Y.KAMISAKAの禁煙教室


ニコチンガムの使用方法 
ニコチンガムの使用上の注意 
ニコチンパッチの使用方法 
ニコチンパッチの使用上の注意
タバコ切れの症状を乗り切る9つのポイント
禁煙後の体重増加を防止する方法
経皮吸収型禁煙補助薬の使用症例報告
禁煙指導Q&A
楽にタバコが止められる4つのポイント

 「ニコチンガムの使用方法」「ニコチンガムの使用上の注意」「ニコチンパッチの使用方法」「ニコチンパッチの使用上の注意」「タバコ切れの症状を乗り切る9つのポイント」「禁煙後の体重増加を防止する方法」の内容は、高橋裕子先生の「禁煙支援ハンドブック」(じほう社)からの抜粋です。



ニコチンガムの使用方法 

1.口に入れてまず10回噛んで下さい。

2.10回で噛むのをいったん止め、頬の粘膜と歯茎の間に押し込んで下さい。 

3.そのまま5分以上置いて下さい。(ピリピリした刺激する感じがわかる人は刺激がなくなるまで置いて下さい。)    
4.もう一度10回噛んで下さい。

 この繰り返しを、最低でも30分は続けて下さい。ピリピリした刺激が感じられなくなったら、あるいは喫煙要求が高まったら、次のガムに取り替えて下さい。この時、噛みすぎてニコチンによる喉の痛み・胃痛などの症状が出た時は、以下のように対処して下さい。

・うがいをする
噛む回数を減らす (時計を見ながら、約3秒に1回を目安に噛む)
ハサミなどでニコチンガムを半分に切って使う

 ニコチンガム使用後は普通のガムのように紙に包んでごみ箱へ捨ててください。



ニコチンガムの使用上の注意 

1.ニコチンガムは「口の中の湿布薬」です。体の湿布薬が湿布しているあいだだけ効くように、クスリを頬の粘膜に押し当てている間だけ効果が出ます。噛んでいる間には効果はなく、副作用がでることに注意ください。総義歯の方は、ガムを噛まずに舌で押し広げて、頬の内側や上あごに押しつけて使用しても効果が得られます。

2.最初の数日は食事と睡眠以外の1日中続けて使う事が大切です。食事の時は取り出しておき、食事が終わればまた同じガムを続けて噛むことも可能です。万が一飲み込んでもそのまま便にでますので、心配はありません。

3.一度に使う量は、1個か1/2個です。ニコチンが0.4mg以下の軽いタバコを吸っている人や1日の喫煙本数が10本以下の人は、ハサミを使って1個を1/2個に切って使うようにしても良いでしょう。しかし最初の日は、まず1個で試してください。

 ニコチンガムの一日必要個数として実際には、だいたい最初の3日間は一日6-12個程度、その後は一日5個以下の人が多いものです。

4.使用個数の目安ですが、1日20本以上吸っていた人は、最初の3日間は使用個数を制限せずに使うことがコツです。制限せずに使っても、正しい使い方を守る限り1日20個以上になることはまずありません。3日目を過ぎてからの個数は、個人差が大きく一概には言えません。3日目以降は特別な努力をしなくても個数が減ることが多いのですが、4日目にはもう1日3個程度になる人もいれば、7日たっても1日20個のままという人もいます。しかし一般的に言って1日10個以上が続くようだと、経済的な観点からも少しずつそのほかの努力を取り入れるようにしたほうが、1日の必要個数が減るでしょう。だいたい使用開始後2週間で、1日3個以内になるのが普通です。

 厚生省の使用基準は、1日の使用量が30個までとなっていますが、実際にはそれほど必要な人はまずいません。これくらいの個数まで使用可能だと考える目安です。

5.ニコチンが身体に入りすぎた症状としては、のどの痛み、胃痛、むかつき、頭痛、くらくらする、動悸、冷や汗などがあります。又、ニコチンガムは口の粘膜への刺激症状として口内炎を引き起こす事があります。その場合には、頬に挟む場所を少しずつ移動させて下さい。

6.禁煙ができてからも最低1個は「お守りのガム」として持ち、よくよくタバコが欲しくなったときに使ってその場を乗り切るという使い方も有効です。


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ニコチンパッチの使用方法 

 
1.大・中・小の使い分けは… 

 ニコチンパッチには大(ニコチン30mg含有)・中(20mg)・小(10mg)と3種類の大きさがありますが、標準的には「大」を4週間、「中」を2週間、「小」を2週間、毎日1枚づつ使用します。

 例外として、体重が標準からかけ離れてかなり軽い方、喫煙本数が1日10本以下の方の場合は小さいサイズからスタートすることもあります。どのような貼り方をしてもニコチンパッチからの離脱はほぼ8週間程度です。

2.貼り方は…

 一度貼ると24時間効くように作られていますから、貼り付けて24時間後に貼り替えます。貼り替える時間(あるいは、最初に貼り始める時間)ですが、一般的には朝に貼りはじめ、翌朝取り替えるようにします。

3.貼る場所は…

 貼る場所は、全身のどこでもよいですし、どこに貼っても効果はかわりません。ニコチンパッチは体のどこかに貼り付けて使用する、湿布薬です。一般的に腕や太股、あるいは背中といったところに貼るのがはがれにくくかぶれにくいようです。

 



ニコチンパッチの使用上の注意 

1.パッチの弱点として、かぶれにより貼りつけた後に数日間赤く発赤する場合があります。汗をかきやすい夏場は多発しがちなので以下のような方法で対処して下さい。

・貼る場所を毎日変える
・剥がす時は、周囲をしっかりと押さえゆっくり剥がして皮膚への影響を少なくする
・かぶれにくい場所を選ぶ(腕、太もも、背中など)

2.ニコチンパッチの副作用のひとつに、貼りつけたまま寝ると睡眠が浅くなるということがあります。これは夜間にニコチンが継続的に入って脳の興奮が引き起こされる為と考えられます。ですから、今まで見なかったような重苦しい夢を見るとか、昼間の眠気が強いといった場合には、朝貼ったパッチを寝る前に剥がして下さい。

 一般的には朝に貼って翌朝取り替えるようにしますが、この使用方法ではどうしても朝たばこを吸ってしまうというヘビースモーカーの場合には、寝る前に貼り付けるという方法を取ることもあります。

3.ニコチンパッチを使用していてもタバコ欲しさは起こってきます。ニコチンパッチは一定量のニコチンを補給してくれるだけで、急激なニコチン渇望には対処できませんからニコチンパッチの使用量を増やしても防げることではありません。ただ、パッチを使用しますとニコチン渇望の出現頻度が著しく減少しますので、余裕を持って1回ごとのニコチン渇望に対処する事が出来ます。パッチを貼っても吸いたくなった時には、何か他の行動に置き換えてみるなどの工夫をして下さい。

4.タバコの本数を減らす目的で喫煙とニコチンパッチを併用する事はニコチンの過剰摂取につながることもありますのでおすすめできません。ニコチンパッチに限らず喫煙とニコチン代替療法剤を同時使用あるいは短時間に併用すると喫煙でニコチンがあまりにも素早く効率良く大量に吸収されるためにニコチン代替療法の効果がなくなってしまいます。従って「パッチを貼ったら吸わない」、これが鉄則です。

 どうしてもニコチンパッチを貼りながら喫煙が続く場合、いったんニコチン代替療法を中止して喫煙に1本化してから禁煙に再チャレンジするのが無難です。


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タバコ切れの症状を乗り切る9つのポイント

1.冷たい水、熱いお茶を少しずつ飲む

 中途半端な熱さや冷たさでは、効果はありません。目が覚めるほどの熱いお茶か冷たい氷水を用意して下さい。 これが思いがけないほどよく効きます。禁煙をはじめてから3日間は、少しずつ、口を潤すようにのみ続けます。

2.深呼吸をする

 煙がなければ、タバコは良い深呼吸です。イライラするとき、仕事が一段落したとき、この深呼吸が役立ちます。 体操の深呼吸の要領で、一日に何度も深呼吸して下さい。

3.体を絶えず動かす

 じっと歯を食いしばって我慢を続けるのが、一番下手な禁煙法です。体のどこかを絶えず動かして下さい。 ジグソーパズル、囲碁、将棋など考え込むゲームは、手足がじっとしていることが多いためタバコを誘いますので、禁煙中は控えた方がよいでしょう。

4.場所を変える

 吸いたくなったらとりあえず、場所を移動してみる。食事の後もじっと座っている方がタバコを欲しくなります。食べ終わったら席を立って下さい。

5.歯をみがく

 刺激のある歯磨きで口の中をさっぱりさせる。小さめの歯ブラシに香り付け程度にごく少量の歯磨き粉を付け、力を入れずにブラッシングするのがコツです。

6.野菜を食べる

 タバコをやめると、胃腸本来の働きを取り戻しますから、空腹を強く感じるのが普通です。空腹感には、煮野菜をたくさん食べて下さい。 野菜にはイライラを抑える効果もありますし、便通も整えます。

7.お酒の席にご用心

 禁煙を破ってまた吸いはじめる一番多いケースが、お酒の席です。アルコールは、禁煙しようと言う気持ちを弱くします。 禁煙をはじめて最初の2週間は、家の外では飲まないようにしましょう。

8.煙の多い場所に行かない

 他人のタバコの煙で、タバコ欲しさが増加します。喫煙者の隣に座らない、喫煙コーナーにも近づかない。 パチンコ店など煙の多い場所も避けましょう。

9.気楽な気持ちで禁煙している時間をのばしてゆく

 吸えないとなると、ますます吸いたくなるのが人情ですが、「もう1分だけ、タバコを吸うのを待ってみよう」と自分に言い聞かせてみて下さい。 1分たてば、不思議と吸いたい気持ちはましになります。 先のことは考えず、どこまで記録を伸ばせるか、 楽しむ気持ちで禁煙している時間を積み重ねて下さい。


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禁煙後の体重増加を防止する方法

タバコを一日20本吸った時の動脈硬化の害は、40kgの体重増加に相当するのもで、体重が今より40kg増えるまでは,体重増加による害よりもタバコの害の方が大きいというデータがあります。ただ実際のところ、健康的への影響もありますので体重増加はほとんどでストップさでたいものです。

 体重増加にはさまざまな要因が考えられています。タバコでマヒしてた舌の感覚や鼻の嗅覚が改善されて、食べ物がおいしく感じられます。喫煙中は口寂しいので間食をしたり、キャンディーをなめたりする事が多く、それも体重増加も一因となります。又、タバコは胃腸粘膜の血流量を減らすため食欲減退を起こす上、胃腸粘膜の栄養分吸収も抑え代謝亢進も加わって体重増加を抑えています。逆に禁煙してニコチンがなくなると、何を食べてもおいしいということが起こります。その他に禁煙によってニコチンの脂肪代謝促進作用がなくなることを、安静時および軽作業中のエネルギー消費が低下することも太る原因として考えられています。

 禁煙による体重の増加は大部分は一時的なもので、ずっと体重が増え続けることはありません。又全員が太るものではないこと、太っても元通りに修復が可能です。

太らない禁煙方法として5つのキーワードがあります。

1.野菜

 空腹に対する対応で最も勧められるのが野菜の多食です。野菜には、便通を整えたり、余分なコレステロールを減らしたり、気持ちを落ちつかせるニコチン離脱症状を和らげる作用があります。野菜に大量に含まれるビタミンCやカリウムの他、βカロチンも禁煙に役立ちます。

 禁煙を機に、野菜をたくさん食べる週間を身につけるよう、野菜の煮込みやふろふき大根を鍋いっぱい作って空腹を感じたら食べて口寂しいと空腹感を補うという方法をとりましょう。食事時も必ず一皿は余分に野菜を食べるようにしましょう。又、海藻類もほとんどノンカロリーと考えて良いでしょう。

 タマネギ・ニラ・ネギなどは硫化アリルを含みますので、身体の疲れを和らげストレスによる心の疲れを癒すうえ、自然治癒力・回復力を高めるなどの役割を果たすビタミンBの吸収を助けます。ビタミンBの豊富な豚肉などと共に食べることを勧めます。

 又、欧米で禁煙時にもよく利用されるのがセロリの丸かじりです。セロリにはビタミンB1、ビタミンC、βカロチンも豊富なうえ繊維質も豊富なので便秘の対策にもなります。

 注意しなけばならないのが果物です。かなりカロリーが高く、量が過ぎると体重増加につながります。例えば、ごはん1膳分の果物は、りんご1個、ミカン6個、イチゴ30個、夏みかん2個、バナナ2本、スイカ1切れなどです。ですから果物を食べるなら朝か昼にしておくといった工夫も効果的です。

 避けたい食品は油と砂糖です。マヨネーズは大さじ2杯でご飯1膳程度のカロリーに相当します。又、味付けには塩味や酸味を利用しましょう。外食の時は揚げ物ではなく焼き物・蒸し物・煮物付きにしましょう。

2.かむ

 人間の身体は食べ物を飲み込んでから20分くらいたって初めて満腹感を感じる仕組みになっていますから、早食いするとつい食べ過ぎてしまいます。食事の満足感を上げるためにはゆっくりと食べる事をお勧めします。10回以上かみ、一食に30分以上かけましょう。

3.間食を手元にもたない、置かない。

 スナック類、果物、ジュース類は驚くほどカロリーが高く太る原因となります。又、最近流行の「ノンシュガーのガムやキャンディー」もノンカロリーではありません。

 間食を止める1番の方法は、間食を持たないことです。どうしても口寂しくて間食をしたいのなら外袋の裏のカロリー表示をしっかりとチェックしましょう。

4.歯磨き

 間食と並んで太るもとになるのが「食べ足し」で、デザートと称して食事の後に甘い物を少し食べ足すといったことも太る原因です。これを防ぐには、食事が終ったらすかさず歯を磨くという妙法があります。又、就寝前2時間は、水・お茶以外のものを口にしないのも大切です。就寝前に食べたものは、どんなカロリーが低くても身につきますから、食事は早めにすませて歯磨きもしてしまい、就寝時には適度に空腹という状況に慣れるようにしましょう。

5.減量便利グッズ(万歩計・体重計・ノート)を使う。

 動く事は緊張感をほぐす効果があります。一駅前に降りて歩く、エレベーターは使わず階段を利用する、座ったままで首のストレッチをするなど、じっとしていても身体を動かせる方法を工夫して下さい。

 ただし食べ過ぎた分を消費するにはかなりの運動量が必要です。万歩計をつけて毎日歩く歩数をのばすものも是非この機会に身につけたい習慣です。その他、体重計を食卓の下と冷蔵庫の前に置く、毎日口にしたものと体重・運動を記録することもお勧めです。


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経皮吸収型禁煙補助薬の使用症例報告

私の勤務している企業内診療所でのニコチネルTTS使用者の症例報告です。

1. S.N さん(男、S32生)

喫煙歴:ピースライト(ニコチン1mg)20〜30本/日*20年
既往症:なし
動機:気管が弱い上に夏ごろより咳が続いておりDrに薦められる。
経過:ニコチネルTTS30mgを3日貼ったところで吐き気出現し、ご本人 より半分に切っても良いかとの問い合わせあり。単位面積当たり一定量が放出 されるマトリックス構造をとっているため、カットすると切断面から成分のニコチンが出てしまう。メーカーさんからも20mgに代えてくださいと言われ たが、姑息的な方法として皮膚に貼る部分の面積が3分の2になるよう3分の 1をバンソウ膏かラップで被ってもらう。結局何回か試されたが面倒なのか 「止められそうです。」と言われ中断。そのまま喫煙欲求なしで成功。

 この方法はメーカーとしては薦められないと言われたのですが患者さんは自己負担されているため手持ちの分で何とかしようとしたのがかえって良い結果に なった例です。


2. S.K さん(男、S28生) [禁煙歴3回]

喫煙歴:ケントワンボックス(ニコチン0.1mg)20〜40本/日*25 年
既往症:なし
動機:家族から常々言われていたところに診療所のポスターを見て・・・。
経過:30mg(2W)−30mg(2W)−20mg(2W)−10mg (2W)とマニュアルどうりに使用。初期に軽い頭痛があった程度でスムーズに終了。この方は2W毎にきちんと来所され、一番手のかからない方でした。

2度目の経過:半年後に再喫煙され、1年後には40本/日。この時点で再挑戦したいと言われ30mgのニコチンパッチを1箱購入されましたが、いろんなストレスが重なったようで難しかったようです。

3度目の経過:さらにその半年後、診療所の近くに転勤されて来られました。廊下や食堂でお会いした時に何気なく「又、やってみませんか?」と声をかけてご本人からの申し出を待っていたところ、2ヶ月ほどして「もう1度やってみようかな?」という言葉。本数は15本/日程度で以前よりは少なかったので「一度は止められたんですからもう一度やりましょう。」ということになりました。30mgを2週間、20mgを2週間使ったところでご本人の申し出によりパッチなしでその後自助努力の真最中です。


3. N.H さん(男、S16生)

喫煙歴:マイルドセブン(ニコチン0.1mg)50〜60本/日*40年
既往症:高血圧、高尿酸血症
動機:主治医に薦められて・・・。
経過:30mg(2W)−30mg(2W)−20mg(2W)使用したとこ ろで「なくても大丈夫かもしれないので止めてみる。」と自己判断で中断。こ の方は1W目に胃部不快感があり、はがして数日は2日で1枚貼ったのち元に 戻したとの事。起床後の喫煙欲求は時々起こるが勤務中は吸いたいとは思わな くなったとのことで中止。そのまま禁煙されました。

 ちなみに、起床して5分以内にタバコを吸いたいと思う人はかなりの依存度だ そうです。 この方は、1年半後に「もうタバコのことはすっかり忘れました。」という嬉しいお言葉を聞きました。


4. M.I さん(男、S23生)  [禁煙歴3回]

喫煙歴:フィリップモリス(ニコチン0.5mg)60本/日*32年
既往症:境界域糖尿病
動機:ニコチンガムで挫折しているためパッチで再挑戦したい。
経過:30mgを1Wも使わないうちに「我慢できない」と電話あり、ニコチ ンガムと併用したいとの事。メーカーさんに連絡したところ、「パッチを貼っ て吸いたくなった時にニコチンガムを3分の1(多くても2分の1まで)使用 するという方法もあるが、あくまでもDrの監視下であることが前提。しかし 併用は離脱失敗しやすい。」との事。結局併用療法はDrのOKが出ず、本人 が強引にガムを希望したためガムに変更となる。後日これも失敗したとの事。

 この方のようにかなり依存度の高い人はファガストローム表(ニコチネルTT S禁煙指導用キットの最後についている。)で依存度を再判定し、「何の為に止めたいか?」「どういう時に吸いたくなるのか?」を再チェックして1〜 2ヶ月期間をあけ、目標をはっきりさせてから再開するのが良いそうです。

3度目の経過:1年半後にご本人より3度目に挑戦したいと連絡がありました。そして前回は口寂しさにガマンが出来なかったので今回はもう一度ガムを使いたいとの希望。ニコレットの最高使用量は30個までOKなので、最初の数日間は個数を無理に制限せずに使うということで開始しました。3週間で60個を使い切った時点でやはり1日に2〜3本の喫煙はどうしても止められないとのことでした。酒席でも喫煙はガマンできるが、朝と食後の喫煙欲求は未だにあると言われています。


5. K.G さん(男、S20生)

喫煙歴:フィリップモリス1(ニコチン0.1mg)60本/日*32年
既往症:なし
動機:職場の同僚がニコチンパッチを使って禁煙指導を受けるという事を聞き、一緒にすれば成功するのではと思い決心した。
経過:医師と相談の上、2000年1月1日午前0時を禁煙開始日と決める。大晦日に最後のタバコを吸いパッチも1枚貼付、そのまま初詣で残ったタバコを処分しきっぱり止める。8枚貼ったあたりで自信がつき自己判断で貼るのを止め経過をみていたところそのまま成功。

 ライバルを作って禁煙開始した事が良い結果になった症例でした。終わった後で「これでいつでも止められる事が分かったから又吸おうかな?」と言われてしまいました。しかし、1年過ぎましたが今のところタバコは吸っておられません。


6. H.N さん(男、S21生)

喫煙歴:キャビン ウルトラマイルド(ニコチン0.2mg)30〜35本/日*35年
既往症:高TG血症
動機:たまたま止めようと思っていた時に診療所のポスターを見て・・・
経過:30mgを28日貼付し終わった時に咽頭違和感あり、一時中断して耳鼻科受診したところ右下咽頭側壁に強い炎症あり、抗生剤投与される。(ニコチンによるものかどうかは不明)又、この時期には宴会時まわりで吸っていると喫煙欲求出て2〜5本吸っていたとの事。さらにお風呂上りに貼付すると、眠りが浅くなるのか変な夢を見たりするという訴えがあったため、朝の貼付に変更してもらう。耳鼻科での内服終了後20mgで再開するがかぶれるとの訴えあり。1日貼付して2〜3日空け、又再貼付するといった方法をとってもらう。この頃には、宴会時以外は喫煙欲求まったく起こらず。ゆっくり剥がしても接触性皮膚炎は立て続けに貼付するとやはり出る様なので10mgについては購入するものの自己調節で様子を見てもらう。2ヶ月後宴会時以外は、喫煙欲求なしとの事。

 この方は宴会時に2〜3本が続いて、結局6ヶ月後には15本/日になり、1年半後には30本/日と再喫煙されるようになりました。やはり「1本おばけ」はきっちり退治しておかなければと痛感したケースでした。


7. Y.M さん(男、S22年生) [禁煙歴2回]

喫煙歴:フロンティアライト(ニコチン0.1mg)30本/日*35年
既往症:なし
動機:チャンスがあれば止めようと思っていたところ、診療所で代替療法のポスターを見て・・・。
経過:30mgを二週間貼付したあとしばらく中断。喫煙欲求、昼間の眠気あったがなんとか乗り越えたとの事。20mgを二週間貼付する頃より朝の貼付に変更してもらう。二ヶ月後禁煙できている。

2度目の経過:10ヶ月間禁煙できていたのに、職場の研修時参加者6名のうち5名が喫煙者だったとかで、ついに誘惑に負けてしまい終了時にはY.Mさんもすっかり喫煙者になってしまわれました。その後診療所に来所された折に「今なら20本/日ぐらいなのでもう一度トライすれば止められると思う。」と言われ、すぐにパッチを手配して再挑戦していただきました。目下禁煙実行3ヶ月目です。


8. Y.N さん(男、S16年生)

喫煙歴:マイルドセブン(ニコチン0.9mg)20本/日*40年
既往症:十二指腸潰瘍・胃炎
動機:検診で十二指腸潰瘍が見つかり治療、その後ピロリ菌除菌して禁煙を決意。
経過:以前よりたばこを止めたいという気持ちも有り診療所で禁煙指導が受けられると聞いて即決された。30mg、20mg、10mgを各2週間貼付してそのまま終了。

高橋裕子先生が言われていたように「禁煙しようと思いそれを実行に移した時点で半分成功したようなのものです。」という言葉がそっくり当てはまったような症例でした。


9. H.T さん(男、S28年生) [禁煙歴2回]

喫煙歴:マイルドセブンエクストラライト(ニコチン0.3mg)30〜40本/日*23年
既往症:なし
動機:検診で白血球の数値が高く医師より禁煙指導される。
経過:30mgを2週間使用した時点で本人より「全く喫煙欲求なく大丈夫です。」という言葉で20mgに減量。減らした途端に挫折。

 最初の段階でスムーズに行きすぎる方に限って途中でダメになる傾向があるようです。やはりニコチン量や喫煙歴に関係無く患者さんもそれをサポートする医療者も急ぎすぎないようにしなければいけないと痛感しました。

2度目の経過:6ヶ月後風邪を引かれて咳が治まらず受診されました。軽快されたところで禁煙に再挑戦する決心をされました。「今度は無理をしないでゆっくりやりましょう。」と30mgを4週間、20mgを2週間。ある時、夜中に無性に吸いたくなって居間を探しまわったが見つからず諦めて寝たという後日談を聞きました。(奥様が捨ててしまわれたのが救いでした。)

 その後「夢ばかり見る。」という訴えがあり、寝る前に剥がしてもらうことにしました。又、3〜4日貼らずにいるということなので、無理だと思ったら残っている20mgをテープで半分隠せば10mgのパッチと同じになるので、そういう使い方もあると説明しました。

 3ヶ月後、喫煙はしていないが喫煙欲求は相変わらずあるとのことでした。「禁断症状もあるし、体重も5kg増えて困ってます。」と言われ、今度は「禁煙後の体重増加に対処するための方法」のパンフを持って帰られました。


10. K.S さん(男、S31年生)

喫煙歴:マイルドセブンエクストラライト(ニコチン0.3mg)40〜50本/日*24年
既往症:なし
動機:本人に強い禁煙したいという気持ちがあり、検診時に診療所でニコチン代替療法が受けられると聞いて・・・。
経過:30mgを4週間、20mgを2週間きっちり貼布されたところで転勤されることになった。ご本人によれば「ほとんど無くてもいけるが、10mgをお守り代わりに持って行きたい。」とのことで購入。

後で聞いたのですが、この方は30mgを貼布中に10本吸った日が2日、6本吸った日が1日、4本吸った日が2日、3本吸った日が1日ありました。ニコチンによる作用が強く出なかったから良いようなものの、最初に聞いていれば止めていただろうと思いました。しかしこういうやり方をしたから成功したかも知れないと考えた時、ニコチンの代替療法にはさまざまなバリエーションがあっても良いような気がしました。


11. H.U さん(男、S22年生)

喫煙歴:プレミア(ニコチン1mg)40本/日*32年
既往症:気管支喘息
動機:以前よりタバコを吸うと咳が出ていた。最近喘息の治療をはじめて主治医からも禁煙を勧められやっと決心がついた。
経過:30mgを2週間したところで次は本人の希望で20mgを2週間使われました。「無理に早く止めようと思わなくても良いですよ」というアドバイスに、もう1度20mgを2週間、大丈夫そうなところで10mgを2週間でひとまず終了。でも1日1〜5本程度の喫煙は続いているようで、それが増えてしまわないか心配です。

 秋から禁煙を始められたので、今シーズン咳が治まってくれれば禁煙も続きそうな雰囲気ですが、何とか応援したいものです。


12. K.M さん(男、S42年生)

喫煙歴:マイルドセブンスーパーライト(ニコチン0.5mg)20本/日*13年
既往症:高尿酸血症
動機:診察時に本人より申し出あり。
経過:30mgを4週間使った時点で1日に1本の喫煙はされていたところ、かぶれが起きたと連絡あり。貼る場所を変えたり、はがし方をゆっくりしてみるように説明。その後パッチを取りに来る時間が取れず10本/日まで喫煙習慣が戻ってしまう。それでももう1度ということで20mgを購入されたが1ヶ月半後「やはり吸ってしまいました。」と報告あり。

 サポート時に「パッチを貼ったら吸わない。」ということをもう少し強調すべきだったかも知れません。でもご本人から「完全に戻ってしまったけど、2人目の子供も生まれたからいつか又再挑戦したい。」とご家族への思いをお聞きし、又挑戦されるような気がしました。

 忙しい職場におられる方は、喫煙が仕事のストレスやイライラを解消するために欠かせないという気持をお持ちです。でもほとんどの喫煙者のタバコを吸い始めたきっかけがストレスの解消ではなく好奇心からという事を考えた時、禁煙をサポートする時に喫煙がストレスの解消に繋がらない事、タバコを吸うという行動を何か他の行動に置きかえることで回避できることのお話もしなければと痛感します。


13. N.A さん(男、S45年生)

喫煙歴:キャスター One(ニコチン0.1mg)15本/日*15年
既往症:肝機能障害
動機:同じ社宅の人が診療所でニコチン置換療法をしていると聞いて・・・。
経過:30mgを2週間、20mgを2週間、10mgを2週間で喫煙欲求なしとのことでパッチを使わず経過観察。

 最初から喫煙本数も少なく、ご本人もそれほど苦なくニコチンから解放されたようです。たまに吸いたくなっても吸うところまではいかないと言われました。


14. K.O さん(男、S21年生)

喫煙歴:キャスターマイルド(ニコチン0.5mg)30〜40本/日*30年
既往症:高血圧症、高脂血症、高尿酸血症
動機:主治医に勧められて・・・
経過:30mgを4週間使用された時点で「喫煙欲求が思ったほど起こらないのでもう少し減らしたいのだが?」と問い合わせあり。喫煙欲求が起こらないのは30mgのパッチで25本/日のタバコを吸った時と同じニコチン量が身体に入っているせいだということを説明し次はやはり20mgを使用してもらう。その上で様子を見ながら大丈夫であればパッチをテープで覆い面積を半分にするか、1日貼らずにいて喫煙欲求が出てくるようならすぐに貼るなどの方法があることを説明。10mgもお守り代わりに購入され、酒席などでの喫煙欲求に使うことも出来ると説明する。

 後日、奥様とお話する機会があり「きっと私の為に禁煙してくれたんだと思います。」とお聞きしました。禁煙が自分のためだけではなく、大切な家族のためでもあると実感されたK.Oさんの優しさを垣間見たような印象を受けました。


15. K.M さん(男、S13年生)

喫煙歴:マイルドセブン(ニコチン0.3mg)30本/日*30年
既往症:高脂血症、高血圧症
動機:歯医者さんに薦められた。最近動悸がするのでこの際禁煙しようかと・・・。
経過:30mgを4週間使用された時点で「最近たばこを吸っている人のにおいが気になるようになった。」との事。体重が2kgほど増加されたが治療中の高脂血症を改善するためにも食事療法を実践していただく。20mgのパッチはなしでもいけそうということで1ヶ月で終了。

 すでに退職されていていろんな趣味を楽しんでおられる方なので、たばこが欲しくなった時でもいろんな行動に置き換えられて成功されたようです。


16. T.N さん(男、S21年生)

喫煙歴:ハイライト(ニコチン1.4mg)40本/日*34年
既往症:境界域糖尿病
動機:非定型抗酸菌症に罹患し治療の際に主治医に説得されて決意。
経過:治療と同時に代替療法なしで20本/日まで減らし9ヶ月経つが、それ以上はどうしても減らせないとのことでパッチを導入。30mgからはじめ順調に進んでいたが4週目ごろより、パッチを貼りながら2〜3本の喫煙。思い切って止めたほうが結局は楽なんですよ、とお話しすると「これでたばこを吸うなと言われたら、僕は爆発する。」と言われ治療しながら、パッチを貼りながらの喫煙となった。しかし20mgを使い始めた頃より完全禁煙されており「たばこを1本吸ってみたがまずくて止めた。」との事。このまま順調にいって欲しいという思いとは裏腹に4ヶ月後には少しづつ喫煙が始まった。

 他医で非定型抗酸菌症の治療をしながら当所でニコチン代替療法したため、うまくいかなかったのかもしれません。やはり主治医と連携をとりながらでないと患者さんの意識も育たないと反省しました。最終的にはご自分のすることに周りからいろいろ言われるのは抵抗があるようで、再度の禁煙支援もご本人の気持ちが動くまでこちらからのアプローチはひかえることにしました。


17. H.Y さん(男、S15年生)

喫煙歴:キャスター(ニコチン0.5mg)60本/日*40年
既往歴:高脂血症
動機:職場の同僚がつぎつぎと禁煙し始めて成功している。今まで何十回となく禁煙にチャレンジしているが挫折しているので、ニコチン代替療法でないとうまくいかないと思って来所。
経過:来所当日、すでに起床後3時間半で10本喫煙したとのことなので実施するのは明日からということに決める。4日間パッチを貼ったがそのうち面倒になり止めてしまったが、たばこは吸っていないとの事。

 お話を聞いていると非常に豪快な方で、60本の喫煙をどのような行動に置き換えられるか心配でかなり難しいのではと想像しましたが、意外や、意外という感じでした。しかもパッチを使わなくなった理由が「パッチを包んであるビニールが手では開かず、いちいちハサミを使わなくてはいけないのが面倒だった。」ということらしくて笑ってしまいました。パッチを使うまでに一呼吸か二呼吸あるというのが意外な効果をもたらしたようです。いっそのことたばこのパッケージも表のビニールをもっと開けにくくなっていたら・・・と考えてしまいました。


18. T.Y さん(男、S17年生) [禁煙歴2回]

ファガストローム依存度:8点
既往症:なし
動機:当所でニコチン代替療法ができると聞いて・・・
経過:来られたのは夏だったが、今年の夏は異常に暑いのでもう少し涼しくなってから実施したいということで再度来られたのは10月。30mgを2週間使用した頃より「たばこを吸っている夢を良く見るんだけど、これも禁断症状かね?」と質問あり。それだからといって起きてたばこを吸うわけでもないようなので、ニコチン欠乏により睡眠が浅くなっていて夢を見るのかもしれませんと説明して様子をみてもらう。次は20mgに減らしたいということで14日続けたが順調。夜寝る前にはがしたり、一日貼るのを止めてみて喫煙欲求が出た時点ですぐに貼るという風に自己調節することを薦めて見る。20mgを1ヶ月ほどかけて使った頃、「お酒の席が辛いので、再度20mgでトライしたいのだが・・・」と言われ、セオリー通りに使わなくても30mgに戻すことも可能であることを説明する。10mgはお守りとして購入。

 ニコチンパッチを代理で取りに来た同じ社内の女性に「うまくいっていたら褒めてあげてくださいね。」とお願いしておくと、飴を勧めたりしていろいろ心配りをしてくださった。そのせいもあってうまく禁煙できていたようです。

2度目の経過:5ヶ月目にやはりお酒の席で躓いたもよう。20本/日まで戻る。ご本人いわく「女房に見つかるとまずいので今は職場でだけ吸っている。」とのこと。禁煙は何度でもチャレンジできること、だんだんかわし方もうまくなってくることをお話し、再度30mgから始めることとなり、ただ今再チャレンジ中。

 男性は特にお酒の席での喫煙の誘惑に負けないことが大切なことを痛感しました。お会いするたびにお酒の席でのかわし方をお話しなければと反省しました。


19. R.U さん(男、S13年)

ファガストローム依存度:5点
既往症:アレルギー性鼻炎
動機:以前から止めたいと思っていたが、停年も近づいたのでそろそろ決心を・・・。
経過:すでに薬局でニコチンガムを購入されて禁煙をはじめておられるが、ガムを5個/日噛みながら5本/日の喫煙しているとの事。ご本人は「喫煙欲求はないのだが、職場で誰かが吸っているのを見ると吸いたくなってしまう。でも家では家内がうるさいので吸っていない」とのこと。ガムは持続時間が短いので一日に5個程度の使用では足らないことを説明し、パッチを貼りながらそれでも我慢できないときにガムを1/4〜1/2個使用するという併用療法も可能なので主治医に相談するよう説明。又、ガムを使い始めてからお腹の調子が悪いとのことなので、噛みすぎに注意するよう指導。その後、30mgを貼りながらも1〜2本のたばこが止められないようなので、喫煙行動を他の行動に置き換えられないか考えてもらう。吸いながら貼ることはかえって禁煙しにくいことを改めて説明して思い切って止めることを勧める。20mgに減ってからもこの1〜2本がどうしても0にならず、「1本吸うことが次の1本を欲しくさせるんですよ。」と強調する。

 ほとんど吸わないのにゼロには出来ない難しさを改めて実感しました。禁煙宣言しているので職場や奥様の前では吸わないといわれるが、そこまで我慢できてなぜ?と感じてしまいます。これがニコチンのなせるわざなのでしょうか。この方はこの状態で退職されましたが、奥様の励ましでなんとかうまく切り抜けていただきたいものです。


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禁煙指導Q&A

何人かの方にニコチネルTTSの使用を経験するうちにいろんな問題点が出てきました。そこで2000年1月の大和高田市立病院の高橋裕子先生の「禁煙指導のポイント」のお話と実際に禁煙指導されている三條Dr(三條医院)のお話をQ&Aの形式でまとめてみました。三條Drのコメントは、あくまで臨床経験から得られたものでコントロールスタディのようなエビデンスはありませんと断った上で教えてくださった内容です。

Q1:朝型の吸煙渇望を抑えるためにお風呂上りにニコチンパッチを貼っても良いのでしょうか?

A1:ニコチンパッチの欠点は、立ち上がりが遅いことです。従って朝の喫煙欲求(これはニコチンが代謝が早いことと関連します。夜、タバコを吸って寝ても朝にはニコチンの血中レベルが低下しているからです。)が強い人には朝パッチを貼っても満足感は得られません。しかし、ニコチンは強力な覚醒作用がありますからパッチを夜貼る事は、入眠障害を出す恐れがあります。夜貼ると、夜眠れない、眠りが浅いなどの症状がだんだん出てきます。その結果日中眠くなり、タバコに手を出すなどの副作用が出やすくなります。夜貼るのはお勧めではありません。結局、禁煙はある程度の自己抑制を必要とすることをまず説明する必要があります。

Q2:ニコチンパッチは、簡単に禁煙が成功する人ほど再喫煙率も高いとのことですが、それならプロトコル通り10mgにまで減らした後に止めた方が良いのでしょうか?

A2:これは迷信です。大丈夫そうな人は20mgで打ちきっても大丈夫です。どこで大丈夫かどうかを判断するか?というと、その人が持っている禁煙に対するモチベーションと、禁煙に対する要求度の強さ、それにくりかえし禁煙外来に足を運ぶかどうかです。禁煙には繰り返しの説明、励ましが非常に有効です。特にくじけそうになった時に電話ででも一言「大丈夫です。さあ、深呼吸してお水を1杯飲んでください。もう、明日までは大丈夫ですよ。明日、外来でお目にかかりましょう。」というだけでその日は大丈夫になるものです。 吸煙渇望は通常15分ほどしか持続しません。とにかく15分我慢しましょう、と説明します。禁煙期間(ニコチン離脱期間)が2週間を超えると吸煙渇望の現れる頻度は減少します。 ただ、時に強い波がきますが対処の方法を前もって教えておく事は非常に有効です。高橋先生は、時にやってくる強い吸煙渇望を「一本おばけ」と呼んで注意を呼びかけています。 朝の吸煙渇望が強いのは、やはりしようがないのです。ここを乗り切った方が早道と思います。朝起きたら水をコップ一杯飲むように指導する、体操をするなどです。

Q3:高橋先生は、一度成功した後再喫煙した人に対して「ニコチンパッチを使って楽に止められるのは1回目だけで2回目からはきついですよ。」と言われますが、その根拠は何でしょうか?

A3:これは再喫煙をブロックするための心理的防波堤という意味があります。実際には再喫煙を繰り返していくと、当然禁煙できなくなります。再喫煙はたった1本のタバコが約3〜7秒後でニコチンを脳に達しせしめ、まるでお風呂上りのビールのように効いてしまいます。1本の再喫煙の後全く元通りの喫煙者になってしまいます。これをなんとしても予防したいという事です。1回目より2回目、2回目より3回目が困難なのは当然です。ニコチンとはそういう薬剤なんです。すべての習慣性薬剤が再使用を繰り返すと中止困難になります。

Q4:「菜食のすすめ」(実日新書)、「完全自然食健康法」(河出書房)を書かれているエドワード敬三・藤本医師が、肉や魚を一切使用しない菜食メニュを入院して禁煙指導する時に併用すると非常に効果があると言われていますが・・・?

A4:さほど期待できないと思います。ニコチンの代謝は早いため72時間で尿中ニコチンも0レベルまで落ちます。ですからニコチンを吸収しないで血中レベルを維持するというのは不可能であり、日常生活で菜食メニューを作るのも大変である事、何と言ってもニコチンの排泄を抑制しながらニコチン依存欲求を抑えるメニューはないと思います。

Q5:ニコチネルTTS(30mg)を4週間済んで20mgに減らした頃より貼った所がかぶれてきました。3日ほどあけると赤みが消えるのですが、30mgでかぶれなかったのに20mgでかぶれるって事もあるのでしょうか?

A5:ニコチネルTTSも他のパップ剤もかぶれるのは接着剤のためです。20mgが30mgよりも接着剤が多いという話は聞いていませんが、最近はバンソウ膏かぶれで新しい知見が得られており、どうやら剥がす時の剥がし方に問題があるとされています。20mgの方が小さいのでベリッと剥がしているのではないでしょうか?ニコチネルTTSの縁を少し爪で持ち上げ、皮膚を指で押し下げるようにしながら持った縁の180度方向にゆっくりと引くようにして剥がしてみて下さい。この方法でかぶれは少なくなると思います。それと剥がした後に非ステロイド軟膏を塗布すると良いと思います。そして、頻雑に貼る場所を変えてください。30mgは大きいのでベリッと一気に引き剥がす事が難しいので起こりにくいのだと推測しています。本物の過敏性のある方は、貼っている最中から周囲が赤くなってきます。こういう場合は、残念ながら中止せざるを得ないと思います。でも、4週過ぎていればガムなどに変更しても禁煙達成率は下がらないと思います。

Q6:禁煙する代わりに減煙でもという考え方については?

A6:禁煙指導をしている医師の間では、減煙が健康のためには全く無効であるという認識が広がりつつあります。これは、吸引する煙の量が条件によって種々変わる為だと思われます。又、種々の海外の文献でも減煙で肺ガンやその他のリスクが減るという証拠が見つかっていないという事もあります。最近では、減煙しても血中のCOレベルでさえ下がらないといわれるようになって来つつあります。

Q7:禁煙開始動機付けの方法としてはどんなものがありますか?

A7:止めようと思ってから1週間以内に禁煙開始日をセットし、その日に向かって1日2本づつ減らして行く。(毎回新しいパッケージを用意して、そこから2本づつ抜いていくやり方)が推奨されます。そして禁煙開始のXdayにはパッチなりガムなどで武装して、一本も吸わないという事を始めます。成功率は70%以上です。

Q8:禁煙中に眠れなくなった時はどうしたらよいですか?

A8:パッチを貼っているなら、ニコチン量の少ないものに変更する事と朝貼付したら寝る前に剥がしてしまうなどが有効です。パッチやガムを使用していなければ、黙っていても眠れるようになります。覚醒作用のある薬剤からの離脱反応で最も強く且つ頻繁に起こるのは眠気です。ですからそのうち昼も夜も眠くなります。昼間はカフェイン含有ガムなどが有効です。

Q9:仕事でストレスがかかると禁煙は難しくなりそうですが・・・。

A9:禁煙とストレスとの相関はよく指摘されますが、ある一定のストレス下で薬剤に走る人とそうでない人達がいます。又、喫煙がストレス軽減にはなっておらず、逆に精神的、肉体的ストレスが亢進します。では、なぜ喫煙欲求が高まるかという事ですが、それは喫煙者であるから、あるいは喫煙者であったからというのが正解です。

又、Drug abuserだけがストレス下でwithdrawを起こすという事が知られています。又、drug abuserが薬剤を中止していると転化が起こりやすい事も指摘されています。禁煙マラソンでは、いろいろ禁煙グッズが勧められていますがガムも含めて取りすぎには十分気をつけて下さい。おすすめは冷たい水をコップ1杯飲むことです。

Q10:ニコチン含有量の多いたばこから少ないものに替える事は意味がありますか?

A10:禁煙の前段階としてニコチン量の少ない軽いタバコに切り替える事に意味はありません。むしろ軽いタバコほど思いっきり深く吸うため却って肺の隅々までタールが行き渡ってしまいます。きついタバコを吸う人はその分ゆっくりと軽く吸っています。(ノバルティス ファーマのMRさんより)

Q11:アメリカで禁煙治療に使われているザイバンとは?

A11:ザイバン錠は、塩酸ブプロピオンを成分とする抗うつ剤(SSRI)でニコチンによって快感がおこる脳の報酬回路の神経伝達物質をブロックすると言われています。抗うつ剤のレセプターとニコチンのレセプターが一部合致しているため効く人がいるようです。薬剤としてはあまり習慣性がないといわれていますが、やはり薬剤投与しなくても禁煙できるプログラムにのせてやる、そしてそれがどうしても脱落する場合に補助的に薬剤を用いていくというのが本来のやり方だと思います。

Q12:喫煙が低年齢化していますが、子供の喫煙の影響は?

A12:統計的に抵抗力の弱い十代はたばこ依存症になりやすい事がわかっています。喫煙歴の短い中学生なら1週間で禁煙可能です。ただ、友達がきっかけの場合その後も誘惑が多いため難しい面があり親や先生など周囲の援助が欠かせません。管理された学校や人間関係のストレスを感じる中、喫煙も飲酒や茶髪、校則破りと同じ感覚で規範を破る事でガス抜きをして心のバランスを取っているのだと言う心理カウンセラーもいます。なぜタバコが必要になったかという問題の所在が明らかに出来る環境作りが大切でしょう。

15歳になる前からタバコを吸い始めた人は、非喫煙者に比べて60歳になった時点で30倍の人が肺がんで死んでいます。これは、小中学生の肺には大人と違って分裂の盛んな細胞が多く、これがタバコに含まれている発がん物質で肺がんの「芽」に変わりやすいためといわれています。又、子供の喫煙がこわい理由としてこんな事も言えるそうです。それは、子供の肺胞の膜はとても厚くて大人並みになるのに約20年かかります。そしてタバコはこの肺胞の膜が薄くなるのを妨げるという事です。


楽にタバコが止められる4つのポイント


高橋先生のインターネットによる「禁煙マラソン」も50%を超える成功率とお聞きしています。高橋先生は、禁煙のスタートラインにすら立たない人に対しては、禁煙は時期が来れば必ず出来るものと考えダメと思ったら無理をしない事、いったん引いて相手に自分の問題に向き合う事を促す事が大切だとも言われました。

又、三條先生は「禁煙しようと思いそれを実行に移した時点で半分成功したようなのもです。止めようと思っている人へのサポートはやさしいのです。」と言っておられます。

私は、ニコチンパッチを使い始めた頃はさほどカウンセリングの必要はないのではと思っていましたが、やはり禁煙には自己抑制が必要なのは当然の事ながら繰り返しの説明、励ましが非常に有効だということがわかってきました。特にくじけそうになった時に電話ででも一言「大丈夫です。さあ、深呼吸して、お水を1杯飲んでください。」と言うだけでその日は大丈夫になるものだそうです。やはり傾聴・共感ということが大事なんだと痛感しました。

最後に、基本的に知っておいた方が禁煙しやすいという事柄について三條先生が4つのポイントにまとめてくださいましたのでそれをご紹介します。

1.ニコチンの消退時間は72時間です。この間は離脱症状が体に現れる可能性があります。むくみ、不整脈などが最も重大なものですが、不愉快ではあっても深刻なものはありません。蟻足感の現れた人もいました。薬物乱用の場合は、たいていこの様なことが起こりますが、タバコも例外ではないと言うことです。 

2.72時間を過ぎると身体依存はかなり軽減しますが精神依存は以前にもまして強い感じがしてきます。さりとて、精神依存である吸煙渇望は通常持続時間は15分ほどです。吸いたくなったら15分やり過ごせば何とかなります。これがキーポイントです。水を飲んだり、深呼吸をしたり、体操をしたり、酢昆布をしゃぶったりと言うことが過去の経験から有効であることが知られています。 

3.これ一本だけ、という考えにとらわれ始めるのも3日目頃からです。一本吸ってしまうと折角消退したニコチンが3秒ほどで脳に達して一番苦しい72時間を再現することになってしまい、禁煙は失敗してしまうことが多くなります。高橋流では”一本お化け”と 呼んで注意を促しています。 

4.ニコチンは強力な覚醒物質であるため、いずれ睡眠障害を禁煙の過程で出す場合が多いです。通常は日中に感じる強い眠気です。昼寝をしてしまうと夜の入眠障害が現れたりする場合があります。朝起きたらすぐに外に出て太陽の光を浴びることが有効です。太陽の光は脳のタイマーをリセットする働きが有ることが知られています。また、松果体から分泌されるホルモンを調律する働きがあります。カフェイン含有ガムなども有る程度有効です。


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