2003年泉州国際市民マラソン参加記

3000人限定という事もあって、毎年抽選で参加者が絞られるこの大会。 堺市、高石市、泉大津市、泉佐野市、忠岡町、岸和田市、貝塚市、 泉佐野市、田尻町、泉南市(協賛に和泉市、阪南市、岬町)と これだけ沢山の都市を駆け抜ける大会も無いのではないだろうか。 今年は運良く抽選に当たって参加出来る事になっていた。

当日の天気予報はあまり良くなく、前日21時過ぎから雨が降りだしていた。 朝になっても止むことはなく雨はしとしとと降り続けている。 走ろうか止めようか迷いながらも今シーズン最後の大会だということで (一応篠山にも走るつもりだが次の週の京都ハーフもあるし適当に走る予定)、 小雨なので走る事に決断。前日お世話になって更にはこの会場まで連れて 来てもらったという、やまちゃん(大阪グルメ倶楽部所属)の素晴らしい サポートにも応えなくてはならない。 とはいえ、もともと2時間45分を目指していたこの大会だが1月は風邪を引いた こともあってろくに練習が出来ていない。恐くて測っていないが間食も増えて いるし体重は増えている事だろう。それに加えて雨という悪コンディション。 風邪もしんどさは全然感じないが、たまに咳が出たりする直っているのか いないのかよくわからない状態だ。 そういう訳でこの大会へのモチベーションはあまり上がっておらず、 いつもならスタート1時間ちょい前に飲むゼリー飲料も飲み忘れてる始末。 どれくらいのペースで走ろうか非常に迷う。

スタート前に走快ねっとRCの浜ちゃん、わかちゃんと暫し雑談。 集合場所を指定した当人さぼちゃんの姿が見当たらない。 どうやら指定した本人が場所を良くわかっていないらしい(笑) 最終支度をする為にやまちゃんの車に戻った後、いざスタート地点へ 向かう。そこで鼻孔を広げるテープを貼り忘れている事に気が付いた。 慌てて戻ってテープを貼りスタート地点に戻る。そこには走快ねっとの みぞさんとかっちゃんが待機していた。前の枠のゲストランナーが 紹介される中、阿部友恵選手もやってくる。 先日の青島太平洋マラソンのときにはアシックスのシューズを 履いていたのに今回はアディダスのシューズだ。あまりこだわりは無いのかな? この大会は沢山の都市を走りぬける為に友好都市の親善招待者が多く、 更には各市民大会の優勝者などを招待したり 招待選手がかなりの人数になっていた。

いよいよスタート直前だ。 もう考えてもしゃあないので取り敢えず走り始めてから設定ペースを 決める事にした。号砲と共に身体の動くまま走り出す。 入りの1キロは4分弱、思ったより身体は軽く走り易い感じだ。 今話題?のラーメン屋「龍旗信」を右手に見ながら北上していく。 ちょっと行くと「ラーメン月亭」が更にはげんこつおやじのラーメン屋 (名前は失念)がある。ペースは4分を切るペースで推移している。 4キロほどで南海本線堺駅付近まで来て始めの折り返しとなった。 もう暫く行くと5キロ地点だ。通過時間を見てみるとおよそ19分30秒、 なかなかのペースを維持している。しんどさは全然無いのでどうやら 調子は悪く無い感じだ。そのまま走っていると後ろから招待選手の1人 ケニアのワンジロがやって来た。追い抜かれるということは 今のペースより早いペースなのは明らかだ。 しかしこのままだらだらと走っても目標も無いし、精神的に切れるのが 一番恐かったのでワンジロのペースについていくことにした。
どれくらいのペースか測ってみると、ちょうど3分50秒/kmのペースだった。 次の1キロも3分50秒、ぴったり同じペースで走っている。 こんなペースで走っててええんかなぁと思いながらも付いて行き、 5〜10kmのタイムは約19分17秒。ちょっと早い感じ。 しかし、またもや左足に軽い血豆が出来掛けているような感じがする。 この位置で出来ると厳しいなぁと思いながらも走り続けるしかない。 そのままペースはぴったり維持され10〜15kmは約19分9秒と 素晴らしく安定したペースだ。途中で浜ちゃんとわかちゃんの 沿道からの応援があった。手を振って応える。 心拍をちょくちょく確認しているが ほぼ160拍/分で安定しているのでこのまま付いてく事にした。 ワンジロの周りには私以外にも10名程の人間が付いて走っている。 いままでの大会でこんな大勢の集団で走ったことがなかったので 周りの人間がじゃまで結構走り難い。というのも、昨日から降り始め 未だに降り続けている雨のせいで車の轍には水が溜まって足を踏み入れると 靴はびしょびしょ、轍を避けていても隣のランナーが水たまりを踏むと 周りに居るランナーの足元にも水が掛かって靴が濡れる。 更に目の前に数人居ると前方の足元も見えないのだ。走り難いなぁと 思いながら、周りの1人に目標タイムを聞いてみることにした。 すると目標は2時間50分切りだとか。 このペースはちょっと早いですよねぇこのまま付いて行こうかどうか 迷うなどという話をしていたら、その人はヤバいと感じたのか 若干ペースを落として離れていってしまった。
15〜20kmのタイムは約19分17秒、ほんの少しだけペースが落ちている。 それを感じ取ったのかワンジロ選手がちょっとペースを上げたようだ。 20〜21kmのタイムが3分45秒、これはこのまま行ったら潰れると判断し、 私もワンジロから離れることにした。

中間点のタイムを見るとおよそ1時間21分半、これは早過ぎる。 つい数ヶ月前までハーフマラソンの自己ベストは1時間21分4秒だったのに こんなんで大丈夫なのだろうか。とはいえ、これだけの貯金があれば 若しかしたら2時間45分を切れるかもしれないという皮算用が頭の中を走る。 私以外にもワンジロから離れたランナーが数人いたので、 その人達と一緒に走ることにした。20〜25kmのタイムは約19分23秒だった。 しかし、だんだんと周りのペースが落ちて来ているように感じる。 1キロのタイムを測ってみるとほぼ4分に落ちている。 しかも更に落ちていきそうな感じだ。 仕方がないので、ここからは自分で出て行くしかないようだ。 周りの人間に合わせるのではなく、1人1人前のランナーに 追いついていこうとする作戦に切り替えた。 まぁ今までの大会でもたいていそういう感じで、自分ペースを作って 走ってきたので多分大丈夫だろう。じりじりと前のランナーに 近づいては交わし、もう1人前の人間に追いつこうと試みる。 先程まで一緒に走っていた人も1人私に付いて来て一緒に前を目指す。 2人目に追いついて暫くした頃に30km地点に到達した。 25〜30kmのタイムは19分58秒、キロ4分かつかつのペースだ。 実はこの大会は今回から陸連登録選手のみに持ち込みのスペシャル ドリンクを設置するという試みが行われていたので、私は30km地点に アミノパイタルのドリンクとゼリーを設置していた。 スペシャルテーブルに近づくと、マイクで私のゼッケン番号を スタッフが読み上げ、テーブルの取り易い位置に移動してくれるという 至れり尽くせりのシステムになっていた。 スペシャルのゼリーを飲んで、空き掛けていた腹も若干回復。 飲み物の方は余ったので、一緒に走っていた一般の部のランナーに 「いります?」と手渡してみる。相手は快く受け取ってくれた。 少し飲んで返して来たので、逆隣に居たもう1人の選手にも渡し、 3人で飲み物を分かち合う事に成功した(笑)
31km過ぎからいよいよりんくうタウンの区域に入る。 角を曲がって広い道路に出て暫くすると、夕やけランの佐藤先生の 旗を振って大きな越えで声援が待っていた。思いも寄らぬ声援に 力が沸いてくる。すぐ後にやまちゃんも沿道から応援してくれた。 ペースは落ちて来ているとはまだ若干余裕があり声援に応える。 しかし、前半のオーバーペースが祟って既に足に来始めていた。

スカイブリッジの下を潜り、右に曲がって折り返し直後から 第一関門のスカイブリッジの登りが始まる。ペースの落ちたランナーを 1人パスして登っていくがやっぱり登りはキツい。 既に一緒に走っている仲間は1人になっており、その人が徐々に前に 離れていくが、橋の下りを利用しても追いつく力が出ない。 何とか離れないように踏ん張りながら走っていくと、いつの間にか 2つ目の難関マリンブリッジを登り切って下りに入っていた。 なんか2つ目の登った記憶があまり無いのだが、下っているので 恐らく登ったのだろう(笑)30〜35kmのタイムは約20分24秒。 既にキロ4分を切ることは不可能な状態に入っていた。 残り7.2kmもあるのに35km通過タイムは2時間17分数秒、2時間45分を 切るには残りキロ4分で走り切っても間に合わないのでもう絶望的だ。

さっきから後ろのから聞こえる足音が少しずつ大きくなってきている。 前のランナーとの差はなんとか広がらない程度に保っているが、 後ろのランナーが追いついてくるのは時間の問題のようだ。 最後の折り返しを過ぎて、ついに後ろのランナーが横に並んで来た。 息づかい的にも自分より余裕が感じられる。 「まだ余裕がありそうですねぇ」と話しかけると、 何や?こいつは?というような反応が帰って来てちょっと残念。 そのまま抜かれていくのもしゃくなので、気力を絞って 斜め後ろから付いて行く。2人で走って先程まで一緒に 走っていた前のランナーに追いつき追い抜かす。 1人では追い付くなんて到底出来なかったのにほんま不思議だ。 追い抜かしたと思ったら、そのランナーも付いて来て3人で走ることになった。 ペースが上がったかと思ったが1キロ4分数秒とあまり早く無い。 そこで折り返し後のマリンブリッジという1つ目の難関がやって来た。 この状態での登りはやっぱりキツい。なんとか頑張って登った辺りで 私に誰かが声を掛けてく。反対側にみぞさんが居るでは無いか。 こっちは余裕も無く全然気付かなかったが、有り難い声援だ。 そしてとうとう40km地点、この5kmのタイムは20分44秒も掛かっている。 やっぱもうあかんなぁと思いつつも頑張れば自己ベストは出せるかも、 と、気力を振り絞って上がりの2.2kmを8分台で走り切る事を目標に 頑張ってみることにした。

最後の難関、スカイブリッジの登りがやって来た。 3人で走っていたが一気に振り切るべくペースを上げる。 前にいた人間に何とか追いつけるかも。 何にしてもこの状態でこの坂はキツい、早く終わってくれ〜と 思いながら必死で登るのみ。 やっとこさ登り切って後は下りと直線のみだ。 下っている途中に41km地点があった。そして残り1km。 このまま行けば自己ベストは何とか出そうだ。 ここまで来たら後は本当に気力のみの勝負になってくる。 前方に大会のゲートが見えて来た。 しかしあのゲートはゴールにしては近過ぎる気がする。 と思っていたら、やまちゃんが奥さんとお子さんを連れて 大きく旗を振ってくれて居るでは無いか。有り難い声援だ。 「キツいですわ〜」と返事をしながら残りの気力を振り絞り ゲートへ向かって走っていく。
やはりゲートはゴールでは無かった。 ゲートを潜って真のゴールまでは後少しだ。 そして最後の短い直線をダッシュ(したつもり)してやっとこさゴール。 実況アナウンサーがゼッケン番号と名前を読み上げてくれる。 気合を入れてみたがやはり上がりの2.2kmは9分7秒と8分台では 走れていなかった。でも、スタート時は予想もしなかった 自己ベストの2時間46分55秒。まさか自己ベストが出るとは、 レース前は思っていなかっただけにちょっとええ感じ。 身体は濡れた状態だったのでスタッフが掛けてくれたタオルがとても暖かい。 用意してあった椅子に座るとスタッフの人がチップを外しに来てくれた。 足が軽く痺れているような感じ。これは去年の初サブスリーを 達成したときに32km過ぎのトイレに駆け込んだ時に感じた感覚に似ている。 やっぱ足に来てるんやなぁ、走り込みが足らんかったと思いながら チップを外してくれたスタッフにお礼を言い、先に進むと 具がたっぷりの豚汁が待っていた。身体も暖まり美味しい。 結局途中ちょっとの間だけ雨が止んだが、走っている間は小雨とはいえ 殆ど降りっぱなしのコンディション的には今一つのレースだった。 気温的には走り易い感じではあったが。
豚汁を食べ終えた頃に、やまちゃんが着替えを持ってやって来てくれた。 更衣室に行って靴を脱ぐとやはり右足親指つけ根付近に大きな血豆が 膨らんでいた。とはいえ、レース後半は血豆のことなど全然気には ならなかったのだが。何にせよ、真面目に走るのは今シーズン最後であろう フルマラソンで少しでも自己ベストが更新出来てまぁいい終わりだと言えるだろう。 自己ベストを更新しても40分を切らんとそれ程重要な意味を持たない 記録ではあるのだが。今後はちゃんと練習してスピードアップがはかれるといいなぁ。




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