Comet C/2025 L1 (ATLAS)

A. Fitzsimmons (クイーンズ大学, Belfast)の通報によると、6月6.4日UT、チリ Rio Hurtadoに
ある小惑星地球衝突最終警報システム Asteroid Terrestrial-impact Last Alert System (ATLAS)
調査プログラムのコースに0.5-m f/2 Schmidt反射望遠鏡で得た4枚の30-秒CCD画像から、彗星らし
い天体を発見した。彼は、5".1のシーイングで、"わずかに伸びた"天体を、6".1(半値全幅:FWHM)
と付記した。
小惑星センターのPCCP webpageに公表後、S. Deen (Simi Valley, カリフォルニア州, 米国)の報
告によると、6月7.4日UT、チリ Rio Hurtadoの0.43-m 反射望遠鏡で得たCMOS画像(観測者：A. 
SchnabelとD. Ruhela)から、1".2のシーイングで、V光度18.6等、非常に集光し、恒星状に近い
1".3(半値全幅:FWHM)のコマと、p.a. 295-300°に向かって約3"の尾が確認できた。
彼の新しい位置測定法により、Deenはその後、2025年5月11日にRio Hurtadoで得たATLASのアーカ
イブ画像から、彗星の発見前の画像を特定し測定することができた。2025年5月11.4日と17.4日 
(それぞれ光度は18.6-18.9等と18.3-18.6等)、および南アフリカのSutherlandで、5月13.2日(光度
は18.6-18.8等)に得た画像について、Deenはこれら5月の画像では彗星があまりにも暗く、彗星の
活動について確かなコメントをすることはできなかったと注記した。
また、佐藤英貴氏(東京都文京区)によると、6月9.42日、60-秒CMOS露出8枚のスタック, 0.25-m 
f/3.8 アストログラフ, Rio Hurtado, チリ, 遠隔操作:恒星状に見えるだけであった。5".2の円形
範囲で測定した光度は18.1 等であった。
R. Weryk (西オンタリオ大学,物理および天文学科)の報告によると、2024年10月1日、この天体の
明らかな画像を確認した。HaleakalaのPan-STARRS1 1.8-m Ritchey-Chretien反射望遠鏡を使用し
て観測したもので、"画像の品質が十分でなかったため、微弱な活動が確認できたかどうか判断で
きなかった"と付け加えた。

彗星機能の報告は次のとおり、

OC   Date        Reporter            Coma    Tail   PA   Comet     Date
                                                        (T/P)   Reported
W68  2025-06-06  A. Fitzsimmons     10"                   P   2025-06-06.52
X09  2025-06-07  S. Deen             2"        3"  300    T   2025-06-07.45
L81  2025-06-08  N. Paul             9".6                 T   2025-06-08.61
194  2025-06-09  M. Jaeger          10"       30"  278    T   2025-06-09.69

発見位置は次のとおり(PCCP A11otPP)、

     2025 UT             R.A. (2000) Decl.       Mag.
     June  6.38630    2 42 12.00   -49 21 50.8   18.2
           6.40411    2 42 14.05   -49 22 05.0   18.4
           6.40684    2 42 14.30   -49 22 07.1   18.8
           6.41003    2 42 14.69   -49 22 10.0   18.4

MPCの双曲線軌道要素は次のとおり、

Orbital elements:
    C/2025 L1 (ATLAS)                                                           
Epoch 2025 May 5.0 TT = JDT 2460800.5                                           
T 2026 Jan. 12.80576 TT                                 Pike                    
q   1.6794568            (2000.0)            P               Q                  
z  -0.0005390      Peri.  341.27076     -0.77353603     -0.46566298             
 +/-0.0003659      Node   208.10360     -0.39901348     -0.16914375             
e   1.0009051      Incl.  114.13650     -0.49237206     +0.86864744             
From 30 observations 2024 Oct. 1-2025 June 9, mean residual 0".5.               
                                                                                
Ephemeris:
Date    TT    R. A. (2000) Decl.     Delta      r    Elong.  Phase   m1
2025 05 10    01 58 02.3 -44 39 38   3.7651  3.4470    64.2    15.3  19.7
...
2025 05 25    02 20 37.3 -46 49 35   3.4789  3.3061    71.8    16.9  19.3
...
2025 06 02    02 34 11.6 -48 22 55   3.3251  3.2310    75.9    17.7  19.1
...
2025 06 08    02 45 15.2 -49 44 56   3.2112  3.1747    78.8    18.3  19.0
2025 06 09    02 47 10.9 -49 59 38   3.1924  3.1653    79.3    18.4  18.9
2025 06 10    02 49 08.1 -50 14 38   3.1737  3.1560    79.8    18.5  18.9
...
2025 06 16    03 01 27.9 -51 50 56   3.0634  3.0998    82.5    19.0  18.7
...
2025 06 24    03 19 49.0 -54 16 19   2.9226  3.0250    85.9    19.6  18.5
...
2025 07 09    04 02 41.4 -59 36 49   2.6879  2.8854    90.7    20.6  18.1

(MPEC 2025-L56、CBET 5566)