| チューリップについて |
72年に正式メンバーが整い(財津和夫、姫野達也、安倍俊幸、上田雅利、吉田彰)サウンドもロックスタイルに転向。シュールな歌詞が印象的なシングル「魔法の黄色い靴」そして同タイトルのアルバムをひっさげメジャーデビューを飾った。
彼等は当時、レッドツェッペリンやTレックスなどを意識した長髪、ポップなファッションで身をつつみ一気に女性ファンを増やしていった。しかし男のファンはほとんどいなかった。次の「一人の部屋」は地味なテーマなのかセカンドシングルとしては失敗な曲だった。そこでボーカルを甘い声が魅力の姫野が担当し、ドラマティックな曲展開/アレンジが印象的な3枚目のシングル「心の旅」をリリース。これが爆発的ヒットし日本全国までファンをゲット!彼等は栄光を手にした御褒美としてかねてから尊敬しているあのビートルズの御用達だったレコーディングスタジオ「ロンドン・アビーロードスタジオ」にてアルバム「TAKE OFF(離陸)」を録音。この辺りからかなりビートルズを意識したサウンドを作りはじめる。
当時シングル盤は「夏色のおもいで」「銀の指輪」など主にアップテンポな曲をリリースしていたがこの辺りで財津は悟る。甘い声が魅力の姫野のメインヴォーカルばかりではアイドルロックとみなされきっと長続きは出来ないと判断。もっと幅広い年齢層にあった曲をと考え、出来たのがバラードナンバー「青春の影」。これは元々アルバム「TAKE OFF(離陸)」の曲だったがストリングスを加えて再レコーディングしたかなり金をかけた曲だった。当時は悲しいことにあまりヒットしなかったが90年代のトレンディドラマ「ひとつ屋根の下で」では感動的なシーンに効果的に使われ彼等の代表曲になっている。その後「ぼくがつくった愛のうた」「サボテンの花」「ブルースカイ」辺りのヒット曲はラジオでたまに流れているぐらいのヒットになったがあとの曲「悲しきレイン・トレイン」「娘が嫁ぐ朝」「風のメロディ」「夕陽を追いかけて」「約束」などは内容がやや地味でありとてもシングル曲ともいえないものであった。これもやはり財津の幅広い年齢層を対象に考えた結果なのだろう。一風変わったところで「Welcome to my house」という英語詞の曲も同名アルバムからリミックスしなおしてシングルになったがやはりヒットしなかった。もちろん個人的にはそれぞれ大好きなのだが。 彼等はビートルズをコピーしたアルバム「すべて君たちのせいさ」などや財津が作った物語をコンセプトにしたアルバム「ぼくがつくった愛のうた」などアイデアに飛んだアルバムを手掛けていたがレコードよりもライブのほうが受けていた。とくにライブ盤はよくリリースされていたのでかなり売れていたほうだと思う。財津も初のソロアルバム「宇宙塵」そしてシングル「二人だけの夜」を出したが売れ行きはいまいちであった。
しかし79年、財津は最後の勝負としてアップテンポナンバーをシングルに切る。これが売れなければ引退しよう!きっとそう考えに考えぬいた答えだろう。世間は彼等を高く評価した!「虹とスニーカーの頃」久々にベストテン番組にランクインされるくらいヒットしたのだ。これは当時出たオリジナルにしては初の2枚組大作アルバム「Someday Somewhere」とほぼ同時期に出して両方ヒットさせた。ちなみにこのアルバムには「虹と〜」は入っていない。アルバムとしてのカラーを大事にしている彼等の自信がみなぎるアルバムだ!なおこの販売戦略はビートルズがシングル「ヘイジュード」とアルバム「ホワイトアルバム」を出した68年当時を思い起こさせる。財津自身も翌年、2枚目のソロシングル「WAKE UP」が時計のCMで使われこれまた大ヒット。
ラジオ番組の出演やホノルルなど広くライブをやるなどかなりハードスケジュール期間が続いたせいなのかさだかではないが翌年残念な殊に上田雅利、吉田彰が脱退。代わりに伊藤薫、宮城伸一郎(元ARB)の若い二人が加わり、音もデジタルシンセサイザーを大幅に導入し宇宙をテーマにしたサウンドになり新たなファン層をつかんでいく。このメンバーでしばらく活動していたが85年、伊藤、そしてとうとうオリジナルメンバーだった姫野、安倍までもが脱退してしまう。個人的にチューリップはこれで終わったなと感じたものだ。これ以降補充メンバーを入れる(松本淳、丹野義昭、高橋裕幸)が、これといって大ヒット曲が出ず89年7月、とうとう解散。
95年、ビートルズの再結成を知り、財津はチューリップも再結成するべきだと決意!そして翌年実現した。これはさきほど挙げたドラマ「ひとつ屋根〜」での影響も大きい。とうとうその続編で彼等自身のセリフカバー「サボテンの花」が売れたし「we
believe in magic」等の新曲も70年代当時に沿ったサウンドで、全国ツアーも大成功に終わりまずまずの結果だったと思う。
1999年9月9日9時9分に金閣寺で会おうという20年前の財津の発言に900人のファンたちは見事約束果たしたことは記憶に新しい。そしてこの2000年チューリップは再結成する予定である。今後も期待したいと思う。
おすすめアルバム10
1.ぼくがつくった愛のうた(74)2.無限軌道(75)3.日本(75)4.Someday Somewhere(79)
5.Welcome to my house(77)6.TAKE OFF(離陸)(74)7.The 10th Odyssey(81))
8.心の旅(73)9.Upside-down(78) 10.鈴蘭&田園ライヴ!!ライヴ!!アクトチューリップVol3(78)