ベトナムの生活

97年2月にベトナムに行ったときのレポートです。
ホーチミン市(旧サイゴン)周辺についてのものです。首都は北部のハノイですが、経済的な中心はほとんどがホーチミン市にあります。

HONDAのバイク(懐かしいシャリー)に乗る少女

ホーチミン市内の主な市民の足はモーターバイク。私が以前乗っていた同型のHONDAシャリーに、アオザイ(典型的民族衣装)を着た少女が乗っている。思わず懐かしくなってしまった。日本で廃車になったバイクもこんなところで元気で現役をやっている。ひょっとして私の使ってものだったりして。なんて思ってしまう。ということで、一種のリサイクルとも言えよう。
おそらく彼女はやや裕福な家庭の子女で、ハイスクールに通うためにバイクに乗っているのだろう。アオザイはおそらく学校の制服と思われる。
4輪車より圧倒的に多いバイク。アジアの他の街、デリー、ジャイプール、バンコク、上海、北京、香港などに比べて、バイクが本当に印象的である。



ホーチミン市の秋葉原といわれる電気街

秋葉原とは言い過ぎで、パソコンやその周辺機器はほぼ皆無。ソフトウェアしかり。テレビ、ビデオ、オーディオ系がほとんど。店も少ないし小さい。
インフラという観点から見ると、ホーチミンは上下水道が非常に遅れており、現地の人でさえ、水道の水は沸かして飲まなければ下痢を起こす。だから必ず家ではお湯を沸かして飲む。また、道路も裏道に入ると舗装のないところが多い。市内の川はドブ川で死んでいる(次の写真)。
しかし、しかしである。電話とテレビの普及率は90パーセントを超え、100パーセントに近づいている。さらにはビデオも一説によると80パーセントくらい普及しているらしい。まさに日本を始めとする技術国家によって、上半身だけがインフラとして異常進化した状態である。 電気メーカに勤める私としては複雑な心境だ。



バラック的家屋とヘドロだらけの川

バラック的な家屋、川は耐え難い異臭を放っている。
外国人のビジネス、宿泊、観光のトライアングル地帯以外のホーチミン市内はかなり不潔だ。でも私は嫌いなわけではない。人々の性格はぼくとつだし、いかがわしい客引きですら憎めないところがあったりする。
私はモーターバイクを借りてぶらぶらとあちらこちらを回り、市の舞台裏を見た。いい経験になったが、みなさんは真似をしないで欲しい。そうとう調査しないと詐欺に遭うかも知れないし、私はパンクしてしまった。運よくパンクしたところから50メートルのところにバイク屋さんがあったから助かったものの、英語の通じないところでへたをすると何十キロもバイクを押すことになるだろう。そのときの釘はラッキーの印に今でも持っている。1米ドルで直してもらったが、ドルだったので店主の目はかがやいていた。あんなに1ドルで喜んでもらったことは今までで初めてだ。


先ほどの話しにもあったが、ベトナムの通貨VND(ベトナム・ドン)の値打ちは低い。ベトナムに行く人は日本で、1ドル札を山ほど用意しておくとよい。彼らにとって米ドルほどうれしいものはないのだ。私たちもそれで、大変助かる。ちなみに日本円なんて知っている人はほとんどいない。
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