バネなし義歯について

 

 保険適応の義歯は金属のバネ(クラスプ)があるため、見た目が悪く入れ歯を使っていることがすぐに分かってしまう、舌や唇にひっかかるのが気になる、クラスプがかかっている歯を痛めてしまう、などの欠点がありました。

 近年になってバネを使わない義歯(ノンクラスプ義歯)が実用化され、そのような欠点が解消されるようになりました。素材にはスーパーポリアミドという特殊なナイロンが使われており、バルプラスト義歯ともよばれます。

その特徴は、

1.義歯床と一体成形されるウイング状の維持装置が残存歯の根もとを取り囲む構造のため、金属の露出がなく審美性が高い。また、バルプラストは透明なピンク色のため、歯ぐきの色と同化して義歯の境目が目立たない。(写真の左半分がバネなし義歯、右半分がバネのある保険の義歯です。)

2.弾力性が高くフレキシブルな素材で、非常に丈夫なため床をかなり薄く軽くできるので快適であり、長年の使用
でも破折することがない。

3.クラスプによる残存歯へのダメージがなく、金属を使わないので金属アレルギーの心配がない。

4.義歯の床と維持部が同じ素材で一体成形されるので適合性や安定性がよく、またお餅やガムが付着しにくい。

 以上のように、バネなし義歯はクラスプが気になる方には最適ですし、残存歯を削ったりかぶせたりする必要がありませんので、健全な歯を削りたくない方にもお勧めできます。ただし残存歯が極端に少ない場合、バネなし義歯を入れるのが難しいケースもあります。

 費用は入れる歯の本数により異なりますが、目安として上下の片方につき12万円から20万円くらいです。

 
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