[クラシックCD推薦盤100]

 

クラシックCD推薦盤100☆バロック音楽

コメントは、順次記入していきます。


ブクステフーデ:オルガン名曲集
ブクステフーデ:コラール《あかつきの星の美しきかな》BuxWV223ほか
演奏:アラン(オルガン)(ERATO WPCS-5683〜5684 \1,942 2CD


ブクステフーデ(1637-1707)は、北ドイツのリューベックで活躍した作曲家です。彼の音楽は、若いヘンデル(1685-1759)やJ.S.バッハ(1685-1750)に影響を与えました。青年時代のバッハが、ブクステフーデの音楽を聴くために、教会オルガニストの仕事を放り出してリューベックまで徒歩旅行を敢行したことは有名な逸話です。
若き日のバッハを感動させたブクステフーデの華麗なオルガン曲の数々を、マリー=クレール・アランのオルガンで聴いてみてください。

 


ドメニコ・スカルラッティ:クラヴザンのための作品全集
演奏:ロス(クラヴザン)(ERATO 2292-45309-2♪♪♪ 34CD


34枚のCDにスカルラッティの555曲のソナタが収録されています。1984年の6月から1985年9月までの録音ということは、1日平均2曲のペースで録音されたことになりますが、確かな技巧と躍動感のあるリズムは さすがロス! といったところ。
いきなり全集はちょっと という方は、19曲の選集(ERATO WPCS-21069 \951)をどうぞ。

 


フランソワ・クープラン:聖水曜日のための3つのルソン・ド・テネーブル
演奏:ネルソン、カークビー(ソプラノ)、ライアン(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、ホグウッド(チェンバー・オルガン)(L'OISEAU-LYRE POCL-5214 \1,748)


パリのロンシャン女子修道院のために作られたとされる《ルソン・ド・テネブル》(直訳すると、「暗闇tenebreの読誦lecon」)は、深夜行われる聖務日課の時間のための音楽で、当時の宗教音楽としては珍しく、ソプラノ、ヴィオラ・ダ・ガンバ、オルガン(またはクラヴザン)という小編成で演奏されます。
このホグウッド盤では、2人のソプラノ(ネルソン、カークビー)の透明な歌声と、オルガン、ヴィオラ・ダ・ガンバの音色が溶け合って、暗闇にゆらめく灯火(ともしび)のような美しい世界を見事に表現しています。

 


 

オトテール:管楽器のための組曲、ソナタ、小品集
フルートと通奏低音のための組曲 作品2、ミュゼットの奏法 作品10 ほか
演奏:ブリュッヘン(リコーダー) クイケン(フラウト・トラヴェルゾ)ほか(SEON SRCR2104〜2105 \3,107 2CDSEON SB2K62942♪♪ 2CD


    オトテール(1674-1763)は、フラウト・トラヴェルゾ(フルートの祖先)の普及と木管楽器の演奏法の向上に貢献したフランスの作曲家。オトテールが作曲した木管楽器のための作品を、ブリュッヘンはリコーダーで、クイケンはフラウト・トラヴェルゾで演奏しています。リコーダーというと小学校の音楽の授業で使われるため一段下の楽器と思われがちですが、このCDを聴いていただければ、そんな偏見もなくなると思います。

 


ヘンデル:木管楽器のためのソナタ全集
演奏:有田 正広(フラウト・トラヴェルソ)、花岡 和生(リコーダー)、本間 正史(バロック・オーボエ)ほか(ARCHIV POCA-2540〜2542 \4,951 3CD


 

有田 正広さん、花岡 和生さん、本間 正史さんという3人の名手たちによるヘンデルの木管ソナタ全集。鈴木 秀美さん(チェロ)をはじめとする通奏低音陣と共に、味わい深い演奏を繰り広げてくれます。




ルクレール:ヴァイオリン・ソナタ集
ヴァイオリン・ソナタ作品5より 第4、6〜8、10、11番
演奏:寺神戸 亮(バロック・ヴァイオリン)、ルセ(チェンバロ)、上村 かおり(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、鈴木 秀美(バロック・チェロ) (DENON Aliare COCO-75720 \2,913)


    ルクレール(1697-1764)は、パリのオペラ座、コンセール・スピリチュエルで活躍したヴァイオリニストで、ヴァイオリンのフランス楽派の創始者とされています。寺神戸亮さんは日本が誇るバロック・ヴァイオリンの名手。ルクレールの魅力を余すことなく表現しています。

 


 

J.S.バッハ:管弦楽組曲第2番BWV1067、第3番BWV1068
演奏:プレストン(フラウト・トラヴェルソ) ピノック指揮、イングリッシュ・コンサート(アルヒーフ POCA-2524 \1,748)


    4曲あるバッハの管弦楽組曲のなかでは、フルートの活躍する第2番、「G線上のアリア」の原曲であるエアを含む第3番が特に有名です。
    ここではピノック/イングリッシュ・コンサートのオリジナル楽器による演奏を紹介します。第2番ではフルートの代わりに、その先祖である「フラウト・トラヴェルソ」が用いられていますが、その柔らかく素朴な響きが魅力となっています。祝祭的な雰囲気で始まる第3番も好演。有名なエアはバロック・ヴァイオリンのしっとりとした音色で、ゆったりと奏でられます。

 


J.S.バッハ:協奏曲集
ヴァイオリン協奏曲第1番 BWV1041、第2番 BWV1042、2つのヴァイオリンのための協奏曲 BWV1043 ほか
演奏:寺神戸 亮、若松 夏美(バロック・ヴァイオリン)、鈴木 雅明指揮、バッハ・コレギウム・ジャパン(BIS BIS-CD-961 ♪♪♪)


このCDには、3曲のバッハのヴァイオリン協奏曲が収められていますが、なかでも「2つのヴァイオリンのための協奏曲」が秀逸。
寺神戸さんと若松さん(2人ともバッハ・コレギウム・ジャパン=BCJのコンサートマスター/ミストレス)の呼吸もぴったり、最小限の編成でサポートするBCJのアンサンブルに支えられ、端正なバッハを作り上げています。




 

J.S.バッハ:平均率クラヴィーア曲集第1巻、第2巻 BWV846〜893
演奏:リヒテル(ピアノ)(BMG GD60949 ♪♪)


“ピアノの旧約聖書”にたとえられる平均率クラヴィーア曲集。その第1曲は、グノーが美しい旋律(アヴェ・マリア)を付けたことで知られているように、どこかロマンティックな香りがただよう曲集です。
リヒテルの演奏は、この曲集が持つ叙情的な部分をとことんまで追求しています。




J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ/パルティータ BWV1001〜1006
演奏:シェリング(ヴァイオリン)(DG 437365-2 2CD ♪♪)


ヴァイオリニストにとって試金石ともいえる名作。
シェリング2度目の全集録音は、スケールが大きく、表情豊かで、しかも澄み切ったバッハになっています。




 

J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番〜第6番 BWV1007〜1012
演奏:鈴木 秀美(チェロ、チェロ・ピッコロ)(BMG-DHM BVCD-1632〜1633 \3,048 2CD


    鈴木 秀美さんは日本を代表するバロック・チェロの演奏家。ソリストとしての活動のほか、バッハ・コレギウム・ジャパンの首席チェロ奏者としても活躍しています。 
    鈴木さんは、バッハの音楽を過度に聖化する風潮に疑問を投げかけ、「バッハが作品を書いた30歳代にふさわしい演奏があっていい筈だ」という見解の持ち主。この演奏で描かれる「等身大のバッハ」は新鮮な感動を与えてくれます。

 


J.S.バッハ:マタイ受難曲 BWV244
演奏:トゥリュク(福音史家)、コーイ(イエス)他、鈴木 雅明指揮、バッハ・コレギウム・ジャパン(BIS BIS-CD-1000〜1002 3CD ♪♪♪)


<マタイ受難曲>は、バッハの死後長らく演奏されず、忘れ去られていたのですが、メンデルスゾーンにより1829年にベルリンで復活蘇演されたのがきっかけとなり、名曲として再認知されるようになりました。
ペテロがイエスなど知らないと答えた後で鶏が鳴くのを聞き、イエスの預言した「鶏が鳴く前に、お前は私のことを3度知らないと言うであろう」という言葉を思い出し涙する場面で歌われるアリア「憐れみください、神よ」や、合唱「私たちは涙を流しながらひざまづき」などは、クリスチャンならずとも心を揺さぶられます。また管弦楽伴奏では、フルート、オーボエ、ヴァイオリンなどが、アリアで独唱のメロディ絡み合うオブリガードの音色で彩りを添えます。
往年の名指揮者 リヒターやコルボによる名演も遺されていますが、最近の録音では、鈴木雅明/バッハ・コレギウム・ジャパンによる格調高い演奏(1999年3月録音)がお薦めです。

 


伝ヴィヴァルディ(シェドヴィル):フルート・ソナタ集《忠実な羊飼い》
演奏:ランパル(フルート)、ヴェイロン・ラクロワ(チェンバロ)(エラート WPCC-5013 \1,942)


長い間、ヴィヴァルディの作と思われていましたが、最近になってシェドヴィル(1705〜82)の作品と判明しました。
偽作だとしても、この曲の価値が減ずる訳ではなく、フルートによって奏でられる牧歌的なのどかさにあふれたメロディは、この曲を聴く人を魅了することでしょう。




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