![]() チョコレート |
《Story》 死刑囚の夫と幼い息子を相次いで亡くした女(ハル・ベリー)と、愛を注ぐことを知る前に息子を目の前で失った人種差別主義者の孤独な男(ビリー・ボブ・ソーントン)。それぞれの家族の死をきっかけに、交わるはずのない二人が心を通じ合わせていく…。深い喪失の淵から、愛を知ることによって人生を取り戻す男と女の新たな出発。 ディープサウス(深南部)と呼ばれるジョージア州で州立刑務所に勤めているハンク(ビリー・ボブ・ソーントン)は、黒人嫌いの保守的な元看守の父親と、看守になったばかりのひとり息子ソニーと暮らしていた。 黒人の死刑囚マスグローヴの刑執行の日、任務を満足にこなせないソニーにハンクは積もり積もった怒りを爆発させた。だがその翌日、ソニーはハンクの目の前で命を断ってしまう。 マスグローヴの妻レティシアは、夫が服役していた11年間、女手ひとつで息子タイレルを育ててきた。 死刑囚の夫が処刑された後、レティシアをさらなる悲劇が襲う。激しい雨の夜、息子タイレルがひき逃げ事故であっけなくこの世を去ってしまったのだ。車にひかれた息子を病院に運んでくれたのは、たまたま通りがかったハンクだった。肉親を失った悲しみの底で、ふたりはやがて、喪失感を埋めるように互いを必要としていく。あれほど憎んでいたはずの黒い肌をしたレティシアをいたわることに、もはやハンクは何の疑問も感じなかった。だが、レティシアは、彼が夫の刑を執行した男であることをまだ知らない・・・・・・。 《Review》 黒人初のアカデミー主演女優賞を受賞したハル・ベリーに注目しましたが・・・、イヤあ、素晴らしかったです!ハル・ベリーの演技に拍手!ビリー・ボブ・ソーントンの抑えた演技と共に、世の中の全ての俳優に観て欲しい映画ですね!とにかく二人の演技はホントにリアルで力強い!!ストーリーはかなり重いんですけど・・・そんなには暗く感じないんですよね。これってやっぱりハル・ベリーの演技の中に“生きる”力強さがあるからでしょう。マーク・フォースターのリアルな演出も俳優の演技を信頼しているから出来るんでしょうね。・・・人間ってどんなに悲しいことがあっても、それでも笑う時があったり、ひとりで生きていかなきゃいけないって思っても誰かに頼ったり、そんな自分がイヤになったり、でも結局流されてしまったり、ホントにどんなときでも色々な思いのなかでその瞬間瞬間を生きてる・・・。っていう本来人間が持つリアルな感情がハル・ベリーの演技からビンビン伝わってきます。ラストシーンで見せる彼女の微妙な表情は絶品!!こんな女優が『X−メン』のミュータントをやってたなんて?!スゴイというよりむしろショックですね。 日本題名の『チョコレート』は原題の『Monster's Ball』とは全然違うんですけど、個人的にはこの『チョコレート』のほうがイイっすね。 |