丸竹RODに挑戦!

このページに入り込んだフライマンはそう簡単に抜け出ることは出来ません。 なぜなら、フライマンの多くは自分で毛ばりを巻き、自分で考えて魚を探し、 自分の好きなスタイルで釣りをする人が多いでしょう?そんな自分勝手な釣り ばかりしている人が、自分勝手に、自分のためだけに、そして自分で作る竿が あったら・・・ そう、それはあなたの夢のような竿になるはずです。 そう言う私も抜け出せなくなった一人ですので、ハマル事は保障つきです。 このページはそういったいわゆる「ビョーキ」の方の手助けになれば、と思い 立ち上げるものです。
ただし、竿作りは一朝一夕で出来るものではありません。竹取り、乾燥、曲がり直し 等々の工程があり、サラリーマンで竿作りをするとなると寝不足は必須です。休みの日 は竿作りに没頭・・・(私のこと?) そんな事を繰り返して体調を壊したり、 最悪の場合家族を失っても本ページの管理者は一切責任を持ちません。 それでも竿を作りたい! そう思っているあなた、すでに「ビョーキ」ですね・・

竿を作る前に一言
竹のテーパーはそれぞれ個性があり、同じ根元太さでも1m上の太さが同じ かと言うとそうではありません。それにまったく同じテーパーの竹があったとしても アクションは違います。それは肉厚の違い、竹のファイバーの違い等、その竹個々に 個別のアクションがあるといっても過言ではありません。 ただし、竹自体の特性として、アクションは全体的にスローであると言えます。 カーボンのファーストアクションに近づけることは不可能か?というと焼入れや竹の 中でも比較的硬いものを選んで使うなどすることである程度のアクション調整は出来る ものと思われます。そのためにはかなりの竹の知識、経験が必要になることでしょう。 そういう私も取った竹からアクションを予想することは未だに出来ません。 この丸竹フライRODの第一人者とも言えるA氏曰く「取った竹の枝を落として 振ってみた感じ、それは完成した時のアクションに近い。」と言います。 スナワチ取ってみないと分からない!作ってみないとわからない!って事です。 とりあえず先ずはあれこれ考えず、その竹のアクションを素直に受け止めて作ってやる。 これが第一歩ですね、気に入らなければまた次の竿を作れば良し。
なにしろブランクはタダですもんネ!
それと、丸竹竿の作り方に「こうしなくてはいけない」という決まりごとはありません。 大体の作り方は皆似ていますが、細かい部分では人それぞれの手法で作っています。 自分自身で試行錯誤し、トライ アンド エラーを繰り返しながら納得のいく作り方で 作ってこそ「自分の竿」になると思います。
和竿の竿氏と呼ばれる方々も独自の製法や工法、理論を持っているように竿の作り方に 正解は無く、多くの完成形があるのでないでしょうか。
でも、もしあなたが「これは使える!」と思ったやり方やアイデアが生まれたら? そのときはこっそり私に教えてくださいね!


丸竹ROD作りの工程
まずは竹の種類から知ろう
竹を収穫する
下処理と乾燥
曲がりを直す(火入れ)

長さを決める
フェルール(繋ぎ部)を作る
ブランクを塗る
グリップの作成、取り付け
リールシートの作成、取り付け
以下製作中・・・しばらくお待ちください。

ガイドの作成、取り付け


竹の種類
竹の種類は沢山あります。ここで言う丸竹RODは生えている竹をそのまま
使います。ですから6角バンブーロッドのように切って張り合わせるという
難しい工程はありません。従って切って来た竹の太さがそのまま竿の太さに
なります。
ですから、成長しても細いままの竹がフライロッドには向いています。
それらフライロッドに向いている竹の種類をここでは紹介します。

まずは丸節竹
この竹は市街地にも生えていることが多く、見たことがあると思います。
特徴は、手に入りやすい、テーパーがあって竿の全工程(バット部、ティップ部)
を問わずに使えます。特に細い竹はティップに良く使います。節部から枝が数本
生えていて、枝の生えている反対側が丸く出っ張っています。見た目は美しく
ないですが、軽くてテーパーがあるので竿作りからは切っても切れない竹です。
節間に独特のテーパーがあって、各節の先端側がコブ状に太くなり、次の節の根元に向かい
細くなっています。それを繰り返してテーパーが形成されています。

次は矢竹
この竹も丸節竹に次いで入手しやすい竹です。市街地では一見丸節の林と
間違えやすいですが、よく見ると葉が幅広で節から1本しか枝が出ていません。
しかも丸節よりも節部の形状が良く、後記の高野竹と良く似ています。
テーパーの付いている物が少なく、主にバット部に使います。又、丸節よりも
肉厚で丈夫、硬いと言われています。ただし私は入手したことがないため
実際に私の竿に使ったことはありません

そして高野竹
この竹は和竿(ヘラ用)でも良く使われる竹で、見た目は矢竹と良く似ていますが
丸節のような節部の出っ張りが無く、美しい竹です。枝の付きかたは矢竹同様
節部から1本しか出ていません。全く枝のないもの(先端以外)も存在するようです
葉の形も幅広で、つやがあり、熊笹に似ています。
入手は困難で、比較的標高が高い場所で川沿いに生えていることが多いようです。
又、根元の太さが10mm以上に育つことがまれで、あまり長くはなりません。
やはりテーパーが付きにくく、先端部が細いものはなかなか見つからないので主にバット部
に使用します。またはフェルール部の補強としてブランクの中に埋め込むこともあり
和竿の世界では印籠継ぎの芯材としても使われているようです。
見た目の美しさ、肉厚で粘りがあり、竹自体の強度には目を見張るものがあり、和竿の
穂持(穂先の次で竿の全体の中で最も負荷が掛かる)の部分に使われていることも納得
できます。この竹は前記の様に太くなることはまれであることから、バットに使うと
細身の竿になります。


竹を収穫する

<注意>
自分の土地に生えている竹を取る場合は特に問題はありませんが、もし、人の
土地で竹の収穫を行う場合は必ず許可を得ましょう。

竹の収穫は冬の間、竹自体が水をあまり吸い上げず、はえている状態である程度
乾燥している時期が適しています。具体的には11〜2月一杯です。
ここで選ぶ竹が結果的に竿の出来栄えに直結します。ここでミスをするとまた一年
待たないと収穫の時期は来ませんので、慎重に、かつ大胆に選びましょう。
一般的に言われている良い竹(竿に向いている)は

断面が真円に近い
生えてから3〜5年のもの
肉厚である(強度があるが重い)
節間が詰まっている(節と節の間が短い)
ねじれが無い

他に、虫食いの穴がある(虫もいい竹を食べる?)とありますが、節部の虫食いは
要注意で、乾燥させてチョット振っただけで「メキ」と折れるほどもろい場合が
あります。

節部の虫食い(すでに折れてます) 上が高野竹の断面、下が丸節竹

生えてからの年数ですが、丸節の場合は枝の付き方で2年目以降のものは
見分けが付きます。竹の先端部にしか枝のないものは新子と呼ばれて、
竹の1年生だそうで、(下の写真左側)見た目もまっすぐで簡単に使えそうですが
繊維が未発達のためか、弱い竹が多いので、使う事はお勧めしません。
又、曲がりを直しても元に戻りやすいそうです。

矢竹と高野竹は主にバット部(竿の手元側)に使うので竹の先端部はあまり重要視
せず、根元の太さとフェルール(繋ぎ部)になる部分の太さが重要です。
従って切り出す時にどこを見るかと言えば全長、太さを見ます。グリップの部分の太さは
カーボン竿のそれに比べればやはり太くなりますが短めの竿(6ft前後)で高野竹、矢竹
を使う場合は6〜7mmあれば使えます。長い竿になると8mm以上は必要と思われます。
矢竹では比較的太目のものもあるためそれほど苦労しないと思いますが、高野竹で太いものは
なかなか見つからないので、もし見つけたら迷わず太さで収穫しましょう。長さは自分が
作りたいと思っている竿の長さの半分が必要になります。8ftの竿を作ろうと思っていたら
8ft=約2m44cmですのでその半分の1m22cmにフェルールで重なる分、およそ7cm
をプラスして、だいたい1m30cmが最低必要になります。注意しなくてはならないのは
節部はフェルールに出来ませんので、ぴったりその長さで収穫し、いざ合わせようと思った時に
節部を切り落とすと大抵短くなってしまいますので、根元から切って収穫し、持ち帰れるギリギリの
長さで余計に長く収穫しておきましょう。ちなみに今の話は2pcの場合です。3pcやそれ以上の
パックロッドを作る場合、その場で節間の長さや太さを吟味していたらいい竹を見つける前に
日が暮れてしまいますので、バット部で最も重要なのは根元の太さと言うことになります。

丸節の場合は枝部(節部)にも重要な選定基準があります。太さも重要ですが丸節竹の節はクセがあり
節部で枝に押しやられて幹の中心がずれている場合があります。そういう竹は竿にしても美しくない
だけでなく強度にも問題が出ると思われますので避けます。穂先にする場合には全長に加えて先端部の
太さも重要です。私が作る竿の場合の先端部は基本的に2mmです。
フェルール部の太さは継ぎの形状によっても異なりますが、バット側ブランクをティップ側に挿入する
継ぎにする場合は目安として6mm程度のものを使っていますので、それにあうテーパーのものを選びます
しかし、前記のバット部のように3pc以上の竿を作る場合や継ぎ方式を逆にする場合はその限りでは
ありません。

芯ズレしている竹の節部 ほぼまっすぐ

収穫の際の注意は、竹を斜めに切らないことです。これは安全のためで、斜めに切ると竹やりが地面から
生えているのとなんら変わらなくなり、非常に危険です。夢中になって歩いているうちに自分で踏んで
大怪我をするハメになります。もし斜めに切ってしまったら、下の部分を平らに切り直しましょう。
持ち物としては剪定鋏とニッパーがあれば十分切れます。ニッパーは主に枝を落とす時に使いますが
無くても大丈夫です。
のこぎりを使うと時間がかかるばかりではなく、切ったところの竹繊維がバラバラになり、その部分は
使えなくなります。
ゴムの滑り止めつき手袋は竹のハカマを取る時に非常に便利で、ハカマ(節部の皮)のついた部分をギュっ
と握って雑巾を絞るようにグリっとまわすと簡単にハカマが取れます。

剪定鋏、ニッパー(共に¥1000位) 滑り止め手袋(100円ショップで調達)

現場での処理
収穫した竹は枝を落とし、ハカマを取り持ち帰ります。枝を落とす時は出来るだけギリギリの所で
落としたいのですが、無理をすると幹にキズを付けしまい、苦労して探した竹を捨てることになります。
ですから、無理をしないで落として、家でゆっくり処理をするようにしましょう。
引っ張って枝をもぎ取ろうとすると、やはり幹の皮がめくれる事が多いので止めたほうがいいでしょう。

せいぜいこれくらいまでカナ?


下処理と乾燥

さぁ 竹を取ってきました。これが竿になるのかぁ・・と眺めていても勝手には竿になりません
先ずは洗います。クレンザーのような研磨粉入りの洗剤を使い、食器洗いスポンジの背についている
硬いスポンジでコスリ、アカのような汚れをきれいにします。最後は洗剤もきれいに洗い流します。
洗う時、枝を落した部分や取り忘れたハカマで怪我をしないように注意しましょう。
洗ったら、枝の処理をしておきましょう。乾燥する前の水分が多い(まだ竹が柔らかい)状態で
枝処理をしておくのが狙いで、彫刻等や小刀を使い、幹(すでにブランク)にキズを付けないように細心
の注意を払いながら取りましょう。ここでブランクにキズをつけることが最も多い。
右写真の上のブランク、良く見ると節部にハカマの生えていた根元の硬いリングが残っています
それもカッターで切り込みを入れて取り除きます。

上がバット用、下がティップ用 下写真の様にカットします

下処理が終わったらジックリ乾燥させます。乾燥には人それぞれやり方があり、どの方法が一番いいか
良く分かりません。私の場合は室内で出来るだけ密着しないように立てかけて、1年ほど乾燥させます、
が、3ヶ月程度天日干しをした後取り込んで、室内で1年とか、影干しとか色々です。
3ヶ月の天日干しでかなり青みが取れてすぐに使えそうな色になりますが、やはりここで竿にしてしまうと
使っているうちに曲がってきます。これは私の経験で待ちきれずに作り、今では使用できないほど
曲がってしまいました。
更に乾燥させる前に高野竹等に対しては油抜きといって、火であぶって油分をふき取る作業をする人
もいます。

取ってきたばかりの状態 3ヶ月天日干しした竹
私はやっても曲がりのひどい竹をある程度まっすぐにしておくくらいで、ここではあまり火にかけません。
ここで曲がり取りを完璧に行っても1年後には少しずつ曲がって、元の曲がりに沿って曲がってしまうので
あくまでも「ある程度」の曲がり取りです。しかし、節部が極端に曲がっている場合はこの段階で直して
おくのがいいと思います。やはり水分が多い状態のほうが火にかけると更に柔らかくなりやすく、曲がりを
取るのが楽です。

曲がってますね〜 これが直した後

しかし、十分熱してから力を入れないと折れます。やわらかい分「メリメリ、ボキ・・」と折れます。
少し湯気が出て、色が変わるくらいまで熱してから力を入れると意外と「グニャリ」と曲がってくれます。

ワザとじゃないのに (^^;

曲がり取りの方法は後記で詳しく説明しますのでここでは省きます。


曲がりを直す(火入れ)

ここで言う曲がりなおしの火入れは、竹の硬度を出すための焼入れとは違いますので注意してください。
さて、乾燥前に曲がりのひどいヤツと乾燥後に竿にするべく曲がりを直します。竹にはさまざまな曲がり
があり、全体的にしなっているように曲がっているもの、節でカクッと曲がっているヤツ、ねじれ、
普通はこれらが複合して曲がっています。これらの曲がりを自分で納得するまで直線に近づけます。
ここで注意しなくてはならないのが火傷です。もし火入れ中に火傷して、釣りにいけなくなっても自己責任で
お願いします(^^;
火傷しないためにも先ず用意しなくてはならないのが手袋です。私が使っているのは純綿の軍手、左手は
二重にして使っています。右手にも軍手をはめます。綿は熱で溶けないので、熱しすぎても手にへばりつくことは
ありませんが、ポリエステルなどが混ざっていると溶けて手に付き火傷します。もちろんブランクにもつきます。
熱源は釣行時の屋外でよくカップラーメンのお湯を沸かすのに使うガスバーナーや、屋内で鍋料理のときに
使うカセットコンロ等、皆さん好きなものを好きなように改造などして使っていますが、コストを考えて、
自分に最も適している、若しくは所有しているもので試してみましょう。
曲がり取りのコツと言うか、注意する点は火傷以外に、竹を焦がさない事です。これが実に難しい・・
とりあえず、使えそうもない竹で練習することをお勧めします。
焦がさないコツは竹を利き手で回しながら、かつ、前後に動かして、一箇所に熱が集中しないように過熱します。
当然細い部分は早く加熱され、太い部分は時間がかかりますので、ある程度経験が必要な作業です。
十分に加熱しないと思うように曲がりませんので、思い切って加熱しましょう。また、完全に乾燥している竹は
やはり、曲がりにくく焦げやすいので注意しましょう。逆に乾燥前の竹は比較的焦げにくくまげやすいです。

火入れビデオ (47秒)hiire1.mpg 877kb

ビデオを見ると最後のほうで曲がりを取るために両手で「えいっ」と曲げているところと、扱くように、左手の
腹の部分で曲げる二通りの曲げ方を紹介しています。和竿の世界では矯め木(ためき)という独特の道具を使って
曲げますが、私にはまだそれを使う技術が無いので使っていません。矯め木は、釣り吉三平のジッちゃんが竿を
矯正するのに使っていたあの穴の開いた木で出来ている道具のことです。(釣り吉三平を知る人は知っている・・)
自作するのは簡単なようですので、自分の手に合うように自作するのも玄人っぽいですね。
本題に戻って、節と節の間の曲がりは両手で掴み、親指を曲がりの中心に押し当てて両側に引っ張りながら
曲げます。この曲げ方は局所的に曲がっている場合に効果的です。
全体的にしなるように曲がっている場合は利き手でブランクを持ち、反対側の手で掴み、滑らせながら扱くように
曲げます。

局所曲げ 扱き曲げ


長さを決める

ティップ側(穂先)、バット側(手元)のブランクをそれぞれ火入れしてまっすぐにしたら、竿にする
長さを決めます。とりあえず最初は難しいフェルール(継ぎの部分)を1ヶ所で済ませるように2pcで話を
進めます。竹はティップ、バット共に手に入りやすい丸節竹を想定しています。
又、一本の竹から両ブランクを取り出すことも可能であるようですが、多くの場合、二本の竹からそれぞれ
のブランクを取り出します。どうしても一本の竹から竿にしたいと言う場合のフェルールは中間部を捨てない限り
太さに差が出ないので印籠継ぎ(いんろうつぎ)のように芯を入れる継ぎ方になるか、1pcになります。

・完成長さ8feet6inch
・ティップの先端が2mm
・バットの終端が9mm
・フェルール部の太さがバット側6mm、ティップ側7mm
で、フェルール形状がティップ側にバット側を挿入する逆並継ぎ(ぎゃくなみつぎ)にするとします。
フェルールの種類はまた後で説明します。

下手な絵? (^^;

ここで先ず単位について少し説明しておきましょう。
良く市販のロッドで使われている長さの単位はインチとフィートです。使い慣れたメートルに換算すると
1inch=2.54cm
1feet=30.48cm(12inch)
になります。ここで、上記のように8feet6inch(8'6"と表示されます)にするにはメートルでは
どのくらいになるかと言うと
8feet=30.48X8=243.84cm(メーカーは244cmの竿を8'としています)
6inch=2.54X6=15.24cm
合計で259.08cm(約2m59cm)が8'6"の竿と言うことになります。

ちなみに1尺は30.3cm(1間は6尺)ですからおおよそ1尺とfeetは似たような数字と言えます。
好みの単位で作るのも面白いですね。
余談はこれくらいにして上図のように両端の色が違う部分で竹をそれぞれカットします。両ブランクの長さは
259cmの半分129.5cmにそれぞれフェルールで重なる7cmをプラスして136.5cmでカットします。
カットする時ティップ側の手元側、フェルールになる部分は出来るだけ節の直前でカットします。
この位置でカットすることによって後で糸巻き補強の距離と、継ぎあう部分を一番長く確保し、強度を稼ぎます。
バット側のフェルール部分も同じように節の直前でカットします。グリップ部は隠れてしまうので気にせず
長さの合うところでカットします。
カットする時に大事に一年乾燥させた竹を割ってしまわないように気をつけましょう。剪定鋏で切ると割れてしまう
可能性があるし、まっすぐに切れないこともあるのでカッターや鉈(なた)を使って刃を押し当てて回しながら
切ります。太い部分は強く押し当てる必要があるので刃の厚い刃物を使い、逆に穂先部分はカッターで十分切れます。

押し付けながら回し(転がし)て切る

自分でブランクをお持ちの方はここで恐らくお気づきのように、節で切ろうとすると上手いこと狙う長さにマッチする
ティップがないでしょう?図に描いたのは実際私の3号竿のブランクをイラスト化したもので、
節の数も一応合わせてあります。実は最初から8'6"を狙っていたわけではなくオオザッパに「8'以上の竿」と
いう狙いでした。結果的に8'6"なったと言わざるを得ないのです。
ここで逆戻りして竹を収穫する時、「このティップとこのバット」みたいに決めて取ることはほぼ不可能でした。
ましてや吟味しすぎて数が取れなかった時は尚のこと狙った長さの竿が作りにくくなります。
ここで1年目の私は失敗しまして、竿にしようと思って収穫した竹の数は13本(バット6本ティップ7本)でした。
その中から竿になったのは3本です。これは正直に言って竿にした本数が多すぎます。和竿の世界では数千の竹の中から
1本を選ぶ位吟味します。しかしそれはプロの話・・・私は趣味で竿を作っていますのでその差はあると思います。
でも、所有する竹のアイテムは少なすぎました。又、「もう一節長めに切っておけば」が最も多い失敗でした。
何が言いたいのかというと、「竹は多めに取りましょう!」ということです。吟味して良い竹を多く取るのが最も
良いですが、保管場所や輸送のことを考えるとそう多くは取れないかもしれません。でも限界まで多く取っておいても
なかなか相性良くマッチする竹は無いと思いますヨ!


フェルール(繋ぎ部)を作る

長さを決めて切ったら繋ぐための部分、フェルールを作りましょう。
最初は失敗しやすく、非常に難しいですが、これを乗り越えてこそ自分の竿に愛着がわきます。(私の場合)
フェルールには色々な種類があり、それぞれ特色があります。

・並継ぎ      のべ竿の定番、テーパーの無いブランクで段々にテーパーを付ける時使用される
・逆並継ぎ     ルアー、フライのカーボンのRODの大半がこれ、並継ぎより抜けにくいとされている。
・印籠継ぎ     高級RODには良く使われている。継ぎ部の太さに差が無い時使用。最も抜けないが加工が難しい
・逆印籠継ぎ    印籠継ぎの上下逆のブランクに芯を固定したタイプ。
・金属フェルール  バンブーRODはこれ

並継ぎ   逆並継ぎ   印籠継ぎ

上図では上がティップ、下がグリップ側です。私の竿は3本とも逆並継ぎで、更に工夫してダイワで言う
スーパーフレックスジョイントに似ています。逆並継ぎの更に強度を増し、抜けにくさを追求して
作りましたが、加工は非常に難しく、効果はどれほどか・・今のところ1号竿以降折れてません (^^v 

追記・・私の3号竿のフェルールが折れました。原因は勘合が甘くて使用中に抜けてしまった
為です。抜けに気が付かず、そのまま使用したため「メキ」っと折れました。そこで、修理をした際に印籠継ぎに
挑戦しました。

下写真がパーツで、組み立てると右イラストのようになります。写真の真ん中の芯はテーパーの無い高野竹で作り
バット側のブランクに埋め込みます。埋め込む長さは重なる分の7cmの倍、14cmが理想です(思い込み!)

フェルールのパーツ ティップ←    →バット
スーパーフレックスジョイントのイラスト

では作り方に入りましょう。
先ずティップ側のフェルール部分の芯を抜く(削る)前に、糸を巻いて補強します。これをしないでドリルを
入れると一発で割れます。
糸巻きに使う糸は絹100%の糸を使います。理由は、仕上げが終わってからも火であぶる場合があるからです。
竿を作っている間、ブランクは多少曲がると思います。それを修正するために最後に火を使うことが多いので
熱に強い絹の糸を使いましょう。
ただし、フェルールはどんなことがあっても一度カッチリ決めてしまったら修正はしないほうが良いです。
曲がってしまったからといって火にかざすと途端に勘合が狂い、合わなくなります。(これで折れたことがあります)
ですのでフェルール部の曲がり直しは完璧に納得するまで直しましょう!
フェルールにする部分のメス側は糸を巻いて補強します。その際、竹にそのまま巻くと滑りやすいので、糸巻き
する部分を少し削り、滑り止めを施したほうが良いでしょう。荒めのペーパーでゴシゴシするか、カッターで
少し削ります。
糸巻きの長さは重なり合う分の7cmプラスαで、私の場合は7.5cm位を穂先側から巻き始めます。
ボビンホルダーを使い、少しテンションを掛けながら、出来るだけ隙間の無いように巻いて行きます。最後の5mm位まで巻いたら
細い糸を輪にして巻き込み、最後にその輪に絹糸を通して引っ張り「ヒゲ」が出ないように、ギリギリで切って
巻き込んだ糸を引っ張って、巻いてきた絹糸の下で止めます。
糸を巻き終えてみると多少隙間が開いてしまっていると思います。そこをゴマかすのは結構簡単。タイイングで
ヘッドセメントを塗るためのニードルの棒の部分で擦ると・・・隙間が見えなくなります!?
これが終わったら塗料を糸目が見えなくなるまで何度か塗ってほぐれ止めします。最終的にはもう一度塗装しますが、
数回に分けて透明カシュー(人口漆)等、やはり熱に強い塗料で塗っておきます。
最後はギリギリでカットして

糸止めが乾いたらいよいよ勘合させます。私の場合はオス側に合わせてメス側を掘ります
オス側には微妙にテーパーが付いているはずで、ほぼそのままで使います。
最終的に直接調整出来るのはオス側なので、最初はあまり形を整えずにおきます。
メス側の加工はドリルを使います。芯の穴系より0.5mm位大き目のドリルで少しずつプライヤーで掴んで回しながら
掘り進みます。そのときに7cmまで入るようにドリルに目印を付けておくといいと思います。
オス側の先端と同じ系のドリルまで使ったら後は棒やすりで勘を頼りにオス側のテーパーを付けていきます。
これが難しくて、大体入り口が大きくなりますので注意しましょう。
オス側の根元太さをあらかじめノギスで測っておいて、それ以上メス側を削らずに、オス側先端を削って併せて
行くと意外と上手くいきます。

印籠継ぎの場合はほぼ同じ径のブランク同士を繋ぐ際に有効です。芯材に高野竹を使い、ブランクの径
が5mmなら3mmの芯材を使う感じで、皮を1mm残すイメージで芯径を決めます。本当は竹の表皮の強い部分を残す事が
重要と思われますので、ブランクの断面を見て決めてください。お互いに芯の入る長さは7cm以上確保しましょう。
従って一節で14cm以上で、テーパーの無い高野竹を色々な太さで取っておく事が必要になります。
(ねーよそんなの!と言わないで・・)
勘合は並継ぎより簡単な方法があります。芯材と同じ径のドリルで穴を掘ればシックリきます。ただし、少しでも穴が
大きいと使えなくなりますが、わずかなら塗料を塗りまくって太らせて使うことが出来ます(^^; 。温度や湿度に影響
されますので、穴を加工したら中のごみをきれいに掃除して、しばらく経ってから勘合の調整をしましょう!
芯材のテーパーはあらかじめサンドペーパー等を使って取っておきます。又、芯材の曲がり取りは慎重に行い、
焼きいれもガンガンに入れて、硬くしておきましょう! 火入れの後2日以上経ってから加工するとその後の曲がりは
出にくいように思います。(今のところ・・・)

手でドリルを回す
電動ドリルでユックリやっても良い
逆並継ぎ+フレックスのオス側の最終形


ブランクを塗る

とうとう竿の原型が出来上がると、防水、キズからの保護と光沢を出して美しく仕上げるための塗装を施します。
ガイドの取り付けは下塗りを終えてからか、仕上げ塗りを完了してからの方が、筆やハケの邪魔がなくてきれいに
塗る事が出来ます。又、ガイド取り付けの際に傷が付くのも保護できます。グリップの部分も塗る事によって、強靭な
防水を行うためにも、素のブランク状態で塗装をした方が良いと、「私は」思います。
私が使う塗料は前記のとおり熱に強い言われているカシューです。専用薄め液で薄めて使います。原液のまま塗ると
一気に厚く塗れますが、剥離しやすいので薄〜く何回も塗り重ねます。ケイケンでは原液を5倍以上に薄めて5回以上
塗るとあまり剥離しません。又、薄めると乾燥も比較的速いので一日に2回位は塗る事が出来ます。
丸一日乾燥させるとだいぶ硬くなるので、塗りムラを細かいペーパーを使ってコスリ落としてから同じ作業を繰り返し
約1週間繰り返し塗り重ねます。月曜から木曜の夜に2回位ずつ塗ると8回塗れます。木曜の夜は仕上げ塗りを施して
金曜、土曜を乾燥にあてて、日曜日にガイドの調整やグリップの取り付けを行うと1週間で仕上げる事が可能です。
翌週の1週間でガイドの糸塗りとグリップとリールシートの接着乾燥をしっかりやって、訪れる週末には完成です。
早速釣りにいけます (^^;

カシュ−の缶と小分け用のフィルムケース 筆は毛を短くカットして使っています。
上が糸部を塗る前、下が2回塗った後
ちなみに同じ色の糸です

塗りに入る前に、ブランクを細かいペーパーで擦って、細かいキズをつけておくとカシューが竹に食いつきます。
丸一日乾燥させて硬くなった時もムラをコスリ落とすのと同時に気泡やホコリを落とすように軽くペーパーをかけます。
塗るときのコツは竹のティップ側から1節ずつ塗ります。節の途中で筆を止めないで同じ方向にムラが出ないように満遍なく
塗ります。
乾燥の時は吊るしておくのが良いと思いますが、あまりボッテリ塗ると塗料がたれてムラになるので注意しましょう。
又、あせってベタベタしているうちに重ね塗りをすると下地の塗料がはがれてダマになるので焦らずに乾燥させてから重ね塗り
するようにしましょう。
仕上げ塗りは塗料を更に薄めて塗ると光沢が出ます。しかし、薄く塗らないとタレますので注意しましょう。
最後に2日程度乾燥させて微粒子研磨剤などで磨くと更にツヤが出ます。磨く際に綿のボロキレを使えば余計な傷は付きません。
裏技は歯磨き粉で磨くそうです。(いい匂いがしばらくします)


グリップの作成、取り付け

ブランクはこれで完成なので残りのパーツにかかります。先ずはグリップから。
一般的にグリップはコルクが使われています。私も例外ではなくコルクの手触りが好きなので使っています。後述しますが
リールシートもコルクを良く使います。軽い、手触りがいい、加工が簡単、比較的安価、この条件は自作竿にはもってこいです。
市販されているコルクグリップを釣具屋さんで購入して使うのが一番簡単ですが、ホームセンターでコルク棒、シートを上手く
使い、グリップを作る事も可能です。ワインの栓を使うツワモノも居ます。(煮ると少し太くなるそうです。)
一番手元に来る部分で、しかも釣りをする際に常に手にしている部分なので強固に接着する必要があります。
先端部の形状はテーパー状にするか、フラットにするか、又好みの長さ、太さで作りましょう。
最初から穴の開いている市販品と作ったブランクの径が合わない時に穴の加工があります。ちょうどいいドリルがあれば簡単に
あわせられますが、グリップの穴が大きいときはタコ糸等の太い糸を使って穴に合うまでブランクに巻きつけて太らせると良いでしょう。
タコ糸はキツク巻き、一度接着剤で硬めてからグリップをかぶせて接着するとズレ難くなります。

ブランクとグリップの隙間 長さはリールシートの分も考慮してカット

グリップとブランクの径が合わないケースが多いと思います。ティップ側から挿入するのでぴったりにも出来ますが相当の技術が
必要です。グリップの穴を少し大きめにしておき、後で修正できます。グリップの形状整形が終わったら下写真のように十字に
切り込みを入れて、縮めて接着してしまいます。接着剤はゼリー状瞬間(木材用100円ショップ)を使います。コルク自体が軟らかい
ので接着がはがれる事はまず、ありません。

カッターで切り込みをヤヤ斜めに入れる 押し付けながら接着させる


リールシートの作成、取り付け

リールシートもリールを固定しておくので強固に接着します。一度止めたらやり直しは効きません。又、形状はリールが固定できれば良いので
それほど種類はありませんが、渓流で使うのにダブルハンド用のリールシートを作る事は稀だと思うのでそのような難しいものは省く事にします。
と言うか、作った事ありません(^^
材質はやはりコルクを使用する事が多いですが、市販のリールシートを使うのが一番手っ取り早く、使い勝手も良いです。が、せっかくここまで手作り
なのだからここもヤッパリ手作りが良い!!と言う人はアイデアを絞って作ってみましょう。材料は18mmの径の竹や丸い木材と外径21mm、内径19mmの
アルミパイプがあればとりあえず出来ちゃいます。
竹を使う場合は乾燥も必要ですが、加工も結構大変です。私が作った竹のリールシートをご紹介しておきましょう。
竹の節をうまく使い、アルミパイプが抜けないようにしています。パイプカッターでアルミパイプを適当な長さで2個切り出してしまえば
とりあえずリールは固定できます。

リールが乗る部分を一度切って
もう一枚被せる
断面はこんな感じ

市販品を使う場合はセットになっているので何の心配も無いでしょう。
取り付けはグリップエンドから差し込んで付けます。グリップを取り付ける前にリールシートを取り付けて起きましょう。
しかし、注意する事があって、リールを載せるフラットな面が有る場合はガイドを載せる方向と合わせておかなくてはなりません。強固に
接着した後では回せないので、ちゃんと確認してから接着しましょう。
市販や、コルクで作ったリールシートも紹介しておきましょう。

上の2本が市販のシート 最初につけるとこんな感じ

アルミパイプとパイプカッター

木材や竹で作った場合は塗装が必要になります。塗料はカシューでも良いですが、ここは火を使う事は無いので好きな塗料で塗れます。
特に、リールやリングで擦れるのでアクリルやウレタン系の剥がれにくい塗料がお勧めです。エンジンウレタンという塗料は表面も硬く、透明度も
あるのでお勧めだそうです。

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