みなみ歯科医院
 
 

ホワイトニング

 
右の写真はバラ(フロリバンダ系)の名花のひとつ、アイスバーグです。白い花をたくさん咲かせる姿はじつに見事ですが、よくよく観ると花の色はまっ白ではありません。微妙に黄色味がかっていたりピンク色っぽかったりします。

 歯の色も同じように決してまっ白ではなく、黄色や赤、グレーなどの色がほんのわずかですが含まれており、透明感もあるので立体的に見えます。芸能人や有名人がよく歯をまっ白にしていますが、これは平面的で異常な白さであり自然な白い歯とはいえないのです。着色や変色により汚くなった歯を、まったく削らずに自然で健康的な白い歯に変えるのがホワイトニングなのです。


 ホワイトニング(歯を白くすること)には、いくつかの方法があります。

・クリーニング(PMTC):機械的に歯の汚れを落とし、本来の歯の色に戻す方法。

・マニキュア:歯の表面に白いマニキュアを塗り、一時的に歯を白くする方法。

  セラミックの粒子を含む樹脂を塗って固める方法もあります。

・漂白(ブリーチング):歯に薬剤を作用させて漂白する方法。

・ラミネートベニア:歯の前面を一層削り、セラミックを貼りつける方法。

・セラミッククラウン:歯の全体を削り、セラミック製の人工歯をかぶせる方法。


 歯に人工的なものを塗ったり貼ったりせずに、歯の質そのものを白くできるのは漂白(ブリーチング)だけで、ホワイトニングといえばこのブリーチングをさすこともあります。



1.なぜ白くなるのか


 ホワイトニングで使用する薬剤(過酸化水素、過酸化尿素など)が歯の表面で分解して活性酸素(フリーラジカル)を発生し、これが歯の中へ浸透して着色成分を無色化することと、エナメル質の構造を変化させて白濁化させることの2つが、歯を白くするメカニズムと考えられています。

 歯の表面を覆うエナメル質は透明ですから、着色が無くなっただけでは下層の象牙質の黄色い色が透けて見えるために白くはなりません。そのためにはエナメル質をすりガラスのように白濁化して、中の象牙質の色を見えにくくしなければならないのです。ただし白濁化が過度に生じると天然歯特有の透明感が失われ、かえって審美性を失いますので、適度な透明感を残す限界内にとどめなければなりません。



2.なぜ歯は変色するのか


(1)外因性の着色:歯の表面に付着した外来性の色素は当然歯を変色させます。

 着色物質には、コーヒー・紅茶・ウーロン茶、緑茶・赤ワイン・カレーなどの食用色素、タバコのタール

 などがあり、歯石、歯垢などの沈着物も歯を汚らしくします。これらの外因性色素はPMTCで充分落とせ

 ますが、ホワイトニングを併用すると一層効果的です。


(2)内因性の変色:幼少期にテトラサイクリンを服用すると、成長段階に応じて縞状に褐色の変色が現れ

 ます。またフッ素の過剰摂取による斑状歯、アマルガムなどの金属の詰めもの、歯の神経の除去などは内

 因性の変色の原因となりますが、これらは歯の内部のエナメル質や象牙質自体が変色するものです。


(3)加齢:高齢化にともない歯の黄ばみが目立つようになりますが、これは病的なものではなく加齢によ

 り歯の色調が濃くなる生理現象です。


(4)遺伝:生まれながらに歯が黄ばんで見える人がいらっしゃいますがこれも病的なものではなく、肌の

 色や髪の毛の色が遺伝するのと同じことです。



3.ホワイトニングの種類


(1)オフィスホワイトニング:歯科医院内で行なう方法で、薬剤を歯面に塗布したあと光重合ライトをあ

 てて漂白します。通常1〜3回の来院が必要で、1回の処置時間は30分から1時間くらいです。

 即効性があるのですぐに白くしたい方や部分的にホワイトニングしたい方にお勧めします。

 ただし、使用する薬剤濃度が高いため一時的に知覚過敏になってしみやすく、また白濁が強くなりやす

 い、後戻りしやすいなどの欠点があります。


(2)ホームホワイトニング:患者さん自身が家庭で行なう方法で、現在主流となっているやり方です。

 歯科医院で歯形をとり専用のカスタムトレーを作製して、これに自分で薬剤を注入し歯に装着します。

 トレーの装着時間は1日につき1時間から2時間で、2週間程度の期間が必要です。


  <ホームホワイトニングの長所>

 ・使用薬剤の濃度が低いため、安全性に優れる。

 ・透明感がある自然な色調に改善できる。

 ・前歯だけでなく奥歯も漂白できる。

 ・後戻りが少なく、白さが長持ちする。


 <ホームホワイトニングの短所>

 ・即効性に欠けるため、効果が現れるのに数日かかる。

 ・薬剤やトレーに対して違和感がある人がいる。

 ・毎日行なう根気が必要。



4.ホワイトニング時のトラブル


(1)知覚過敏:薬剤の刺激で歯の神経が過敏になるために生じるもの

 で、オフィスホワイトニングの方が頻度は高いようです。知覚過敏防

 止剤を塗って対処しますが、 多くは一過性ですのでホワイトニングを

 終了すると自然に治ることが多いです。

 

(2)歯肉の白濁化:薬剤が歯肉に付着することによるものですが、こ

 れも一過性で1日から数日で治りますので心配いりません。


(3)歯の白濁化:白濁化は薬剤濃度が高いオフィスホワイトニングで強く生じやすいものです。ホームホ

 ワイトニングでは低濃度の薬剤を時間をかけてじっくり漂白しますので、自然な色調に仕上がるのです。

 エナメル質に白濁化が起きても、長期間経過すると唾液の作用で再石灰化しますので透明感が戻ってきま

 す。


(4)色の後戻り:ホワイトニング後、時間の経過とともに徐々に後戻りする傾向があります。後戻りの程

 度や後戻りするまでの期間は人それぞれで一概にはいえませんが、期間は目安として3ヶ月から6ヶ月程

 度です。後戻りしたらホワイトニングを再度行ないますが、ホームホワイトニングでは以前につくったカ

 スタムトレーを使えますので簡単に行なえ、必要な日数も初回よりは少なくて済みます。



5.ホワイトニングの費用


 ホワイトニングには健康保険は効きませんので、費用はその歯科医院によって異なります。

当院の場合、ホームホワイトニングは上・下顎のうちどちらか片方で 21,000円、両方で 31,500円です。

オフィスホワイトニングは行なう歯の本数や回数によって異なりますので、詳しくはお問い合わせください。




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