インプラントはどうしても高額な治療になってしまいますから、患者さんとしてはとても気になるところだと思います。一言で云うと、 インプラントの耐久性は人によって違います。

人間の寿命に個人差があるように、インプラントの寿命も人によって違います。個人の顎の骨の条件（骨の量、質、下顎管や上顎洞との距離など）、全身的な条件（糖尿病や骨粗鬆症、悪性腫瘍などの全身疾患）、喫煙、歯周病や歯ぎしり、歯を失った理由や欠損の範囲などのファクターが影響します。

　ただ、適切な治療を行ない、適切なセルフケアと定期的なメインテナンスによって、長期間にわたって安定した予後を期待できます。長期間の報告では、現在では10年後に90％以上のインプラントが機能しているといわれています。我々術者側も、できるだけ長期間、できれば一生涯インプラントが機能してほしいという思いで入れていますし、そのための専門的な勉強や研修もかかせません。患者さんにとっても、相当の費用や時間をかけて入れたインプラントが数年でダメになったら、心身ともにダメージは計り知れませんから。