![]() バーバー |
《Story》 1949年夏、北カリフォルニア、サンタ・ローザ。 エド・クレインは、妻の兄フランクが経営する小さな床屋で働いている。もともと床屋だった訳ではなく、結婚してたまたま得た職業だ。喋りっぱなしの義兄、代わり映えのない仕事、漠然とした不満の中でただ過ぎていく毎日。 妻ドリスはデパートの帳簿係。金の出入りを付ける仕事を楽しみ、店の高級品を1割引で手に入れ、火曜の夜は教会でビンゴに没頭する。ドリスのボスであるデイヴもまた、エドと同様に、デパートの跡継ぎ娘と結婚してその座を得た。自分の戦争体験をひけらかし、英雄気取りで大意張り。店の景気は良く、ドリスを新しい支店の支配人にと考えている。エドはデイヴと妻が深い関係にあることに気づき始めていた。 ある日の閉店間際、見知らぬ客が理髪店を訪れる。100%人毛の高価なカツラをまとったそのセールスマン、クレイトン・トリヴァーは、ベンチャー・ビジネスの契約でこの町にやって来たが、契約相手の都合で話がパアになったとぼやく。“ドライ・クリーニング”……資金1万ドル。まったく新しい清潔産業。明るい未来。「これで俺の人生は変わるのか?」 早速エドは不倫をネタにデイヴに金を要求する。しかし、そのちょっとした恐喝は様々な悪夢を巻き起こし、事態は思いもよらぬ方向へ。壊れ始めたエドの運命は、どんな結末を迎えるのだろうか……? 《Review》 ビリー・ボブ・ソーントンがイイ!感情を殺した演技が素晴らしい!この役へのアプローチの方法は主人公の内面を表現するのにピッタリはまっています。毎日をなにげなくやり過ごしながらちょっとしたきっかけから人生を踏み外して行く。そんな男をクールに一見無感情にも見えるほど淡々と演じています。モノクロ映像もスゴク効果的ですね。コーエン兄弟はこういうややマニアックな演出のほうがあってますね。『バートンフィンク』(1991)なんかもそうだけど、複雑な人間の内面を表現するのがウマイっすね。この『バーバー』は結構好きな映画です。 |