7.19.2004

That's what I said! Believe and Respect.

実に印象に残る駒場の一夜だった。
試合はオシムの居眠り(?)に象徴されるように、市原のボールキープ戦術に翻弄された前半と、永井の投入からパスの出しどころが増え一気に動き出した後半に大別される。ワントップがとても得意とは思えないエメルソンをそこに据えたのは、出場停止の田中達也と完調ではない永井の状態からであろうが、山瀬FW登録とはいえ、やはり前半はエメルソンの個人技頼みが目に付いた。
一方、後半に入ると浦和は永井の投入を準備、お互いがゴールへの意識を前面に押し出し始めた。しかしこのゲームは不思議なもので、オフサイド判定を免れたDFからの縦パス一本に林が反応、先制は市原となる。
しかしだ。ここからが駒場の真骨頂。全く衰えるどころか、更に音量と熱気を帯びだすサポーターのコール。それに反応するように市原ゴールに向かって押し寄せる浦和の選手達。今日一番の働きを見せていた長谷部誠のヘッドが作り出した曲線を描くシュートに、市原GKは体をエビぞるもそれに触る事はなかった。
同点。これで安堵している場合ではない。あの清水は大分に勝ちそうだ。今日同点では最終節に大きな影響をもたらす。永井に続いて投入された岡野は、得意の走り方でサポーターを湧かしている。チェイシングで拍手と歓声が巻き起こる選手は後にも先にも岡野と引退間近のラモスだけだろうか…。40分過ぎのFKは、やり直しの為に作戦がバレてもエメルソンのミドルシュートという選択、惜しむらくは枠を僅かに捉え切れなかった事。直後のロスタイム、CKから市原ゴール前の人込みを弾かれ出てきたボールに柔らかい反応を示した赤い選手がいた。岡野だ。しなやかなシュートは、まるで先ほどの長谷部のそれのようにゆっくりと、しかし確実にゴールに向かっていく。歓喜の瞬間、浦和駒場スタジアムは爆発した。
この試合、我々浦和サポーターが得たものは何だろう。前日の啓太・山瀬のショッキングな五輪代表落選のニュース。選出された闘莉王と達也の鎮痛な面持ち。その身を包む13番と8番のユニフォーム。その画を食い入るように、そして唇を噛んで記事を読むサポーター。ひときわ大きな声援を、落胆した二人の若者に送る駒場の観衆。実質上のVゴール後に見せた二人の明るい笑顔。何か小野伸二の4年前を思い出さずにはいられない光景。その小野伸二が結果的に二人を代表から弾き出したというのも皮肉だ。しかしこれがフットボールという人間模様。終わりの無い筋書きが今日も明日も俺たちを待ち受ける。
そんな中で感じた事。サポーターとしての心構えは選手を信じる事、そして選手に最大限の尊敬の念を持って接する事だと改めて痛感した。

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