ログブックについて


JA1HHF/日高 弘

ログブックは航海日誌のことで、航海日誌には幾つかの業務日誌があり無線業務日誌もその中の1つに含まれています。

航海日誌がなぜ「ログブック」と呼ばれるようになったのでしょうか。

航海機器が発達していなかった帆船時代、船首から投下したLOG(丸太=木片)が船尾を通過するまでの時間を測り、船の全長から時間当たりの速度を算出すると教えてもらった記憶があります。しかし船が大型化すると船尾から簡単に船首は見えません。

船舶の無線局に勤務するには総務省(郵政省)による無線従事者の資格を取リ、国土交通省(運輸省)の海技従事者の資格を取得しなければなりません。
私が若い頃、海技従事者の免許を受けるために学んだLOGには上記方法を改良した航海用具に手用測程儀(HAND LOG)と曳航測定儀(PATENT LOG)というものがありました。

手用測程儀は船が外洋を航海中、船尾からロープ(測定索)を流して一定時間に流出したロープの長さを測って時間当たりの速力に換算するものです。

ロープの先端には水中で直立するような扇形板を取付け、その板がスクリュウの渦流外に出るあたり、だいたい船の長さの3分の2位の長さのロープに0(ゼロ)の目印(結び目=Knot)をつけ、低速船は14.28m高速船は7.14mごとに結び目をつけて低速船は28秒、高速船は14秒の砂時計で時間を測りながら流出したロープの結び目を1時間あたりに換算して船の速度を測定したようです。
船の速度、何ノットなどはこのあたりからきたのでしょう。
 (注:1ノット=1,852m/Hr = 0.51444m/sec 1海里=1,852m)

扇形板は厚さ1cmくらいで直径30cmの木製円形板を6等分した1片でLOG SHIPと呼ばれていました。

曳航測程儀はロケット型でやや捩れた羽根を持つ青銅製中空円筒形の回転子をロープ(曳索)で引くと船の速度に応じ回転子の回転がロープに伝わり、船上の指示器を回して速度が指示されます。
この指示は電気信号に変換して航海船橋(ブリッジ)でノット目盛による速度も見られるようになっていました。

この曳航測程儀は船が外洋に出てから投下しますが、金属製の回転子を投下するときは「LOGを流す」と言っていました。

現在、船の速度や位置はGPSにより測定されLOGと呼ばれる機器は無くなりました。
 
無線局のLOG BOOK(無線業務日誌)は必ず備えつけておかなければならない書類(電波法 第60条)ですが平成10年より電磁的な記録も認められています。
(電波法施行規則第43条の6)この場合、必要に応じ直ちに書面への印刷ができなければなりません。
 
電波法が施行された1950年からしばらくの間、アマチュア無線局にもログブック(無線業務日誌)の抄録提出が義務付けられ毎年1月から3ヶ月ごとに所轄官庁へ抄録を提出していた時代がありました。現在は放送局のみが抄録の提出を義務付けられています。(施行規則 第41条)
 
私のハムライフに於ける交信記録はログブックと数表計算ソフトやデーターベースソフトを使って記録してきました。パソコンやOSが進歩し、使用してきたソフトウエアも「マルチプラン」、「桐」、「ロータス123」、「エクセル」、「ハムログ」などがあり、それらにより時代を追って記録してきたためデーターが散在してしまっています。
並行して記録してきた昔ながらの紙に書いたログが交信記録の歴史を物語る唯一のものとなっています。
 
昨今、Web上のログだからと言って「ブログ」なんて言葉ができましたね。
 
おわり
 
2010.8.28修正
 

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