だよもんド=アイ戦闘記録#3

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第十二話〜第十六話、補編その二〜四

最終更新 Saturday, 18-Sep-2004 22:30:11 JST
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補編その二「飛ぶ長○の城」
作:し○&琴○
2000年4月28日投稿
第一二話「家政婦(メイドロボ)は見た!アイよ老人介護問題を斬れ」
作:○川某
2000年5月1日投稿
補編その三「番外編 誕生! だよもんド=アイ 『余の名はだよもんド=アイ!』」
作:KGG
2000年5月11日投稿
第十四話「北の国から2000 三位一体攻撃」
作:○川某
2000年5月25日投稿
第十五話「アイ決戦のとき! 『Piaキャ○ット2号店の戦い』の巻」
作:KGG
2000年5月28日投稿
第十六話「『正ヒロ地獄変! 我が行くは修羅の道』の巻」
作:○川某
2000年5月30日投稿
補編その四「脇募会出張版」
作:SIO(皇帝か何か)
2000年5月30日投稿
 
 

補編その二「飛ぶ長○の城」 作:し○&琴○ (2000年4月28日投稿)
 

し○:キンキュウ事態なのよ〜。
琴○:緊急事態なんですか?
し○:タイトルがまともな児童文学作品までパクっちゃってることとかおいといても、キンキュウ事態なのよ〜。どっかの国の首相がどっかいっちゃった〜と思ったら倒れてた〜とかいうのよりもとってもキンキュウなのよ。
琴○:それは、なんとなく、大変そうですね。
し○:でも、ま、実は、どうでもいいんだけどね〜。
琴○:‥‥‥。あの、いきなり緊張感を削いでますけど。
し○:起こったのはしょせん他人の不幸で、あたしは雇われキャラだし。まあ、ボランティアマニアなあんたと違って、あたしの信条は資本主義だから。
琴○:長○さんが功利主義者で刹那主義者だってことは知ってますが、わたしは、別にマニアックなボランティアじゃありません。
し○:そうそう。みんなそう言うのよ〜。
琴○:誰も言いません。
し○:またまた、例のごとく、親愛なるあたしの相方のせいで、話が横道にそれちゃったけど、本題に戻るわね。
琴○:わたしのせいですか? 始めっから、それまくってたのは、わたしじゃないと思います。
し○:ふっ。あたしの一言目は、「キンキュウ事態なのよ〜」よぉ。読者も、画面をスクロールすることもなく、その事実を再確認できるわよぉ。姫○、破れたり〜。
琴○:‥‥‥。もういいです。今日は負けておきます。
し○:そうやって、あんたは、一生負け続ける女になるのよ〜。たった一度の過ちが、それをきっかけに落転の人生へ‥‥‥。こわいわね〜。
琴○:こわいのは、長○さんの頭のなかみです。わたしのたった一つの過ちは、長○さんの相方を引き受けたことです。
し○:ま、それは、おいといて、キンキュウ事態なのよ〜。
琴○:やっとそこへ戻りましたね。だから、何が緊急事態なんですか。
し○:とりあえず、このホームページの唯一のお便り常連、皇帝陛下(か何か)さんのお便りよ。


  スフィーのお詫び(ウソ)

  東京のメッセサンオーとかではイロイロ凄かったようですね。
  リーフのブランドの力だなあ。

  だよもんド=アイで○川がドジこいてご迷惑かけました。
  何でも彼は職場でエ○セルを最初に習ったものだから文書は
  いつもエ○セルで打ったのをコピー・ペーストしてたそうで。
  「これからはメモ帳で書け」と言っときました。

  婚約者ゲットした番長K原の呪いか、マジで監督の座が危なくなって
  きたト○シェの祟りでございましょうか。



琴○:よくわからないんですけど。
し○:そうよ。それが、電子情報の上にしか生きられないゲームキャラのかわいそうなところよ。あんたの今いるところには、確かにちょっと前まで、○川某のヤツが書いた「だよもんド=アイ 12話」があったのよ。その上、○川某のヤツの泣き言も書いてあったのよ。むなしいもんよ〜。それが、ちょ〜っとドラッグ&カットでこの世になかったことになっちゃうんだから。
琴○:○川さんというと、最近、よくわたしたちのお話を書いてくださっている方ですね。いつの間にか、わたしたちも芸能界にどっぷり浸かっちゃってますけど。
し○:その言い方だと、華やかなスポットライトの下の世界を想像しちゃうけど、しょせんあたしたちは舞台裏のどさまわりよ。資本主義の悲哀よ。
琴○:確か、この間、長○さんは、ケシ炭にされたんですよね。
し○:いやなこと思い出させないでよっ。ま、とにかく、そういう悪行を重ねるから、報いも受けるわけで‥‥‥。
琴○:もしかして、文字化けしちゃったんですか。
し○:そりゃもう、ばっちりってかんじ〜。
琴○:それで、削除されちゃったんですか。
し○:そりゃもう、かげもかたちもないってかんじ〜。
琴○:それで、緊急事態なんですか。
し○:よく考えると、キンキュウでもなんでもないんだけど、ま、その場のノリってやつよ。
琴○:ひょっとして、わたしたちってそのお知らせのためだけにここにいるんですか?
し○:この世は、資本主義よ〜。深く考えないことよ〜。
琴○:それにしても、どうして文字化けしちゃったんでしょう。呪いや祟りや報いというのはおいておいても。
し○:あたしが、思うに、これは、わざとね。
琴○:わ、わざとですか。
し○:だって、12話よ〜。
琴○:12話だとどうなんですか。
し○:12話って言ったら、まぼろしなのよ〜。昔から、そう決まってるのよ〜。
琴○:わたしは、初耳です。
し○:これだから、ウルトラ○ブンをリアルタイムで見てない世代は‥‥‥。
琴○:どういう世代ですか。とりあえず、オタッキーで1960年代世代な人はほおっておいて、管理人のKさんから、伝言です。削除された12話は、皇帝陛下(か何か)さんの情報によると月曜頃復活の予定だそうです。それまでお待ちください。


第一二話「家政婦(メイドロボ)は見た!アイよ老人介護問題を斬れ」 作:○川某 (2000年5月1日投稿)
 

文字化けにも負けるな!
懲りずに再投稿だ、SS作家になれるその日まで

当初の使命は何処へ?
生きてるってなんだろオ〜状態の正ヒロの味方『だよもんド=アイ』
問題の第12話「家政婦(メイドロボ)は見た!アイよ老人介護問題を斬れ」の巻
※なお、当初予定の「雛山理緒編」はオチがヤバイので掲載延期となりました

ここは都内の某高級住宅街。二台の車がある家の前で停車した
長瀬主任「さあ、着いたよ。二人共くれぐれも粗相のないようにね。特にマルチ、いいね?」
もう一台の車の窓が開いて中の男性が話しかける
セバスチャン「田沢様、本当によろしいのですか?やはり止めておかれた方が...」
長瀬主任「おじさん、まあ大丈夫でしょう、セリオも付いていますし。それに人間と一緒に
仕事をするというのも、メイドロボの運用ケースとしてデータが欲しかったんですよ」
セバスチャン「技術屋というのは自分の興味の対象の事しか考えないから困る
もし田沢様に何かあったら親御様になんと申し開きをするのだ、まったく..」
圭子「大丈夫です、わたし頑張りますから」
芹香「.........」
綾香「何かあったら、すぐ逃げるのよ」
セリオ「私が、この身に代えても田沢さんをお守りします」
セバスチャン「まあ、セリオがそこまで言うのなら」
セリオの言葉には人生経験豊富なセバスチャンをも動かす説得力があるようだ

彼女達が何をしているのかというと、
使用人がすぐに辞めてしまうという曰くつきの資産家からの依頼があり
マルチとセリオにホームメイドとしてのテスト運用の白羽の矢が立ったのだが
その話を聞いた圭子が、自分も連れて行って欲しいとセリオ→綾香経由で頼み込んだ、
と言うのが事の次第である。、
その裏には有名人の家を見てみたいと言う野次馬根性があったのは否定できないが。
ちなみに情報の伝達経路は以下の通り
長瀬主任→セバスチャン→芹香→綾香→浩之→志保→雅史→圭子

ぴんぽ〜ん
セリオ「来栖川より参りました者ですが」
女性の声「どうぞ、入ってくださいな」
インターホンから声がするとガシャッという音がしてSEC○Mのオートロックが解除される。
玄関に来た三人の前に壮年の女性が現れた。
セリオ「来栖川より参りましたHMX-13セリオです」
マルチ「えっと.. お、同じくHMX-12マルチです」
女性「あら、来るのは三人ともメイドロボットだって聞いてたけど」
圭子「は、はい。RS-09Rリック=ドムです」
圭子はサイズが合わないので外していたダミーの耳アンテナを慌てて付けると
以前、雅史と浩之の会話に出て来たロボットの名前をとっさに口にした。
女性「セリオにマルチにリック=ドムね。じゃあ今から家の中を案内するわ。上がってちょうだい」
特に怪しみもせず女性は三人を家の中へ上げたそのとき一人の男が現れた。

某巨人軍監督N嶋茂雄「由希子さ〜ん、いわゆるマイ老眼鏡はどこでしょ〜」
カン高い声でしゃべる背番号3のユニフォームを家でも身に付けた初老の男性こそ
この家の主=N嶋茂雄だった。
女性「あなた、私の名前はA希子です。それと眼鏡はあなたの頭の上よ」
N嶋「いや〜ついフォゲットしてしまいました。ソーリーです真希子さん
おや、この娘さんたちが新しいメイドインジャパンさんですね〜。ではまた〜」
ベタベタか天然か、ともかくあんまりなボケと共にN嶋は去っていった
A希子「今のがこの家の主人N嶋茂雄です。遅れたけど私が妻のA希子です」
圭子「家でも背番号3を着てるんですね〜」
A希子「普段から着せておかないと持って行くの忘れるの。それと自分の背番号が何番かも
最近は忘れる様になったから、今年から一番忘れにくい3にしたのよ」
圭子「へ〜そうだったんですか」
A希子「メイドロボットって思ってたより人間くさいのね。人の話に興味津々みたい」
圭子はちょっと良心が痛んだが、目の前の出来事への興味がそれを上回ったようだ。

が〜が〜が〜
A希子「ここが長男のKズシゲと嫁のHトコの部屋です」
中から変な音のする部屋のドアを開けると
自称スポーツキャスターのKズシゲが一人、高いびきで寝ていた
A希子「また、取材にもいかないで寝てるわ。
まあどうせスタジオでは徳光の指示どおりにしゃべるだけだから関係ないけど。
Hトコさんはまたどこか遊びに行ってる様だし」

が〜が〜が〜
A希子「ここが次男のMオキの部屋です」
中から変な音のする部屋のドアを開けると
自称レーサーのMオキがキックボードで部屋の中を走り回っていた

が〜が〜が〜
A希子「ここが長女の※※※の部屋です」
中から変な音のする部屋のドアを開け..ないA希子
A希子「ここは決して開けないようにして下さい」
マルチ「え、なぜですか?」
A希子「どうしても知りたければ御自分で入って確かめていいわ。
メイドロボには恐怖というものが無いようだから」
が〜が〜が〜
圭子「見なくていいです..」

そのとき男の叫び声(?)らしきものがきこえてきた
N嶋「沙希子さ〜ん、いわゆるミレニアムなヘルプなんですね〜」
四人が声の聞こえて来るトイレのドアを開けると、
中でN嶋は下半身が洋式便器にハマって動けなくなっていた
圭子「なんでこんなことになってるんですか?」
セリオ「どうやら、便座を下ろさずに腰掛けたようですね」
N嶋「アイシンクソウなんですね〜。早く一つのヘルプです〜」
マルチ「は、はい ただいま わっ 」
慌てたマルチは期待どおりズッコケてしまった
ずるっ、がぼっ!
マルチ「はわわわ〜 更に深くハマってしまったですう〜」
セリオ「マルチさん落ち着いて下さい」
しかしパニクったマルチにはセリオの注意も届かない
マルチ「そ、そうです、水で押し流せばいいんですう」
がちゃっ、ざ〜、ごぼごぼごぼ...
マルチ「あれ〜流れないですう〜」
セリオ「いえ、今は御主人の体が栓になっていますが、間もなく水圧がそれを上回り..」
ぽんっ!どしゃ〜 景気のいい音と共にN嶋が吹き飛ばされ水が大量に噴き出した
圭子「使用前だったのがせめてもの救いですね」
A希子「起きてしまったことは仕方ないわ。私は主人を着替えさせるから
あなたたちは後始末をお願いするわね」
A希子はN嶋の首根っこを掴むと自分の部屋へ引きずっていった
マルチ「奥様って優しい方ですね〜」
怒られるとばかり思っていたマルチは感激している
圭子「(ひょっとして、この家ではこんなことは日常茶飯事なんじゃあ...)」

この後、彼女達に更に驚くべき事態が!(『ガチンコ』のナレーション風に)

マルチ「どおりゃあああああ〜!」
水浸しになった廊下をマルチが思いっきりモップ掛けしている
圭子「す、すごい気合入ってるね..」
マルチ「さあ、田沢さんも御一緒に」
圭子「う、うん、それじゃあ私も」
マルチ「行きますよ〜せえの〜」
圭子・マルチ「どおりゃあああああ〜!」
二人の姿を暖かなまなざしで見ているセリオ。
だが、彼女の中で人知れず異変が進行していたのである。

三○「なあに、うるさいわねえ」
ドアが開いて出て来たのは次女の○奈だ
※注(M奈と表記しないのは筆者が自分の妹みたいでイヤだから)
セリオ「あ、親の七光りで入社して、若くもなく十人並みの容姿と聞き取りにくい割舌という
ハンデを乗り越えキャスターを務めてきたテレビ朝@を先頃退社されたN嶋三○さんですね」
圭子「セリオ!?」
三○「ああ、新しく来たメイドロボねえ。もうじき兄がメシ食わせろ〜って騒ぐからよろしくねえ」
どことなく聞き取りにくい声で話すと○奈は自分の部屋に戻ってしまった
マルチ「セリオさん、どうしたんですか?いきなりあんなことを言うなんて」
セリオ「はい、実は最近言語表現に突然障害が生じるときがあるのです」
圭子「それってどういうことなの?」
セリオ「私達は発言の際に相手に不快な印象を与えないため、最善の単語や言い回しを
選択する様プログラムされているのですが、その機能が働かなくなるのです」
マルチ「するとどうなるんですか?」
セリオ「発言の意味は変わらないのですが、事の本質を直接口にしてしまうことになります」
圭子「つまりは身も蓋もない、そのものズバリの言い方になるわけね」
セリオ「その通りです。小っちゃくて鼻が低くて耳が大きい田沢さん」
圭子「うう..いいんだもん、雅史さんさえ私を見ていてくれれば。
でもどうしよう、さっきは何も考えてない人が相手だからよかったけど」

そのときKズシゲの部屋からぶしつけな声が聞こえて来た
Kズシゲ「お〜い、腹減った〜メシ食わせろ〜」
セリオ「元四流野球選手の五流タレントが食事を求めていますね
それにしてもマニラのスラム街並に貧困なボキャブラリーです」
圭子「やっぱり今のセリオに行かせるわけにはいかないわ。マルチ、悪いけど行ってきてくれない?」
マルチ「分かりました、任せてくださ〜い」
とてとてとて..マルチがKズシゲの部屋へ駆けて行く

二人になったところで圭子が更に尋ねた
圭子「何でこうなるのか調べてもらったの?」
セリオ「はい、でも私の体にはどこにも異常は見つかりませんでした。
原因は外部からの干渉かもしれないそうです」
圭子「何なの、それって?」
セリオ「最近、何者かが強制的に来栖川のサテライトシステムに侵入してくるそうです。
その際に強力なノイズが、長瀬主任は毒電波とかおっしゃっていましたが、発生して
それが私の機能に干渉しているのかもしれないそうです」
圭子「それってまさか...」
セリオ「はい、以前西洋一の男色家と闘ったとき耳のアンテナを持ち去られましたが(第七話)
あれ以降なのです、この様な事が起きるようになったのは」

どがらかがっちゃ〜ん、どどどどどど....
圭子「な、何なの、この音?」
セリオ「マルチさんが調理を始めたようです。今日は気合が入ってますね。
結果はそれとはまた別物ですが」
次々と起こる出来事に圭子は目まいを感じそうだった

ごごごごご...
そんな効果音がしてきそうな物体をKズシゲはじっと見つめていた
Kズシゲ「おい、何だよこれ?」
マルチ「はいっ、スパゲッティミートソースですぅ」

それは麺と言うにはあまりに大きすぎた...
大きく分厚く重く、そして大雑把すぎた...
それは まさしく鉄塊だった

Kズシゲ「おまえ、俺をばかにしてんのか。どうやって食うんだ、こんなもん」
マルチ「何事も為せばなるですよ」
Kズシゲ「い、いいかげんにしろよ、このやろ〜こうなったら代わりにおまえを食ってやる」
マルチ「な、なんでそうなるんですか〜」
Kズシゲ「この前のからく○テレビの収録の時に、西○知美ちゃんから
メイドっていうのはそういうものなんだって聞いたんだよ」
マルチ「あれ〜御無体な、おやめください御代官様です〜」
こういうセリフを教えたのは多分志保であろう
圭子「何するんですか、やめてください」たまらず圭子が駆け付けた
Kズシゲ「うるせ〜こうなりゃお前もいただいてやる」
ごきんっ!
セリオの投げたマルチ特製スパゲッティがKズシゲの後頭部を直撃した
セリオ「おやめなさい、玉の輿に乗られた途端に妻にほったらかしにされている五流キャスター」
しかし轢かれたカエルの様にノビているKズシゲに聞こえる筈もなかった
圭子「セリオ、何て事を...」
マルチ「セリオさん、やっぱり様子がおかしいです」
圭子「まさか、『あいつ』が...?」

ぴんぽ〜んぴんぽ〜ん
Nベツネ「馬鹿野郎、誰も出ねえじゃねえか。また使用人に逃げられたな」
N嶋監督は一人で球場に行けないので、いつもNベツネが迎えに来るのだ
Nベツネ「おら〜せっかく社長の俺様が自転車に乗って迎えにきてやったんだぞ馬鹿野郎
馬鹿野郎親父に、馬鹿野郎息子、誰でもいいから出てこい馬鹿野郎!」
この老人にとって『馬鹿野郎』は合いの手程度の意味しかない

ぶろろろろろ....
そんなとき、彼方からエンジン音と共に、そう、『あいつ』が..
ぼぎゃっ!
Nベツネを跳ね飛ばすとバラに包まれた赤いスポーツカーは
SEC○Mの防災システムをブチ破って家の中に入ってきた
アイ「いいかげんにしろ〜なんだよ」
圭子「やっぱり近くに来てたのね、毒電波女」
アイ「主人公に対してその言い草はなんだよもん。大体、汝等は前フリをいつまでやる気なんだよ。
登場が二百行目だなんて、主人公をないがしろにするにも程があるんだもん
こんだけ長いから、もう口上全部言っちゃっても大差ないんだよもん
余は永遠の世界よりやって来た正統派ヒロインを援護する神の使者だよもんド=アイ!
正統なるヒロインの正当なる評価を正当なる権利を守るために戦う正ヒロ会の精だよもん
さあ、そこの六流タレントよ、こんな脇役の中の脇役ヒロイン達にうつつを抜かしては..って
ありゃ死んでやがるんだよ、こりゃ」
マルチ「死んでませんっ」
Nベツネ「何て事しやがんだ馬鹿野郎、死ぬかと思ったじゃねえか...って死んでるよKズシゲ」
Mオキ「あ、ほんとだ」
N嶋「ん〜いわゆるマイサンがダイインしてますね〜」
圭子「だから死んでませんってば〜」
アイ「仕方がないから牛乳を飲ますんだよもん。牛乳は体にいいんだよもん」
N嶋「ん〜早くウエイクするんですね〜ヨシノブ」
Nベツネ「Kズシゲだろーが、馬鹿野郎」
Kズシゲ「はっ俺はいったい..」
あまりにも安易に目を覚ますKズシゲであった
N嶋「いわゆるよかったですね〜マルチネス」
Nベツネ「Kズシゲだって〜の、大体苗字だろ、それは」
セリオ「さすが頭の中まで○田胃酸だけのことはあります」
圭子「うう、セリオが毒電波女のせいでこわれていくう〜」
アイ「それじゃあ お待たせだよもん。サテライトパワー外道焼身霊波光線!」
べかべかべか〜!!!
強烈なノイズが発生し、バチッという音がして、とうとうセリオは気を失ってしまった
圭子「セリオ、しっかりしてっ」はっしとセリオを抱き止める圭子
一方、光線を浴びた男性陣は
Nベツネ「はっ俺は何をしていたんだ?いかん、マルクス主義の理想実現のために闘わねば」
Nベツネは代々木の党本部の方へ去っていった
アイ「さすがは元共○党員、しっかり初心に帰っただよもん」
しかしN嶋親子三人はただもうろうと徘徊するだけだった
アイ「三人ともごく最近の事しか覚えてないから、頭の中が真っ白になったみたいだよもん。
にしても、こいつら絵的にちょっとヤバい気がするんだよ」
アイは三人を家の外に追い出してしまった
N嶋父子は亡者の如く徘徊している
アイ「さあ次は汝等だよもん。正ヒロに仇為す邪道ヒロインよ、正体を現せっ」
べかべかべか〜!!!
アイ「汝等の正体見たり!限定魔人テラジョサイ!」
果たしてどれくらいのサークルが参加するのだろうか?
圭子「はっ、私は何をしてたんだろう?早く雅史さんに告白しなくちゃ。
お願いセリオ、私に勇気を分けてちょうだい」
無反応のセリオを背負うと、圭子はメイド服のまま雅史のもとへ駆けて行った
マルチ「わっ,田沢さん待ってくださ〜い」
マルチは慌てて圭子の後を追いかけていった
アイ「はっはっは、久しぶりの大勝利だよもん」
......
誰もリアクションしてくれる人がいないのでアイは帰ることにした
アイ「あれ?だよもん...」
バラをまとった赤い車はそこには無かった。
自称レーサーのMオキが乗って行ってしまったのだ。
仕方がないので、Nベツネが来る時に乗ってきた
お豆腐屋さんが配達に使うような無骨な自転車で帰ることにした
荷台に鉄塊スパゲッティを括り付けると、アイはキコキコとペダルを漕いだ。
アイ「うう、ペダルが重くて漕ぎにくいんだよ」
アイは坂道に息をきらしながら去って行った...

一方、めちゃくちゃになった家の様子にもA希子夫人は動じる様子もない
A希子「また何処かに行っちゃったのね。まあいいわ、
背番号3はこんなときのための迷子札でもあるんだから」
〇奈「あ、原さんですかあ?はい、またアレなので。この前と同じようにお願いしまあす。
そおです、今日の采配はプリティさんにやってもらってください」
A希子「メイドロボでもダメだったわね。どうしたものかしら」
この日の夜ジャイアンツは快勝した


N嶋「ん〜おじょうちゃん、ここはいわゆるどこですか〜?」
繭「みゅ〜」
N嶋「そうですか〜みゅ〜ですか〜、ん〜ミレニアムですね」
繭「みゅ〜...」
N嶋「ガールなおじょうさん、家まで私をテイクアウトしてくださいプリーズです」
繭「テイクアウト?ハンバーガー...」
N嶋「OKですね〜、ファーストフードでゴートゥゲザーです」
留美「こらああああっ 待たんかあああ〜い」
N嶋「ん〜いわゆるサプライズなお姉さんですね」
留美「椎名をどこに連れて行くつもりじゃい、おっさん」
N嶋「え〜それは一つのロングアンダスタンドなんですね〜」
留美「問答無用!誘拐が割の合わない犯罪だって思い知りなさい!」
嘗て怖れられた七瀬の電光石火の剣が今甦った!
どぐわっ!ひゅ〜 ききーどかん ひゅ〜 どぼ〜ん ばしゃばしゃ
留美「何よ、プリティ長嶋みたいなカッコして。さあ、帰ろ椎名」
繭「みゅ〜」
手をつないで家路に就く二人
留美「ま〜ぜて、ま〜ぜてまぜまぜミックス♪〜」
繭「みゅ〜♪」

かなり変形したN嶋が密かに回収されたのは、この日の夜だった


5がつ1にち
きょうはハンバーガーをたべそこねた
るみおねえちゃんはとてもつよかった
でもつくってくれたごはんはおいしくなかった
もっとおいしいのがたべたい


七瀬よ、乙女への道はまだまだ険しく遠い
頑張れ、七瀬留美!真の乙女になるその日まで
前フリは長くなる一方だ、負けるな!だよもんド=アイ!


補編その三「番外編 誕生! だよもんド=アイ 『余の名はだよもんド=アイ!』」 作:KGG (2000年5月11日投稿)
 

わーっ、KGGッス。ひさしぶりッス。だよもんド=アイ久々の勝利(!)&会長復活アップグレード(!!)記念(ずいぶん遅いゾって)で、禁断の誕生編、いっきまーすっ! きーっ! マジモードッス!!

番外編 誕生! だよもんド=アイ 「余の名はだよもんド=アイ!」



「優しさすべてを善と思ってはならない」
「そして、救いの手、すべてを味方と思ってはならない」
「その言葉の意味、わかってもらえますかしら」
「人は、自らの選ぶ道を選ぶ」
「さよう、みなさん。いずれ、すべては、人の意志」
「すべては‥‥‥」
「そう、すべては‥‥‥」
「すべては、正統なるヒロインのために」



「あ、そうなんだ。わかったよ」
「それじゃな、瑞佳」
「え、うん‥‥‥」
 瑞佳の曖昧な返事もよく聞かず、浩平は、そのまま、教室を飛び出していった。最近転校してきた女の子、七瀬留美と一緒に帰るためだ。
 浩平の消えた教室の扉を見ながら、そっと、瑞佳はため息をついていた。
 今日は、瑞佳の部活もお休みだ。浩平が一緒に商店街に遊びに行こうというから、佐織たちの誘いも断ったのに。
 浩平は、それなのに、いつの間には、留美と一緒に帰る約束をしてたらしい。一応、形だけ、謝るような言葉を口にはしていたが。
「でも、浩平のこんなところはいつものことだよね」
 浩平の強引でわがままなところには、慣れている。
「浩平は、ほんとに、そういうところはしょうがないよね」
 長いつきあいで、浩平にも気安い相手の瑞佳だから、こういう無茶な扱いもされるのだと思う。そんな浩平にあきれもせずに、ずっとつきあってきた。浩平は、こんなだから、自分が面倒を見てあげないと、とも思う。他のクラスメートからは、どうしてそこまで世話を焼くのと言われる。クラスが変わったときには新しく知り合った友だちから必ず一度は、「折原君とつきあってるの?」と聞かれる。もちろん、深い意味で。そのたびに、ちょっと驚いたようにして、瑞佳は、答えるのだった。
「そんなんじゃないよ。たいしたことしてないし。それに、わたしなんか‥‥‥」
 瑞佳自身は、まわりの人間が思っているほど大変なことをしているという意識はなかった。いつも、ベッドにしがみついて離れない浩平を何とか起こして学校に間に合うようにしたり、普通の人ならあきれてしまうような無理難題を、まともにうけとめてあげる。子供の頃からずうっとやってきたことだから。特別のことなんかじゃないと思っているから。
 でも‥‥‥。
「でも、浩平にしっかりした彼女ができれば安心だよ」
 あれ?
 そう言ってみて、自分自信の言葉に自分が微かに違和感を感じていることに気がついた。
 いや、気のせいだ。
「そう、留美みたいにしっかり人がついてくれるようになれば安心だよ‥‥‥」
 そう。自分は、本当にそう思っている。



 瑞佳は、持て余した時間を潰すために、商店街をまわった。でも、書店では、必ず一冊は見つかる気になる本も今日は特になく、CDショップも、眺めたタイトルはどうでもいいと思えるようなものばかりだった。甘い匂いのするパタポ屋の前も、ひとりぼっちではその気にもならず素通りする。気がつくと、あっという間に商店街を抜けていた。
「あ、ごめんなさいっ!」
 ぼんやりと歩いていた瑞佳は、誰かにぶつかった。
「いや、いや。なんの、これしき」
 相手は、老人だった。健気なことを言っているが、小さな老人は、瑞佳にぶつかって尻餅をついている。
「ごめんなさい、おじいさん」
 瑞佳は、慌てて、その老人の手を取ると、助け起こす。
「すいません。ぼんやりしてたものだから」
 そういって、老人の服についた埃を落としてあげる。
「怪我はないですか?」
「いやいや。お嬢さんは、やさしいの。この近くの学校の生徒かい?」
「やさしいなんて、そんな。悪いのは、わたしです。そうです。わたしは、この近くの高校に通ってます。今、帰り道です」
 瑞佳は、そう答える。
 だが、その時、老人の目があやしく光ったことに、瑞佳は、もちろん気づかなかった。
「こんな年寄りに、そんなに、気にしなさんな。お気をつけて帰りなされ」
「はい、本当にすいません」
 やがて、何度もあやまって、瑞佳は、老人と別れた。
 しっかりしなきゃ。
 そう思って、瑞佳は、再び、家へと帰る道を歩き出す。
 そのとき、瑞佳の目に、小さな白い動くものが見えた。小さな小さな子猫だった。
 なにか急いでいるのだろうか? 歩道を行く人の足下を、危なっかしくすり抜けながら瑞佳の方へ駆けてくる。まだ世間知らずの子猫は、自分の目の前しか見ていない。瑞佳の前まで来て、目の前の瑞佳の脚に気がついた子猫は、さっと、向きを変える。だが、その先は‥‥‥。
 あぶないっ!
 そのとき、白い子猫は、まっしぐらに車道に飛び出した。もちろん、表通り、車の量は少なくない。
 瑞佳は、気がつくと、自分も飛び出していた。



 ここは、どこ?
 瑞佳が気がついたそこは、不思議な空間だった。真っ白な柔らかな光が辺りに満ちている。寒くはなく、熱くもない。どことなくいい匂いがする。遠くは、もやがかかったように見通すことのできない、ミルク色の空間。
「気がついたかね、お嬢さんや」
 振り向くと、そこに、あの老人がいた。瑞佳とぶつかった、あの老人。
「ここは‥‥‥どこですか?」
 瑞佳が尋ねる。
「お嬢さんは知っとるはずじゃが」
 老人は、答える。
「永遠の世界の入り口じゃ」
「永遠の世界?」
 瑞佳の記憶のどこか遠くで何かが囁いた。だが、今の瑞佳には、その小さな声をはっきりと捉えることはできない。
 永遠の世界?
「あ、あの子猫は?」
 瑞佳は、突然思い出して、尋ねた。
 すると、老人の胸元で、みゅうと子猫の鳴く声がした。そこにあの子猫がいた。
 生きてたの? 大丈夫だったの?
 老人は、両手でその小さい猫を包むように抱き上げる。その猫は、その老人の手をすり抜けるようにして、飛び出した。
 あっ。
 瑞佳の目の前で、子猫は駆けていく。白い光の中に吸い込まれ、そして、見えなくなる。
 これは‥‥‥。
 あの子猫は死んでしまったのだ。
 クリーム色の光の中に溶けて見えなくなるその子猫の姿に瑞佳は直感した。
 ここは、ふつうとは違う世界。おそらく‥‥‥死後の世界?
 そして、多分、自分も‥‥‥。
 運動神経がよいわけでもない自分が、マンガやドラマのように車道に飛び出した猫を助けるなんてできるわけがなかったのだ。あの子猫は、結局死んでしまった。わたしのせいかもしれない。そして、きっと、自分も‥‥‥。
「あの、わたしも死んじゃったんですか?」
「死ぬのは嫌かな?」
 瑞佳に聞かれて、老人は、逆に、そう尋ねる。
「それは‥‥‥」
「もちろんそうじゃろな」
 家族や学校の友だち、家で瑞佳の帰りを待ってるはずの8匹の猫たち。でも、瑞佳のなかにまっ先に思い浮かんだのは、浩平だった。
「わたし、大事な知り合いの男の子がいるんです‥‥‥」
「好きな男の子かえ?」
 しわくちゃの顔がにっこりと笑って言う。
「いえ。わたしは、ただ、浩平のことが心配なだけ。ちょっと、かわった人だから‥‥‥」
 そこまで思って、瑞佳は、最近浩平が親しくしているクラスメートや他の学年の女子生徒のことを思いだした。
「ううん、でも、そう。もう、いいのかもしれない‥‥‥」
 そう言って、瑞佳は、口を閉ざす。
 老人も、何も言わない。
 しばらく、沈黙が、その不思議な白い空間に続いた。
「そんなにその男の子のことが心配なら‥‥‥」
 その沈黙を老人の静かな声が破る。
「そんなに主人公のことが心配なら、自分で守ってみてはどうかなのかな」
 心配なら‥‥‥。自分で‥‥‥。守る?
「えっ? わたしが? 浩平を?」
 瑞佳には、思いがけない質問だった。いや、正確には、似たようなことはクラスメートから何度も言われていたはずなのだ。だが、不思議な空間の中で、その老人の言葉は、いつもと違い、瑞佳の心の奥深くに直接突き刺さった。
「そうじゃ。お嬢さんが、自分で、じゃ」
 確かに、瑞佳は、ずっと浩平のそばで世話を焼いてきた。しかし、老人の言っている意味は、もっと踏み込んだものだろうと、瑞佳にはわかった。あるいは、それは、浩平の彼女となる人よりも近い位置で、浩平の彼女となる人よりも積極的に浩平の行く先を案じるということなのかも。
 浩平の彼女‥‥‥。
「そんな。だって、わたしは‥‥‥。わたしなんか、どこといって取り柄のない普通の女の子だし‥‥‥」
 瑞佳は、そう言いながら、浩平のまわりの女の子たちを思い出していた。女性の目から見ても綺麗な里村さん。元気で明るくて誰からも好かれそうな留美。
 だが、老人は言った。
「特徴のない、当たり前の、かえ。そんな女の子が本当にいるのかな、お嬢さん」
「えっ?」
「それでは、とても変わっていればいいのかな、お嬢さんや。とっつきにくい性格の美人じゃったり、超能力者だったり、実はロボットだったり、本当に、そんな女の子ばかりがいいのかいのぉ」
 瑞佳には、老人の話がよくわからなかった。
「普通の女の子? ふぉっふぉ。そんな女の子など、いるはずがない。誰でも素敵な魅力を持っておる。そして、誰よりも大事な役目を背負って、例え目立たなくても自分の役回りをしっかりこなしている、そんな女の子が誰よりも素敵でないわけがあるかな?」
 老人は、瑞佳に近寄ると、そのしわだらけの顔を瑞佳の顔にぐいっと近づける。
「お嬢さんや。ワシには、お嬢さんのなかに眠っているもう一人のお嬢さんが見える」
 もう一人のわたし‥‥‥?
「これを授けよう」
 いつの間に、それに、どこから取り出したのだろう。老人の手には、緑色の布きれがあった。
 瑞佳は、なんとなく、それを受け取ってしまう。
 かなりくたびれてすすけている。汚れた表面に見えるのは、唐草模様だろうか?
「なんですか、これは。それに、あの、なにか、ちょっとくさいんですけど‥‥‥」
「まあ、気にするな」
 そう言って、老人は、また、かっかと笑う。だが、すぐにまじめな顔に戻る。
「よいかな? 常にこれを持ち歩くように。いつでも、これをお嬢さんのそばに。ワシにできるのは、お嬢さんの背中をちょっとだけ押すこと、それだけじゃ。お嬢さんの力が、お嬢さんだけでなく、世の中すべての悲しい思いをしている女の子たちを励ますことになる。今、お嬢さんが持っているのは、これだけじゃが、なに、お嬢さんは、必要なものを必要な場所で手にすることができるじゃろう」
 他の悲しい思いをしている女の子たち‥‥‥。わたしの力‥‥‥。必要なもの‥‥‥。
 老人の言葉は、瑞佳には、すべて謎だった。
「すべては、正統なるヒロインのために」
「‥‥‥すべては‥‥‥正統なるヒロインのために?」
 瑞佳は、口の中で、その老人の言葉を繰り返す。自分の中でなにかがその言葉にうずきだす。なつかしいような、あたたかいような。何か忘れかけていたことを思い出させてくれるような気がする。その何かはわからないけれど。
「それじゃ、ワシは、もう行くとするかな」
 老人は、瑞佳に背中を向けると、その場を離れようとした。
「あ、待って」
 瑞佳は、去ろうとする老人を、慌てて呼び止めた。
「おじいさんは、誰ですか?」
 その問いかけに、老人は、振り返り、そして、にっこりと笑った。
「もう一人のお嬢さんは、既に、知っておる」
 え、どういうこと?
 そう聞こうとした瑞佳の唇が言葉を紡ぐことはなかった。そのとき、いっせいに周囲が眩しく輝きだし、瑞佳の意識を押し流してしまったから‥‥‥。



 ぼんやりとした意識が自分の中でつながり始める。ゆっくりと開く瞼の向こうから明るい光が届く。
 ようやく焦点を結ぶ目に、カーテンから漏れる朝日が明るく照らす室内が見える。
 あれ?
 見慣れた本棚。CDケース。棚に乗ったたくさんのぬいぐるみ。見慣れた壁。そこにかかる制服。自分の鞄。
 瑞佳は、自分のベッドの中にいた。
 ここは、自分の部屋だった。
 瑞佳は、枕元の時計を引き寄せた。
 時刻は、もうすぐ朝の6時。
 いつも起きる時間よりちょっとだけ早かった。
 瑞佳の目覚ましは6時15分にセットされている。
 といっても、瑞佳はいつもその前に目が覚めるので、めったにその目覚ましを鳴らしたことはないのだが。
 胸の上に圧迫感を感じて気がつくと、そこに黒い猫がいた。
「あ、ルンナ、おはよう」
 そう、瑞佳がそう言っても、8匹の中で最年長の雌猫は、ちょっと顔を上げ白いおなかを見せただけで、また、飼い主の上で惰眠をむさぼる。それでも、瑞佳は、彼女の背中をやさしくなでる。
 また、後ろの方から鳴き声が聞こえる。
「あ、くるり、うずらもおはよう。あ、りゅうのすけも」
 大きな茶色の猫がのそりとベッドのそばに寄るのが見えた。元気いっぱいの問題児、ムサシやごろう、マーニャの姿は見えない。また、どこかでいたずらしてなきゃいいけど。ネネはいつものように、縁側の方へ行ってるに違いない。
 いつもどうり。そう、いつもどおりの朝のはずだ。
 瑞佳は、ベッドの上に身体を起こす。
「あれは、なんだったんだろう‥‥‥」
 夢?
 そうかもしれない。
 ぼんやりと、ルンナの背中をなでながらそう思った、そう思うおうとした瑞佳だった。だが、ふと自分の机の上を見たときに、瑞佳の視線が凍り付いた。
 そこにあったのは、あの唐草模様の布きれだった。きちんと四角にたたまれ、机の上に乗っている。それは、まるで、ずっと前からそうだったように、そこにある。そう、そこにある。
「‥‥‥夢じゃなかったの?」



「悪いけど、先、行っててくれ」
 浩平は、当たり前のように、瑞佳にそう言う。
「う、うん。いいけど‥‥‥」
 里村さんと待ち合わせするためだろう。
 朝の通学路。今日も、浩平が居候する由起子叔母さんの家まで浩平を起こしに行き、一緒に学校へ向かう途中だった。意外と素直に起き出したので、多分こういうことだろうとは思っていたのだが‥‥‥。
 里村さんは、あまり会話したことはないが、同じクラスで、物静かな、同じ女の子の瑞佳の目から見ても、お人形のように綺麗な人だった。
 一人になった通学路を歩きながら、瑞佳は思った。
「里村さんか。里村さんのような人も、浩平に似合うかもしれない」
 綺麗な人だし。バカなことばっかりやってる浩平も、大人っぽい里村さんがそばにいてくれれば、少しはよくなるかもしれない。ああいう人が浩平にはいいのかな‥‥‥。
 どうしたのだろう。
 ちょっと前の自分なら、そんなこと、なんとも思わなかったはずだ。むしろ、ちゃんと浩平の面倒をみてくれる綺麗な彼女ができたとよろこんでいたはずだ。
 ううん。今も、よろこんでるはずだ。
 だけど‥‥‥。
「だけど」のあとの言葉が瑞佳自身には見つからなかった。
 気がつくと、瑞佳は、まったく知らない道を歩いていた。
「あれ、ここどこ?」
 ぼうっとしている間に、どこかで道を間違えたらしい。それにしても、まったく知らないところだ。周囲には、見覚えのあるものはなかった。
 道の向こうに、学校の正門が見えた。瑞佳の高校とは別の学校‥‥‥。どこかの高校‥‥‥。
「あ、浩之さん、おはようございます〜」
 女の子の声がした。瑞佳とは違う制服を着た小さな女の子が大きな箒を持っている。中学生か小学生のように小さな子だから、大きな箒がすごくアンバランスだった。
 でも、かわいらしい子。
「おっ、おはようマルチ。今朝も掃除してたのか、エライな」
 彼女の上級生らしい学生服を着くずした男の子が、彼女の頭をなでている。
 仲よさそう。恋人どうし? そこまではいかないかな。
 あれ?
 そのとき、瑞佳の中で何かがささやいた。
『今が、そのときだ‥‥‥』
 なに?
 目眩がする。瑞佳の意識が遠退く。
 立ちつくす彼女の右手から、鞄がすべり落ちる。



「おっ、おはようマルチ。今朝も掃除してたのか、エライな」
「はうう。う、うれしいです〜〜」
 浩之は、いつものように、マルチの頭をなでる。マルチ、はずかしそうな、それでいて、やっぱりうれしそうな表情を浮かべる。いつもの光景‥‥‥。
 そのときだった。
「そこまでだっ!」
 その二人の甘やかな空気を鮮烈な声が切り裂いた。
 驚いた浩之とマルチは、声の方向を探した。
「なんだおまえは?」
 彼らが見たのは、校門の柱の上にすっくと立つ一人の少女。朝の眩しい日差しが少女の後ろにある。彼らに見覚えのない地味な制服の上には、緑色のマントが風になびいている。
「余は永遠の世界よりやって来た正統ヒロインを援護する神の使者。正統なるヒロインの正当なる評価を、正当なる権利を守るために戦う正ヒロ会の精なり!」
 呆気にとられて見上げる彼らに、その少女は、声、高らかに告げる。
「余の名は、だよもんド=アイ! すべては、正統なるヒロインのために!」



「あれ、わたし、どうしちゃったんだろう」
 何があったのか。
 確か道に迷って、知らない高校の前に出て、そして‥‥‥。
 その高校の生徒らしい男の子と女の子を見たんだ。それから‥‥‥、それから?
 その後の記憶がすっぽり抜け落ちていた。
 気がつけば、今は、商店街の中だ。瑞佳の学校のちょっと手前。よく慣れ知ってる、商店街。
 いつの間に?
「おーい、瑞佳」
 そのとき、遠くから聞き慣れた声が自分を呼んだ。驚いて顔を上げると、そこには、走ってくる浩平がいた。
「あれ、浩平、どうしたの?」
「どうしたじゃないよ。学校にはおまえはいないし、待ってても、全然姿を見せないし、心配になって、戻ったら、いつもの道どこさがしてもいないし」
「え?」
 わざわざ瑞佳のために、遅刻を覚悟で戻った‥‥‥。そう。浩平は、そういう人だ。バカでむちゃくちゃだけど、とても優しい。もちろん、浩平なら、遅刻をあまり気にしてないのかもしれない。それでも‥‥‥。
「うん。道を間違えたみたいで‥‥‥」
「バカ。どう道を間違えたら、こんなとこまで来るんだよ。全然通学路じゃないだろ。どんくさいやつだな」
「もう、ひどいよ、浩平。わたし、どんくさくないもん。ちょっとぼうっとしてただけだもん」
「とにかく、さっさと学校へ戻って、一緒に髭にちょっと怒られてやろうぜ」
「ええ、そんな。わたしのせいで浩平まで怒られるなんて」
「バカ。おまえは、オレを起こすためにいつも遅刻ギリギリになるんだろうが。オレがいなければ、毎日、余裕だろうが」
「うん。ありがとう、浩平」
「だから、オレが悪いんだよ」
「とにかく、急ぐぞ。せめて、髭の怒りがマジなレベルにならない前に」
「うん、そうだね」
「まあ、髭のことだから、二時間目から何気なく座ってれば、ぜんぜん気がつかないかもしれないけどな」
「ひどいよ、浩平。でも、そうかもね」
 そんな瑞佳も、くすりと笑う。
「ま、そんなことより、行くぞ」
「あ、浩平、待ってよ」
 浩平は、全速力で駆け出す。瑞佳も必死にその後を追う。走るのが苦手な瑞佳には、いつもながら手加減しない浩平の後をついていくのに息が切れそうになるが、そんなことは、今は、ちっとも苦にならなかった。
 あれは、なにかの気のせいだ。きっと、少し、疲れてるんだ、わたし。
 浩平とのたわいのない会話が、浩平の優しさが、暖かい気持ちになって、瑞佳の中にわいた疑念を洗い流す。
『‥‥‥今は、それでよい』
 しかし、瑞佳には、聞こえなかった。
 遙か遠くで、あの好々爺とした声がそう言うのを。
 そう。すべては、今、始まったばかりなのだ‥‥‥。



 闇。
 厚い雲が奇跡的に切れ、一瞬だけ、蒼い月の光が辺りを照らす。しかし、それは、一瞬だけ。風吹く荒野に立つ二人の男女を一度だけ浮かび上がらせた淡い光は、次の瞬間には、再び闇に飲み込まれる。
 闇。
 当たり前の人として生を受けた者には、まったく垣間見ることのできない、深い闇の淵。だが、彼らには‥‥‥。
「‥‥‥それがあの少女のもう一つの姿だと? そうでしょうか」
 辺りの草をなびかせる風の音の合間から、女の声が聞こえる。
「なるほど。すべては、しくまれたことだと、そう言うのですね」
 静かな男の声が答えた。
「それでも、答えはかわりません。私は、一度死んだ身。一族から望まれずこの世に生まれいで、そして、人知れず影として生きていくのみ」
 男の答えに、女は、彼の意志が固いのを改めて知った。
「そうですか。残念です。柳川さんなら、わたしたちの力になってくれると思ったのに」
「あなたならば、あの耕一くんに頼めばいいではないですか。こんな私などを遙かに越えるエルクゥの力を持っている」
「この戦いにも、ルールはあります」
「ルール、ですか。愚かな戦いだ。しょせん、あなたたちは、一本のゲームに一人。対して、相手は常に複数以上いて、個々人の趣味の幅が広い今の時代においては、世界の人間の大部分が、敵に組みするでしょう。あなた方は、常に寡勢を強いられる」
「数の問題ではありません」
 しかし、千鶴は、きっぱりと言う。
「それほどまでに‥‥‥」
 柳川は冷笑する。
「ならば、あなたは、あのかわいい妹さんたちとも戦うというのでしょうか? 梓さんや楓さん、初音さんたちとも」
 千鶴は、柳川のその問いに微笑んだ。
「いえ、わたしは、妹たちとは戦いません。わたしは、妹たちを愛しているし、それに、それがわたしなのですから」
 柳川が注ぐ視線をまっすぐに受け止めながら、千鶴は、言う。
「柳川さん。やはり、あなたは、正統ヒロインとはどのようなものであるか、全然、わかってらっしゃらない」
 その瞳は艶然としていて、そして、底深い決意と鋭い光を奥底に宿していた。柳川を一瞬だけにしろ、ひるませるほどの光だった。
「なるほど。戦いは、長くかかりそうだ。しばらくは、楽しませてもらえそうですね」
 ふと柳川の気配が消えた。彼は、一瞬のうちに目の前から去り、千鶴の人を越えた目にも、もうその闇に溶けた姿を追うことはできなかった。
 遠くから、その声だけが届く。
「ならば、私は、しばらく、その戦いを見物させていただくことにしましょう。縁があればまた会うことも叶うはず。敵としてか、味方としてか‥‥‥」
 風が荒野を薙いでいた。


第十四話「北の国から2000 三位一体攻撃」 作:○川某 (2000年5月25日投稿)
 

公私心身共ガタガタの小生が、胃の痛みを堪えてお送りします
もう何だかよく分からない正ヒロ会の精だよもんド=アイ
第十四話『北の国から2000 三位一体攻撃』の巻です

そこは何もない空間だった。
いや、何もないのかどうかすら定かではなかった。
ただ、老人の声の様なものが聞こえた気がした。
・・・汝等に力を授けよう。それをどう使おうとも汝等の心次第じゃ・・・


見慣れない制服の学生のグループがすれちがう。
多分自分達と同じ高校生だろう。
香里「今のはどこの高校かしらね?」
北川「修学旅行じゃないのかなあ。もうそんな季節だろ。で、何だっけ?」
香里「あ、それでね、今朝の夢のことなんだけど」
栞「私も変な夢を見たんです。」
北川「変な夢と言えば、俺のも変な夢と言えなくもないな」

ざわざわざわ...
さっきと同じ見慣れぬ制服の別の一団が近付いてきた。
志保「ねえ、次はどこ行くの?」
あかり「じゃあ、○山動物公園に行こうよ」
志保「あかり〜、あなた有珠山の噴火も顧みずに熊牧場に行ったじゃない。
それでもまだ、クマが見たいわけ?」
あかり「だって、せっかくクマの本場に来たんだから、
見られるものは全部見たいし...」
雅史「いいんじゃない、日程はまだ余裕あるし」
浩之「しょーがねえから付き合ってやるよ」
志保「せ〜っかくこの志保ちゃんが修学旅行に間に合うように
グレートカムバックしたのに、何でクマ尽くしの日々にお付き合いなのよ?!」
浩之「長い間休んでたくせに、不必要に元気だよな〜」
志保「何よヒロ、その言い草は。この可憐な美少女志保ちゃんが来栖川の科学力で甦ったのに」

名雪「すっごい賑やかなコだね」
栞「こんなに離れたのに、まだはっきり聞こえます」
北川「やっぱり修学旅行だったみたいだな。
あ、それで美坂の見た夢ってのはどんなんだったんだ?」
香里「それがね、真っ白な何もないようなところで..」
北川「じいさんみたいな声がしてきたんじゃないのか?」
栞「あ、私もです」
名雪「私はいつも快眠だからそんな夢は見ないよ」
香里「それで授業中もあんだけ寝るんだから大したものよね」
名雪「あ〜香里ひどいよ」
北川「そんなこと言う人嫌いです、ってね」
美汐「人のセリフを奪るのは酷と言うものです」
名雪「わ、びっくり」
美汐「先程の夢の話ですが、以前見た
『夢の中で一緒に不動明王に会った残りの仲間を探しています』
という、ムーの文通相手の募集欄を思い出します」
香里「イヤなものを引き合いに出してくれるわね」
栞「何か気になります...」
北川「気にし過ぎじゃないのか、単なる偶然だろ」
名雪「そう、そんなことよりイチゴサンデーだよ」

ガーッ、乾いた音を残して一同の横を黒い武骨な自転車が通り過ぎた

北川「おい、今の..」
香里「まさか...」
栞「間違いないです」
三人の脳裏に悪夢が甦った。(第十話参照)
美汐「で、どうします?」
香里「とにかく後を追いましょう」
北川「そうだな、急がないと見失うぞ」
栞「はい」
名雪「イチゴサンデーは?」
美汐「と言うわけで、今日はお伺いできません。名雪さん。」
名雪「え?」

今日は秋子さんが泊り掛けの仕事なので
真琴の(遊び)相手は名雪がしなければならなくなった。

美汐「あの子はいい子ですから。」
名雪「祐一、早く帰ってきて...」

一人取り残される名雪
祐一は6月1日帰宅予定だ

一方、○山動物公園の中では...

浩之「あかりのヤツ、まだ熊のとこにいるのか?」
志保「あのコもしょうがないわね〜。まあ、雅史が一緒だから大丈夫でしょ」
浩之「そうだな...」
志保「そうよね...」

並んで歩く二人

浩之「.......」
志保「.......」
浩之「.......」
志保「ちょっと、なに黙ってんのよ」
浩之「別に...」
志保「まあいいわ。この美少女志保ちゃんが、寂しい浩之青年にお付き合いしようじゃないの。」
浩之「しょうがねーなー...」
志保「ほ〜ら、もっと嬉しそうにしなさいよ」

「そこまでだよ!」

きらきら〜ん
まばゆい光と共に黒い武骨な自転車が志保めがけ突っ込んでくる

アイ「混迷の世に光を当てる正ヒロ会の使者だよもんド=アイ参上だよもん」
浩之「危ない、志保っ!」
香里「食らいなさい!」

ぐしゃっ!
香里の投げつけた業務用特大バニラアイスがアイを直撃した。
どがしゃっ!
志保を跳ね飛ばすかに見えたアイの自転車は脇にそれ
天然記念物シロフクロウの檻に突っ込んだ

アイ「いたた、何するんだよもん。余はそこの前世魔人東スポ女を成敗しようとしただけなんだよもん」
北川「そうはいくかい」
栞「あなたのやりたい放題、見過ごすわけにはいきません」
香里「もう逃がさないわよ」
美汐「入園料は立て替えておきましたから明日返して下さい」
唖然とする浩之と志保
浩之「あの、あんたたちは一体?」
北川「聞いて驚け!」
栞「見て笑え!」
香里「私達、Kanonの最強脇役トリオ!」
北川「漫画でも影の薄い潤!」
栞「漫画ではヒロインの栞!」
美汐「栞さん、普段とキャラが違いますね」
香里「漫画ではぷにぷにの香里!」
北川「三人合わせて、我等、電撃美坂三兄姉妹!」
美汐「いつから北川さんは美坂家の人間になったのですか?」
北川「栞ちゃん、今日から俺はお義兄さんだよ」

ぼごおっ!!
強烈な香里のエルボーが炸裂し、北川はオジロワシの檻まで吹っ飛んだ

北川「香里ぃ、エルボーはバイオレンスだぞ〜、いててて」
香里「だぁれがお義兄さんですって?だれが?」
栞「お姉ちゃん、もうやめて」
香里「邪魔しないでっ!はっ、まさか栞、あなた北川君と..
北川君、あなたって人は!栞までその毒牙に..」
北川「ご、誤解だ、誰も毒牙になんかかかってないってば..ぐえっ」
美汐「見事なチョークスリーパーです。まもなく落ちますね、これは」
浩之「あの、あんたたち何しに出てきたの?」

当初の目的も忘れられ、○山動物公園が修羅場と化そうとしたそのとき

謎の老人「今がその時じゃ!」
志保「わ、なになに?」
謎の老人「三人の心が一つとなった、今がその時じゃ!」
浩之「どこが一つになってるんだよ、どこが」
美汐「かなり無理のある登場の仕方ですね」
謎の老人「お嬢ちゃん、若いうちはもう少しノリがよくてもいいと思うぞ。
ともあれ、さあ今こそ汝等の力を示す時じゃ!」
香里「さあ白状しなさい、栞に$$$な事や¥¥¥な事をしたんでしょ!」
北川「なんでいつもそうなるんだよ〜」
栞「お姉ちゃん、やめて〜」
謎の老人「お〜い..」
美汐「お〜い..」
志保「お〜い..」
アイ「あのな〜、せっかく前回深遠な設定が付いたんだから、
汝等ももう少しレベルの高い行動をしろなんだよもん。
ええ加減にせんかい、の外道焼身霊波光線!」

べかべか〜

香里「はっ!」
北川「俺達は一体..」
栞「あの変な人を懲らしめなくちゃ」
アイ「ふっふっふ、やれるもんならやってみろだよもん」
謎の老人「今度こそ、今がその時じゃ!」

老人の声と共に三人を白い光が包んだ
まばゆい光が消えた時そこには...

美汐「香里さんだけになっちゃいましたけど..」
香里『な、何なのこれ?』
北川『おれは?香里の心の中にいるのか?』
栞『どうなっているんですか?』

はた目には香里が一人でうろたえているようにしか見えない。

謎の老人「ふふふ、姉の闘志、妹の慈しみ、少年の愛が一つになって
一人の超人が誕生するのじゃ。見よ、脇慕会の暫定ヒロイン代行見習い心得、
その名も《ナックル香里》じゃ!」
美汐「その名前、もう使われてますけど」
謎の老人「え、そうなの?」
美汐「はい。Kanon SS Linkを見てください」
謎の老人「そこを何とかならんかのう」
美汐「私は構いませんけど、どこで誰が見てるかわかりませんよ
第一《わきぼかい》なんてもののシンボルでは..」
謎の老人「本当に坂本真綾さんが《わきぼ》なんて言ってくれたら、
もう思い残すことはないんじゃが...仕方がない、お前はとりあえず《かおり》じゃ。
行け、かおりよ!アイを倒すのじゃ」
香里『なんで?』
謎の老人「闘わんと元に戻らんぞ」
北川『おれ、それでもいいかも』
ばきっ!かおりの頭の中で打撃音が炸裂した
香里『じゃあ仕方ないわね、そこのイロモノ女、あなたを倒すわ!』

ぶんっ!かおりの正拳がアイの胸元に決まった、かに見えた。
べきょ!

北川『いて〜っ!!!』
美汐「今の音、指の骨がいかれましたね」
香里『え?でも私は痛くないけど。..』
謎の老人「ふふふ、かおりはな、姉が力を、妹が画力を、少年が痛覚を
それぞれ司っているのじゃよ」
美汐「それでは、ここにいるのは痛みを感じない、絵の下手な三重人格の香里さん、
ということになりますね」
栞『そんなこと言う人嫌いです』
浩之「一人でトリオ漫才ができるな」
志保「今度取材に来ようかな」
アイは胸元から黒いマルチ特製鉄塊スパゲッティを取り出した。
アイ「ふっふっふ、この炭素の高分子結晶装甲の前には
どんな物理的攻撃も無力と化すんだよもん。そして更には」

ぬるん、黒い塊は剣の形へと変形した。

アイ「だよもんソードの威力を見るんだよもん」
志保「絶対、今考えたわね、その名前」
美汐「でしょうね」

げしげしげし、
アイはかおりをヘッドロックにきめると剣の柄で小突き始めた。

北川『いて、いて、いて〜よ、おい』
浩之「お前はタイガージェットシンかいっ」
アイ「さあ、とどめだよもん」

ばちばちばち...
浩之「ヤバそうだな、放電してるぞおい」

ピンチの一同、その時!

きらっ、空に一筋の光がきらめいた。
そしてその光はその強さを増しながら近付いてくる。
志保「な、何あれ?」
美汐「それを私に聞くのは酷でしょう」
謎の老人「お嬢ちゃん、どこまでも冷静じゃのう..」

どきゃっ! ぼが〜んんん!!!
光の球はアイを直撃すると大音響とともに地面に激突した。
もうもうと立ち込める土煙がおさまった時一同が見たものは
見慣れぬ衣装に身を包んだ、青い髪に眼鏡の似合う少女だった

リアン「あれ?強い魔力を感じたから、てっきりスフィー姉さんだと思ったんですが..
はっ、こっちの世界の人達に見つかっちゃいました。どうしよう...」
志保「あんた誰よ?」
リアン「あの、皆さんあまり驚いていらっしゃいませんね..」
美汐「慣れてますから」
リアン「あの〜わたし、大分魔力を消耗してしまって、このままでは姉さんを探せないので、
皆さんの魔力を少し分けていただきたいのですが...」
浩之「ああ、少しと言わず満タンになるまで吸い取ってくれ。
特にそこでノビてるイロモノは念入りにな」
リアン「すいません。ではお言葉に甘えて」

ぱぁっとリアンの体が輝き始めた。
光の尾がアイとかおりに伸びて行く。
輝きがおさまった頃には 浜辺に打ち上げられたクラゲのように伸びたアイと
合体変身が解けて三人に戻った香里達がいた。
リアン「すいません、お騒がせしました。」
浩之「な〜に、気にするなって」

リアンの姿が再びまぶしい光の球となったと思うと
次の瞬間には空高く舞い上がり南の空へと消えて行った。

志保「行っちゃった...」
浩之「あれ、あのじいさんもいないぞ」
謎の老人の姿は跡形もなく消え失せていた。
志保「ところで、あなたの愉快な仲間は大丈夫なの?」
そこには脱力してへたりこむ三人の姿があった
美汐「あまり大丈夫じゃなさそうですね。すいませんが手を貸してもらえませんか?」
浩之「ああ、一応は助けてもらったしな。志保、雅史とあかりも呼んで来てくれ」

香里達が帰った後
浩之「なあ、こいつどうする?」
水揚げされたコンブの様にぐんにゃり横たわるアイ。
志保「ふっふっふ、わたしにいい考えがあるわ。箱詰めして宅急便で送ってやるのよ、あるところに」
雅史「あるところって?」
志保「千駄木のラーメン屋『四股龍』(仮名)」
はたして、アイの運命や如何に?

翌日、名雪は通学路で片手を吊った北川に会った
名雪「どうしたの?昨日あの後なにかあったの?」
北川「言いたくない...何だったんだろう、あのじいさんは..」
名雪「あ、香里に栞ちゃんだ」
四人は合流したものの、名雪以外は口を開かない
名雪「ねえ、何があったの、みんな」
美汐「それを聞くのは酷と言うものです」
名雪「わ、びっくり」
香里「北川君」
五人の歩みが一瞬止まった。
香里「貸しなさいよ、カバン。持ってあげる」
北川「い、いいよ別に..」
香里「いいから、怪我人は黙って言うことききなさい」
カバンをふんだくると香里は一人スタスタと歩き出す。
栞「行きましょう、北川さん」
北川「うん」

再び歩き出す一同
美汐「今日はお邪魔しますね、名雪さん」
名雪「うん、昨日は疲れたよ。早く祐一も帰ってくるといいな」

再び日常を取り戻しつつある一行の上に
いくらなんでもの季節外れの雪が降り始めていた..かどうか定かではない

美汐「入園料、早く払って下さい」


第十五話「アイ決戦のとき! 『Piaキャ○ット2号店の戦い』の巻」 作:KGG (2000年5月28日投稿)
 

病をおして投稿を続ける○川某さんを激応援だ〜! KGGもがんばります。管理人の目をかいくぐり投稿します。第十五話です〜。

志保「はい、そこ、照明、もっと上よ〜。カメラはそんなもんでいいわね。あ、音響さんっ! そんなトコにマイク持っていったらカメラに入っちゃうでしょ」
琴音「長岡さん、マネージャーさんとの打ち合わせ終わりました。インタビューですけど、ウェトレスさんは、榎○さんと日○森さん、お二方が出てくださるそうです。メイクさん、今行きましから、準備まで20分ほどです」
志保「おっけー。あといろいろ打ち合わせでインタビューまで30分ってとこね。その前に、店内の様子、ざっと撮っておくわよ〜」
バイトのハズなのだが、琴音を手下に、取材クルーをカンペキにしきっている志保であった。
冬弥「なんだか、どんどん影が薄くなっていくような気がするよ‥‥‥」
志保「そこっ! ぼっとしてないっ。やる気がないなら、帰りなさいよね〜」
冬弥「長岡さんは、けっこう、くじけないタイプだね」
冬弥が、ボソッと言う。
琴音「というより、あんまり、過去の物事を記憶しないタイプのようです」
冬弥「琴音ちゃんも、もうテレビ局のバイトはしないって決めたんじゃなかったのかい」
琴音「それが‥‥‥。長岡さんがあんな調子で、やる気バリバリで、気がついたら、わたしの分までバイト申し込まれてたんです‥‥‥」
冬弥「‥‥‥。お互い、苦労するよね」
などという会話も、志保は、まったく気がつかない様子だ。
志保「まったく、今時、こんなレストランの取材なんて、シケてるわよねぇ。しかも、これがゴールデンアワーに放送さちゃうんだから、都会のローカル放送局ってなんていうかってカンジよね〜」

ここは、郊外にあるとあるファミリーレストラン。「ああ野○峠」も真っ青の極悪労働条件を歌っていながらなぜか異様にノリのいいテーマ曲に合わせて、明るい制服に身を包んだウェイトレスたちが忙しく立ち働く。Piaキャ○ット2号店。

取材の準備も忙しいそのファミレスへ、見慣れない制服の高校生の一団が入ってきた。取材は営業を妨げないという条件で、レストランは、もちろん、通常営業中なのだ。

北川「でも、今時、東京に修学旅行なんて、ないよなぁ。これじゃ、まるでおのぼりさんだよ〜」
香里「そうね。海外とは言わないから、せめて、沖縄とかにしてほしいわよね」
名雪「いちごサンデー‥‥‥」
どうやら、地方からやってきた修学旅行の学生らしい。
北川「祐一のやつ、せっかくの修学旅行の日まで戻ってこなかったよな」
美汐「いろいろ事情があって、帰宅が遅れているようです」
名雪「わっ、びっくり」
いつの間にか、三人の後ろには、美汐がいた。
美汐「そこらへんは、深く突っ込むと悲しむ人が大勢いるので、タブーです。今のところは、6月9日帰宅予定となってるようです。くじけず、みなさん予約してください」
北川「どうでもいいけど、おまえ、どこからわいて出たんだ」
香里「そうよ。下級生のあなたがどうして修学旅行のわたしたちと同じところにいるのよ」
美汐「『どうして?』と私に聞くのですか? そんな酷なことはないでしょう」
北川「答えになってないぞぉ」
香里「とりあえず、突っ込むなということかしら?」
美汐「それを私に答えさせるのは、酷というものです」
名雪「いちごサンデー‥‥‥」
などと話しているところへ、労働基準法違反じゃないかと思われるくらい小さなウェイトレスがやってくる。
美奈「お客様、ご注文が決まりましたら、お声をおかけください‥‥‥って」
と、そのとき、美奈がつまずく。彼女の手にはトレイとその上に水の入ったグラスが4つ。
北川「げっ」
倒れる‥‥‥。彼女のトレイの真下にいた北川は、一瞬死を覚悟した。東京へのおのぼりさん的修学旅行だというだけでも恥ずかしいのに、その上、ファミレスで水をかぶるのだ。みっともないずぶぬれの格好でホテルまで帰るのだ。彼の脳裏には、都会の人間の冷たい視線のなか、田舎モノとさげすまれる自分の惨めな姿が走馬燈のように駆けめぐった。そうなったら、もう死ぬしかない。
だが、しかし、北川が恥ずかしいさらしモンにされることも、そのせいで世をはかなんで自殺することも、なかった。宙に舞うかと思われたトレイは、しっかりと、若いウエイターの手にあった。

美奈「あ、ありがとう、耕治さん‥‥‥。ミーナ、いっつも、ダメダメで‥‥‥」
耕治「いや、いいって。いつも美奈ちゃんは、一生懸命だもんな」
美奈「そんな‥‥‥」

北川「‥‥‥」
香里「‥‥‥」
美汐「‥‥‥」
名雪「わたしは、いちごサンデー」
北川「なんか、客を無視して‥‥‥」
香里「勝手にいい雰囲気よねぇ」
美汐「こういうキャラに、それを指摘するのは酷でしょう」
名雪「いちごサンデー、ひとつ」

そのときだっ!
どこからともなく、それまで鳴っていた軽快なゴー○ーウ○イトレスを打ち消すような、間の抜けたどこか演歌ふうの音楽が鳴り響く。そして‥‥‥。

「そこまでだよもんっ!」

きらきら〜ん。
がらがらがっしゃ〜ん。
そのとき、まばゆい光とともに現れた無骨な黒いおやぢチャリが、レストランの大きなガラスをぶち割りながら、店内に突っ込んできた。飛び散るガラス! 吹き飛ぶテーブル! 舞い散る椅子っ! 一瞬にして、明るい午後のファミリーレストランは、阿鼻叫喚のるつぼと化した。
砕けたコンクリートのもうもうとした埃が収まるとそこにすっくと立っていたのは‥‥‥。

アイ「 余は永遠の世界よりやって来ただよもんド=アイ! 正統なるヒロインの正当なる評価を正当なる権利を守るために戦う正ヒロ会の精だよもんっ」

そう、それは、我らがだよもんド=アイ。前回、北海道から箱詰めされて宅急便で千駄木のラーメン屋『四股龍』(仮名)に着払いで送られたはずなのだが‥‥‥。

アイ「それは、また別のお話なんだよもん」

‥‥‥だそうだ。

アイ「ちなみに、こわれもの扱いになってなかったから、とっても大変だったんだよもん」

ご愁傷様である。

アイ「それは、さておき、だよもん。そこなる少年よ、そんなかわいいだけのソフ倫コードぎりぎりのロ○コ△キャラになんかうつつをぬかしててはダメなんだよもん‥‥‥って、少年がいないんだよもん」
北川「おまえがはねてる。思いっきり」
香里「自転車にはね飛ばされた後、降ってきたテーブルの下敷きになっているわね」
美汐「ガラスやモルタルやコンクリートの破片に埋まってます。そこまでされるのは酷でしょう」
名雪「いちごサンデー‥‥‥」
アイ「‥‥‥。ま、それは、それでいいんだよもん。不可抗力だよもん」
北川「いいのか?」
香里「正ヒロの戦士の目的って‥‥‥」
アイ「それより、そこなる脇役ヒロインだよもん」
アイが、ビシッと指さすと、その場に倒れていた美奈が、ビクリと身を震わす。
アイ「正体を現せっ。さすがに都会は電波の入りがいいんだよもんのサテライトパワー外道焼身霊波光線‥‥‥」

香里「北川くん、変身よっ!」
北川「美坂、あれほどイヤがってたくせに、なんでそんなにノリがいいんだ。でも、ヤバいぞ。栞ちゃんがいなくちゃ《かおり》になれない」
香里「そ、それは、そうね‥‥‥」

「ゆるせませんっ!」

そのときだった。先ほどまで震えているだけだった小さな少女が、アイの前に立ちふさがる。

美奈「大切なお客様に迷惑をかけ、わたしたちのお店をめちゃめちゃにして、その上、耕治さんの命まで奪って。ミーナは、あなたのこと、絶対、許しませんっ!」

北川「あのウエイター、まだ死んでないよな、きっと」
美汐「このノリで、それを指摘するのは酷でしょう」
香里「お約束ってことね」
北川「でも、このまんまじゃ、あの子もやられちゃうぞ」
香里「困ったわ‥‥‥」

「案ずるでない‥‥‥」

そのとき、どこからか、聞き覚えのある老人の声がした。
白い光が、北川、香里、そして、美奈を包む。そして、その光が消えたそこにはっ!

かおり「イカレたビジュアルで世間を惑わし、キテレツな言動で、人々に感動を与えるハズのゲームの世界をめちゃくちゃにする、ヘンタイ色モノ女っ! 《かおり》になったからには、その好き勝手な行動、絶対に許しませんっ!」
アイ「出たんだよもん。そっちだって、ヒステリー根暗の凶暴女キャラだよもん。それに、このページは、正ヒロ会公認の余のページだよもん」
かおり「それも、今日限りよっ!」

謎の老人「ほっ、ほっ、ほっ。こんなこともあろうかと思って付けておいた《かおり》の特殊機能じゃ」
美汐「『緊急時用他の脇役ヒロイン取り込み機能』ですね。キャラクターのバラエティーに富むという正ヒロにない脇役ヒロインの魅力を生かした必殺の機能です」
謎の老人「脇慕会の暫定ヒロイン代行見習い《かおり》非常事態バージョンその一、Piaキャ○版!」
美汐「名前が長すぎます」
謎の老人「‥‥‥そ、そうかの。ま、この際、許してくれないかのォ」
美汐「‥‥‥嫌です」
謎の老人「それは、お嬢ちゃんのセリフではないがの」
美汐「それを言うのは酷でしょう」

北川「なるほど。緊急事態の時には、手近な脇役キャラに応援してもらえるんだな」
香里「脇役キャラは、全国いたる所に大勢いるから、これはわたしたち、断然有利ねっ」
美奈「いったい、何が起こっているんでしょう‥‥‥」

志保「これは、ニュースよ、スクープよっ。さ、カメラ、こっち回してっ!」
冬弥「ああ、なんでこんなことまでしなくちゃ‥‥‥」
琴音「長岡さん、ああなったら、ケシ炭になるまで止まりません」
志保「我々は、真実を伝えなくちゃいけないのよ。報道の義務よっ、心よっ、魂よ〜っ!」
美汐「そんなことより、実況の長岡さん、はやく、解説の私たちを紹介してください」
志保「?」
いつのまにか、志保の横にはテーブルが置かれ、そこに美汐と名雪が座っていた。
美汐「ちなみに、本来なら、解説は私一人で十分なのですが、それでは、全国の正ヒロファンの方々の批判をかわせないということで、形だけでも、水瀬さんに正ヒロ側解説として入っていただくことになりました」
名雪「わたしのいちごサンデー‥‥‥」
志保「よくわからないけど、基本的に巨○よりのくせに無理して相手チームの関係者を解説に入れる日○テレビの巨○戦中継みたいなカンジね」
美汐「それを言うのは酷というものです」

一方、その頃、《かおり》の中では‥‥‥。
北川「いつもの見知ったメンバーもいいけど、なんか、こういうのも新鮮でいいよな。あ、オレ、北川潤っていいます。キミは?」
美奈「え、わたしですか。ええと、日○森美奈です」
北川「美奈ちゃんかぁ。いい名前だな。ミーナって呼んでもいいかなぁ。オレも、潤って呼んでくれていいから。その制服もかわいいよね」
美奈「はあ‥‥‥」

いつのまにか、美奈の手を握っている北川。ちょっと怯え気味の美奈。

香里「き〜た〜が〜わ〜く〜んっ!」

ゲシッ、ゲシッ、ゲシッ、ゲシッ!
かおりが、突然、意味もなく、拳で壁をたたき壊す。
かおりの中で、北川がのたうち回る。

北川「いで、いでっ。うわ〜。せっかく、骨がやっとつながったのに〜」
美奈「?」

アイ「なにやってるんだよもん。汝が戦う相手は、この余だよもん」
かおり「わ、わかってるわよっ。ちょっとしたウォーミングアップよっ」
アイ「なら、さっさと勝負するんだよもん」
かおり「もちろんよ。ここは、レストランらしく、食べ物勝負よっ。いいわねっ!」
アイ「受けて立つんだよもんっ!」
かおり「先手必勝っ! いくわよっ。名雪のお母さん、秋子さんのジャム攻撃っ!」

そのとき、どういうタネか仕掛けか、アイの立つその上、天井から、突然、オレンジ色のどろどろした液体が降ってきた。ホラーでいえば、豚の血を浴びるキャリー、ギャグでいえば、バケツいっぱいの小麦粉を浴びる往年のドリフターズってとこか。

志保「アイ、頭から、ジャムべったり。なんか、よくわからないけど、すごそうね。とりあえず、ジャムと言いつつ、ぜんぜんジャムの匂いじゃないのがヤバさ300%ってカンジかしら〜」
美汐「あれを浴びるのは酷でしょう」
志保「あれってアイも相当つらいってこと? どうです、正ヒロ解説の水瀬さんっ」
名雪「‥‥‥」
志保「‥‥‥。ちょっと、あんた、大丈夫? 顔色悪いし、震えてるじゃん。おまけにそれ、冷や汗?」
名雪「こわいよ〜。こわいよ〜。お母さんのジャムは、こわいよ〜」
志保「‥‥‥。とりあえず、こっちの正ヒロには、ダメージ十分ってカンジね」

アイが、マントを一振りする。アイのまわりに光が輝くと、アイの全身を覆っていたジャムがぱっと飛び散る。瞬間、散った先で謎のジャムをかぶったまわりのギャラリーから悲鳴が上がる。

ギャラリー1「うわ〜、目が〜」
ギャラリー2「ひぇ〜、皮膚がとける〜」
ギャラリー3「床に穴があくぞ〜」
ギャラリー4「ママ〜っ」

ジャムの飛び散ったところでは、異臭と共に煙も上がっている。

志保「‥‥‥。あれ、ホントにジャム? 食べ物?」
美汐「それを聞くのは、酷でしょう」
名雪「お母さんのジャムは、こわいよ〜」

アイ「やっぱり、ヤバかったんだよもん。ヘンな老人からもらったマントがあってよかったんだよもん」
かおり「やっぱり、あの程度ではだめね」
アイ「今度はこっちからいくんだよもん。食らえっ、伝説のち〜様お弁当攻撃、性格反転キノコ入りっ!」

志保「あ、あれは、リーフ伊丹開発室最強と言われる伝説の正統ヒロイン、柏木千鶴のお弁当っ! これは、怖いわよ〜」
美汐「怖いんですか?」
志保「猫のたまも、いちころよっ」
名雪「くー」
名雪は、秋子さんのジャムの恐怖が去った安心感からか、もう眠っていた。

北川「なんだ、この食い物は? っていうか、これは、本当に食い物なのか〜。それより、やっぱり、こういうダメージもオレのところにくるのか〜」

かおり「く〜っ、こんなものっ」
アイ「なかなかやるんだよもん。さすが、ライバルだよもん」
かおり「当然よっ。この程度では、まだまだよっ、だよもんド=アイっ!」

北川「お、おまえは、まだまだでも、オレは、もうダメだ〜」
美奈「しっかりしてください、北川さんっ」
香里「死んで脇慕会の礎となるのよ、北川くん」
北川「それはないよ〜、美坂〜」
美奈「よくわからないけど、ミーナ、北川さんのこと、忘れませんっ」

その後、アイと《かおり》の戦いは、三日三晩にわたって続いた。

志保「ねむいのよ〜。報道よ〜。真実なのよ〜」
琴音「わたし、お風呂、入りたいです」
美汐「あっ、今のは、アイ、そうとうのダメージですね。あれをやられるのは酷でしょう」
志保「‥‥‥。なんで、あんたは、そんなに元気なのよ〜」
美汐「それを私に聞くのは酷でしょう」
名雪「くー」

 完全な無人の荒地と化したPiaキャ○ット2号店跡。アイと《かおり》の戦いの結末がどうなったのかは‥‥‥誰も知らない‥‥‥。

 東京に、季節おおはずれの雪が降り始めていた‥‥‥。東京なので、交通が麻痺し、都市の機能が止まり、人々がマジで、死の危機に瀕したことは‥‥‥このさい、あまり関係ない。

あゆ「祐一くん。ボクのさがし物は、なんだか、永遠に見つかりそうにないよ‥‥‥」


第十六話「『正ヒロ地獄変! 我が行くは修羅の道』の巻」 作:○川某 (2000年5月30日投稿)
 

え〜とってもみっともない誤植があったので投稿し直しました

祝!掲示板に久しぶりに新顔さん登場記念
第十六話『正ヒロ地獄変! 我が行くは修羅の道』の巻

唐突だが、ここは喫茶『HONEY BEE』

健太郎「泰久さん、リアンはどうです。もう店の仕事に慣れましたか?」
泰久「ああ、結花のやつも妹ができたみたいで嬉しくてしょうがないみたいだ。
   最近はリアン目当てらしい客もよく来るんだよ。」
健太郎「それじゃお客さんも増えたんじゃ」
泰久「ああ、確かに増えた気がするな。この御時勢にありがたい話だ」
健太郎「じゃあ今日は久しぶりに俺も手伝いましょうか? どうせ五月雨堂は今日休みだし」
泰久「ありがたい、お願いするよ」

からんからん、店内には三人の客が丁度入ってきたところだった

みさき「ホットケーキ、楽しみだね」
茜「すみません、私にも声をかけてもらって」
みさき「澪ちゃんから里村さんは甘いものには目がないって聞いたからね。
    あ、どうせなら浩平君も誘えばよかったかな」
茜「いえ、誘ったんですけど、今日は七瀬さんが来るから行けないって」
みさき「ごめん、余計なこと言っちゃったかな」
茜「そんなことないです。それよりホットケーキに今は集中しましょう」
澪『早く注文するの』

そこへ結花が水を持ってやって来た

結花「いらっしゃいませ。はっ.....」
結花は驚いた様に澪を見ている
澪『? ...』
結花「か ...」
茜「あの、どうかしましたか?」
結花「か ....」
みさき「ねえ、なに、どうしたの?」
結花「かわいい〜〜〜〜〜!!!」
ぎゅううう〜
渾身の力で澪を抱き締める結花
結花「かわいい、かわいい、このコかわいい〜!!!」
じたばたじたばた 釣り上げられたカツオの様にもがく澪
澪『ぐええ〜なの』

その時、健太郎達が異変に気付いた
健太郎「まずいっ!スフィー、リアン行くぞ」
リアン「は、はいっ」
スフィー「あれはほんっとに苦しいんだよ〜」

三人がかりで結花を澪から引き剥がした健太郎達であった
リアン「お客様、どうもすみません、すみません」ぺこぺこ
健太郎「お前は客を殺す気かいっ」
結花「だって〜あのコ可愛かったんだもん...」

騒動も一段落しホットケーキ十二段重ねに取り掛かるスフィー
スフィー「へっへー、いただきま〜す」

茜「本当においしそうですね」
澪『早く食べたいの』
みさき「香りだけでもおいしいってわかるよ」

せっせと力仕事にはげむ健太郎。とりあえず一段落ついた様だ。
健太郎「泰久さん、食材運んどきました」
泰久「おう、ありがとう。終わってすぐで悪いが食器洗いも頼めるかな」
健太郎「はい。お〜いスフィーお前も少し手伝って..って、げっ」
スフィーはホットケーキの食べ過ぎで動けなくなっていた。
慌てて駆け寄る健太郎達
健太郎「ばかやろ、無理して食べても仕方ないって前に言っただろ」
スフィー「だって、あのコ達があんなに食べてるから、つい張り合っちゃって..」
健太郎・結花「げっ!」

そこには、まるでわんこそばの様にホットケーキを平らげる茜とみさきの姿があった
澪はとっくにギブアップしていたが。
澪『まだ食べるの?』
茜「甘いものは別腹といいますし。生地の焼き上がり具合とシロップの組み合わせが絶妙です」
みさき「バターもいいもの使ってるよね。まだ腹八分目だよ。すいません追加オーダーお願いしま〜す」
リアンは働きアリのようにホットケーキを運んでテーブルとキッチンを往復している

結花「スフィーより食べるコが二人もいるなんて...」
健太郎「とにかく、スフィー大丈夫か?」
リアン「姉さん、奥の部屋で休みましょ」
スフィーを連れて行く健太郎とリアン。

そのときだしぬけに呼び鈴が鳴った
ぴんぽ〜ん「宅急便で〜す」
結花「あ、は〜い、今行きま〜す」

とたたた...裏口に廻る結花
理緒「受領書にハンコをお願いします」
結花「はい、いつもご苦労様。あなたが一人で配送してるの?」
理緒「あ、いえ、私まだ高校生ですから、配送の助手です。
   この仕事はきついけどお給料がいいんですよ」
結花「感心ね〜。あ、そうだ、暑かったでしょ?アイスティーもって来て上げる」
理緒「すみません、じゃあお言葉に甘えて」
結花「いいの、いいの。にしても何だろ、この荷物。やけに大きいわね」

健太郎「どうだスフィーの具合は」
リアン「はい、どうやら大丈夫そうです」
健太郎「本当にリアンは姉さん思いだな」
リアン「はい、スフィー姉さんは私の大事な人ですから」
健太郎「リアンのそういう優しいとこ、おれは好きだな」
リアン「やだ、急に何を言うんですか。からかわないで下さい」
顔がもう真っ赤になっている
健太郎「すぐ照れる、そういうとこもかわいいな」
リアン「・・・・・」

「そこまでだよ!」
ぼが〜ん!!叫び声と共にダンボールが爆発した
健太郎「な、何だ!?」
リアンと健太郎が駆けつけたとき、もうもうとした煙の中に立っていたのは・・・
結花「な、何なの、あなたはっ?」
アイ「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ、余の名は正ヒロ会の使者だよもんド=アイ!
   そこの青年よ、こんなメガネっコのネコ耳イベントなどと言う超ド級狙い過ぎキャラに
   うつつを抜かしてはダメなんだよもん」
リアン「あ、この前はどうも。おかげで助かりました」
アイ「な〜にが、助かりました、だよもん。汝とあのパパラッチ娘のせいで
   あの後、余がどれだけひどい目に遭ったと思ってるんだよもん。
   ラーメン屋のオヤジにはスープのダシにされるし
    (※女子高生スープの評判で店は繁盛した)
   麺の泉は取り上げられるし、あまつさえ女房にされるところだったんだよもん。
   魔力は吸い取られてたし、警察に電話しても相手にしてくれないから
あの時は自力で隙を見て逃げたんだよもん」
健太郎「リアン、こいつもグエンディーナからやって来たのか?」
アイ「余をそんなリアリティのない連中と一緒にするなだよもん。
   さあ、今リベンジの時だよもん。日輪の力を借りて、外道焼身霊波光線!」

べかべかべか〜!
以前と比べて何か変な色の光がリアンを照らす

リアン「きゃっ、まぶしい」
アイ「この前三日三晩ぶっとおしで闘ったから光線のイキが悪いんだよもん。
ま、何はともあれ汝の正体見たり、前世魔人ふきふき娘!」
理緒「何ですかそれは?」
アイ「ふふふ、そこの青年がこれからすることだよもん」
健太郎「ななな、何を言うんだ一体・・」
結花「天誅!」
健太郎「ぐへっ!」
結花のハイキックが健太郎を捉えた!
結花「健太郎〜、あなたリアンに何をしたの〜?」
健太郎「な、何も俺はしてないぞ〜」
リアン「結花さん、やめてください〜」
何か、どこかで見た様な光景が展開されつつあった

ばたばたばた 騒ぎを聞きつけた澪と茜がやってきた
(みさきはまだホットケーキを食べている)

澪『あ、お久しぶりなの』
茜「長森さん、しばらく休んでましたけどどうしてたんですか」
アイ「げ、汝等も来てたんだよもん。よりによって一番会いたくないのが」
結花「あなた達、こいつと知り合いなの〜?」
健太郎「何なんだ、あんた達は?」
茜「はい、彼女は高校のクラスメートの長森端佳さんです。
  あ、ちゃんと三角巾を使ってくれているんですね。でも随分汚れて変な色になってます。」
アイ「う、うるさいだよもん。あのラーメン屋にいれば誰だってこうなるんだよもん。
   それと長森端佳って呼ぶのはやめろだよもん。そんなヤツ知らないんだよもん。」
茜「長森さん、馬鹿なことはやめて早く帰りましょう」
アイ「だから〜、余は深遠なる設定を背負った正ヒロの守護神だよもんド=アイだよもん。
   こうなったらそこにいる魔法娘の魔力をいただいてパワーアップするんだよもん。
   あれ、急にいなくなったんだよもん」
リアン「あの、私こっちの世界へ来てから、時々姿が見えなくなるんです」
アイ「なんて非常識なやつなんだよもん。姿を見せろだよもん」
スフィー「こんにゃろ!」
ばきゃっ!鈍い音がしてアイがばったり倒れた
スフィー「リアンをいじめる奴は許さないんだから」
健太郎「ふう、どうなるかと思ったよ。ん、スフィー その割れた壷は...」
スフィー「うん、殴るのにちょうどよかったどんきだよ」
健太郎「そうじゃなくて、この前骨董祭りで買ったAランクの良品...」
スフィー「とっさのきてんってやつだね」
笑顔のスフィーを見ながら脱力する健太郎の耳に、どこからか歌が聞こえて来るような気がした...

茜「あの、よかったら私にあとは任せてもらえませんか」
結花「ええ、もう好きにして。何か言う気力もないわ...」

一方店内に残されたみさきは
みさき「う〜淋しいよ〜、澪ちゃん、里村さん早く戻ってきてよ〜」

その茜はというと
茜「はい、ではこの住所に至急届けてください」
理緒「いいんでしょうか、こんなこと」
茜「ここまで持ってきたじゃないですか。いまさら事を荒立てたくはないでしょう。」
働き口を失うのが怖いのか、迫力に押されたか、理緒はあっさり茜の指示に従った
澪『あれ、その三角巾』
茜「洗って後で返してあげます」


一方こちらは小坂家の玄関
二人揃って帰って来た浩平と七瀬
留美「今日は叔母さんはいないの?」
浩平「ああ、いつものことだけどな」
留美「じゃあ、晩御飯はわたしが作ったげるわ」
浩平「大丈夫なのか」
留美「言ったな〜、食べて驚きなさい。ん、何これ?」

ドアの前に無造作に大きなダンボールが置いてある

浩平「何だろ、この荷物。開けてみるか」
留美「げ、何これ?」
浩平「な、長森?」
留美「おりはら〜、何なのこれは?」
浩平「知らん、俺は知らんぞ」
留美「じゃあ何で端佳が箱に入ってんのよ」
浩平「だから知らないって」
留美「どおりで端佳が最近休んでると思ったわ。
   あなたにも、誘拐は割に合わない犯罪だって教えてあげるわ」

何も知らず眠り(のび)続けるだよもんド=アイ
その行く手にこれからも待つはイバラの道。
新たな戦いのその時まで、眠れ、だよもんド=アイ。
どうせ今起きても待つのは修羅場だ、眠れ、だよもんド=アイ!


補編その四「脇募会出張版」 作:SIO(皇帝か何か) (2000年5月30日投稿)
 

SIO「SIOです。こっちではすっかりご無沙汰してます〜」
総長「引退したのだから当然じゃろう」
SIO「うーっ。私は他の方々に比べて体力とか集中力とか才能とか心身の健康とかが
    足りないんですよう。唯一勝てそうなのがはっぱ系キャリアの長さと所蔵同人誌の
    数くらいで」
総長「キャリアはともかく同人誌の数は○川某の協力あってじゃろうが。
   おまけにまじ☆アンの攻略も未だに半分以下とはのう」
SIO「でもそのおかげでリアンは差分ファイルに間に合ったんですよ〜」
総長「まあこのへんにして本題に入ろうかの。SIOは相変わらず橋本真也なみの
   煮え切らない引退状態なので、せめてもの代わりにアイの近作について
   勝手に解説なりツッコミなりを入れてみようというものじゃ」

>第12話 「家政婦(メイドロボ)は見た!アイよ老人介護問題を斬れ」(○川某さん)

SIO「文字化け事件のせいでマジに「幻の12話」になりかけたんですよね。
    しかしあらためてタイトルを見るとヒドイこと言ってますねえ」
総長「N嶋のアレは天然だか年齢のせいだかもはや区別がつかんのじゃがの。
   にしても背番号変更の裏にこんな事情があったとは吃驚じゃ」
SIO「田沢さんの源氏名(違うか)がリック=ドムとは笑いましたね。
    何でもこのためにドムの正式名称をネットで調べたそうですよ」
総長「で、このあと家の中の部屋の紹介で長男と次男と・・・」
SIO「そこは跳ばして次いきましょ次っ!(慌)
    このときの正体が「限定魔人テラジョサイ」でしたけど、このネタに間に合わす
    ために何としても連休が終わる前に投稿するべくご苦労があったようです」

>番外編 誕生!だよもんド=アイ!「余の名はだよもんド=アイ!」(KGGさん)

SIO「これはやられましたね〜。まさかKGGさんがアイのサーガで来るとはね」
総長「SIOは相変わらずじゃったし、○川某も大作かつ問題作(?)をものした後で
   しばらく燃え尽き状態が続いておったので、痺れを切らしたのかもしれんの」
SIO「KGGさん、ち〜様を出したがってる節もありますね」
総長「お前も他人面しとらんで梓でも出して書いたらどうじゃ」
SIO「・・・それには体力と集中力と(以下略)」

>第14話「北の国から2000 三位一体攻撃」(○川さん)

総長「○山動物公園の描写が結構リアルじゃったの」
SIO「○川某さん、実は動物とか魚とかの生き物にもけっこう詳しいんですよ。
    子供の頃はそういう図鑑とか愛読してたみたいですね」
SIO「あと三人組の「聞いて驚け!」「見て笑え!」ってのは「おじゃる丸」での
    子鬼トリオの決め台詞ですね。子鬼トリオはおじゃる丸から閻魔大王の杓を
    取り返すために毎回表れるんですが、使命達成率は限りなくゼロに近いものだから
    「これじゃアイと一緒だよな」とか言ってたものでした。ちなみに私は貧乏神の
    貧ちゃんが好きですが・・・って誰もきいてないか」
総長「「エルボーはバイオレンス」ってのは船木×ヒクソン戦でヒクソン陣営が相変わらずの
   ワガママで結局貫き通したルール問題じゃな。ヒクソンに対しては桜庭に是非リベンジ
   してもらいたいところじゃ」
SIO「今の桜庭にそれを言うのは酷でしょう。TV「情熱大陸」でも見ましたけど何だかんだ
    言っても実はもの凄いダメージが残ってるみたいですし」

>第15話 アイ決戦のとき!「Piaキャ○ット2号店の戦いの巻」(KGGさん)

SIO「KGGさんが今度は本格ギャグ作品で来たってのも結構インパクトありましたねえ」
総長「往年の名レスラー・ニックボックウィンクルの懐の深さを示すセリフ
   「私は相手がサンバで来るならサンバで、ロックで来るならロックで対抗できる」
   とかいうのを思い出すのう。前の作品をキッチリと踏襲してくれてるんで、○川某も
   感心しとったようじゃな」
SIO「私そーゆーの負担で何も書けなくなっちゃうか無視しちゃうかなんですよねー」
総長「ちゃんと前の作品を熟読すれば済む事じゃろうが」
SIO「・・・で、ジャム攻撃のシーンですけど、キャリーを例えに出すあたり、ホラーの
    人に対してもさりげない配慮が見られますね」
総長「ワシはもっとB級マイナーな70年代ホラー映画「魔鬼雨」を思い出したがの」
SIO「年がばれますってば」

>第16話 「正ヒロ地獄変!我が行くは修羅の道」(○川さん)

SIO「間髪を入れない新作ラッシュでしたねえ。ぢつはKGGさんの15話を想定しないで
    ○川さんは週末に新作をほぼ書き上げてたんで、慌てて一部修正したようですが」
総長「だから面白いんじゃな、連続投稿小説は」
>結花「かわいい、かわいい、このコかわいい〜!!!」
>じたばたじたばた 釣り上げられたカツオの様にもがく澪
>澪『ぐええ〜なの』
SIO「結花と澪のこのカラミがいかにもで楽しかったですねえ」
総長「脇慕会としては先を越されてしまったのう。しかしこういうシーンこそビジュアル化
   したいものじゃ」
>リアン「あの、私こっちの世界へ来てから、時々姿が見えなくなるんです」
SIO「例のバグ、今の差分ファイルで解消できるんですけどねー」
総長「・・・発売日に購入したユーザなら一度はそのバグを経験してるのが普通なんじゃがの」
SIO「あうーっ」
>留美「(略)誘拐は割に合わない犯罪だって教えてあげるわ」
SIO「第12話でも出てきたこのフレーズなんですけど・・・」
総長「malcomX先生も描いておられる新なんか党の同人誌「○学○年生」のMumei作品で
   出てきたフレーズじゃの。内容はここでは言えないような鬼畜物なんじゃが」
SIO「そ、そうなんですか?ぼくはおとなのいうことはよくわかりません」
総長「そんな事言っとると同人誌を送ってもらえなくなるぞ」
SIO「ひぎいっ」
総長「ひぎいっはやめときなさい。そんな擬音をどこから覚えてくるんじゃ全く」
SIO「はい〜」

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