝るならもっと中盤で山場を作ってください。)
 まあ、10年くらい前にやってたテレビドラマよりは原作に忠実で良かったかなあ。 (原作が完結してるし、監督が原作者だから当たり前か。)

[視聴日08.10.19 / 更新日08.10.19]

Written by "春は太陽".