2003年大阪国際女子マラソン観戦記

今年も大阪国際女子マラソンを沿道から応援。
昔はあんな一瞬で通り過ぎていくものの為によう沿道応援なんか するわ〜と思っていたのだが、3年前のシドニーオリンピック 選考会の時に近いしいっぺん見に行ってみようと思って リディア・シモンと弘山晴美のデッドヒート、引退を掛けた 有森裕子の走り、遅れても頑張り続ける阿部友恵らを目の当たりに 見てとても感動を覚えたのであれ以来大阪国際女子は毎年沿道に 見に来ている。

今年はそれ程の強力な有力選手は居らんかなぁなどと思いつつも 日本選手の頑張りを期待しつつ、例の如く御堂筋折り返しの新橋の 交差点で待機。目の前ではスタッフが持っている選手紹介の冊子から 先頭集団から落ちていった選手に線を引き、選手がこの場所を通る時に 説明するセリフの練習をしていた。よく見ると私の好きな小幡佳代子 そして、先頭集団がやって来た。
なんと先頭集団には日本人が6人もおり、外国人選手は自己ベスト記録で 一人抜けた記録を持つ去年の覇者ローナ・キプラガト選手だけ。 予想外の7人集団がかなりのハイペースで目の前を駆け抜けていく。
後ろから「千葉頑張れ!千葉頑張れ!」と連呼する女性の声。 目の前を駆け抜けて行くランナー達はこの日の為に 何ヶ月も前から調整し、一発勝負に掛けて猛練習をして来たはずだ。 その思いは少しは分かるつもりであるだけに、ほんまに頑張って欲しい という思いが胸一杯に広がる。 それはともかく、この展開は面白いなぁと思いつつも、 このペースはあの集団にはちとキツいんちゃうかぁと思いながら、 先頭集団を見送った。そして次は、普段お世話になっている夕やけランの 佐藤先生を待つ。佐藤先生が通り過ぎるときに声援を送ったが聞こえた だろうか。ペース的にはまずまずのペースな感じだ。佐藤先生が行って しまうと、長居陸上競技場に移動することにした。

その競技場のオーロラビジョンでは予想しない展開になっていた。 なんとトップ争いのデッドヒートを繰り広げている野口みずきと 初マラソンの天満屋の坂本直子の姿が映っているではないか。 既に内定を決めている松岡理恵と同じ天満屋の選手がまた トップ争いとは、天満屋凄ぇと思って見ていると、 ちょっと遅れて千葉真子とキプラガトが後を追いかけている。 千葉頑張れ〜と思いはするもののその差は縮まらない。 でも、4位に遅れ掛けていた千葉が急にスピードを上げて 一気にキプラガトを交わして3位に浮上。 その直後、先頭争いをしている野口が2度目のスパートで坂本を引き離していく。 そうして野口がトップのまま長居公園に、ほぼ優勝は決まった感じだ。 その反面、野口にはなされていく坂本に千葉が大分近づいていくので これはもしかしたら追いつくんちゃうかと期待も湧いて来て力が入る。 するとビジョンはトップの野口の出迎え体制に入り中継は中断となった。

暫くすると野口がトップで競技場にに入ってくる。 一斉に皆で旗を振って応援。かつて高橋尚子がインタビューで競技場の ゲートを潜る一瞬の静寂の後、球技場に入った瞬間の皆の歓声が 好きだといっていたが、野口もきっと気持ちいいやろうなぁと思いながら 旗を振って応援していると、次に入って来たのがなんと千葉真子。 そしてすぐ後に坂本。日本人トップ3人が同時に同じトラックを走る という凄い展開になった。そして野口がゴールテープを切る。 記録はロンドンで渋井陽子が出した記録を上まわる日本人歴代2位、 世界歴代8位の大記録。2位の千葉も2時間21分台と素晴らしい。 3位の坂本も初マラソン日本記録を上まわる記録だ。 走り終わった後、千葉が両手を挙げて観客席にアピール。 そしてトラック内の芝生を一周しながら観客に手を振って廻りだした。 2位だったものの自分の力を出し切れて満足したようないい表情が見える。 (このときは嬉しくて一周したのかと思っていたのだが後でビデオで見たら、 小出監督が両手を挙げさせて、一周して観客にアピールしてくるように 指示していたのを知りました(^^;)。 その時は野口はテレビ用のインタビューに答えていた模様。 後で見ると息が切れて対応するのがしんどそうでちょっと可哀想な感じだった。 その後野口が観客用のインタビューを行って、千葉と同じように 観客席に向けて手を振ってアピール。場内が再び盛り上がった。

その後もぽつぽつと選手が入って来る。 キプラガトは4位だったものの、自己ベストを少し上まわるタイムでの ゴールだった。いかにこの大会のレベルが高かったかが分かる。 競技場のオーロラビジョンにうつらなかったのでどうなったのかと 思っていたのだが、どうやら先頭集団で引っ張ってペースを作っていた 山中美和子は途中でリタイアしたらしい。 もう一つ印象的だったのは、2時間59分55秒くらいでゴールした 一般選手と3時間数秒でゴールした選手が共に、ゴール後すぐに 倒れ込んで暫く立てなかった場面。 お互い力を出し切ってタイム的には殆ど変わらないとはいえ この10秒の差ははほんま大きい。きっとサブスリーを達成した選手は 凄い喜びを噛み締めているんだろうと自分が初めてサブスリーを 達成した時の事をちょっと思い出してしまう一瞬だった。 それにしても倒れ込むほど力を出し切れるなんて凄いなぁ。 いやぁほんま凄いレースでした。 これで泉州国際に向けてのモチベーションがちょっと上がったかな?




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