THE NET を鑑賞して

ともかく面白く、興味深い映画だった。確かに、コンピュ−タのミスが国防総省の次官を自殺に追いやったり、株価の急落がコンピュ−タ−を使った悪質ないたずらでアメリカのウオ−ル街を混乱に陥れる話など、ちょつとSFっぽいと一瞬思わせるが、はたしてそうなんだろうかと考えさせてくれる。私などパソコンはまだ新米なもので、時たまトラブルが起きて困ることがある。その時のことを思い出したり、二千年問題など見ると、あれほど優秀なパソコンにも欠点があるというわけだ。

さて、この映画の主人公の娘はコンピュ−タ−を扱うことにかけては天才という評価がある。父のいない寂しい家庭で育ったせいか内向的なところがあり、仕事は会社のオフィスに出ずに自宅にこもり、発売前のソフトのバグ検査をしている。スイステムに入って行って、エラ−を探して直す仕事だ。殆どのソフトにエラ−があり、直すのも簡単というのが彼女の意見。その彼女がインタ−ネット上の男友達から、緑のフロッピ−を送られ、その中のソフトがインタ−ネット上で情報を公開していない二つのスイステムに勝手にアクセスしたと報告される。どんなものでも覗ける恐ろしいソフトということで、天才としての彼女に会って相談したいという男友達はセスナ機で飛ぶが、途中 事故で死亡する。彼女はそれを休暇でメキシコのユカタンのビ−チに行く寸前に知るが、励まされてビ−チに行く。

そこでハンサムな男性ジャツクと知り合い恋仲となる。しかし、ジャックは彼女の緑のフロッピ−を奪うことと、彼女を殺す使命を帯びている。二人は海にボ−トで沖の方に出るが、彼女は彼がピストルを持っていることを知り、間一髪で逃げる。そして、ホテルに戻ると不思議なことに、受付のフロントで、彼女アンジェラ・ベネットは既にチェックアウトしたといわれてしまう。コンピュ−タ−でそうなっているから、間違いないというわけだ。パスポ−トなど大切なものも失っているので困っていると、彼女の臨時ビザを出す書類をもってきた女性に声をかけられる。確かに、住所や社会保障の番号などアンジェラの全ての情報は正しいのだが、変なことに名前だけが違っている。ビザがないとアメリカに帰れないので、仕方なく自分とは違う人物ル−クス・マクスのサインをしてしまう。

さて、彼女がアメリカの自宅に帰ると、家の中は空っぽで売り家になっている。不動産屋が出てきて、アンジェラは引っ越したといわれ、彼女は驚く。警察も来て、コンピュ−タで調べると、彼女はすっかり過去に犯罪歴を持つル−クス・マクスにされてしまい、他人の家を狙っているということで警察に追われる。さて、メキシコのユカタンで知り合い彼女を殺そうとしたジャックは彼女がボ−トから脱出した時に、例の緑のフロッピ−を持ち出したと知っていて、やはり彼女をつかまえようと必死になります。

さて、このジャツクという男は何者なのでしょうか。緑のフロッピ−だけでなく、アンジェラのいのちまで執拗に狙うとはどういう意図があるのでしょうか。

あとは見てのお楽しみということです。DVDで新しく製作された映画ということもあってか、画質が良く美しい景色を楽しめるのも素晴らしい。

音風祐介