____ Science Topics
科学関係の話題を取り上げてご紹介します。

NCARが次の黒点サィクル24は過去最大になるだろう--と発表!
---日本の新聞でも紹介されたが真意が分かってない? 2006年3月16日
NASAの発表は下記のURLで見られるが、この見出しがセンンセーショナルなもの
http://science.nasa.gov/headlines/y2006/10mar_stormwarning.htm?list37940
で「宇宙嵐警報」と付いていた。そして使用された写真は1958年(過去で最大の
黒点周期とされるサィクル19の最大年)の時にアラスカのフェアバンクスで観測されたオーロラの写
真が掲載されている。アメリカでは黒点最大期に停電などが発生すると,その理由に
地電流の増大や送電不平衡による遮断が,太陽風による地磁気障害であるとする
ことが多い。(そうかも知れないが,そうでないかも知れない?) この発表文は
3月10日付けになっている。
1957年はスプートニクが打ち上げられた年であり、正に宇宙に関心が高まった年でも
あったが、この年はメキシコでオーロラが数回も観測されていた年でもあった。(記事に
よる)実際の黒点数のピークは1958年5月に月平均値が「200」を越え最大値は280に
なったのだ。過去の観測史上全てのサィクルのグラフを見るとよく判る。

Mausumi Dikpati of the National Center for Atmospheric Research (NCAR). 
アメリカ・宇宙研究センターのマゥスミ・ディパティ女史の発表によると、過去2世紀の間,太陽
は11年周期で黒点の増減周期があったが,この眞の理由はまだよく判らないが
彼女の新しい論文で、地球には最近になって海洋流れがあり、大西洋から太平
洋を結ぶ表層流と北極海から比重の重い冷たい海水が深海底流で流れていて地
球の海水温が気象に影響を与えているのを例に挙げて、これと同じことが太陽
でも起こっているというのだ。但し太陽は水ではなくてプラズマ状の水素の中を
流れる磁気電流が太陽の温度を平衡しているというのだ。太陽は自転している
から当然発電機のように働いていて表層電流とプラズマ底部を流れる底電流が交
差するところに黒点が発生する--という説なのだ。

太陽面の北と南半球では夫々別の電流ベルトが存在していて一つのコンベアベルトが
周り終るのに50-30年の周期によっているという。1986-1998年の観測によると
次のサィクルは30年の周期に当たるようで,これは大きな太陽活動度に繋がるだろ
うというのだ。即ち1958年のサィクルが戻ってくる(リカーレント)だろうというのが根拠
になっている。

■筆者は1950年に始るサィクル19は丁度アマチュア無線の免許を貰ったところだったが
 大きな太陽活動度によって10mバンドと呼ばれる28メガの電波は10W足らずの
 出力と、さもない自作の受信機で単純な傾斜型のダィポール・アンテナで,アメリカの
 ハムの電波が、10時ごろから15時ごろまでガンガンなって居たのを思い出す。
 当時は未だ黒点数などは予報などされていなかったし、地磁気擾乱などの
 警報などは1ヵ月後になってやっと入手できる程度の社会情勢の上に,MUF
 の概念はあっても大まかなもので、実用のHF回線設計には役立たないもの
 だった。今日のMUFのプログラムで当時の伝播を予想すると、14メガ以上のバン
 ドが一日中パスが開いていたのが分かるのだ。当時のボロ受信機で6mでLUに
 とんだ。ブラジルと出来た!という記事を読むたびに次のサィクルこそとこの50
 年間期待してきたのだ。

■2006年は正にサィクル23の終りの年なのだ。即ち最低の太陽活動度が今なのだ。
 SSNは0の日が10日も連続するかと思うと20-30の数値が数日現れるが,太陽
 面には殆ど黒点は見えない。しかし1950年代の受信機に比較すると感度で
 30dBの差があり,送信機の出力で20dBの差があり、アンテナで10dB以上の差,即
 ち合計すると60dBの差で改善されているために,3Y0Xでさえ軽々(?)とQSO
 できるのだ。

■さてもしNASAやNSSTCがいうようなサィクル24が2010年に到来したら,毎日受信
 機の前から離れられない日々が続くだろう--とゾクゾクしてしまう。 貴方も
 この好機に出会えた事をきっと死ぬまで忘れないだろう。文責:齋藤醇爾
 JA7SSB記。 2006年3月16日更新。
宇宙服衛星:ISSから軌道投入 使い古した宇宙服に送信機を搭載  
                          2006.2.4.  
【ワシントン和田浩明】史上初の「宇宙服衛星」を、米国とロシアの宇宙飛行
士2人が日本時間4日午前8時(米東部時間3日午後6時)過ぎ、国際宇宙ス
テーション(ISS)から地球を回る軌道に投入した。使い古したロシア製の
宇宙服に送信機を載せ、日本など6カ国の子どものメッセージを地球に発信す
る。米航空宇宙局(NASA)は「送信機の電池は2〜4日もつ。地上からア
マチュア無線の受信機で受信できるので世界の子どもたちに聞いてほしい」と
呼びかけている。発信周波数は145.990メガヘルツ。
この衛星は、ロシアのアマチュア無線愛好家が発案し、NASAとロシア宇宙
局などが準備を進めてきた。メッセージでは埼玉県入間市の小中高校生3人が
「子供でも宇宙に行ける日が来るのを楽しみにしています」などと話す。他に
英語、ロシア語、フランス語などのメッセージがある。現在時刻や温度、バッ
テリーの電圧も合成音声で発信する。
受信報告を日本アマチュア無線連盟(東京都豊島区)など各国の担当団体に送
れば、受信を証明するカードがもらえる。送信内容には各国語の「合言葉」が
含まれ、これを聞き取って報告できれば賞も出る。
3日は宇宙飛行士2人が、約6時間に及ぶ宇宙遊泳(船外活動)の最初に、宇
宙ステーションから宇宙服を放出した。服がゆっくりと回転しながら遠ざかる
様子がNASAテレビで映し出された。数週間程度で大気圏に突入して燃え尽
きる見通しだという。

毎日新聞 2006年2月4日 12時07分

■日本でも受信を4日の1010JST頃の軌道予測から試みられたが、受信できなか
 ったという。少なくとも3-4日の電池の寿命はあると見込まれている。J.S.
スターダスト・カプセルから彗星で回収した粒子写真を発表 NASA
すい星のちりをナイスキャッチ−−。米航空宇宙局(NASA)は19日、無
人探査機スターダストが地球への持ち帰りに成功した「ビルト2」すい星の
ちりの粒子の顕微鏡画像を公開した。粒子は黒っぽく、長さ0.01ミリほどの
いびつな形。探査機の採取装置に満たされた透明な特殊保護材に取り込まれ
た状態のまま撮影され、高速の粒子が保護材の中で尾を引くようにして止ま
った様子が分かる。探査機は2004年に彗星に接近,100万個を超す粒子が採取
できたと研究者はみている。彗星のちりには、太陽系を形作った約46億年前
の物質が保存されているとされ、世界中の研究者によって粒子の詳細な分析
が今後進められる。(共同)
上の写真は回収エレメントの中に採取された資料で右下方向に黒いシミ状でみえ
るのが塵の粒子である。エレメント毎撮影された写真。NASA提供による。

上のイメージをより詳細に拡大した顕微鏡写真だ。採集容器のエレメントは
ゾルで満たされているが、向こう側から飛び込んできて停まった塵がみえる。
左は右の映像を更に拡大したものだ。これから質量分析機にかけて含有する
元素とその同位元素の測定で塵の物性を特定し,ビルト-II彗星の誕生時の宇宙
の成り立ちを研究することになる。 Junji Saito  2006.1.21. 1450JST
毎日新聞 2006年1月20日 11時34分
マゥンダー黒点期の太陽黒点の一周期は約14年だった!
 名古屋大学太陽地球環境研究所の宮原ひろ子さんの研究 2005.12.10
過去の太陽黒点周期は平均11年と観測されており、電波伝播の研究者達にと
って黒点数の多少が電離層の密度を変化させ、最適通信可能周波数が大きく
変化するところから現在では人工衛星に観測機器を搭載して地球の軌道外か
ら多くの観測機器で、太陽エネルギィを測定して、電波予想を行っている。2006
年から2007年初頭が黒点の11年周期の観測史上23回目のサィクルの最低期にあた
っていて、静かな太陽が地球の電磁波環境に及ぼす影響を精密に観測しよう
と世界中の研究者が一所懸命に努力している。

過去の太陽黒点の観測は目視によるものでWolfの黒点数を導入したウォルフさん
のカゥント方法で今も観測は継続している。しかしウォルフさん以前の観測値はなく
1749年以前のデータはない。しかし古い文献を調査しても1500年以前には記述
が残っているが1600年代には記録が見当たらないところから多分非常に黒点
が小さかったのではないか?と想像されて「マゥンダーの極小期」と呼ばれていた。

これに宮原さんのグループは木の年輪に残された炭素の同位元素を測定して日
射量を推定する作業を行ったのだ。1998年9月の台風で倒壊した奈良の室生寺
の樹齢650年の倒木と,屋久島の杉2本の幹に刻まれた年輪のC14の含有量を測
定した結果C14の含有率は現在よりも1%ほど多く、かつ14年周期で変動してい
たとするデータが得られたという。

本稿は朝日新聞の12月10日の朝刊12版から得た情報だが、現在でも黒点の周
期は延びる傾向が見られ、サィクル22と23の極大期のピークが2つ現れているのがし
られている。

現在までの観測資料としての黒点数のグラフを参考までに御覧ください。これ
はチューリッヒの天文台が発表している表である。サィクル0は1749年1月から観測さて
ていて現在は次のサィクル24の始まりを(2007年1月頃)待っている状態なのだ。

黒点周期が何によって齎されるのかという理論数式は未だ構築されていない
が、地球の生存に関わる全てのエネルギィ源であるにも関わらず多くの不明な点
を多く持つ身近な天体でもある。    齋藤醇爾 2005.12.10.

(参考) 名古屋大学太陽地球環境研究所のホームページは下記のアドレス↓
    http://www.stelab.nagoya-u.ac.jp/ste-www1/index-j.html

        上記の研究についてはグラフを添えた下記のアドレスで読める↓
 http://www.stelab.nagoya-u.ac.jp/ste-www1/div3/CR/C14/spoerer.html
テンペル彗星に探査機が突入成功!
 7月4日1452JSTに衝突して発光現象を撮影した。    7月5日
テンペル第一彗星は太陽を周回する彗星でほぼ火星の軌道と同じ位置にある。
2005年1月12日に発射された「ディープインパクト」と名づける親衛星から分
離した子供衛星(カメラ,重力レーダーなどを搭載,重量372Kgの円筒形で長さ
は1m,直径1mほどの銅製)を,ほぼ氷の塊りと見られる長さ6km位のテンペル第
一彗星にぶつけたものである。

●およそ時速37,000Km/sという速度で衝突するエネルギィはTNT火薬の3トンに相当
 する破壊力を持つものと推定されるから彗星の1/10位が剥離するだろうと
 当初推定されていた。

●この実験はNASAのジェット・プロパルジョン研究所を中心に進められたもので彗星
 の核に太陽系誕生時の組成が残されていれば衝突時の飛散物体が太陽光で
 輝く時のスペクトルを分析することで組成を知ることが出来るだろうという実
 験を試みたものだ。
●地上の大望遠鏡と宇宙望遠鏡の「ハッブル」などを総動員して,観測態勢がしか
 れた。
●NASAのホームページではこの第1報を発表し写真を下記のURLで公開している。
 http://www.nasa.gov/mission_pages/deepimpact/main/index.html

○日本では折からの天候で観測は難しかったが,ハッブルのスペクトル分析望遠鏡の
 結果が出る迄は解析になお時間が掛かるだろうが楽しみである。折からの
 アメリカ独立記念日にタィミングを合わせたNASAの手際の良さにも感心した。

○下記はNASAの発表した衝突第1報の写真で、500Km離れた親機から撮影した
 ものである。(2005年7月5日1455分JSTの撮影画像)
 
発光ダィオードの光量を4-5倍に出来る発明
 京都大学で発見、照明への飛躍的進歩が期待      5月27日
微小な穴で発光量が4〜5倍に
発光ダイオードの心臓部となる光半導体に微小な穴を開けると、外部への発
光量が4〜5倍に増えることを京都大と科学技術振興機構の研究チームが発
見した。寿命が長い発光ダイオードは、白熱灯や蛍光灯に代わる照明として
期待されているが、光の8割程度が発光体の内部に閉じこもってしまう効率
の悪さが課題だった。研究チームは「照明の実用化に一歩近づいた」と話し
ている。27日付の米科学誌「サイエンス」に発表した。

発光ダイオードは光半導体を組み合わせてつくるが、半導体内部に光がこも
るため、蛍光灯と同じ強さの光を得るためには、約2倍の電気エネルギーが
必要だった。

京都大の野田進教授らは、ガリウムなどでできた厚さ250ナノメートル
(ナノは10億分の1)の光半導体の表面に390〜480ナノメートル間
隔で直径250ナノメートル前後の微小な穴を開けた。すると、内部での発
光がなくなり、外部への発光量が穴を開けない場合の4〜5倍になった。

野田教授は「半導体レーザーなど、他の発光素子にも応用できる。照明に加
え、ディスプレーや光通信など発光素子が既に応用されている分野の効率改
善にも貢献できる」と話している。【下桐実雅子】

毎日新聞 2005年5月27日 3時00分

H2A大型ロケット成功!
 26日1825分に種子島の宇宙センターから飛翔、無事軌道にのる   2月27日

日本製最大のロケットが運輸多目的衛星新1号(約2.7トン)を搭載して26日種子
島宇宙センターから打ち上げられ40分経過後に目的軌道でロケットとの切り
離しに成功した。2003年11月に偵察衛星2機と,気象観測衛星を載せて発射後
10数分後にブースター・ロケットの切り離しが不能になり,自爆破壊させてから1年3か
月後の再挑戦に成功したものだ。
この運搬ロケットは中核企業として三菱重工業、そして石川島播磨重工業と
川崎重工業が夫々エンジン製作などで協力して制作するものだ。日本の自衛隊の
重装備は殆どがこの3社で製造される。F-2改,戦車,イージス艦搭載通信管制機器
など国策という名の親方日の丸ビジネスの主要メーカーなのだ。単にロケットの失敗と
いうだけで終らないから大変だっただろう。

商業衛星など民間主導型の人工衛星は打ち上げの保険料の高価な日本製のロ
ケットではビジネス・チャンスを逃す怖れがあるとして、欧州連合のアリアンヌに
依頼する方向で固まっている中で関係者はさぞかしホッとしたことだろう。

お役所ビジネスにはお役所のいいところがあるだろう。しかしその多くは時間
と、経費とは無関係な進行をするのが問題なのだ。

たった1機を成功させるのは時間さえ掛ければ名人芸でも出来る。アメリカあたり
でも迎撃ミサィルに巨費を掛けているが、まだまだ実用域には達していないのは
マーチンマリエッタと三菱の巨大企業と、政府との結びつきとよく似ていないか?

これからも衛星を静止軌道に載せるための作業が続き,およそ1ヵ月後に静止
させ、その後も衛星の諸機械のテストが何度も行われて実用に漕ぎ着けるのだ。
そのどの作業が失敗しても衛星は働かないのだ。

問題は技術力とか製造能力とか品質管理能力という部分以前に、プロジェクトを
管理・運用する統制作業が如何に出来ているか?にある。何万人工数を円滑に
動かす為には組織の上のほうから裾野に掛けて正しい能力の分布がなされな
ければならない。
どこでもそうだが、それが巧く機能していない時には、部分の能力は決して
加算する数値には達しない。

人の能力が同じでない事を認めて、全体を構成していき、目的を達成する事
のナンと難しいことか!      齋藤醇爾 2月27日

ちきゅう:
最新鋭の地球深部探査船、報道陣に公開 2月14日

海底下7000メートルまで掘削できる最新鋭の地球深部探査船「ちきゅう」
(重量55,000トン)が10日、長崎市の三菱重工業長崎造船所香焼工場で報道陣に
公開された。9割以上完成し、夏までに三菱重工から発注元の独立行政法人
海洋研究開発機構(神奈川県)に引き渡される。総建造費約582億円。同機構
によると水深2500メートルの深海域で厚さ約6000メートルの海洋地殻の下に
あるマントルまで掘ることができる。今の科学掘削記録は海底下2111メート
ル。白い船体に掘削機器をつるすやぐらが搭載され科学掘削船としては世界
一となる海面からの高さ約116メートルを誇る。船内には採取した地層を解析
する為のX線CTスキャナーなどを備えた研究区画も設置されている。

探査船は日米主導で2003年に発足した国際プロジェクト「統合国際深海掘削
計画」(IODP)で主役を担う。IODPは海底を掘り下げ、地球の成り立ちや巨大
地震発生のメカニズムなどを解明し、マントルの物質成分などを調べること
で地震予測にもつなげる。訓練を経て07年からプロジェクトに投入される。

毎日新聞の報道: 2005年2月10日【長澤潤一郎】より転載 
写真
写真は三菱造船,長崎造船所香焼工場で2月10日に撮影された。毎日新聞 

探査機ホイヘンスはタイタンの泥地に着陸と結論

小型探査機「ホイヘンス」は,土星最大の衛星タイタンの「泥」の上に着地した。
地球に届いた各種データを解析した結果について,欧州宇宙機関(ESA)は18日に
下記のように発表した。ホイヘンスは秒速4.5m程の速度で着地した。その時の
衝撃加速度計の数値から「ドスンやバチャンではなく,ピチャッという感じで予
想よりもずっと穏やかだった」と説明,接地の瞬間の画像も,ホイヘンスが軟ら
かい土壌に半ば埋まるような形で着地したことを示していると言う。ESAは着陸
寸前に撮影された新たな写真も同時に発表した。黒っぽく平坦な部分が推定着
陸地点のそばまで迫っているのが写っている。今のところ泥土の正体は不明だ
が,液化した炭化水素の湖か海の可能性が指摘されている。

ホイヘンスは、タイタンの地表から予想の2倍を超える1時間12分ものデータを
送信してきた。現在の大まかな観測データの読み取りから

▽地表に近づくほど大気中のメタンの濃度が高まる
▽メタンの雲が上空20Kmまである
▽地表付近にはメタンかエタンの霧が漂う

などの事実が判明したという。 

(欧州宇宙機関の発表による) 2005年1月26日 by J. Saito
小型探査機ホイヘンスが上空から撮影したタイタンの地形。探査機は丸印の辺りに着地したと推測され、液体の湖か海とも見える黒い部分にほど近い=ESA提供
小型探査機ホイヘンスが上空から撮影
したタイタンの地形。探査機は丸印の
辺りに着地したと推測され、液体の湖
か海とも見える黒い部分にほど近いと
思われる。
観測衛星カッシーニが土星の衛星「タイタン」に子衛星を--
  写真撮影に成功した。            1月16日
土星の衛星タイタンに着陸した小型探査機「ホイヘンス」は米東部時間14日午
後に,大気圏降下中と着陸後に撮影した初めての写真画像を欧州宇宙機関(ESA)
の観測基地が受信に成功した。上空から撮った写真には液体が流れてできたと
みられる水路や海岸線のような地形が確認され、地上の写真には何かが凍った
ように見える塊が写っていた。米航空宇宙局NASAとESAは科学データの分析と写
真の解析を急ぐと発表した。(下に写真)

タイタンの気温は-150℃位で「ホィヘンス」の寿命は当初30分位と推定されてい
たが,実に2倍の60分もの写真撮影と観測に成功して多くの画像を送信してきて
いる。400年前に土星のリングを初めて観測したカッシーニの名前を冠した衛星が7年の
歳月を要して接近し,土星の惑星タィタンの発見者のホィヘンスの名前が附けられた子観
測衛星を発射しておそらく炭酸ガスの立ち込める冷たい冷気の中を降下しなが
らも立派に勤めを果たした技術の素晴らしさには驚嘆する。

技術は此処まで進歩したのだ。それでも時々IT関連の失敗(ロケットの発射失敗とか
シャトルの大事故等)は、工学の失敗に他ならない。太陽系の中の直径10Km足らずの
小さな目標に到達できる計算能力,軌道計算などは正に間違いがないのだ。政治
家どもには出来ないことだろう。爪の垢でも煎じて飲ませたい!地球を出発し
てから7年3ヶ月の旅の成果は予定通りであった。

こうした科学にお金を出すことに較べると、道路を作るとか下水道を拵える事
が霞んで見えるのだ。一方では津波で20万人も失うという地域もあるのだ。も
っと科学を尊重したいと思わないか?  2005年1月16日 de JA7SSB

Ref: http://www.esa.int/SPECIALS/Cassini-Huygens/index.html

■最新の発表された画像と夫々の寸法の入った画像(NASAによる)
●Wired News(日本語版) の伝える解説は此処をクリックすると読める。 
2004年度ノーベル物理学賞が決定        10月5日                                
ノーベル物理学賞:米国の3教授にスウェーデン王立科学アカデミーは5日、
2004年のノーベル物理学賞を、物質を構成する素粒子「クオーク」の間に
働く力を理論的に解明した米カリフォルニア大サンタバーバラ校のデビッド・
グロス教授(63)▽カリフォルニア工科大のデビッド・ポリツァー教授(55)
とマサチューセッツ工科大のフランク・ウィルチェック教授(53)の3氏に授与
すると発表した。授賞式は12月10日、ストックホルムで開かれ、3氏に賞
金計1000万クローナ(約1億5000万円)が贈られる。

原子の中心にある原子核は、陽子と中性子という2種類の粒子が集まってでき
ている。陽子や中性子は3個のクオークが「強い力」と呼ばれる力で結合して
できている。

三氏は1973年、クオーク同士が近づくほど結合力が弱まる一方、離れるほど強
く引き合うという理論を提唱。その後の実験で、クオークが高エネルギー状態
にあり、互いに近づいた時ほど自由に振る舞うことが確認され、理論の正しさ
が証明された。

この成果がクオーク間に働く力を説明する「量子色力学」を生み、物質の成り
立ちを説明する素粒子の標準理論の確立につながった。

 ▽クオークが少なくとも6種類存在することを予言し、素粒子論の発展に貢
献した小林誠・高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所長の話[強い力]
の場合、電磁気力とは逆にエネルギーが大きくなるほど相互作用が弱くなるこ
とを計算で初めて示した。量子色力学が「強い力」を説明するモデルになりう
ることを示した意味で非常に重要な研究だ。

毎日新聞 2004年10月5日 20時35分

ニュートリノ振動:
「スーパーカミオカンデ」で世界初観測 質量究明に道

 東京大宇宙線研究所などの国際研究グループは5日、素粒子ニュートリノの
種類が変化する「ニュートリノ振動」現象を、岐阜県飛騨市にある大型素粒子
観測装置「スーパーカミオカンデ」で世界で初めて直接観測したと発表した。
ニュートリノの質量の決定などに役立つ成果とみられる。

ニュートリノには「電子型」「ミュー型」「タウ型」の3種類ある。地球に降
り注ぐ宇宙線が大気と反応するとミュー型を生成。ミュー型は一定距離を進む
とタウ型に変化し、さらに同じ距離を進むとミュー型に戻る。この変化が「ニ
ュートリノ振動」で、ニュートリノに質量がある証拠とされる。

同研究所の鈴木洋一郎教授らは01年7月までの観測から確度の高いデータを
抽出し、飛行距離に従ってミュー型の観測数がどう変化するかを分析した。

これまで、距離が長くなるとミュー型が減ることは観測されていた。新しい分
析結果によると、平均的なミュー型は最初は減少したが,飛行距離が500Kmを超
えると増加に転じた。これは約500キロ飛ぶごとにミュー型がタウ型に変わ
ったり、再びミュー型に戻るという変化が起こったことを示しているという。
【永山悦子】 毎日新聞 2004年7月6日 東京朝刊   (J.S edited)
NASAの人工衛星「カッシーニ」が土星周回軌道に入った!
 ---1997年10月の打ち上げから7年経過しての成功だ。        7月2日
NASAは7月1日パサデナのジェット推進研究所の記者会見で,1997年10月に地球を発
進したロケットで打ち上げた無人探査衛星「カッシーニ」が土星の周回軌道に投入する
ことに成功したと発表した。探査計画責任者のロバート・ミッチェル博士は「これ以上
望むべくもない出来で順調に全機器が動作している」と発表した。

土星の探査は1981年のボィジャー2号の観測以来23年ぶりの快挙になる。地球の
惑星を探査することで太陽系の成因と地球の歴史を詳細にする事ができるの
だが, 今回のロケットのエネルギィ不足を補うスィングバィという他の惑星の引力圏に入
りそこを離脱するときの加速度を利用する軌道をとりながらの土星を目指す
旅だっただけに長年月の7年という歳月を必要としたのだ。

主な行程は、1997年10月地球を発進、1998年金星引力圏で最初のスィングバィに
成功、1992年2度目の金星のスィングバィ、1999年地球引力圏でスィングバィ、2000
年に木星引力圏で最後のスィングバィの後、2004年に土星に接近して軌道修正に
成功して今回の発表になったものだ。

観測機にはカメラの他に、磁気計、レーダー等を搭載していて、土星の環を構成す
る小惑星の観測をはじめ多くの観測データを地球に送ってくる予定。

NASAの関連ホームページはここをクリックすると読める(英文) 2004年7月2日 JS.
NASAが「火星には過去に水があった」と発表!      3月3日
 ワシントンのNASA本部で会見したジェット推進研究所(カリフォルニ
ア州パサデナ)の研究チームによると、オポチュニティーは着陸地点近くの
小クレーターの層状の岩盤を重点的に探査してきた。その結果、水のある環
境で生成されるジャロサイトなどの硫酸塩や赤鉄鉱などの鉱物が確認された。

 また、顕微鏡カメラによる調査でも、岩石の表面に「がま」と呼ばれる小
空洞や、「ブルーベリー」と名付けた小さな球状の物質が確認され、過去に
岩石中に存在した塩化化合物の結晶が水中で溶け出した痕跡と判断された。

これらの状況から、研究チームの主任を務めるスティーブ・スクワイアーズ
博士(米コーネル大)は「岩石が過去に液体の水につかり、組成や化学的性
質が変わったという結論に達した」と断定し、「過去の一時期、ここが生命
の存在に適した場所だったことを意味する」と述べた。同博士によると、こ
の地点が塩分を含んだ湖や海の底だったかどうかはまだ判別できずオポチュ
ニティーがさらに探査を続けるという。

ジャロサイトは強酸性の湖や温泉のある環境に存在することから研究チーム
はその由来を注目している。

オポチュニティーは「双子の探査車」の「スピリット」に次ぐ2号機として
1月25日(米東部時間)に火星に着陸し、探査活動を続けていた。

[毎日新聞3月3日] ( 2004-03-03-11:44 )

●火星探査のこれ等のロボットとの通信のシステムについての解説は次のWebに発表
されている。 http://www.hotwired.co.jp/news/news/20040303302.html
アメリカ航空宇宙局は間もなく火星に関する重要な発見を発表する!
                           3月2日23時
NASAは3月1日に2日の東部標準時間14時に重要な記者発表を行うと予告し
た。大方の予想は多量の「水」の存在に関する証拠の提示か、生命の痕跡
があったという説明になると想像される。ニュースが待ち遠しい。

現在迄に報道された火星探査機に関するニュースの主な項目は、次のリンクから
辿ることが出来る。  JS.
スピリットはどんな状態か?
 NASAのエンジニァのGlenn Leaves(グレン・リーブス)さんとのインタヴュー 2月2日
不完全な画像だがRAMから直接送信してくる事は出来るが、フフラッシュメモリィの
故障を完全に迂回する方法は立っていないようだ。アメリカのワィアード・ニュースが
特別インタヴューをしたものが日本のワィアードニュースから翻訳されて伝えられてい
る。下のURLをクリックすると読めます。            JS. 2月2日
http://www.hotwired.co.jp/news/news/20040202302.html
第2号機の「オポチュニティ」が着陸に成功!     1月26日
OPPORTUNITY UPDATE:

Opportunity has landed 
in a crater, and hits scientific jackpot with views of first rock 
outcrop ever seen on Mars. 
>>55 New Raw Images - 
Jan 25, 2004, 12:30 pm PST
77 New Raw Images - 

●オポチュニティと名付けられた探査機がクレィターに着陸して、最初の写真として
 露出した岩石を撮ったものを送ってきた。25日1330JST。
スピリットは生きている!               1月26日追加
SPIRIT UPDATE: - 
Jan 24, 2004, 3:30 pm PST------------------1月25日0330JSTのNASAの発表

<<Engineers communicated with Spirit and confirmed that the rover's 
problem is related to its "flash" memories. >>

●技術者がスピリットと交信して確かめたところでは、トラブルはフラッシュメモリィと関係
 していることが判った。

○地球上と異なる環境にある火星は磁力がないから電離層のようなイオン層が
 ないことだ。これは太陽から放射されるエネルギィ(放射線)を遮る働きがない
 い事になり、メモリィのような半導体にとっては厳しい条件になるのだろう。
 プログラムを再ロードしようにもメモリィの故障は致命傷であろう。  JS.
SPIRIT UPDATE: - 
Jan 23, 2004, 6:30 am PST ----------------1月23日23:30JSTのNASAの発表
<<The flight team for NASA's Spirit received data from the rover in a communication session that began at 13:26 Universal Time (5:26 a.m. PST) and lasted 20 minutes at a data rate of 120 bits per second. >> ●NASAの飛翔チームは23日22:26JSTにローヴァーの通信系からの信号(火星から20分前に  送られた)データを120ビット/秒で受信することが出来た。 ○これはスピリットの制御が可能ということかどうかは判らないが、生きている事が  判った!ということになる。今後の発表が待たれる。 JS. 1月24日 ○ジェット推進研究所の新聞発表の一覧はこのハィパーリンクから読める。  http://marsrovers.jpl.nasa.gov/newsroom/pressreleases/
火星探査機「スピリット」応答せず!!
 --火星人の怒りに触れたのか? それとも食べられたカナ?!  1月23日
2004年1月23日  米航空宇宙局(NASA)は、火星探査車『スピリット』との交信が21
日午前(米国時間)以来途絶えていると発表した。スピリットが火星に着陸してから
18日目になる。現在スピリットからは、意味のないランダムなノイズ電波が散発的
に送られてくるだけだという。現在は、ハードウェアかソフトウェアに問題がある
関係者は考えている。8億2000万ドルをかけた今回の火星探査ミッションでは2台目
の探査車『オポチュニティー』は24日にも火星に着陸する予定になっている。

NASAがスピリットから最後の通信を受信したのは、着陸装置からわずか数メートル
の場所にある最初の岩石の調査を続行しようと準備していたときだった。それ以来
スピリットからは、同機との交信の試みに応答して数回電子音が送信されてきただ
けだ。あらかじめ組み込まれていた数回の交信予定――地球と直接交わすものと、
火星の軌道を周回しているNASAの2基の人工衛星を経由する交信の両方---の時間に
も信号は受信できなかった。

○過去数日猛烈な砂嵐が吹き荒れていたと考えられる気象条件で何が起ったのだろ
 う。風でアンテナが壊れたか? それともスピリットが引っ繰り返って壊れたのか?エンジニ
 ァ達の失望が目に見えるようだ。   JS. 1月23日
飛行機の中からインターネットが繋がる!
 料金が気がかりだが,便利になった飛行機と船舶      1月16日
2003年11月6日 米ボーイング社と独ルフトハンザ航空社は5日(米国時間)、ルフト
ハンザ航空の定期運行便内から地上へのメール送受信に成功したと発表した.ルフ
トハンザ社は2004年1月15日から、大型旅客機では初の機内インターネット接続サ
ービス『フライネット』(仮称)を開始する予定で、順調に準備が進んでいる。

ルフトハンザは,ボーイングの『コネクション・バイ・ボーイング』システムを採用
両社で導入試験しているが,接続実験は10月25日フランクフルト発ワシントン行の
LH 418便(747-400型機)で,グリーンランドの上空約1万メートルを飛行中に行なわ
れ,ノートパソコンから衛星経由でルフトハンザ社のイントラネットにアクセスし
写真ファイル付きのメール送受信の他に,ニュース,株価,天気予報などの閲覧にも
成功したと発表している。

ルフトハンザ社によると,フランクフルト-ワシントン間を結ぶ,LH 418とLH 419の
2便でサービスを開始し,3ヵ月間は無料で、パソコンの貸し出しも行なう-と言う。
英ブリティッシュ・エアウェイズ社も同時期にスタート予定で、日本航空も導入を
決めているが時期は未定。(アメリカのWave Newsが伝えたニュース)

●ボーイング社は船舶向けにもこのブロードバンド・システムを「コネクション・バィ・ボーィング」と名付
 けて太平洋,大西洋を航行する船舶に販売すると発表している。

●これ等は何れもインテルサット衛星経由の通信網を使用するものだが,航空機の中での
 電子機器の使用を制限していた過去の理由は余り根拠がなかったのが判るとい
 うものだ。Hi!昨日の1月15日から航空機の中での迷惑行為に対して罰則,最高
 50万円の罰金が科せられる施行が日本で始まったのは覚えておかなければなら
 ないだろう。            1月16日 JS.
NASAのマーズローバー着陸に成功!
打ち上げから4年、2004年1月4日日本時間午後、火星に着陸!
既にNewsで御存知の通りだが,今日とうとう成功した! ヨーロッパも日本も失敗した
火星探査に,アメリカのNASAのジェット・プロパルジョン研究所の打ち上げたマーズ・ローバーが着陸
して10枚余の火星の写真を送信してきた。 地上で使用する機器でさえ不良だとか
飛行機が墜落するのだが他の天体まで4-5年も飛行して予定の地点に着陸して目的
を達成できる為の管理は素晴らしい。おめでとうNASA!

○米航空宇宙局の火星探査車「スピリット」が日本時間4日午後1時35分頃,火星の
 赤道に近いグセフ・クレーターへの軟着陸に成功したと発表した。スピリットは約3時間
 後周辺で撮影した初画像を送ってきた。ゴルフカート位の大きさの探査車には火星の
 土壌の組成などを調べる機器が搭載されていて今後約3カ月にわたって火星表面
 に水や生命が存在した痕跡を探査する事に成っている。
 NASAは25日にも同型の火星探査車「オポチュニティ」を,今回と反対側のメリディアン・プレナム
 と呼ばれる地点に軟着陸させる計画で,火星の新た研究が期待されている。

○これ等のNewsはNASAのホームページから写真と共に見ることが出来る。(英文) J.S.

○下の写真は「スピリット」の地上テスト中のイメージ            2004年1月4日

アメリカの火星探査機が応答しなくなった。
 10月末の相次ぐフレァ爆発の影響か?            12月1日

火星上空から鮮明な画像などを送ってきていた米国の探査機「マーズオデッセイ」
の放射線計測装置が,10月下旬に起きた太陽の爆発的活動以降、故障しているこ
とを米航空宇宙局(NASA)が明らかにした。復旧信号を送っているが功を奏していな
い。 この装置は有人火星探査に備え、放射線被曝のリスクを調べるのが主な目的。

太陽の爆発的活動では大量の高エネルギー粒子が放出され,地球では低緯度オーロ
ラや磁気嵐が起きた。装置はこの粒子に直撃されたとみられる。(11/28毎日新聞) 

観測衛星「ガリレオ」が9月21日(日本時間22日)木星に突入

【ワシントン15日】米航空宇宙局(NASA)は15日、NASAの技術者達が8年間にわたり
活動を続けてきた木星探査機ガリレオを木星に衝突させるコースに設定中だと発表した。
ガリレオは1995年以来,木星とその衛星群の息をのむような映像を送り続けたが21
日に木星大気圏に突入,分解して任務を終える。

NASAによると,木星大気圏突入の手段を取ったのは,木星の衛星エゥロパと衝突する可
能性を完全に排除する為という。ガリレオはエゥロパの表面下に海洋が存在する兆候を発
見した衛星である。ガリレオは突入分解する直前の数時間,最後の科学的データを地球
に送ってくる予定で現在フラィト中である。

ガリレオ衛星は17世紀に木星の衛星の主要な4個を発見したイタリァの天文学者ガリレォ・ガリ
レィにちなんで命名された。燃料切れによる寿命の為に遺棄が決まった。
(AFP電 15日発)

火星の最接近は8月28日

この数ヶ月マスコミが科学関係の話題として取上げるイベントの一つである。24
日にはBSハィヴィジョンTVが,ハワィのマゥナケァにある天文台から「スバル」という名の反射望遠
鏡にTVカメラを接続して画像を送ってきたが,生憎の曇りで画像はボンヤリとしか映
らなかった。日本でも多くの天文ファンが観測の機会を窺っているだろうが,生憎
の曇り空である。さて再接近するときの位置は火星と正面を向く場所になるわけ
で、太平洋上のタヒチ島がもっとも近接すると計算されている。その距離は56ミリ
オンKm(5600万キロm)である。下にNASAの計算した最接近時の日時の表を掲載した。
            Close Encounters with Mars
 time of closest approach on August 27th
Place
(UT)
(local)
  DTahiti
New York, NY
05:46 UT
01:46 a.m. EDT
 3172 km
Fairbanks, AK
10:08 UT
02:08 a.m.
 5307 km
Los Angeles, CA
08:23 UT
01:23 a.m. PDT
 2281 km
Denver, CO
07:37 UT
01:37 a.m. MDT
 2841 km
Dallas, TX
07:06 UT
02:06 a.m. CDT
 2284 km
St. Louis, MO
06:43 UT
01:43 a.m. CDT
 2837 km
Chicago, IL
06:35 UT
01:35 a.m. CDT
 3154 km
Miami, FL
06:04 UT
02:04 a.m. EDT
 1869 km
Honolulu, HI
10:47 UT
00:47 a.m.
 1289 km
London, England
01:34 UT
01:34 a.m.
 5329 km
Brasilia, Brazil
04:05 UT
01:05 a.m.
 658 km
Santiago, Chile
05:32 UT
01:32 a.m.
 672 km
Athens, Greece
23:56 UT (Aug. 26)
02:56 a.m. (Aug. 27)
 4603 km
Baghdad, Iraq
20:15 UT (Aug. 27)
00:15 a.m. (Aug. 28)
 4407 km
New Delhi, India
18:19 UT
23:49 p.m.
 3297 km
Tokyo, Japan
14:31 UT
23:31 p.m. (Aug. 28)
 2832 km
Sydney, Australia
13:50 UT
23:50 p.m.
 639 km
Pago Pago, Samoa
11:34 UT
00:34 a.m.
 55 km
これで見ると東京では28日の午後11時31分がもっとも近くて大きく見える事にな
る。(視直径で言えば問題にならない) むしろ話題は6万年前に最接近があって以
来の接近だから、まだホモサピエンスが少数人類だったので多分ネァンデルター
ル人が焚き火を囲んで火星を見ただろう?!と推論して楽しむこと位か?
NASAの画家が書いた想像図が面白い。裸でおそらく南ヨーロッパの山中で見てい
るのだろう。望遠鏡もない、新聞もない時に果たして火星を見ただろうか?否定
的な想像だ。
実際に火星の観測写真を見たい方は
http://www.lpl.arizona.edu/~rhill/alpo/marstuff/recobs.html をクリックす
るとNASAの観測写真が見られる。なおハッブル望遠鏡で観測した鮮明な写真は此処
をクリックすると見れる。

人の祖先の足跡がイタリァで発見

 イタリア南部のカンパニア州で,ヒトのうち現代人を含むホモ属としては最古の
38万5000〜32万5000年前の足跡化石が見つかった。滑りやすい斜面
を2本足で慎重に下りて行く様子が残され、当時のヒトの行動を探る手がかりに
なりそうだ。同国パドバ大などの研究者が13日発行の英科学誌ネイチャーで発
表する。 
動物の足跡と一緒に、同じ方向に向かう3本の歩行跡(各約13〜9メートル、
計約60個)があり、歩幅がそれぞれ違う。個々の足跡は長さ約20センチで、
いずれも身長は150センチ以下だったとみられる。 

途中で急斜面を迂回(うかい)したり、足を滑らせて手をついたりした跡もあっ
た。地元では「悪魔の足跡」と呼ばれていたという。 
国立科学博物館の馬場悠男・人類研究部長は「スペインで、同年代のネアンデル
タール人の祖先の骨が見つかっている。おそらくこの仲間の足跡だろう」と言う。 

ヒト科全体として最古の二足歩行の跡は、約360万年前の、アウストラロピテ
クス(猿人)のものと見られる例が知られている。 

(03/13 06:04)朝日新聞による。

ジャワ原人はホモサピェンスとは関係がない!

インドネシァと共同研究を進めていた日本の国立科学博物館と東京大学のチーム
が2月28日発行されるアメリカの科学誌「サィエンス」にジャワ原人は絶滅種で現
人類のホモサピェンスとは異なるという趣旨の論文を発表した。(朝日新聞2003年
2月28日付け41998号による)

現代人類学はアフリカの東海岸付近の原人を元にしてホモサピエンスという現代
人類に進化したとする学説が分子人類学上では有力だった。およそ300万年前の地
層からルーシーと名付けられ化石が1974年11月にエチオピァのハダール窪地でリ
ーキィ母子で発見された時から人類学は世界各地で過去に発見された化石人骨に
よる大雑把な類推による分類を見直す時期に入ったのだ。
ジャワ原人、北京原人はそれぞれの地域の現代人類の祖先に当るのではないかと
してきた。しかし人の系統図はどうやらアフリカ起源のルーシィを親とした系統
樹からネァンデルタール人を間に挟みながら、移動していく過程でヨーロッパ、
アフリカ、東アジア、オーストラリァ先住民の4つになったとするのが,論理的だ
という結論になりそうだ。

即ち,このジャワ原人はおよそ180万年以前に既に現代のホモサピエンスとは違う
系統樹に属していて(北京原人も),我々アジア人種の祖先ではなく,絶滅種の一つ
と考えるべきだとしている。

こうした古代人類の化石研究に利用されている,電子計測器の(X線断層写真)進歩
におうところは大きい。

現世人類は僅か20万年前にアフリカのエチオピア、ケニア、ウガンダ、タンザニ
ァの地域にいたある20足らずの固体女性の中に全てが集約されると分子生物学は
結論づける。この原人をアゥストラルピテクス・アファレンシスという。
(解説はJ.Saito)

アィンシュタィンの宇宙定数が決定! NASA

 とうとう宇宙定数が決定され今後はこの数値を以って宇宙を考える事になった。
アィンシュタィンが一度発表して後に取り消した有名な宇宙定数をNASAは多くの
観測結果によって0.73として諸数値を計算すると多くの観測結果と適合し矛盾が
ないとして2月11日に発表したものだ。(朝日新聞2003年2月19日科学・医療欄)
 
こうして今回確定された宇宙の基本数値は下のようになる------------------
○ハッブル定数  71
○宇宙構成
 物質   27% (内容は,普通の物質 4% ダークマター23%)
○宇宙曲率 3%以下
○宇宙の年齢 137億年
○宇宙に天体が形成されたのは誕生後 2億年

1940年代にG.ガモフ達が発表したビッグ・バンによる宇宙の誕生説は,1965年にな
ってベンジァスとウィルソンによって宇宙背景放射が発見観測されて一気に現実性を帯び
新しい宇宙天文学と電波天文学が一体化して今日に至ったものである。その後の
人工衛星による観測、ハッブル宇宙望遠鏡は,とうとう宇宙定数の決定に偉大な貢献
をした。未だ地上では生命の成形に至る道筋も見えないが近代物理学がケプラー
やニュートンから始って,なお250年余りでココまで来たサィエンスの進歩に驚嘆
すると同時にいい世代に生まれた偶然に感謝する。 (JS)

世界の原人は一つの種?

 人類の進化の過程で現れ、約180万年前のアジアやアフリカに幅広く分布して
いたホモ・エレクトス(原人)が一つの種だった可能性が高いことを、米カリフォル
ニア大バークレー校ティム・ホワイト教授らが、エチオピアで発見した約100万年
前の化石で確認し、3月21日発行の英科学誌ネイチャーに発表した。
 これまでは主にアフリカでは150-180万年前、アジアでは中国の北京原人など
100万年以降の化石が見つかっていた。しかし、双方の間の年代や場所ではほとんど
見つからなかったため、アジアとアフリカの原人は別種との説もあった。
 これに対し、今回見つかった原人の頭蓋骨は年代がアジアのものと近く、形態も
アジアアフリカ双方とよく似ていたため、原人が一つの種だったことを示す重要な
データとして注目されている。

 原人の化石は、これまで多くの化石が発見されているエチオピア東部の断層から
出土。頭蓋骨の上部しか見つかっていないが、容積が995cm2で、眼窩(がんか)の
上がアーチ状に大きく隆起していることが分かった。
 これらの計測結果や特徴を最新の手法で分析したところ、アフリカとアジアの
原人は系統が大きく異なるという仮説には合わない結果となったという。
ホワイト教授らは、約95万年前の氷河期の影響で原人の集団が分裂し、その後の
多様な進化につながったとみている。
(2002/3/21:日本経済新聞)


常温核融合「空騒ぎ」再び?

 太陽で起きている核融合を、卓上のガラス容器に入れた溶液に超音波をあてて
泡立てるという簡単な方法で実現したと、米研究グループが発表したが、その
実験の真偽を巡り、大きな論争が起きている。
 「泡の核融合」を3月8日付けの米科学誌サイエンスで公表したのは米国立
オークリッジ研究所のタルヤルカン博士ら。重水素を含むアセトンが入った小さな
ガラス容器に超音波をあてて泡立て、そこに中性子を打ち込んだ。泡が消える際、
核融合反応でできる中性子などを検出したという。
 超音波で液体に小さな泡を発生させると、泡が壊れる際に高温高圧になる現象は
以前から知られ、研究グループは核融合に応用できないかと考えた。
核融合は重水素などの原子核同士が融合する際に膨大なエネルギーを発生する現象。
「夢のエネルギー源」として発電利用が期待されるが、反応に必要な超高圧高温を
生み出すのが難しく、実用化のメドは立っていない。
 タルヤルカン博士らが言うように卓上の小型装置で、しかも常温に近い環境で
核融合が実現するなら、エネルギー革命が起きる。博士らは「実験に何回も成功
している」と言うが、オークリッジ研の別のグループがほぼ同じ条件で追試しても、
核融合を示す中性子は検出できなかった。

 米国ではタルヤルカン博士らの成果に概して懐疑的な声が多い。「事前に論文を
読み、『サイエンス』には掲載すべきではないと忠告した」(国立ローレンスリバ
モア研究所モス博士)。約10年前、米ユタ大学の研究グループが重水素を電気分解
して常温での核融合に成功したと発表、世界の研究機関が追試に躍起になったが、
あの空騒ぎの再来を懸念する声もある。
 しかし、メリーランド大学のオーシー博士のように「論文が発表されなければ、
われわれがこの興味深い問題を議論することもなかった」と肯定的な声もある。
いずれにしろ科学的現象として再現性の有無が確認されるまで、議論は泡立ち続け
そうだ。
(2002/3/18:日本経済新聞)


オゾン層破壊ガス、熱帯林も発生源か

 フロンと同様、オゾン層を壊す塩化メチルが東南アジアの熱帯雨林から大量に
発生している可能性が高いことを国立環境研究所の研究者らが突き止めた。
オゾン層破壊の進み方を予測する手がかりになりそうだ。
 国立化学博物館筑波実験植物園で、熱帯植物が放出するガスを詳しく分析。
家具に使われているラワン材の原木のフタバガキや、数種類のシダなどが塩化
メチルを多く放出していることがわかった。

 東南アジアの低熱帯雨林では植物量の3割がフタバガキとされ、ここから
試算すると年間91万トンの塩化メチルが東南アジアの熱帯雨林から発生している
計算。海や森林火災による塩化メチル放出は知られているが、それ以上に年間
180万トン分の未知の発生源が存在すると試算され、その解明が課題だった。
成果は3月14日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
(2002/3/18:日本経済新聞)


ニュートリノ観測新鋭装置「カムランド」稼働

 なぞの多い素粒子ニュートリノを観測する新鋭施設カムランドが岐阜県神岡町で
稼働した。ニュートリノ研究で世界的成果をあげたスーパーカミオカンデは事故で
観測を中断しているが、カムランドによって観測の空白が埋まり、新しいニュー
トリノ物理学を開く実験も実現する。
 東北大学を中心とする国際共同グループが建設した。東京大学のスーパーカミ
オカンデと同じ神岡町の地下1000mの鉱山内にある。心臓部はニュートリノと反応
して発光する透明な化学溶液を満たした直径約20mの球形タンク。タンクの内壁
にはその微弱な光をとらえる超高感度センサー約1300本を敷き詰めた。
 ニュートリノはどんな物質でも素通りする素粒子。スーパーカミオカンデは大気
上層からやってくるタイプを精密観測。「ニュートリノに質量あり」との結果を
発表して注目された。
 カムランドは、スーパーカミオカンデがキャッチできなかった原子力発電所や
地球内部で発生する超低エネルギーのニュートリノを観測する。「すべての機器が
順調に動けば、約3カ月で最初の観測結果がまとまる」とリーダーの鈴木厚人東北
大学教授は話す。
 宇宙では星の大爆発の際に大量のニュートリノが放出され、その観測がスーパー
カミオカンデの重要任務の一つだったが昨秋のセンサーの大量破壊事故で運用を
停止中。
(2002/1/28:日本経済新聞)


米MIT・IBM:量子コンピュータ・因数分解に成功

 米MIT(マサチューセッツ工科大学)とIBMなどのグループは、既存の
コンピュータと全く違った原理で計算する量子コンピュータを試作、簡単な
因数分解をするのに成功した。

 将来実用的な規模の量子コンピュータが実現すれば通信暗号を突き崩す
超高速計算ができるとされ、その原理を実証した。
 開発した量子コンピュータの心臓部は人工分子を溶かした溶液。
分子内の7個の原子の原子核をメモリーとして用いた。原子核の自転(スピン)の
向きで数値を記録する。外から電磁波を当ててスピンの向きを変化させながら
計算。「15」を因数分解し「3×5」という正しい答えを得た。
 量子コンピュータは原子の世界を支配する「量子力学」の原理を応用。
理論的には同時に無数の計算が実行でき、因数分解などを超高速で実施する。
科学計算などに役立つため、実際に計算ができるハードウエハの開発に世界
各地の研究者が挑戦している。
(2001/12/21:日本経済新聞)


NASA:隕石から糖発見

 宇宙から飛来した隕石の中に、生命体を形作ったり、生命が生息する上で
重要な役割を果たす糖などの物質が含まれていることを、米航空宇宙局(NASA)
エームズ研究センタのグループが突き止め、英科学誌ネイチャーに発表した。
 原子の地球の生命の起源は宇宙から隕石に乗って運ばれてきた物質だったとの
説を裏付ける結果だ。
 グループは1969年オーストラリアで発見されたマーチソン隕石など2種類の
炭素を多く含む隕石の抽出物を分析。ジハイドロキシアセトンと呼ばれる糖や、
糖酸、アルコール化合物など糖に似たさまざまな炭素化合物が含まれて
いることを初めて確認した。
 生命の起源となった物質が地球外から隕石に乗って運ばれてきたとの説が
60年代に提唱されて以来、アミノ酸などさまざまな生命関連の化学物質が
発見されているが、グループによると、糖は見つかっていなかった。

 研究グループは「糖はDNAやRNAなどの核酸や細胞膜などの構成材料
であり、生命のエネルギー源でもある。原始の地球に隕石によって運ばれて
きた糖関連化合物が、生命誕生に大きな役割を果たしたのではないか」としている。
(2001/12/20:日本経済新聞)


スーパーカミオカンデ、センサー連鎖破壊

 東京大学の素粒子研究施設スーパーカミオカンデで起きたセンサー大量破壊
事故で、巨大タンク底面の1本の大型センサーが先ず壊れ、発生した衝撃波で
周囲のセンサーが連鎖的に破壊した可能性が高いことが、事故発生直後の観測
データの分析からわかった。

 最初の1本が壊れた原因をめぐり、今夏実施した改修工事の際、水を抜いて
センサーの上に発泡スチロールの板を敷き、この上を作業員が歩いていたことが
判明。この際に微小なひび割れが発生した可能性があることも明らかにされた。
 タンク底面のセンサーには3気圧の水圧がかかっており、シミュレーションに
よれば、ガラスが割れるとその衝撃で瞬間的に130気圧に達する圧力が、隣接した
センサーに加わる。東大では1ヶ月以内に事故発生当時と同じ状態で人為的に
1本の大型センサーを破壊、本当に隣接するセンサーが壊れるか調べる。

 スーパーカミオカンデは5万トンの水を貯めた円筒形の巨大タンク内壁に素粒子
ニュートリノをとらえる直径50cmのガラス電球状の大型光センサー11000本、
同20cmの小型センサー2000本を敷き詰めた構造。破損数は大型センサー6779本、
小型センサー1017本の合わせて8000本近くに達している。

 大型のセンサー(光電子増倍管)のガラスは厚さが5−6mmあり、直径は50cm。
水圧6気圧まで耐える仕様で、事故当時は3気圧程度だった。当初完全修復まで
2−3年を覚悟しなければと見られたが、残った4000本と予備の900本を加え、
テーマを絞って1年以内に実験を再開したいという。高エネルギー加速器研究
機構で人工的に作り出したニュートリノをスーパーカミオカンデに打ち込み、
ニュートリノの質量の有無を観測する最も重要な実験を続けるためだ。

 ただ新たな難題も浮上してきた。約11000本の光電子増倍管とは別に、米国の
研究グループが雑音除去用の小型光電子増倍管約2000本を据え付けている。
今回の事故でその4割近くが壊れたが、その修理も必要だ。米国に財政負担を
求めるか、いつ頃までに直るのかなど、検討課題が増えそうだ。
(2001/11/23:日本経済新聞) 


炭素だけで磁石

金属を全く含まないのに炭素だけで磁石になる−−ロシアのヨッフェ物理技術
研究所は炭素原子がサッカーボール状につながったフラーレンだけで磁石を
つくることに成功した。従来の考え方では説明ができず、プラスチックなど
有機物だけの磁石に道を開く成果だ。英科学誌ネイチャーに発表した。

 研究グループはススのようなフラーレンの粉末を700-900℃、6万気圧で焼いて
高分子を作製。その塊に磁石を寄せたところ、引き寄せられてくっついた。
400℃を超えても磁力は残った。
 磁石になるには原子核を回る伝の向きがそろう必要がある。炭素や水素で
できた有機物にはその性質がなく、試作したフラーレン結合体もそのままでは
磁力は弱い。フラーレンの物性に詳しい大阪市立大学の谷垣勝己教授は
「外からかかる磁力によって、フラーレン同士が結合した部分の電子の向きが
そろうのではないか」と推測する。

 磁石は鉄やニッケルなどの遷移金属とよばれる元素を含む。絶対温度の零度
(-273℃)近くで磁石になる有機物は合成されているが、温度が上がると磁性は
すぐになくなる。市販のプラスチック磁石は樹脂に酸化鉄など磁石の粉を混ぜた
もので、本当の有機磁石とはいえない。
(2001/10/22:日本経済新聞)


国立天文台:巨大ブラックホール発見

 国立天文台の中井直正教授らは、約8500万光年先にある銀河の中心部に、太陽の
280万倍の質量をもつブラックホールが存在することを突き止めた。巨大ブラック
ホールの有力候補はいくつか見つかっているが、99%以上の確率で本物と認められ
るのは、6年前に国立天文台などが発見した事例に次いで2個目。「銀河の成り立
ちを探るのに役立つ成果」(海部宣男台長)という。
 中井教授らは長野県野辺山にある口径45mの大型電波望遠鏡を、ポンプ座の渦巻き
銀河IC2560に向け、その中心部付近で高速回転するガスの動きから、巨大ブラック
ホールか星の集団が存在する確証をつかんだ。星の集団であれば数千万年の短期間
で崩壊してしまうため、間違いないと見ている。
 6年前に見つかった巨大ブラックホールは2300万光年先の渦巻き銀河M106の中心
部にあり、質量は太陽の約3900万倍。今回の発見はその14分の1の規模。
 様々な質量の巨大ブラックホールを見つけ、その母体となる銀河の構造などを
分析すれば、巨大ブラックホール誕生のなぞや銀河の進化を解明できると期待され
ている。
(2001/08/07:日本経済新聞)