楽しい江戸っ子風講座

第三回

「べらぼうとあたぼう」1


「楽しい江戸っ子風講座」の時間です。

今回も講座にご参加頂きありがとうございます。講師の「JUNさん」です。
今日も楽しく江戸っ子風を学んで行きましょう。

今回からしばらく基本的な単語についてお話します。
まずは「べらぼう」からです。

「てやんでぃ、このべらぼうめぃっ!」
(注:何を言っているのですか、この−意味不明−。)

このように江戸っ子はよく「べらぼう」という言葉を使います。
対訳を意味不明としていますが、この言葉の語源から考えてみましょう。

「べらぼう」は元々「へらぼう」といいました。
「へらぼう」とは先端が平らになった棒でご飯をつぶすために使いました。
ご飯をつぶすが転じて、ごく潰し(ご飯を食べる以外に能が無い)となり
「へらぼう」=ごく潰し、という意味を持つようになりました。

しかし「へらぼう」では言葉に迫力がありません。
そこで故意に訛って「べらぼう」としたのです。

つまり例文の対訳は本来
(注:何を言っているのですか、このごく潰しめ。)
となるわけです。
ではなぜ「−意味不明−」としているのでしょうか?

おや、「べらぼう」の語源だけで時間が来てしまいました。

次回は引き続き「べらぼう」について、その具体的な用法を考えてみましょう。
第四回「べらぼうとあたぼう」2でまたお会いしましょう。


−−−−−− JUNさんのワンポイントアドバイス −−−−−−
「へらぼうめぃっ!」と声に出してみましょう。
濁点が無いとずいぶん間の抜けた言葉になってしまいますね。
わざと訛った江戸っ子の気持ちに近づけると思います。