獅子座流星群

1998.11.18 02:30 少しずつ、まどろみが浅くなり、何かに呼び寄せられて目がさめる。

行かなくては・・・・。

真夜中の街は、普段とは違い、頬を、赤く染めるように高揚した魂たちが、静かに、それを待っていた。

まるで、それに吸い寄せられるように・・・・。

そんな、いつもと違う雰囲気に包まれて、少しずつ胸が高鳴ってくる。

北斗七星、オリオン、すばる・・・。いつもより鮮明に見えている。

雲は切れ、月は隠れ、風は、ほとんど無い。

すべてのものが、息をひそめて待っている。

ビルを、早足で駆けあがると、いきなり、眼の中に閃光が飛び込んできた。

流れた後の軌跡が、飛行機雲になる。

圧倒的な明るさと視界の端から端まで流れる星たち。

見慣れた都会の夜空を、日常から非日常へと一瞬に変えていく。

     曇りのない瞳で見つめていた沖縄・阿嘉島で出会った流れ星。

     命を吹き込んだオリオンをかすめた都会で出会った流れ星。

     消えゆく命を見つめていたノース・オアフで出会った流れ星。

自分の歴史に刻まれた流れ星との出会いは、いくつかあったが、…・。これなら、願い事も間に合いそうだが、頭の中が真っ白になり、僕の頭上のフキダシには、‘…・!!’感嘆符しか出てこない。まるで、夜空は、巨大なキャンパス。絵描きは…・誰?

この壮大なドラマのBGMは、26年前にレコーデイングされた、瀬川洋の‘なぜに生まれて’。

時の流れを飛び越えて、スチールギターのフレーズと、彼の歌声が、流れ星と絶妙な、ハーモニーを奏でていた。

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