2005/1/11

 
  卵とバナナ  
 


 年代にも因るんでしょうが私には 卵、バナナには特別な思い入れがあります

食品スーパー等へ出かけますと 必ず一盛¥100也の変色したバナナを買います

一房 丸ごとの時や 10本程バラバラの時がありますが なるべくならズングリムックリした

台湾バナナ風が コクと甘味が良いようです

昭和30年頃の小学校の遠足に 贅沢にもバナナ1本を持って来てるのが居りまして

美味しそうに食べ始めたのを 悪ガキ隊はすぐさま発見 

仲間3〜4人とそいつを取り囲み 「くれ」 「出せ」 

云うと先生にどつかれる(なぐられる)ので静かに目で脅しつつ見てたら

残り半分程を差し出したのを 仲間で分けっこして結局は

皮までねぶって(なめる)しもた 懐かしい思い出があります

 

四十路の頃 縄暖簾で一杯やってる時 同年代相手に この話をしたら相手も同じような経験を話してくれました

最初の給料で グローブみたいな格好のバナナを買うと心に決めて 就職

初月給懐に一人密かに持ち帰り 寮にて誰にも見つからん様に 全部たべてしもたら

慣れん貧乏人の腹は その後大変な事やったらしい 2人して笑いすぎて涙でました

卵でもそうですが お一人様一個てな贅沢 許されたのは何時頃からでしたかなー

自分の金で映画を見られる様になってからの “力道山物語” の1シーンでした

プロレスラー力道山は 上下関係の厳しい角界出身です 新弟子の腹減らし頃

故郷の母親持参のゆで卵に 涙して出世を誓う場面 見てる私も涙でした

 

モーニングサービスで好物のゆで卵をいただいて ふっと横見ると

カウンターの見ず知らずの隣席の人が ゆで卵を残してはるんです 思わず

オ「ゆで卵残しはるんでしたら 頂けませんか」

隣「どうぞ どうぞ  ゆで卵 お好きなんですか」

オ「卵 特にゆで卵 食べると幸せを感じるんです」

隣「よろしいなー 私も好きなんですが お医者さんに止められてますねん」

オ「痛風かなんかですか」

隣「そうですねん 美味いもん おいしい酒を腹一杯と思うて 今までガンバッテ来たんですが できる様になったら この体です」

 

うまいもん食べたい 良い物ほしい から努力し工夫もするのが人間やと思う
てたけど 最近は どうもそうではない様な世の中になってきてますナー