VSOLJニュース(337) 西村さんがさそり座に新星を発見 著者:前原裕之(京都大学) 連絡先:maehara@kwasan.kyoto-u.ac.jp 1月の明け方、南東の空には早くもさそり座が見えるようになっています。そん なさそり座の中に新たな新星が発見されました。新星を発見したのは静岡県掛川 市の西村栄男(にしむらひでお)さんです。西村さんは1月17.8691日(世界時;以下 同様)に焦点距離200mmのレンズとデジタルカメラを用いてさそり座付近を撮影し た画像から、11等の新天体を発見しました。その後の観測によって測定されたこ の天体の正確な位置は 赤経:17時 18分 06.37秒 赤緯:-32度 04分 27.7秒 (2000.0年分点) です。 1月19.7564日に千葉県の清田さんの行なった多色測光観測によると、この天体 の色指数はB-V=1.3で、赤い色をしていることが分かりました。この天体の分光 観測は1月21.36日にチリにあるSOAR 4.1m望遠鏡で行なわれ、この天体のスペク トルには幅の広い水素のバルマー系列や1階電離した鉄の輝線がみられたことか ら、この天体が古典新星であることが判明しました。 2018年1月26日 参考文献 CBAT "Transient Object Followup Reports": PNV J17180658-3204279 Strader, J., et al., ATel #11209