![]() 地獄の黙示録・特別完全版 |
《Story》 ベトナム戦争真っ盛りのサイゴンの夏。陸軍情報省に所属するウィラード大尉(マーティン・シーン)は、情報部の将官に呼び出され、ある特命を帯びる。カンボジアの特殊任務に赴いたはずのカーツ大佐(マーロン・ブランド)なる男が、軍隊の規律から完全に逸脱し、ジャングルの奥地のモンタゴナード付近の村で自らの牙城を築き、アメリカ兵や外国人の傭兵、そして村民まで巻き込んで、私兵集団を作り、まさに王のように君臨しているという。そして、その村では、無用な殺戮が繰り返されていた。ウィラード大尉の任務は、「その大佐を“超法規的措置で”つまり、あらゆる手段を講じて抹殺せよ」というものだった。「河川巡視艇(PBS)でナン川をさかのぼり、カーツ大佐のいるモンタドナードへ向かえ」という特命を受けたウィラード大尉は、元タクシーの運転手だったという黒人のチーフ(アルバート・ホール)、ニューオリンズ出身の変わり者のコック、シェフ(フレデリック・フォレスト)、ブロンクス出身のまだ10代のクリーン(ローレンス・フィッシュバーン)、そしてカルフォルニア出身の伝説のサーファーであるランス(サム・ボトムズ)からなる四人組の仲間とともに、巡視艇に乗り込んでいった。旅の途中で出会った騎兵隊ヘリ舞台の隊長キルゴア中佐は、サーフィンをするために村を焼き払い、村人を殺す狂気の人物だった。ウィラードたちは、ナン川をさかのぼりながら戦争という狂気のなかに少しずつはまっていく。やがて目的地であるカーツ大佐のいる村へ到着する。そこで彼らが見たのは、カーツ大佐を神のように崇める村人たちと、狂気に満ちたカーツ大佐その人だった・・・。 《Review》 1980年2月16日、私は待ちに待った『地獄の黙示録』の先行プレミアを観るために日比谷の有楽座にいました。長い間待たされただけに、期待はすごく膨らんでいました。映画が始まり、衝撃的な戦場のシーン、騎兵ヘリ部隊の空襲。恐ろしいまでの迫力で前半は一気に見せてくれました。だた・・・前半の迫力とは正反対に後半の哲学的なもって行きかたには、やはり疑問が残りました。当時観た人たちの大半の意見も同じだったと記憶しています。 あれから22年。あの時説明しきれなかった部分を新たに加え『地獄の黙示録』は帰ってきました。いまさらなぜ?『地獄の黙示録』なのか?そんな疑問を感じながら3時間半近くの映画を観てきました。と、前置きがエライ長くなりましたが、率直な感想はというと、まず、22年前に衝撃を受けた“映像”ですが、やはり年月の差か、CG技術の進歩か、あの時の衝撃にはまったく及びませんでした。でもこれはある意味しかたがないことですよね。で、肝心の新たに加わった53分のエピソードですが、正直言って必要があったとは思えません。フランス殖民農園のシーンにしてもプレイメイトとのその後のエピソードにしても、「ただただエロっぽいシーン」が目立つだけで、ストーリーが途中で切れてしまってあまり意味はないし、カーツ大佐のシーンにしても、意味はわからなくてもオリジナルのベールに包まれた妖しい感じのが結果的に良かったように思えました。やっぱり今なぜ?『地獄の黙示録』なのかわからなったです。 とは言ってもあらためて観た『地獄の黙示録』はなんだかんだ言ってもやはり名作ですね。サイコーの要素とサイテーの要素を同時に持っている数少ない名作でしょう。 |