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   FDX-472J 型
   クランクアップタワー用制御盤の製作

今までの制御盤

FTI 社に立ててもらったクランクアップタワー用の制御盤を新しく自作しました。今まで使っていた制御盤はタワー上下用電動機をスナップスイッチで起動・停止させるものでした。スナップスイッチは双投スプリングリターン型のためタワーを動かしている間は常にスナップスイッチを押す(下降時)か引く(上昇時)かしていなければなりませんでした。

次の写真はいままで使っていた制御盤(スイッチボックス)外観と内部です。

新たに自作した制御盤

新らしい制御盤は電磁開閉器を使い押し釦スイッチで上昇、下降、停止ができます。回路はできる限り部品点数を少なくしました。主要部品は次のとおりです。

筐体:
私の住む市内の DIY 店の電気工事関係売場で買い求めました。 外形は 260B x 230H x 130D で15mm厚の部品取り付け合板が付いていています。

電磁開閉器: 富士電機製 SC-5-1 100V コイル 補助接点1a1b型 2個

押し釦スイッチ: IDEC IZUMI 製 25mm径 1a 2個、1b 1個   計3個

ブレーカ: 三菱電機製 BL-2C 15A 1個

端子台: 16連

電磁開閉器と押し釦スイッチ、ブレーカ、端子台など秋葉原駅近くの田中無線電機で買いました。

電線:
黒色ビニル被覆・機器用電線 VSF 2□ 約15m

圧着端子:
2□電線用のブレーカ入出力用棒状端子と機器用フォーク型(ネジ径3mm と4mm用)

製作の概要
1.筐体は箱と屋根(雨よけ)、扉の順に分解します。

2.箱と内部の木製部品台にタワー取り付け用穴を開けます。

3.部品台は箱の裏からネジ留めしてあるので、取外して部品を取り付けます。

4.筐体下部の電線取出し用穴(ノックアウト)3個を押し釦スイッチ取り付けに使いました。旨い具合に穴径がピッタリでした。

5.各配線の端末の圧着端子部分は機器のネジ部で2本か1本になるよう配線します。一筆書きの要領です。圧着端子が2本入るネジ部は端子を背中合わせに入れます。

6.電源表示灯はジャンクボックスに眠っていた 100V 用ネオンランプを扉につけました。

7.今まで使っていた制御盤は電源を受ける端子台がありました。 ブレーカを OFF にしても充電部が存在するため危険ですから、新しい自作制御盤では電源配線を直接、ブレーカの1次側へ接続しました。

8.配線テストを行って、本体に扉、雨よけを組み立ててからタワーに取り付けます。
スペースの関係から押し釦スイッチ3個は仮配線しておき、一旦取外して外部配線引き込み後に取り付けました。

9.盤内の端子台に外部配線を接続します。 配線終了後間違いないか、端子のネジの締め忘れがないか確認して電源を投入します。 試運転を行って上昇、下降と上限、下限リミットスイッチの動作を確認します。

下の写真は新しくなった制御盤です。
押し釦スイッチは緑と赤、黒のキャップが付属しています。上昇を空色にしたかったのですが緑色に、下降は地面方向なので黒色、停止は赤色にしました。 押釦スイッチのチョン押しで電磁開閉器は自己保持し、タワーの上昇や下降ができるようになりました。赤色のスイッチを押したとき或いは駆動部にある上限または下限のリミットスイッチが作動すると瞬時に停止します。

部品代は約 \17,000 位かかりました。

電磁開閉器や押釦スイッチの 1a 1b とは接点の構造のことで a接点 は常時開作動時閉となる接点 b接点は常時閉作動時開の接点です。 a や b の前に付く数字は接点の数を示します。

電磁開閉器の購入は「 1a 1b 補助接点付き AC 100V コイル 2個」と指定します。 押し釦スイッチは「 1a 用2個、 1b 用1個」となります。 下の電気回路線図でコンデンサのようなシンボルは a 接点でタスキがかけてあるようなシンボルは b 接点を示します。 JIS の表記ではありません。

電磁開閉器は三相交流用に作られていて5つある接点のうち左が 1a の補助接点、右が 1b の補助接点で中の3接点が動力用です。 補助接点は電流容量が小さいので電動機の動力回路には使えません。 

今回購入した電磁開閉器は少し大きい容量ですが、機械的な頑丈さと個人的な好みにより選んだものです。 私用はコストに全く無頓着ですね。

電線や圧着端子の2□は通称「2スケ」といってます。 
これは電線の合計断面積が2平方ミリ( square mm) を意味します。 使用した VSF (機器用電線)は芯線が 0.26 ミリ導体の 37 本撚りです。
KIV (600V 電気機器用ビニル絶縁電線)でもよいでしょう。 IV(ビニル絶縁電線)は芯線 0.6 ミリ導体の 7 本撚りで狭い盤内の配線には曲げにくくて不向きです。

電線端末の圧着端子はハンダ付けは NGです。 必ず圧着工具でカシメます。 圧着工具は手元に無かったので購入しましたが各種電線用は高価なので2□、1.25□専用の少し安価なものにしました。 これから先の使用頻度を考えると高価な工具かもしれません。
図面の印刷用ファイル(.pdf)はここから取れます。


単相誘導電動機について


三相かご形誘導電動機は3系統の固定巻線に120度づつ位相差のある三相交流電源を接続すると回転磁界が発生し、かご型回転子は簡単に回転を行います。電動機も安価です。

単相誘導電動機は電源から回転磁界が得られないため固定巻線だけでは回転できません。 このため何種類かの起動方法があります。
FTI のクランクアップタワーに使われている単相誘導電動機はコンデンサ始動式といって上記シーケンスに示す固定主巻線のほか補助巻線があります。 補助巻線は電動機出力に応じたコンデンサと遠心スイッチが直列に接続されていてコンデンサにより電位位相を約90度進めるため回転磁界が発生します。 このような構造から単相電動機は高価です。

この電動機は回転が始ると内部の遠心スイッチがOFF になり補助巻線の通電を切ります。起動後は補助巻線による磁界が無くても回転を続けるのです。 主巻線が二系統になっているのは AC 200V で使用するとき直列に接続して使うためです。

電動機巻線の端子記号は三相電動機の場合 U V W (X Y Z) と決められていますが単相電動機は回路線図に示すような色別表示になっています。 色別結線方法は電動機の胴体に表示されています。試運転をして対応するスイッチとの回転方向を逆に設定したい場合は補助巻線出力端子部分の接続を端子台で逆に入れ替えれば OK です。

2005.9.15