お父さんのための昆虫記(代14話)
けら(第2回)

オケラの手 これがおけらの手です。本当にもぐらそっくり。

写真が撮れないため下記のページから借用しました。
橋本和幸様(日本直翅類学会会員)
http://mushinone.cool.ne.jp/kazuyuki.htm
 ところで、考えてみると昆虫の中でもけらはとてもすごいすぐれたやつだと思う。いろいろな能力を持っている。考えつくままにその能力を挙げてみよう。
1)土を掘れる
  前足は上の写真のようにモグラそっくりの土掘りに適した形をしている。、もともと地中で生活しているので、
  畑の軟らかい土な らあっという間にもぐってしまうくらい、穴掘りがうまい。
  英語では文字通りモグラコオロギ「Mole cricket」と呼ばれている。
2)鳴くことができる
  第1話で書いたように土の中で「ジー」というか「ルー」に近いとても大きな音で鳴くことができる。
  羽をこすり合わせて鳴くが、雄の方が大きい音だが雌も鳴けるようだ。
3)飛ぶことができる
  体の大きさの割に小さい羽ではあるが、それでも飛ぶことはできる。
4)泳げる
  土の中で暮らすため、体にはびっしり細かい毛が生えているが、それが撥水効果を持っていて、水に浮き、
  水面を泳ぐことができる。

    穴が掘れて、鳴けて、飛べて、その上に泳ぐ事もできるというだけでもすごいのに、
    まだまだ隠された能力がある。

5)子育てをする
  卵を保護し、幼虫にはえさ運びまでするという、直翅目には他に見あたらないような事をする。
6)自己防衛手段を有する
  お腹の先から刺激性のある液体を分泌し、身を守ろうとする。
7)薬効作用がある
  これは能力とは言えないかもしれないが、漢方では利尿剤や、結石予防の薬効があるといわれる。

と書くとこれはものすごいと思うが、残念というかばかばかしいというか、土掘り以外はどの能力も中途半端で終わってしまっている。そのため、何にでも手を染めるが、結局どれもこれも中途半端に終わってしまう人のことを「おけらの七つ芸」というらしい。前回の無一文になることをオケラになるということも含めて、どうも「けら」という言葉はいいことに使われていないようだ。とても愛嬌のある生き物なのにかわいそうなものだ。
(2005.07.01)

            
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