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アメリカン・ヒストリーX
American History X

1998 USA
2h00m

Starring: Edward Norton , Edward Furlong , Avery Brooks , Beverly D'Angelo , Elliott Gould .
Directed by Tony Kaye .
Produced by Steve Tisch and John Morrissey .
Written by David McKenna .
Distributor: New Line Cinema


Rating: ★★★★

アメリカン・ヒストリーX 公式サイト ↓
http://www.historyx.com/


《Story》
 カリフォルニアのベニスビーチ高校に通うダニー・ビンヤード(エドワード・ファーロング)は兄のデレク(エドワード・ノートン)を心から尊敬している。父親が勤務中に黒人のドラッグ・ディーラーに殺されたことがきっかけで、デレクは白人至上主義の地元のスキンヘッドのリーダーとしてカリスマ的存在になっていた。そのデレクが3年ぶりに刑務所から出所する日、校長の呼び出しをくらった。国語のレポートの題材に、ヒトラーの「わが闘争」を選んだからだ。校長はこう言った。「兄弟をテーマに作文を書け。タイトルは『アメリカン・ヒストリーX』。デレクが投獄された経過を分析してみろ。それが現代のアメリカにおける君の生き方を、どう変えたか。」ダニーはコンピュータの前にすわり、過去の記憶をたどり始めた。

《Review》
 いままで何度となくモチーフにされてきた人種差別問題。ここに新たに加わったこの映画は、この答えの出ない根の深い問題に対し、ある白人至上主義の兄弟を通し、「憎しみ合うことの無意味さ」を観る側に強烈に印象づけている。エッジのきいた秀作です。

 兄デレクを演じたエドワード・ノートンがとにかく素晴らしい!「怒りのために自分を破壊してしまった人間」をものの見事に演じている。この映画のために鍛えぬかれた肉体から表現される怒りと悲しみはハンパじゃなく観るものに訴えかけてくる。そしてそのノートンにも勝るとも劣らぬ存在感を出しているのが弟ダニーを演じるエドワード・ファーロング。ダニーは誰よりも兄デレクを慕い、家族を愛している。このナイーブな少年が、兄を見つめ、自分を見つめ、やがて真実を見つけ出していく過程を繊細に表現している。
 二人のエドワードの演技とともに、人種問題に対しこれほど挑発的なアプローチをしたこの映画は観て損はないでしょう。オススメです。

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